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「16歳だった―私の援助交際記」  中山 美里

2011-01-06 15:05:23 | 女性、夫婦別姓、外国人

2011年1月6日 毎日新聞 より 
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20110106ddp001040003000c.html


毎日新聞1面トップ記事

プチ援交:広がる 女子高生「みんなお金ほしい。こっそりやってる」

 ◇制服で撮影2000円、キス5000円

 男性が性交渉を前提とせず、体を触るなどして少女に報酬として現金を渡す児童買春「プチ援交(援助交際)」が広がりを見せている。
児童買春という犯罪でありながら性交渉を伴わないため、被害者の警戒心が薄いとされるプチ援交。
若者向けの商業施設が建ち並ぶ福岡市の天神地区で、学校帰りの女子高生たちを取材すると、少女たちを取り巻く危うい環境が浮かび上がってきた。【山上順子、近松仁太郎、川名壮志】

 「友だちが中3の時にしていて、結構稼いだって」。
濃いつけまつげ、唇にはグロスが光る高校1年の女子生徒はあっけらかんと笑った。
制服姿の写真撮影は2000円、軽いキスは5000円。
携帯電話の会員交流サイト(SNS)で知り合った年上のサラリーマン風の男から金を受け取っていたという。
「友だちにも言わないで、こっそりやってる子も多いんじゃないかな。みんなお金がほしいし」

 別の女子高生は、夏休みに警固公園(福岡市中央区)で同年代の少女たちに
「ねえ一緒にプチ援交しない?」
と声をかけられたという。
日が沈みかけた午後6時過ぎ。
見回すと別の少女たちも公園にいる女の子を片っ端から勧誘していた。
この高校生は怖くなって逃げ出したという。

 また、「なりすまし」の被害に遭ったという女子高生は、1カ月ほど女の子と信じて仲良くやりとりしていたメル友が26歳の男だった。
不審に思い問いつめると正体を明かされ
「遊ぼうよ。一度会って」
「電話番号教えて」
としつこくメールで言い寄られたという。

 「芸能人のマネジャーです。本人に会わせるから、直メ(個人アドレスに直接メールすること)して」。
大手SNS内に所有する個人ページのコメント欄にそう書き込まれた後に交際を迫られたり、メールをやり取りするうちに男の裸の下半身の写真を送りつけられた友だちがいると明かす女子高生もいた。

 子どもたちを中心に利用が増えているSNSを通じた性犯罪被害の広がりを警戒して注意喚起する動きも出ている。
長崎県などの協議会は先月、子どもにメディアとのかかわり方を指導するPTA関係者ら約10人を対象にした研修会を佐世保市で開いた。
県の担当者は
「いったん裸などを撮影され、ネット上に公開されたら、一生ネット上から消えない。いつどこで被害が起きてもおかしくないので、保護者や生徒たちに知ってほしい」
と話した。

 青少年メディア研究協会の下田博次理事長は
「非出会い系サイトが野放し状態になっているのに適切な規制をしない総務省の責任も重い」
と指摘している。

 ◇福岡県警「SNS隠れみのに」

 プチ援交による児童買春などで、福岡県警は昨年1~11月に少なくとも29件を検挙した。
08年は17件、09年は11件で、昨年は前年の約3倍に激増したことになる。
捜査関係者は「氷山の一角」とみている。
子どもや若者を中心に急速に普及している携帯電話の会員交流サイト(SNS)が事件の温床になっているとの指摘もある。

 捜査関係者などによると、性交渉を伴う援助交際に比べて低額の1回数千~1万円を男性が支払うケースが多い。
こうした体を触る「性交類似行為」で現金を支払った場合、児童買春禁止法違反に問われる。

 警察庁によると、サイト事業者に各都道府県公安委員会への届け出などを定めた08年の出会い系サイト規制法改正以降、同法対象外のSNSを通じた被害が増えた。
10年1~6月、SNSなど非出会い系サイトで犯罪被害に遭った18歳未満は全国で601人(前年同期比56人増)で、出会い系サイトの141人(同124人減)の4倍以上だった。

 捜査関係者は
「親にも学校にも見つかりにくいSNSが性犯罪の隠れみのになっている」
と警鐘を鳴らしている。

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 ■ことば

 ◇SNS

 会員制のインターネット上のサービスでソーシャル・ネットワーキング・サービスの略。
プロフィルやミニメールの機能を利用して会員同士が情報交換できる。
SNS大手が携帯電話にゲームを無料提供して18歳未満の利用が急増した。

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16歳だった―私の援助交際記 (幻冬舎文庫)
中山 美里
幻冬舎



著者が高校生の時に援助交際をしていた自伝である。
著者は1977年生まれだから、1990年代半ばの話である。
あまり後味の良くない自伝だが、こんな記述がある。

『魅力はお金だけじゃない。体を売るということに惹かれたのだ。』

『自分が体を売ってきたこと、体を無視してきたことに対する罪悪感を今になって感じてしまった。』

『援交に走らせた、あたしの中に潜む何かは今もどこかに生き続けている。』



私はこういう女性の気持ちを読むとなぜか『雪女』を思い出す。

怪談・奇談 (角川文庫クラシックス)
ラフカディオ・ハーン
角川書店


なぜ雪女は巳之吉と夫婦になったのか。
なぜ巳之吉の子どもを産んだのか。
なぜ仲むつまじく夫婦として暮らしたのか。

そしてなぜあの吹雪の晩に巳之吉の連れであった茂作を殺したことを告白したのか。
私には、巳之吉が雪女を見たことを告白したことよりも、お雪が自分が雪女であることを告白したことのほうが、よけいに恐ろしい。

人には知られた以上どうにもならないことがある。

雪女は嘘をつけなかったのだ。
なぜ嘘をつけなかったのか。

女は魔性をもって生まれてくる。
その魔性を暴けばみんなが不幸になる。


『雪女』は恐ろしいが悲しい話である。
自分を正当化しようなどとしていない。
雪女としてしか生きていけない雪女の性が悲しいのだ。

しかし現代の雪女たちは、後悔したあとに、勝手に自分を正当化しているように思える。

その結果、
『(20年近く前)学年で1人、街でも少人数だったのに、援交をするコギャルはあっという間に増殖していった。』




雪女は恐れの対象であった。
ところが今はその恐れを忘れてしまった社会になっている。

女の魔性を社会に解き放てば、やがて恐ろしい社会になる。
その恐ろしさをかつての日本人は知っていた。
『雪女』の話はその恐ろしさの口碑なのだと思う。


2 コメント

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Unknown (破壊屋)
2011-01-06 17:57:18
至言です。コピペとして保存してよろしいでしょうか?
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Unknown (管理人)
2011-01-06 22:46:37
つたない文ですが、よろしかったらどうぞ。
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