AOBATO'S PHOTO

花や鳥たちの美しさや可愛らしい仕草などを写真に修めようと奮闘中です。

猫の心意気

2013-07-09 18:18:33 | 

 

22.人と猫、どちらが生き残れる? 

あたいは考えたこともなかったけれど、おじんはね「この世に最後まで生き残れるのは、おまえら野良猫だろうか。それともわしら人間だろうかな」と自信無さそうに言いながら、「わしが思うに、答えはおまえらだよ」と言うのよ。

今ね、人間社会は食糧難の時代になっていて、飢えに苦しんでいる国々があるらしいのよ。世界には72億の人がいて、毎年1億人ずつ増えているらしいの。30年経たないうちに100億人になると言うのよ。凄い人口だよね。人口が増えれば、食べるだけの人が増えて、食べ物を作る人の割合は減ると言うから気になるのが食糧だよね。

 世界中の食糧基地と言われている多くの大国は、車なんかが開発されたお陰で、温暖化というのに悩まされているらしいのよ。人類は工業化など科学技術を発展させたと喜んでいるようだけれど、おじんの言う「つけ」が温暖化を招いてしまっていて、言うならば、自分らで自分の首を絞めているようなものだと、おじんは言っていたよ。それらの国々では、砂漠化が広がったり、過去になかったような気象異変ででかい台風や豪雨、それに竜巻などが起こり、食糧を作付けする面積がかなりの速度で減少しているそうなのよ。

 日本の人らは、アメリカやロシアや中国などは食糧大国だと思いこんでいて、何も心配していないらしいけれど、この様な国々も実は、食糧の輸入国らしいのよ。 

 景気が悪いの、株価がどうのと世界中で空騒ぎしているようだけど、おじんの話を聞くうちに、日本は大丈夫なのかなぁと心配になってきたよ。おじんが言うように、30年後には餓死者が出るようになると言うことも、まんざら絵空事ではないのではと、あたいでさえ胸騒ぎがしてきたの。そうなったら、チャペル君らどうなっちゃうんだろう。人ごと、いや猫ごとではないわ。人さんらがいなくなれば、環境が変わったり、身近な問題として残飯が無くなるのよね。そうなったら、あたいらにも大きな問題なのよ。

 でもね、そんなことにならない国だって有ると、おじんは言っていたよ。フランスという国らしいのよ。フランスはね、日本と違って、何事でも100年先や1,000年先のこと、つまり、そんな先の時代の人々が安心して豊に暮らせるような手だてを、国が国民と一緒になって考えて、具体的に備えているというのよ。おじんのいる国は何かが起きてから慌てているらしいけれど、フランスなどは、それが起こらないように備えているというの。だからね、パリという華やかな文化都市があるらしいが、そのパリから少しだけ郊外へ向かうと、あっと驚いてしまうほど、その辺りは見渡す限りの小麦畑が広がっているというの。国中にこの様な畑が広がり、フランスの食糧自給率とかいうのは140%だというのよ。これが国力というものだとおじんは言っていたよ。日本はね、それが僅かに38%位いで、近いうちにはT??何とかという外国との協定が結ばれれば、さらに低くなって25%に下がると、国の役所自信が言っているそうなのよ。そうなれば次第に国力は乏しくなり、穴のあいたバケツみたいになり、見ていられない状況だとも言っていたけど、フランスとは偉い違いよね。

 こんな深刻な状況がすぐそこに迫っているというのに、日本人は、人受けしたいがために、安心安全で豊かな社会を作ると言っているようだけれど、そんな話しをし始めて、もう何十年経ってしまったか。つまり未来どころか不確実さが増していて、何時まで経っても、出るご意見通りにはならないは、火を見るよりも明かと、おじんは言っていたよ。おじんは、生きて行かなくてはならないから、委員らが唱えてる目先のことを否定する訳じゃないけれど、1,000年先のことも同時に考えないと、日本沈没という映画があったけど、地震が起こる前に「つけ」は忘れることなくやってくると思うのよ。おじんの話を聞いているうちに、人様の将来のことが、はっきりやばくなる様な気がするのよ。

 あたいは算数は習っていないけれど、こんな将来が見えてきたからには、おじんが言う通り、あたいらの世界が生き残れるか、人の世界が生き残れるかは、考えるまでもなく、あたいらの勝利というものよ。「わが野良猫軍団は、永久に不滅です」これぞあたいらだけに言える名言だよね。にゃん。