『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ザ・マジック・アワー」 十三谷

2008年06月24日 | 映画
『アフタースクール』の後に、この映画見たから、ものすご~くアホが目立った。
西田敏行のボスはじめ登場人物、アホばっかり!
この三谷作の架空のファンタジー世界=守加護(スカゴ)では、これが当たり前なんか?
USJか、ディズニーランド(隣の商業施設イクスピアリでは本当のマジック・アワーが常時見れる!)の町並みそっくりの、この守加護という町の人たち(キャスト)は、ゲスト(お客さん=観客)を楽しませるために、エエ人ばっかりなんやろ。
このアホさがこの町のリアルであることを認識せんと楽しめんわ。
ボスが牛耳ってる町のホテルの窓を開けっ放して、ボスの情婦とイチャついてるって、アホやん!
最初っからつまずいてしまったから、もうあかん。
基本設定は監督自身大好きな『サボテンブラザーズ』からのいただきで、すでにTVドラマ「合い言葉は勇気」でやってたネタやけど、あちらの売れない役者:役所広司は「偽者として弁護士のフリをしてくれ」と知った上で連れてこられたのに対し、こちらの売れない役者:佐藤浩市は、本当の目的を知らず俳優として連れてこられてる。
ここで生まれる噛み合わないセリフの応酬が本来面白く感じられないといけないんやけど、もう白々しく見えてしゃーなかった。
でも、劇場内は大爆笑!
このへん、舞台感覚なんやね。
空気読めてない人は、完全に蚊帳の外。
なんか「爆笑レッド・カーペット」で、「おい、おい、こんなネタに“満点お笑い”したったら、芸人のタメにならへんで~」と思いつつ三谷監督に一言。
最初はビリー・ワイルダーを目指して映画の世界に踏み入れたはずなのに、ヒットメーカーとして期待されてしまい、この作品ではパロディがあからさまでメル・ブルックスの映画みたいになってる。
本来の三谷ラインからどんどんはずれていってる様は、邦画不遇の時代に東宝の屋台骨を支えさせられた伊丹十三みたいになってる気がするぞ~。
もう二個も当てたんやから、これからは本当に好きな映画を撮ってくださいよ。
才能ある人やと、まだ思ってますんで。


★1/2
市川崑監督オマージュのエンディングのキャスト紹介映像、ふだん市川崑監督に傾倒してないのに取ってつけたようにやるもんだから、三谷映像にゴシック明朝って、全く似合ってなかったわ!