あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

思いがけない、風邪のおまけ。

2011-01-24 23:17:38 | 日記・エッセイ・コラム
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今シーズン何度目かの風邪をひいてしまいました。
勤めもお休み。もっとも熱は7度2分くらいだったので、出ようかどうしようか迷いましたけど。
でも仕事は忙しい時期ではないし、人に感染しても迷惑なので休むことに。
ところで私はよくあることなのですが、風邪のひき始めには雪の夢をよく見ます。
(たぶん寒かったからなのでしょうが、これって私だけでしょうか?)
今回も見ました。デパートの屋上に人工雪を降らせる施設があるというので、見に行くのです。
すると、屋上には東欧の町並みのような精緻なミニチュアの街並みがあり、その上に雪が降り積もっているのでした。
オレンジの光にライトアップされた、その小さな街の美しさ、可愛さと言ったら!
頭上では人工降雪機が粉雪を振り落とし、自分がスノードームに入ったみたい。感動して写メを撮っているうちに目が覚めました。
なんだかいい夢で、少し得をしたような気持ち。
でももちろん、熱が高くなったり具合がもっと悪くなると、奇妙な重苦しい夢を見ます。
そのときは、“夢は五臓の疲れ”という言葉を実感しますね。
でも今回は、ちょっとしたおまけをもらったような気持ちでした。
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大切なものは、目に見えない。

2011-01-23 01:09:38 | 日記・エッセイ・コラム

先日、猫友達の方(って、言っていいのかな…)にお誘いいただいて、上野の森美術館で開催されている、龜甲展を観てきました。

古代文字はおろか、書に関してさえまったく無知な私。

解説までしていただいて、大変勉強になりました。

そうして、書の中に英文がデザイン的に組み込まれた作品が少なくなかったのですが、とくに、仏語で『星の王子さま』の一節が引用された書は、印象的でした。

L'essentiel  est  invisible  pour  les  yeux.

大切なことは、目に見えないんだ。

星の王子さまが、砂漠で出会ったキツネに言われる言葉です。

ちょっと衝撃でした。『星の王子さま』は高校生の時に読みましたが、やはり女子高生だと、王子さまと薔薇のやり取りや、センチメンタルな美しさのある日没の章などに魅かれてしまうのですよね。

キツネは、当時は好きではありませんでした。と、いうか、怖かったのかな。私の中ではなんとなく、裁きを下すカミ(精霊)のような印象でした。

けれど思い返してみると、この物語の核はキツネとの会話にあるのではないかと、はじめて気づいたのです。

もっとも、当時の私のサン・テグジュペリ作品のベストは、『星の王子さま』ではありませんでした。元々、『夜間飛行』を先に読みましたし。

(たぶんその作品からイメージされたのではないかと思われる、“ヴォル・ド・ニュイ”という香水に憧れたのも、いかにも少女趣味ですが、懐かしいです)

当時の私が何度も読み、一番好きだったのは、『人間の土地』という本でした。

今から思えば不思議です。とても地味な本なのです。エッセイとも、ドキュメントとも、回顧録とも、そして物語とも言い難い内容で、ストーリーはあってなきがごとしです。

しかも読んでいると、作者が飛行家だったせいか、砂漠の土地を、そして地球を空から見下ろしているような気分になり、そうしてその目線で見る地球は何とも寂しいのでした。

そして、考えているうちに気づきました。二十歳前後だった私が、あの本に魅かれたのは、あれが“死”の物語だったからだと。そうして思えば、『夜間飛行』にしろ『星の王子さま』にしろ、すべて物語の底には、死が横たわっているのでした。

初めて死について考えたのが、私は6歳の時でした。そうして再び真剣に考えたのが、二十歳前のあの時期だったのでしょう。今、人生の半ば過ぎに立つ自分にはそれが分かったのだし、あと二十年たち、もっと死が身近になれば、別の感慨がわいてくることでしょう。

そうして、今の私には、“目に見えないもの”は、生と死のはざまにあるように思えたのでした。

書に向かいあって、ほんの少し、自分にはうかがい知れないそのものの影を感じたような不思議な時間でした。

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四半世紀後の続編。

2011-01-19 23:39:08 | 本(児童書・絵本)

Father Christmas Goes on Holiday (Picture Puffins) Father Christmas Goes on Holiday (Picture Puffins)
価格:¥ 923(税込)
発売日:1977-08-25
このあいだ、先輩に貸していただきました。

『さむがりやのサンタ』の続編の『サンタのなつやすみ』、ピクチャー・パフィン版!

『さむがりやのサンタ』を友達に借りて読んだのはまだ中学生の頃でしたから、続編を読むまでに実に四半世紀以上の時が流れたわけです。長かったな……。

でも、先輩はこのサンタのことを“男おひとりさま”と言っていましたが、たしかに、おひとりさま同士としては共感するところ大でした。ローティーンの頃より、今の方がこの絵本は味わい深いのかも。

さて、この巻ではサンタは夏のバカンスを楽しむわけですが、人生を楽しんでいていいな、と思う部分と、ちょっとほろ苦くて、ああ、分かる。ひとりって辛いこともあるよね、という部分が入り混じっています。

たとえば、フランスで、色々なものを食べすぎたせいでしょうか、少し具合が悪くなってしまうエピソードがあるのですね。たったひとりで、しかも旅先で病気になるなんて心細いな、だけど、ひとりで生きていくっていうのは、つまりはそういうことなんだ、と思ったり。

少しヘタレというか、トホホな失敗もあるし、ちょっとクスッと笑ってしまう部分もある。たとえば、フランスに行く前にサンタが一生懸命フランス語を勉強するところとか。それがなんとか通じて、無邪気に喜ぶのもカワイイ。

でも、サンタにはラスベガスには行ってほしくなかったなぁ……。子どもの頃に読んだらちょっとショックだったかも。

個人的にツボだったのは、一緒に暮らしてる犬と猫をペットホテルに預けるのですが、“じゃあね”とサンタが声をかけて出かけるとき、犬はケージに飛びついて別れを惜しむけれど、猫はすねて背を向けているのですよね。でも、そんな猫がちょっといじらしい……。

サンタが迎えに行ったときは、犬も猫もサンタに飛びついていくんですけどね。

思った以上に盛りだくさんな、読んでいる方もサンタと一緒に旅したような気分になる絵本でした。

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重さと軽さの絶妙なバランス。

2011-01-19 23:04:49 | テレビ番組

母ともども、『相棒』をいつも楽しみに観ています。

『相棒』、というと社会派のイメージ強いですが、今回のストーリーはちょっとユーモラスなところもある小品で、こういうのも大好きです。

重い話、やるせない話、憤りを感じる話もあるけれど、その中にふとユーモアもあり、また、今回のようなちょっと軽めのストーリーが織り込まれるのもいいところだと思っています。

また、かつての杉下右京氏の相棒亀山薫くんも良かったのですけど、今の神戸尊くんもお気に入りです。勝手に、亀ちゃんは犬的、尊くんは猫的だなぁ、と思ったりして。

右京さんが「~して下さい」と言うとき、亀ちゃんだったら理由なんて聞かなかった。「ハイッ!」とすぐに走り出していって、骨身を惜しまず働いて、右京さんを信じ切ってた。千切れそうに振る、しっぽが見えてきそうでした。

一方尊くんは、文句いうし時に逆らうし、必ずしも忠実ではないですけど、演じる及川氏が『ほめてもらいたくて頑張る、可愛いところもある』というとおり、なんか憎めない。

前回の話かな、「このバルサミコのソース、美味し~い!」とか言ってる様子に、「ギャルかっ!」と突っ込みたくなりましたけど、甘え上手だなぁ、とも思います。彼のキャラを活かしたちょっとユーモラスな話も、もっと観たいなぁ。

ところで、公開中の劇場版は完全社会派ですけど(しかも、衝撃の結末は看板に偽りなし)、去年の年末母と観に行ったとき、後ろに、叔母さんらしき人に連れられた小学生女子3人組(5、6年生くらい)が座ったので驚きました。

叔母さん(?)が「ヤマトがよかったのに~!絶対感動するんだから~」と言うのへ、「ヤダ。相棒がイイの。ウチのクラスにも好きな子他にもいるよ」と言いかえしていて、渋いなぁ、と思いました。

叔母さん(推定)が、「〇〇ちゃんて、ホントは45歳くらいなんじゃない?」と言ったのは、まさにそのあたりの年代の私はちょっと苦笑。

観終わってから、『こんな重い話で大丈夫だったかなぁ』と思いましたが、叔母さんと話してた子が「これからどうなっていくんだろう。早く続きが観たい!」と言いながら颯爽と出て行ったので、変わった小学生もいるんだなぁ、と感心。

まぁ、私の小学生の頃を考え合わすと、ひとのことは言えませんけど……。

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聞いたことのない、不思議な声。

2011-01-18 00:32:06 | 本(ミステリ・アンソロジー、その他)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
価格:¥ 580(税込)
発売日:2008-12-25
友だちが、“絶対好きだと思う”と言って貸してくれた本です。

確かに好きなタイプのストーリーでした。でも、思った以上に変わってる!

過去直木賞の候補にノミネートされたりしているし、話題の作家なので読んだことはなくとも、少しはこの作家の作品についての知識はありました。

ファンタジー、に属する話なのかな、ということ。そして、独自の個性と文体を持っているということ。

でも、想像していた以上でした。ちょっとへんてこりんというのかな。突然、不思議な世界に入るというのか……。

しかも、大人になってしまうと子どもの頃のようには物語世界に入りきれないものですけれど、不思議にふいっと入りこんでしまって、連れ回されるというような……。

しかも文体も、独自の色というのか、自分の声というのか、とにかく、出会ったことのない感じなのです。

耳を澄ますと、それだけで頭がくらくらしそう。

そうして、“先輩”と“乙女”とともにあれよあれよと引きまわされ、最後はすとん、と(文字通り)着地します。

もちろんクスリ、と微笑まされる部分も随所にあって、すこしふわあ、っと、体が軽くなるような物語です。

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