赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

政党の未来(最終回)都民ファーストの会 コラム(223)

2017-05-20 11:20:27 | 政治見解



コラム(223):政党の未来(最終回) 都民ファーストの会



東京都の地域政党として発足した都民ファーストは、これからの時代の政党として注目しなければならないと思います。


評論家は既成概念での視点を捨てよ

かつて、新自由クラブ、日本新党などの新党ブームがありましたが、一世を風靡しながらいつのまにか政界から消え去っていきました。小池都知事と都民ファーストの会に対して、同様の運命をたどると見ている評論家たちを見かけますが、彼らの視点は過去の経験則の延長線上で判断した表層的な見方でしかありません。

かつての新党ブームは、自民党に対するアンチテーゼとして設立したもので、自民党に対する対立軸としての存在でしかありませんでした。その思考の枠組から抜け出せない人たちが、「小池劇場は対立を煽ってばかりいる」と批判しています。

こうした旧態依然の論評が日本の政治風土の改革を遅らせている要因になっているのです。


変化への拒絶は既得権益への執着から

自民党に限らず、野党でも、新しい価値観や状況の変化に拒絶反応を示します。彼らには既得権益が奪われる恐怖心があるからです。70年経っても憲法改正を反対するのは、既得権益を奪われることに抵抗しているのです。

しかし、変化は世界的な規模で起きており、あらゆる事柄に重大な影響を及ぼす形となってあらわれています。しかも、主義主張や古くさい意識が、問題解決への大きな障害になっています。あいかわらず多くの政治家は、過去の延長線上で物事を考えようとしているのです。


政治家に求められる条件


政治家には少なくとも三つの資質が求められると思います。第一は、国家と国民をどのような方向に導いていくかのヴィジョンを持っているか。第二が、国民が抱いている様々な不安を払拭させ、希望をもって生きられる政策を提起し、実行することができるか。第三に、現実の変化に対応すること。すなわち、状況の変化に対しては、敢然と立ち向かう勇気があるか、ということです。

安倍総理や小池都知事の支持率が高止まっているのは、この三つの資質に基づいて行動していることを国民が理解しているからです。


小池都知事が登場した理由

政治とは、現状の問題点を見極め、解決のための方策を提示し、人々の共感を得て社会のエネルギーを結集することに尽きます。小池氏は都知事選で、都民にとって暮らしやすい、働きやすい、子育てのしやすい都市の構築を訴えました。さらに、密室で繰り広げられていた都政の透明化を図り、都政への信頼回復、都民のための都政を取り戻そうと訴えました。

既得権益にしがみついた政治家を一掃するとの小池氏の決意と信念が都民の心を揺り動かし、圧勝の原動力となったのは記憶に新しいところです。小池都知事に投票した人たちは、既得権益にしがみついている自民党の体質を嫌っている人たちです。つまり、保守、革新に関係なく、都民や国民の幸福のために活動してくれる小池都知事の大義に共感して支持しているのです。


都民ファーストの会は当初の信念を堅持せよ

都民ファーストの会は既成政党や従来のしがらみと決別しようとする強い意思を持っていると思います。

「左翼と政策協定を結んだからけしからん」とか、「民進党出身者を受け入れたからけしからん」と批判している人々は、既得権益にしがみついている人びとです。

今まで伏せられていた事実、嘘で封印されていた真実、検証の手が届かなかった事柄などが次々と明るみになり、真実が求められるのが今の時代精神です。

そのため、既成の政治家や政党のエゴイスティックな主張が通用しなくなりました。都民ファーストの会の候補者は、以前の党派に関わらず、都民の幸福のために活動すると決意しています。

また、小池都知事に投票した人たちは都議選では必然的に都民ファーストの会に投票します。小池氏の都政改革に共鳴した気持ちを自己否定したくないからです。

都民ファーストの会は既成の政党とは作られ方が基本的に違い、政党という形や政党のエゴにとらわれず、「都民のための政治をやりたい」と願う集団なのです。この信念は今後も堅持していただきたいと思います。


国民が求めているのは透明な政治


都議選は豊洲問題が争点の一つです。自民党都連は「豊洲を争点にしてはならない」と主張していますが、争点にされては困る事情があるから騒いでいるのです。安全対策が不十分な結果を残し、当初の2.6倍もの莫大な支出となった背景には、自民党都議団の大半が絡んだ利権問題が存在するからです。(参照 『豊洲利権に関わった人びと』

都議会百条委員会では、都議の仕事能力が低く、利権問題まで踏み込めませんでした。しかし、都民ファーストの会の大量当選で、既得権益にしがみつく都議会議員や業界関係者、都庁の一部職員の不都合な事柄が露呈してくると思われます。それは都民にとっては幸いなことなのです。

すでに、都民は、昨年の都知事選以降、「○○党だから、△△の後継者だから投票する」という選択肢ではなく、東京都の発展のために働いてくれる人は誰なのかを見極めるようになりました。7月2日の都議選でも同様の選択基準になることは明らかです。


こうした都民の意識変化の流れは必然的に国政に向かっていきます。都議選を契機に、中央政界の浄化が始まり、国会議員や国家の役に立たない政党が淘汰されると思います。

都民ファーストの会の存在は国政の浄化や質の高い議員誕生を促す起爆剤になり、国民にとって望ましい政治の姿が現出すると思います。

以上、今回は三つの政党に絞り、政党の未来について述べましたが、政治家と政党は結党の原点に立ち返り、国家と国民のために一層、精励することが強く求められていることを強く自覚していただきたいと思います。(了)




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