あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

プロの味わい。

2010-06-17 23:20:07 | 本(料理の本)

シネマ食堂 シネマ食堂
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2009-09-04
これは図書館で借りた本です。

でも、すごく欲しいと思っているのです!

読んでみて、よけいにそう思いました。

著者の飯島奈美さんは、CMを中心に、映画の料理制作も手掛けるフードスタイリスト。

私も飯島さんを知ったのは、『かもめ食堂』という映画でした。

この本は、『AERA』に連載した、映画のシーンに出てきた料理を再現した企画をピックアップしたものですが、最初の1章は飯島さんの携わった映画の料理になっています。

(表紙も、『かもめ食堂』に出てきたシナモンロールです)

2章以降は、洋画、邦画、アジア映画と、さまざまなジャンルの映画の料理が再現されています。(映画じゃないのもありました『きょうの猫村さん』とか)

どの料理も美味しそうだし、飯島さんが携わった映画のページも、懐かしの映画の思い当たる料理も、観たことのない映画のシーンも、想像をかきたてて面白い。

でも、私が一番印象に残ったのは、撮影裏話などを語る“しごと日記”と、あとがきでした。

“料理が登場する映画を探して、年間140本くらいは観ているでしょうか”

“ときには2倍速、10倍速で観て、料理のシーンが出てきたら、改めてはじめから観たり”

なんて言葉に驚いたり、シフォンケーキを17個も試作したとか、ネコムライスのレシピを試行錯誤するうち、おなかいっぱいになったりしたエピソードなどにため息ついたり。

でも、大変なことが山ほどあっても、超ハードスケジュールでも、つくるのも、食べるのも大好き、という言葉の通り、本当に楽しんで仕事をしているんだ、ということに感動します。

それに、映画の料理を手掛けるときは、“シーンの意味を想像しながら食卓の献立を考えます”“どうしてそのシーンでその料理なのか、自分なりに理由が欲しいし、監督にも納得してもらいたいからです”という言葉には、当然といえば当然なのかもしれませんが、ああ、これがプロの仕事なんだ、と思いました。

料理への愛と、プロの心意気があふれた1冊。欲を言えば映画の情報がもう少し欲しかったですが、気になった映画を観てから読み返せば、また別の味わいがありそうです。

コメント (4)
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