alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

Fasciaとキネシオテーピング1

2018-06-27 | 間中喜雄先生

2015年7月4日MEDLEY

「変形性膝関節症にキネシオテーピング、膝の痛みが軽減  ランダム化比較試験により」
以下、引用。
「キネシオテーピングは、固定するテーピングとは異なり、その伸縮性を用いて筋肉や皮膚の伸縮、患部の治癒を補助する役割を持つテーピング手法です。今回の研究では、大腿四頭筋という太もも前面の筋肉にこのキネシオテープを貼り付けた効果を検証した結果、歩行中の膝の痛みが改善したことが報告されました。」
以上、引用終わり。
「キネシオテーピング」は、1980年に日本の加瀬建造先生が開発した日本発の治療法です。加瀬建造先生は、1974年アメリカ・シカゴの名門ナショナル大学でドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C)の資格を取り、ニューメキシコ州でカイロプラクティックのクリニックを経営、1980年に『キネシオ・テーピング』を発表しました。1982年には日本の鍼灸師・按摩マッサージ指圧師の国家資格も取得されています。
   現在は、スポーツ医学分野で「筋膜(fascia)」が大きな話題となっており、スポーツ分野の理学療法士さん達の学会誌にも、キネシオ・テーピングは取り上げられています。
 「キネシオテーピング®の理論と基本貼付法」吉田 一也(人間総合科学大学・講師)
『理学療法科学 』Vol. 27 (2012) No. 2 p. 239-245 
    1980年から、「筋膜(fascia)」に注目してきたことや、皮膚テーピングという革命的方法を創案したことは加瀬建造先生の業績で、鍼灸マッサージ業界の先輩としてリスペクトしています。加瀬建造著「 まちがった健康法 ストレッチングは危ない」(2006年)は、私に初めて予防的ストレッチへの疑問を感じさせてくれました。
 
   しかし、一方で、スポーツ医学界では、キネシオ・テーピングへの懐疑論も根強いです。
 
2015年3月27日『ニューヨークタイムズ』
「キネシオ・テーピングは本当に効くの?」
Does Kinesiology Tape Really Work?
 
以下、引用。
「『キネシオ・テーピングが効果的だという独立した科学的証拠は確定していないんだよ』どナショナル・アスレチック・トレイナー・アソシエーション(NATA)の会長で、ペンシルバニア、クレイトン大学のヘッド・トレーナーであるジム・ソーントンは言います」
 “There is no solid, independent scientific evidence that kinesio tape does what it is supposed to do,” said Jim Thornton, the president of the National Athletic Trainers’ Association and the head trainer at Clarion University in Pennsylvania.
 
「『キネシオ・テーピングは筋肉の柔軟性を増し、痛みを減らすような利点があるかも知れないね』『けど、僕たちはまだ、それについてはわかっていないんだよ』とジム・ソーントンは付け加えた。」
 “It is possible that it has health benefits” like improving muscle flexibility and reducing pain, he added, “but we just don’t know yet.”
以上、引用終わり。
   EBMスポーツ医学の立場からは、キネシオ・テーピングに対して、この『ニューヨークタイムズ』の記事の意見がよくまとまっています。
 
2012年の『IBタイムズ』
「キネシオ・テープ:奇跡のテープか、あるいは不当な詐欺か?」
Kinesio Tape: Miracle Adhesive Or Undeserved Hype?
ロンドン・オリンピックの際にカラフルなキネシオ・テーピングを貼ったアスリートが多かったため、キネシオ・テーピング懐疑論もメディアで多く見られました。
 
現在のEBMの立場は、以下の2014年の『理学療法雑誌』のシステマティック・レビューの論文タイトルにそのまま書かれています。
「現在のエビデンスは、臨床でのキネシオ・テーピングの使用をサポートしていない:システマティック・レビュー」
Current evidence does not support the use of Kinesio Taping in clinical practice: a systematic review. 
Parreira Pdo C, et al. 
J Physiother. 2014. 

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