田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

共感~相場秀雄著「震える牛」

2012年06月29日 | 読書三昧

入院をはさんで読んだ社会派ミステリーは、松本清張の「砂の器」を彷彿とさせる奥深い物語でした。

物語~東北で発生したBSE牛の取り扱いをめぐって、これを公開すべきとする獣医師と、密殺・処理にかかわった産廃業者のユスリに直面した巨大スーパーは、自己防衛のため彼らを強盗殺人に似せ抹殺を図るのだが・・・

クズ肉に添加物や血を混ぜた加工肉で消費者を欺く食肉業者、安全より経済効率を優先する社会や地方都市の衰退等々、現代社会が抱える矛盾や問題点をするどく追求する著者の姿勢に共感を覚えました。ご一読をお勧めします。