『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「グエムル 漢江の怪物」 韓国の黒沢さん

2006年09月07日 | 映画
「殺人の追憶」で韓国の黒沢明と異名をとったポン・ジュノ監督の新作が怪獣映画だと!
そんで「カンヌでの評判が上々でうんぬん」っていう評判は話し半分で聞いてたけど、ここまでとは!
「怪獣映画といえば・・・」としか思えない硬直した頭の私は、ソン・ガンホ同様麻酔ナシで頭に穴を開けられた気分です。
いや、もう怪獣映画というよりスピルバーグの「JAWS」同様のエンタメ大作やんか!
「シュリ」が日本における韓国映画の転換点と言われてますが、その時より衝撃的でしたよ、私には。

冒頭、米軍基地の霊安室のシーンから、なんかもう他の映画とは違う匂いがプンプンしてましたが、怪物が露になって大暴れしだすと楽しくってしかたないわ~。
多用されるスピード感あふれる横移動が気持ちいいし、「スパイダーマン」ばりの怪物の動きや、突飛な出没の仕方、音楽で驚かすというより存在で驚かす怪物は、ともすれば足の生えた魚になりかねないのによくぞ作り上げ、動かした!
SFXの大家はILMからWETAへ移った気さえする。
デモ運動ばっかりしてたから火炎瓶とか、詰めの甘い血筋なので銅メダル級止まりのアーチェリーといった自分の半生に即した武器も楽しい。

あと、お笑い。
私的にはこのお笑いのシーンがことごとく家族愛に繋がってるとこもキュンキュンきました。
「屁の音」だけで子供の体調がわかる(私はまだうん○見てわかるレベルやわ!)とか、
大親父の見せ場ラスト一発で仕留めまっせって時なのに、誰かさんが弾数の計算間違いしてるわで、でもそれは大親父自身がタンパク不足にさせてしまったからと思ってしまってたわけで、
その最たるシーンは、疲れ果てた家族たちが屋台でカップラーメンの晩餐中に共通の幻を見るシーン。
「クムジャさん」でも似たようなシーンがありましたが、黒沢清を感じさせるシーンでもありました。
そして、娘であり孫であり姪であるこの少女がいかに愛されていたかわかる最高のシーンなのですが、子供を失うものの気持ちというのは一生味わいたくないものです。

傑作怪獣マンガ「The World is mine」を深作健太が興味持っているみたいですが、韓国映画界に権利譲っちゃってくださいよ~!
ちなみにソン・ガンホのダメっぷりのモデルは「最強伝説 黒沢」です。
嘘です。



★★★1/2