田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

負の記憶

2008年04月13日 | ドラミング

晴天が戻ってきましたが、とても寒い朝でした。
日中にかけて気温もグンと上がって、春らしい陽気になるでしょう。

この写真の建物、どこかでご覧になったことありませんか。
そうです。7月のサミットの会場となる洞爺湖畔のウインザーホテル
です。

過日、福田首相が高橋道知事を伴って、このホテル視察したとの報道
がありました。また、留寿都村に建設中のメディアセンターを含め、サミ
ットの準備が順調に進んでいるとご満悦のご様子でした。

このウインザーホテルですが、前身は、カブトデコムが総額1,000億円
もの大型リゾート開発の中核施設として建設した「ホテルエイペックス
洞爺」です。そして、バブルの終焉とともに、この巨大開発に湯水のよ
うに資金をつぎ込んでいた道内最大の銀行、拓銀(北海道拓殖銀行)
の破綻の引き金となったいわく付きのホテルです。

この巨額融資やデタラメな経営によって、1997年、拓銀は債務超過に陥
り、創業以来97年にわたる歴史に幕を下ろしました。同行の破綻処理の
ため3兆円を超える公的資金が投入されたことも忘れてはなりません。
また、行員6,800人の解雇や、取引停止となった数多くの企業や個人等、
この拓銀破綻は、北海道経済に壊滅的な打撃を与えました。

上記から、当初、道内からサミット誘致の声は上がらず、安倍首相の率
いる官邸主導で(洞爺湖開催が)決まったと言われています。

このような負の記憶に新しい豪華ホテルで開催されるサミットに対して、
道や経済団体、地元の自治体などは”熱烈歓迎”に一生懸命ですが、
残念ながら小生らは、熱くなれないのが本当のところです。

現在は、法律的にも実際的にもきちんと清算された上でのウインザー
ホテルですが、その建設の由来とは違った実りあるサミットとなることを
望みたいと思います。