コラム(491):反日運動をたぎらせた江沢民氏
江沢民元国家主席死去、が報ぜられました。
中国の顔色ばかりを窺うNHKは「江氏は“社会主義市場経済”を掲げて共産党による一党支配のもとでの市場経済化を推進し、2001年にはWTO=世界貿易機関への加盟を果たすなど、のちにGDP=国内総生産で世界2位の経済大国となる基礎を築きました」などと偉大な人物のように功績を讃えています。
しかし、江沢民氏の実像については、石平太郎氏の端的なツィートで、読者にはいろいろ思い出すことも多いのではないかと思います。
石平太郎@liyonyon
江沢民氏が死去した。歴史的功罪を論じれば、彼は日本に対して2つの大罪を犯した。一つは国内で反日教育を長年行い中国国民に反日感情を植え付けたこと。一つは天皇陛下の宮中晩餐会に無礼千万の態度を取って陛下と日本国を侮辱したこと。日本人にとっては両方とも許し難い!
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死去した江沢民氏は内政の面で犯した最大の罪は、習近平を胡錦濤氏の後継者に無理やり押し付けたこと。江沢民こそは習近平政権の事実上の生みの親。そして今、習近平はとんでもない怪物に化けて中国人民を蹂躪しアジアと世界全体の平和を脅かしている。江沢民よ、どうやって歴史の責任を取るのか?
反日に突き進んだ理由
江沢民氏が猛烈な反日政策を進めたのは理由があります。これについて、遠藤誉女史の『江沢民の実父は売国奴? ――認めるのか、習近平』から引用してみます。
◆江沢民が隠してきた事実
江沢民の実父・江世俊が(大日本帝国時代の)日本の傀儡政権であった汪兆銘率いる南京政府のスパイ機関に勤務していたことは、中国大陸以外ではよく知られた事実だ。江沢民は父親のお蔭で、1943年には汪兆銘傀儡政権下の南京中央大学に入学し、贅沢三昧の日々を送っていた。だから江沢民はピアノやダンスなどの芸事に長(た)けている。そのときの写真も名簿もある。
ところが日本が敗戦すると、漢奸(かんかん)=売国奴と罵倒されるのを逃れるため、江沢民は慌てて、叔父の江世候(またの名を江上青)の養子になったと偽装。江世候は中国共産党の幹部で、1939年に戦死している。江世候は江沢民の父親の弟に当たるが、祖父が妾に産ませた子供とされ、その家族は極貧の中にあり、江沢民が養子になってピアノやダンスを習えるような状況とは無縁。
このことを最初に暴いたのは元北京市書記(1992年~1995年)だった陳希同(1930年~2013年)(ちん・きどう)で、陳希同はその告発状を鄧小平に渡した。ところが鄧小平はそれを江沢民を推薦した薄一波(薄熙来の父親)に見せたため、陳希同は投獄され獄死している(最後は獄外病院で死去)。
江沢民氏は売国奴と言われないよう、日本への攻撃を強くすることで見の安全を図っていたというわけですが、このおかげでどれだけ日本人が迷惑を被ったか、筆舌に尽くしがたいものがあります。このことを時事通信が指摘しています。現習政権が反江沢民ですので安心して批判できるからだと思います。
江氏の歴史観はその後の最高指導者の対日姿勢に影響を与えるとともに、中国国民の反日感情を高め、2005年や12年に各地で吹き荒れた大規模な反日デモの下地になった。江氏が未来志向の日中関係を後退させた責任は大きいと言える。(中略)
党総書記だった92年に実現した天皇陛下(現上皇さま)の訪中を、89年の天安門事件後の国際的孤立から脱却するため政治的に利用した。天皇訪中は「制裁を打ち破る最良の突破口だった」(錢其琛元副首相の回顧録「外交十記」)。
皇室に対する非礼
江沢民の宮中晩餐会での振る舞いについて、前述の石平太郎氏の『中国共産党暗黒の百年史』にはこう書かれています。
平成10年(1998年)11月に江沢民、国家主席が来日しましたが、11月26日の宮中晩餐会では歴史問題に触れ、非礼にも「日本軍国主義は対外侵略拡張の誤った道を歩んだ」、「我々は痛ましい歴史の教訓を永遠にくみ取らなければならない」、などと日本を非難する演説をおこないました。
しかもホスト役の天皇陛下を初め出席者全員が、ブラック・タイの礼服を着ていたにもかかわらず、江沢民はいわゆる中山服という平服姿で公式晩餐会に出席しました。その後の外務省での記者会見の席で、江沢民の平服について非礼ではないかとの質問が記者団から出ましたが、それに対する外務省の公式見解は礼服または民族服なので、日本としては非礼とは考えていないという、例によって事なかれ主義、弱腰の答えでした。
米国を含む外国における公式の晩餐会で、江沢民が中山服を着たのは日本だけでしたが、それについて日本国や皇室を意図的に侮辱したと感じたのは、私だけでしょうか!
彼は日本各地で「日本人は歴史を学べ」などと演説し、日本人の嫌中感を増大させましたが、帰りには抜け目無く日本政府から3千億円の円借款を貰って意気揚々と帰国し、日本には言うべき事を言って来たと述べましたが、以後中国が嫌われる原因になりました。
こんな国に日本は現在も ODA の経済援助を続けていて、来年度(平成17年)には900億円の予定をしているのです。
江沢民時代がだいぶ前のことになってきましたので、彼の「実績」を知るためにあえて文献を掘り起こしてみました。
(つづく)
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