赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

既存の常識を改めることで政治は変わる コラム(335)

2020-09-05 17:16:57 | 政治見解



コラム(335):既存の常識を改めることで政治は変わる


広がる政治への絶望感

環境破壊による自然災害と新型コロナウイルスによって世界は様々な問題に直面しています。それにもかかわらず、政治の世界はどの国でも旧態依然の利害打算の駆け引きと言論の暴力が横行しています。彼らには国民の暮らしを向上させることよりも、自分の利益を守ることが何よりも大事なようです。

わが国も例外ではなく、安倍首相の辞任表明を受けて自民党内は相変わらず派閥の損得勘定で次の総裁を選ぼうとしています。一方、野党の立憲・国民の合流も金と選挙目当ての離合集散にすぎません。彼らの行動には、国民や国家のためという気持ちは微塵もありません。

そのため、一連の政治の動きとそれを報じるメディアに対する国民の嫌悪感は増幅するばかりです。


国民が頼んでもいないことを実行する政治家たち

政治から人心が離れるのは、政治家不信が極まっているからです。国民の幸福のために良い政治をやってほしいと人びとが願いを託した政治家がやっていることといえば、国民が頼んでもいないことを「国民のためだ」と称して、自分たちに都合のいい法律をつくり、行政を恣意的に運用しているからです。

例えば、カジノ法案(統合型リゾート(IR)整備推進法案)などはその典型例です。国民の殆どが拒絶反応を示しているにもかかわらず、特定の人物や業者の利益のためにごり押しをしました。また、最近でも、コロナ禍にあってほとんどの人が疑問に思っていたGoToキャンペーンを実施したというのも行政を恣意的に運用させた結果にほかなりません。

安全保障、原子力発電を含め政治家が力を入れて何かの施設をつくったり、新たな政策を実行するために予算をつけるなどした事業の大半は、政治家が自分の利益や都合のための施策で占められています。国民が不信を抱くのは当然のことなのです。


政治改革は国民一人一人の意識の向上から

この現状を改めるには、政治家だけでなく国民全体が政治に関する考え方を一変させることが必要だと思います。なぜなら私たちが生きている社会はすべての人の想念で出来上がり、それが社会通念を形成しているからです。

まずは、私たち一人一人の心に「寛容さ」を再構築しなければなりません。

現代社会では、意見が違う相手を激しく攻撃する、それも人格攻撃を加えることによって相手より優位に立とうとする傾向が多く見受けられます。不寛容が社会全体に蔓延しつつある傾向を改めなければなりません。

人びとの間に寛容さが失われていく理由はすべて「利益の獲得」という問題に帰着します。

暴力や内戦、あるいは戦争に明け暮れる国の人びとは、悲しみや怒りに満ちた社会に住み疲れ果てています。為政者を含めて多くの人が富と資源の争奪に血眼になり、他人を押しのけてでも自分の利益を得ようとしています。またその富を守ろうとし、互いを排斥しあい憎悪するからです。


「独占」から「分かち合い」へ

富と資源は分かち合うことを前提とし、それを実現するためにプロセスを透明化させることで、苦悩と対立が解消されます。

それには、政策決定のプロセスから実行行為、そして成果までの一連の流れや資金の動きを誰の目にもわかるように透明化することが大切です。また、これからの政治で求められるのは偉大なる政治的指導者ではなく、人々が相互に寛容の精神をもった共同行動や一致した努力、そして社会集団としての価値の再創造にあります。


直接民主主義という考え方

政治の前提が変わることで政治システムが変わらざるを得なくなります。

前述の「政治家は国民が頼んでもいないことを実行する」原因は、間接民主主義の機能不全にあります。

民主主義は「国民が主権を持ち自分達のために政治を行う」ことを目的としていますが、現行は、国民が選挙で選んだ代表者に一定の期間自らの権力の行使を信託し政治を委託する間接民主主義であるため、「政治家個人の欲望が入る」と言う大きな欠陥があります。

これを解決するためには、間接民主主義から直接民主主義に移行させればいいのです。

IT技術が大きく発展してきた現在、大勢の人が集まって話をする必要はなく、IT技術を利用して国民の意思を正確に表現することが可能です。国家の方針や施策について必要に応じ国民の意見を反映させることができるのです。

行政運営は、直接選挙で選ばれた少人数の者が業務と実務を管理する政治システムを実現させることができるため、既存の選挙制度も議員も必要のないシステムをつくることができます。

膨大な無駄が省け税金も安くなるなどのメリットは大きいはずです。

首相を決めるのに大騒ぎをしている作今の姿を見るにつけ、「政治は永田町で決まる」と言う言葉が過去の遺物になることを願ってやみません。



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