あの人の食器棚 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2009-02 |
手紙に“他人の食器棚って気にならない?”と書いてあったのですが、“気になる、気になる!”と思ってしまった。
私が食器に興味を持つようになったのは、二十代の終わりでした。
ときどき覗いていたお洒落なインテリアショップが閉店となり、母と閉店セールに行ったのです。
そこで母は、中型の平皿を買いました。北欧のメーカーのものです。
縁に同心円状の盛り上がりがある他は模様も飾りもなく、色は胡粉を刷いたようなくすんだ白で、灰色にもベージュにも見えたりする。
え、こんな地味な皿?とその時は思いました。
ところが、この皿が料理を盛ってみると、実に映えるんです。美味しそうに見える。
食器ひとつで、食卓が変わるなんて、と新鮮な発見でした。
もっとも、私はセンスがない方で、もっぱら他人のセンスに感心するばかりなのですが。
でも、雑貨屋さんなどの食器のコーナーを見るのは大好き。
この本もどの方の食器棚もそれぞれ、面白かったです。
でも、なにより嬉しかったのはレシピがついていること。インタビューした方それぞれの定番メニューが載ってます。
シンプルなメニューが多いのですが、私が美味しそう!と思ったのは、焼きそばパンと、春キャベツのスープ煮。とくに後者は、季節がらぜひ作りたい!
それにしても、私は今まで、“料理が絵画だとしたら、食器はそれが描かれるキャンバス”と思っていたのですが、この本を読んでいて、そのひとの食を中心とした生活の背景でもあるのだなぁ、と思いました。
ちなみに、本を贈ってくれた友達は食器もプレゼントしてくれたことがあり、色はシンプルな白で、デザインがちょっと洒落ているものなどが印象に残って、センスあるなぁ、と思ったものです。(コロン、とした丸いティーポットとか、カップと組み合わさったデザインのものとか)
その潔い白(くすんでない。磁器らしい純白)は、私にはちょっと、手ごわい感じ。でも、いつか使いこなしたいです。