赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

②米国下院議長選挙混乱の背景 230114情報

2023-01-14 00:00:00 | 政治見解



②米国下院議長選挙混乱の背景:230114情報


昨日からのつづきです。国際政治学者の解説です。(下院議長が決まる前段階の解説です)


今まで3日に下院が召集されまして、3、4、5日と丸3日間で投票を11回やって20票ぐらいの票が取れないんですね。

218票を取れば過半数になるのですが、その票が取れない。共和党下院議員は222人います。そして空席が一つあるので、民主党の議席が212です。

ですから218議席取れば、これで435議席の過半数になりますので、議長になれるんですけど、本当に4〜5票の差で218議席とれないということです。

頑固なケビン・マッカーシー絶対反対派が5人ぐらいいるのです。

その人たちが大きな声を挙げて絶対に妥協しないぞと言っておりますので、そこで11回投票をやっても下院議長が決まりません。

過去には1855年に133回投票をやって下院議長が決まった例もあります。2ヶ月かけて133回投票を繰り返してようやく議長が決まったという例もありますから、それ以来ではないでしょうか。

最近の例は1923年で、この時は9回目に決着していたというのですが、今回その記録を破り11回目までやっても駄目だったということです。

12回目はアメリカ東部時間の6日正午、日本時間の7日午前2時から投票が再開するそうですが、これは決まるまでは何回でもやるということですね。

それから、トランプさんが「とりあえずケビン・マッカーシーで いいじゃないか」と言ったという話、この発言はどういう考えから出てきたかというと、「これだけ揉めていて、素直に下院議長になれなければ、ケビン・マッカーシーも、MAGA運動の人達や一般の国民の意見を少しは聞くようになるだろう」という狙いがあっての発言でした。

下院司法委員会の委員長には、ジム・ジョーダンという人にほぼ決定しています。この方はオハイオ州選出の下院議員ですが、トランプさんが一番信頼している下院議員です。

そして、この司法委員会の委員長をジム・ジョーダンさんがとりますと、ここを根城にして、ハンターバイデンをはじめとしたバイデンファミリーのスキャンダル、民主党のスキャンダル、そしてどうやって、あのロシアゲート事件をでっち上げたのかなど、司法省・FBIの闇を暴くことができるのです。

アメリカの議会というのはすごい調査能力がありますから、公聴会なども開き、さまざまな証人も呼んで、司法委員会を中心に暴くことができます。

ですから、トランプさんとしてはケビン・マッカーシーをこれだけ脅したのだから、彼にチャンスを与えていいのではないかと。

そのケビン・マッカーシーも実はグローバル大企業の意見ばかり聞いているような人なんです。

表向きは草の根保守を支持しているようなことを言ってますが、実際は彼に近づいているロビイスト、彼にアドバイスをしてるような人達は、多国籍企業、無国籍企業の利益を代表するような人達が多いのです。

しかしこれだけマッカーシーにプレッシャーを与えた後となれば、そう勝手なことはしないだろう。と同時に、ジム・ジョーダンさんを下院司法委員長にすれば、下院でかなりいい仕事ができるということ。

トランプさんはその辺りを狙ってケビン・マッカーシー妥協案【※1】を出しているということです。

【※1】妥協案:これこそが昨日のブログでお伝えした共同通信の「マッカーシー氏は強硬派の要望に沿い、議長解任動議の提出に必要な議員数を1人に引き下げることで合意。議事運営委員会に割り振る強硬派の議席も拡大した」という記事。

しかし、逆にトランプ派の頑固な人達がケビン・マッカーシーは絶対にダメだと言っている状況もあります。しかし妥協ができないわけではありません。

今、妥協の焦点になっているのはどこかというと、「下院議長をクビにする」ということをもっと簡単にできるように議会のルールを変えてくれと。そのことをケビン・マッカーシーが認めれば、反対派の人達も賛成に転じていくという話です。

ただケビン・マッカーシーとしてはこれを認めてしまうと、自分が議長になったとしてもいつクビにされるのかわからないわけですから、反対しているのです。

今は全く先が読めないですが、ケビン・マッカーシーになってもこれだけ揺さぶられたわけですから、もうエスタブリッシュメントの声だけを聞いて議事進行していくことはできないでしょう。

どうか皆さんも日本のマスコミの議論に支配されないで、自分の目でご覧になって、アメリカの愛国者はこういう目で今の状況を見ているんだということを肝に銘じて、そして自分なりの判断をしていただきたいと思います。



日本のメディアやコメンテーターの適当な解説ではわからない情報だったと思います。どうも、報道されること以外に物事の本質が潜んでいるように思います。



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