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LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。 (ほぼ日ブックス #) 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2009-03-12 |
帯に、“「かもめ食堂」のフードスタイリスト飯島奈美がつくる、ほんとうにおいしい22のレシピ”とありますが、私も『かもめ食堂』の映画を観て、料理がとても美味しそうだったので、飯島奈美さんのレシピ本に興味を持ってこの本を買いました。
アマゾンのレビューでは、本が小型でハードカバーなので、キッチンで見ながら作るのに不都合、とありましたが、本の内容が良かったので私としてはかなり満足でした。
いちばん嬉しかったのは、作り方の手順が、細かに写真付きで説明されていたこと。
わかりやすいのはもちろんのこと、眠れない夜などに何気なく眺めるのもいい。
レシピの内容も、ナポリタンやハンバーグ、カレーやロールキャベツなどの基本の洋食や、かもめ食堂にも出てきたしょうが焼きやおむすびなど、依然料理初心者の私にはありがたいメニューばかりでした。
そうして、合間にエッセイも入っていて、それもかなり嬉しかったのです。
最初にぱらぱらと内容を見て、谷川俊太郎さんの“ホットケーキと私”のエッセイなど読んで、さりげないけどさすがの名文、などと思っていました。
ところが、です。そのつぎに、さりげなく挟み込まれていたのです。怖いエッセイが。
よしもとばなな氏の、“カレーライスとカルマ”というエッセイでした。
ネタを割るべきではないと思うので内容は書きませんが、とても怖い話でした。これは本当の出来事かしら、掌編小説ではないの?とも思いました。
もちろん、エッセイとしては面白いのです。というか、名文で迫力があるからこそ、怖いともいえる。でも、レシピ本のなかのエッセイなのだからハートフルな内容だろうと勝手に思い込んでいた私にとっては、かなりの衝撃作でした。(しかも、書き出しはいかにも平和に始まるし)
けれど、本を読みとおしてもう一度見てみると、真ん中に挟み込まれたこのエッセイは、この本の味を引き締める、ピリリとしたスパイス、という気もします。