Schreib mal wieder!

自分の感じるままに...それがクレームと言われても

逃げるのか?

2005-06-05 23:23:52 | Lookback

「今日、ちょっと飲んでいきませんか?」

杉並リーグの後、西上原さんに声を掛けた。どうしても今日伝えなければならないと心に決めていたことがあったからだ。

仕事、家庭、勉強。もともと体力のない僕には、その体力をカバーすべくトレーニングしながら、毎週の審判活動を続けるのはやっぱり無理だと思ったからだ。上に行くのを諦めようという決心を伝えようとしたのだ。

21才のときから始めたサッカーの審判。人に言えば笑われるが、一度はJ-Leagueの笛を吹いてみたい思っていた。いや、俺は言葉もできるからと、国際審判になれればななんて真面目に考えたりもしていた。そんな中、26のときにめぐってきた2級昇進のチャンスを体力テストに落ちて、あと一歩のところで逃してしまう。もう一度と思いながら、仕事とプライベートの両立も難しく、トレーニングに力を注ぎきれなかった。

「3級でもいい。資格さえ更新し続けて、自分なりにやればいいじゃないか」

最初から僕を育ててくれ、期待をかけてくれた、自分が今でもその人柄とレフリーイングを尊敬する西上原さんは、そう言ってくれた。自分で決心していたとはいえ、そう言ってもらえてほっとした。でも内心、自分が逃げたような気がして、悔しくてたまらなかったし、自分自身に後ろめたい気持ちがずっと残った。

近所でサッカーをしているのを見れば、「いつかもう一度」と思ったり、落ちた体力テスト(クーパー走)をなんとかクリアーするだけ体力をつければ気が済むのかもと、スポーツクラブに通う計画を立ててみたりもした。

でも今となっては、あのときはあれでよかったんだと思える。その選択をしたからこそ、もっと重要なことに力を注ぐことができたし、また違ったことに挑戦する機会もできた。当時は自分の生き死にに関わるくらい重大な問題として悩んでいたが、今から振り返るといい分岐点だったのかも知れないと思える。

「逃げるのか?」っと何度も自分に問いかけていた当時が懐かしい。今年も3級審判の更新講習会の案内が届いて、そんなことをふと思い出した。