田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

もうひとつのモディリアーニ展

2008年04月07日 | ギャラリー

今日のニセコはうす曇りです。
気温は10℃を越え、4月下旬の暖かさです。靴下を履かずに板張りの床
をピタピタ歩ける幸せを味わっています。

5日から名古屋市立美術館でモディリアーニ展が始まりました。
国立新美術館(東京)と合わせ、同じ画家の美術展が同時に2ヶ所で開催
されるのもめずらしいです。この画家が広く愛されているということでしょう。

この(名古屋での)モディリアーニ展の目玉は何といっても、市美術館が
所蔵する「おさげ髪の少女」です。

この油彩画(60.1x45.4cm)は、1918年頃の作品で、頭蓋骨や頬、肩など
人体の骨格をしっかりと捉えているためか、見ている者に安心感を与
えます。また、決して厚塗りでない彩色ですが、少女から女性への変化
を感じさせる独特の雰囲気を醸し出しています。

前にも書きましたが、イタリヤ生まれのモディリアーニは、フィレンツェや
ヴェネツィアで本格的な美術教育を受け、イタリヤ美術の申し子と自認し
つつパリに出たのですが、ピカソやユトリロなど、いくたの才能が活躍す
るパリでは、なかなか認められず不遇でした。

破滅的生活から病を得た彼は、友人夫婦と南仏ニースに移住。周囲の
明るい景色と健康への希望を反映して描いた絵の多くは、今日、傑作と
評されるものでした。特に、最後の恋人(妻)となったジャンヌをモデルに
した数々の肖像画は広く親しまれています。下の写真は、ジャンヌの絵
の内、最高傑作とされる「赤毛の若い娘」です。この絵は、こちらでご覧
になれます。

そしてパリに戻った二人でしたが、彼の病は進行し35歳の若さでこの世
を去ります。そして最愛のジャンヌも彼の死の2日後、2人目の子を身ご
もったまま自ら命を絶ってしまいます。