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きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

徳島のへそに登る。

2013-06-09 22:20:58 | 田舎日記

車の無い私を、同級生のMちゃん夫婦が、山にドライブに誘ってくれた。
その日は28度、夏のような気温だった。

どこの山に行くのか、聞きもせず、Mちゃんのご主人の運転する車に同乗させてもらった。
Mちゃんとおしゃべりを楽しんでいるうちに、車はどんどん山に入って行く。 
5月にMちゃんの車でドライブした時とは、山の景色はすっかり変わっている。
鮮やかな新緑の若葉は、色を濃くし、
風に震えるように見えた弱々しい葉は、初夏の日差しを浴び大きく枝を広げている。
そのたくましい姿に、木々の強い生命力を見た。
車の窓から、緑の風が流れ込んできて、
小鳥の冴えずりに日頃の鬱陶しさも忘れ、

ゆったりと癒されていく。
車は木漏れ日の山道を上へ上へと登って行く。

山の中腹に“剣山スーパー林道”の立て看板が有り、その道に入った。
スーパー林道のスーパーって何??
私の疑問は、すぐに解けた。
車の幅いっぱいの細い道は、舗装されてないガタガタの悪路。
90キロ近くある未舗装道の林道の長さは日本一だそうだ。
山側は今にも崩れ落ちそうな岩盤、片方は谷深い崖。
所々に落石や土砂崩れの跡もあり、路面崩落の危険や
一つ間違えれば転落の危険もある、まさにスリル満点の“スーパー”だった。

子供が悪戯書きをした線の上を走るような急カーブの連続の道は、
バイクのツーリングのメッカとなっているとか・・・・。
あぁ~~恐ろしや!

山頂近くの“ファガスの森”で休憩する。
 
車を降りると、自然のエアコンは、ゾクッとするほど冷たい!
休憩後、再び車は尾根を縫うように走る。
ずいぶん高く登って来たようだ。
周りの山並みは目に下に見え、急カーブの向こうは空。
ジェットコースターに乗っているようだった。

しばらく走り、山頂の“徳島のへそ”で車を止めた。
標高1500mのここからの眺望は最高!
紅葉のシーズンは、見物の車でいっぱいになる。
  
Mちゃんの手作りのお弁当を頂き、
ここで休憩をして反対側に山を降りた。
風の広場、トリカブトの群生地、岩肌に希少な山岳植物も見る事が出来る。
もう少し早ければ、アケボノつつじの花が見られたのだとか。
それは素晴らしい景色だと聞かされ、無性に見たくなる。
大釜の滝、雨乞いの滝、大轟の滝、大小たくさん滝が有るが、
残念な事に今年は雨が降らなくて
水量が少なく、雄々しい姿は見られなかった。

車が下に下に降りて行くのは、肌に感じる気温で分かる。
山の気温と、町の気温の差は14~5度有ったと思う。

山の土産は苔と花の終わった雪餅草。
帰ってすぐ、父と一緒に鉢に植えた。
小さな鉢に、小さな自然の景色が出来た。
 
町の喧騒から離れ、自然の大きさに抱かれ
身も心も癒され
そして、空に一番近づいた一日だった。



 

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