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Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

腰痛EBM最前線:マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)

2018-05-11 | 腰痛

2016年3月31日『ケアネット』
マインドフルネス・ストレス低減療法は腰痛の治療選択肢/JAMA

以下、引用。
「慢性腰痛に対し、瞑想とヨガによるマインドフルネス・ベースのストレス低減療法(MBSR)は、26週間後の痛みや機能的制限の改善について、通常ケアよりも有効で、認知行動療法(CBT)と同程度の効果があることが示された。米国・ワシントン大学のDaniel C. Cherkin氏らが、342例を対象に行った無作為化比較試験で明らかにし、JAMA誌2016年3月22・29日号で発表した。MBSRの効果についての試験はこれまで大規模だが1試験のみで高齢者のみを対象としたものしか行われていなかった。」

「26週時点での自己申告による腰痛症状の評価について臨床的に意味のある改善がみられたのは、MBSR群が43.6%、CBT群が44.9%、対照群が26.6%だった」

「これらの結果を踏まえて著者は、『MBSRは、慢性腰痛患者にとって有効な治療選択肢になりうることが示された』とまとめている。」
以上、引用終わり。

 マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)は、342例を対象にした研究1個で、すごく報道されました。鍼の慢性疼痛の効果は、1万7千922症例(17,922 patients)を対象にしたシステマティックレビューで、効果ありという結果が出たのに、いまだに「インチキ治療」と呼ばれることと比較すると、うらやましい限りです(笑)。

 マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR:Mindfulness-based stress reduction)は、マサチューセッツ大学医学部教授ジョン・カバット・ジン(Jon Kabat-Zinn)が開発しました。

もともと1960年代にベトナム反戦運動で知られたベトナム禅僧ティク・ナット・ハン(Thich Nhat Hanh)が仏教の教えから「マインドフルネス瞑想」を始めました。
 ジョン・カバット・ジンは、分子生物学を学びながら、1966年からティク・ナット・ハンの教えを受け、ウィパッサナー瞑想を行い、マサチューセッツ大学医学部教授となると「マインドフルネス・ストレス低減法」を病院で実践し始めました。

現在は、イギリスの国立医療技術評価機構(NiCE:National Institute for Health and Clinical Excellence)がうつ病の治療の選択肢として、マインドフルネス認知療法(Mindfulness-based cognitive therapy:MBCT)を推奨しています。

今の西洋世界の代替医療は、ヒッピー文化、カウンター・カルチャーから生まれたのですが、現在の日本の代替医療関係の大学人はヒッピー文化の対極にいる人ばかりなので、海外の動きが全く分析できていないです。


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