あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

子ども、それともトモダチ?

2010-12-25 23:38:20 | 本(写真集・ビジュアルブック)

ツブログ (宝島SUGOI文庫) ツブログ (宝島SUGOI文庫)
価格:¥ 480(税込)
発売日:2009-06-05
これは、友だちのお嬢さんからいただいた本です。

犬に育てられた(もと)捨て猫の物語、とのこと。

犬にとっても子猫というのは可愛らしく保護欲をそそるものなのでしょうか。

猫を拾っちゃう(散歩の途中に捨て猫を見つけて飼い主に教える)犬は結構いるそう。

今は亡き、お向かいさんちの犬ロッキーも、迷い猫を自分の小屋に呼び入れてごはんも分けてあげてました。

この本でも、琴、というメスの先住犬がお母さん代わりとなって子猫たちを抱いてあげてて、それがほほえましくもとっても可愛い。

そして兄弟たちがひき取られていき、残ったのが主人公(?)粒ちゃん、というわけです。

粒のブログだから、ツブログ。それをもとにしたフォトブックです。

最初は完全に親子だったのが、もう1匹の先住犬禅とともに、三つ巴の友だち関係みたいになってきて、猫と犬たちはお互いをどう思っているのかな、ってとっても気になります。

子猫のつぶらな瞳を見ていると、あやの少女時代が思い出され時に切ないですが、3匹ともホントに可愛い!

そうして私も飼い主さんと同じく、犬に育てられた粒ちゃんが、どんな猫になっていくかも興味深いです。

それから、これを贈ってくれたお嬢さんも、今中学生。私にとっては1年はあっと間で、去年と変わり映えしないけど、彼女は1年で別人のように変わっていくのだなぁ、としみじみしました。

可愛い本をありがとう。そして、日に日に、昨日までの自分じゃないことを発見する季節を、楽しんでいってほしいな。

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猫のいる風景。

2010-10-29 23:19:27 | 本(写真集・ビジュアルブック)

今日、同僚からチュニジアで撮った猫の写真をもらいました。

同僚はこの10月、中東経由で北アフリカに入り、スペインに移り、また北アフリカにもどる、という長めの旅行に行ってきたのですが、モロッコがメインと思っていたのが、旅の終わりに立ち寄ったチュニジアが思いのほか良かったそうです。

カルタゴの遺跡などの観光地もあり、白い壁に青い扉の美しい街並みなど、印象に残るところが色々あったとか。

そうしてふと、彼女に聞かれました。

「チュニジアにはたくさん猫がいたんですけど、以前“チュニジアには猫が多い”って教えてくれたの〇〇(私の名前)さんでしたっけ?」

え、私だったっけ?と、まったく記憶がなかったのですが確かにこの本は図書館で借りたことがありました。

地中海の猫 地中海の猫
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:2000-11

手元に本がないのですが、この中にあったのかなぁ、チュニジアの猫……

猫がいっぱい、というとどうしても『猫の泉』という哀感のある怪奇短編を思い出してしまう私ですが

でも同僚がくれた写真には、若い男女(画学生?)が猫をスケッチする様子と、悠々としてモデルになっている猫とが写った、微笑ましいものがありました。

海外旅行には縁のない私ですが、猫のいる白い街の風景は、見てみたくなりました。

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かえっておいで。

2010-08-22 22:39:14 | 本(写真集・ビジュアルブック)

にゃんきっちゃん にゃんきっちゃん
価格:¥ 945(税込)
発売日:2008-05-07
何度か書きましたが、図書館に行くとたいてい子ども室もチェックします。

そうして、入口にスタンドがあって、その月のおススメ本がディスプレイされているのですが、“写真絵本”の特集だったときに、この本を見ました。

でも、立ち読みしただけで借りなかったんですよね。

まだあや(5月に逝ったうちの老猫)を見送ったばかりであり、家に持ち帰ったら母が悲しむのでは、と思って。

でもその後借りようとしても見かけないので、ちょっと残念に思っています。

独特の魅力のある猫写真を撮る、岩合光昭氏のフォト絵本。

文章は岩合日出子氏(奥様?)が書いてらして、これが写真に劣らず素敵なんです。

白猫にゃんきっちゃんの、四季それぞれの姿を写真と文章でつづったもので、とくに心に残ったのは晩秋のページです。

一度立ち読みしただけなので記憶が曖昧ですが、秋の夕暮れ時のにゃんきっちゃんの写真に、

 “にゃんきっちゃん、かぜはつめたい

  かえっておいで”

と書いてあったのがちょっとキュンとして。

ほんとうに、外に出す猫だと、寒い日や悪天候のときに帰っていないと不安になるし、完全室内買いだったあやだって、いまだ逝ってしまったのが完全に信じられず、かえっておいで、という言葉が、本当に胸にしみるんです。

あとがきに、“にゃんきっちゃんは、家族のひとりです。”とありましたが、きっと同感されるかたも多いことでしょう。

なにげない猫の日常が胸にせまる、やさしい絵本です。

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男の子たちの、小さきものへの愛。

2010-07-06 22:47:45 | 本(写真集・ビジュアルブック)

『郷愁のメロディ』について書いて下さったシンさんのコメントから、ふと思いついたことがあったので書きました。

男の人(オタクの?)って、小さい女の子も好きなのでしょうけど、彼らが子どもだったときはそもそも虫が、好きな子多いですよね。

大人になっても虫が好きな人は、子どもの頃悲しいことがあったひと、って誰かが言っているのを聞いたことがあるのですけど、そういえば宮崎駿氏も王蟲とか出すくらいですから、虫好きなのかな、と思います。

その説の真偽は置くとして、小さきものを愛する人は、やはりデリケートな感性を持っているのだろうと思います。

ファーブル昆虫記の虫たち〈1〉 (KumadaChikabo’s World) ファーブル昆虫記の虫たち〈1〉 (KumadaChikabo’s World)
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:1998-03

この画集の繊細さなどは、虫にあまり興味のない私も、ちょっと感動します。

それと、だいぶ以前ですが、TV番組を観ていて面白く思ったこともちょっと思い出しました。

タモリ氏が、毎回色々な分野の専門家を読んで話を聞く教養バラエティーのような番組だったのですが、その日のゲストは昆虫の専門家でした。

そして、その先生が虫かごに入れてきたのはトタテグモ。巣穴を地面に掘り、その入口に自分の糸と土で小さなドアをつける地蜘蛛の一種です。

先生はそのクモの求愛行動について説明していました。雄が、気に入った雌の巣穴のドアを叩く。すると、雌も受け入れる気持ちがあるとドアを開けてくれる。でも開けてくれなければ、雄はあきらめて去るというのです。

けれど、その連れてきた雄は、雌が一向に開けてくれる気配がないのに、何度もドアをその前脚(?)で叩いているのでした。

それを見て、その先生は言ったのです。

「この娘さんを、よっぽど気に入っているんやね」

わたしは脚の長い虫、とくに蜘蛛が大嫌いなのです。一番苦手なのは幽霊蜘蛛と呼ばれる脚のひょろ長いヤツですが、比較的短い地蜘蛛だって、好きではありません。

でもその先生の言い方は優しく、クモへの愛情と親しみに満ちて、思わず、一瞬だけ雌グモが可愛い娘さんに思えたのでした。

今でも地蜘蛛を見ると、その時のことを思い出して笑ってしまうことがあります。

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不完全な輪と、猫と。

2010-04-26 18:28:22 | 本(写真集・ビジュアルブック)

夢色の風にのる猫 (1978年)
価格:¥ 735(税込)
発売日:1978-02

この本は、手のひらサイズよりやや大きめの、猫の詩画集です。

高校生のとき、大好きだった本でした。

詩は、熊井明子氏、写真は西川治氏だったかと思います。

この本の中の一節でいつも思い出すのは、“私たちは欠けたところのある輪で、猫を抱くと、それがぴったりふさがるのです”という一文です。

ウチの老猫あやは甘ったれなので、抱くとたいてい喜びます。

そうして、こちらの身体の凸凹にぴったりとパズルみたいに身体を合わせようとするので、そのたびに、この詩のことを思い出しました。

けれどあやの具合が悪くなってここ数日は、ちがう詩を思い出すようになりました。

市場の野菜売りのおばさんに、若い女の子が、“私の猫がもう4日も帰らない”と打ち明ける詩でした。夜も眠れないし、食事ものどを通らないと。

するとおばさんは新鮮な赤カブを女の子にあげて、これに塩をつけておあがり、と勧めたうえで、こんなことを言います。

“あんたたちちょっと間違ったね。その猫が人間に生まれるか、さもなきゃあんたが、猫に生れればよかったのに”

“でも人生なんてほんの束の間。来世は、二人とも人間に、でなけりゃ二人とも猫に生まれ変われるだろう”

読んだときは、詩の中の少女と同じくらいの歳で、“人生なんて束の間”という言葉が実感できなかった。

でも、今も分かったわけではありませんが、その一節が、妙に最近、心にしみるのです。

老いた猫と過ごす一日一日も、いっそう大切に思えるのでした。

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