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田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

岩崎宏美さんの「PRAHA」

2009年07月03日 | 音楽三昧

伸びやかな歌声と歌唱力の高さで人気の岩崎宏美さんのアルバム「PRAHA」を聴きました。

このアルバムのことは、「ステレオサウンド」誌に掲載されたオーデイオ評論家小林吾郎氏との対談で知りました。

岩崎さんのベストヒットを中心に収録されていますが、何と言っても、ドヴォルザーク・ホールのチェコフィル及び、エクストンの江崎友淑氏(著名な録音技師)とのコラボレーションというのが、オーデイオファイル(愛好家)にとっても魅力です。

果たして、で出しの「聖母たちのララバイ」から、雄大なオーケストラをバックに、岩崎さんの美しいボーカルが響きます。

収録曲

 1.聖母たちのララバイ
 2.シアワセノカタチ
 3.思秋期
 4.夢やぶれて(ミュージカル「レ・ミゼラブル」から)
 5.手紙
 6.ロマンス
 7.好きにならずにいられない
 8.シンデレラ・ハネムーン
 9.万華鏡
10.すみれ色の涙
11.ただ、愛のためにだけ
12.つばさ~Dedicated to 本田美奈子~

耳に馴染んだ「聖母たちのララバイ」や「すみれ色の涙」などは勿論、今度のアルバムで最も気に入ったのが、本田美奈子さんの「つばさ」でした。この曲は、詩も曲もすぐれていますが、何といっても本田さんの挽歌となっているという思いもあります。

また、このアルバムには、阿久悠氏の作詞になる岩崎さんデビュー直後の曲が3曲入っています。「思秋期」、「ロマンス」と「シンデレラハネムーン」ですが、いずれも、同氏特有の場面を切り取ったようなすばらしい詩がお楽しみになれます。以下、「思秋期」のみご紹介します。

思秋期

 ”足音もなく行き過ぎた
 季節をひとり見送って
 はらはら涙あふれる私十八

 無口だけれどあたたかい
 心を持ったあのひとの
 別れの言葉抱きしめやがて十九に

 心ゆれる秋になって涙もろい私
 青春はこわれもの愛しても傷つき
 青春は忘れもの過ぎてから気がつく

 ふとしたことではじめての
 くちづけをしたあのひとは
 ごめんといったそれっきり声もかけない

 卒業式の前の日に
 心を告げに来たひとは
 私の悩む顔見て肩をすぼめた

 誰も彼も通り過ぎて二度とここへ来ない
 青春はこわれもの愛しても傷つき
 青春は忘れもの過ぎてから気がつく

 ひとりで紅茶のみながら
 絵葉書なんか書いている
 お元気ですかみなさん
 いつか逢いましょう

 無邪気な春の語らいや
 はなやぐ夏のいたずらや
 笑いころげたあれこれ思う秋の日”

「思秋期」。どんな曲かイメージがわきませんでしたが、「青春はこわれもの~」というフレーズを聞いて思い出しました。いい歌ですね。


舞い降りるドーナツ

2009年06月29日 | 音楽三昧

オーデイオでクラシック音楽を聴く毎日です。
特に、ニセコに家(ログハウス)を建ててからは、音が木の家に馴染んでよく鳴ることから、ますます深みにはまって、装置をあれこれいじっては悦に入っていました。

今度も、スピーカーの箱をより大きなものにしたら、きっと良い低音が出て、オーケストラがそれらしく聞こえるに違いないと、箱を作るメーカーに依頼して製作してもらいました。

発注して待つこと2ヶ月半。
ようやく届いたのですが、現物を目の前にして、その大きさと重さに仰天してしまいました。これではとても2階に運び上げるのは無理です。

そこで1Fの居間に置いてみようと、その辺を片付けて設置してみるとこれが大正解。マァ見てくれも良く、音も良しで、何となく収まってしまいました。



これによって生活スタイルも変ってきました。
従来は2Fで、オーデイオで音楽を聴きながら、パソコンを操作するなどしていたのですが、今度は、1Fで真面目に(音と)向かい合う必要があり、また、PCのディスプレイを見つめる時間も減って、(目の)健康上も良くメデタシメデタシです。

というわけで、このところは、LPとかCDとかのドーナツを抱えて1F通いをする毎日です。


有希マヌエラ・ヤンケ ヴァイオリンリサイタル

2009年06月25日 | 音楽三昧

シンと静まり返った札幌Kitara大ホールに、ストラディヴァリウスの美しい音色が響きわたる。ピアノの澄んだ音が、同じメロディーラインを追いかける。

ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番「春」。聴き慣れた楽曲だが、やはり、生演奏で聴く「春」の何と魅惑的なことか。ヴァイオリンは、ストラディヴァリウスの名器「ムンツ」という。

一昨日、有希マヌエラ・ヤンケさんのリサイタルを聴きました。彼女は、ドイツ人を父に、日本人を母にもつドイツ新世代の日系ドイツ人バイオリニストです。

パガニーニ国際コンクールの最高位の他、チャイコフスキー国際コンクール第3位、サラサーテ国際コンクール優勝などの実績を持ち、その卓越した技術と「心を揺さぶる演奏」で人気急上昇中とか。この日のピアノ伴奏は、お姉さんの歩(あゆみ)マノンさんでした。

プログラム
 ・
ベートーヴェン ソナタ第5番 ヘ長調 「春」 作品21
 ・ バルトーク 無伴奏ソナタより「シャコンヌ」
 ・ シマノフスキ ノクターンとタランテラ 作品28
 ・ フランク ソナタ イ長調
 ・ ワックスマン カルメン・ファンタジー

後半のフランクのソナタもすばらしい出来で、聴衆を魅了するに十分でした。最後に弾いたカルメン・ファンタジーの終曲で弓の一部が切れ、アンコールなしの終演となりました。こんなことも珍しいですね。


ハイドンハウス

2009年06月20日 | 音楽三昧

過日の中欧旅行の際、ウイーンのハイドンハウスを訪れました。
旅も終わりに近づき、大分疲れていたのと、邦人ガイドの下世話な説明に腹を立てていたこともあり、あまり良い印象を持ちませんでした。

ただ、大作曲家のハイドンが晩年の12年間を、実際にこの家で暮らしたと思うと、それなりの感慨がありました。後期の大作は、ほとんどここで作曲されたといいます。また、ひと時腰を下ろしたベンチから眺める庭の雰囲気は最高でした。

小生は、ハイドンの楽曲に詳しくありませんが、有名な交響曲の他にもすぐれた曲がたくさんあるようです。この弦楽四重奏もそうですが、後のモーツアルトやブラームスに引き継がれるすばらしい曲想を含んでいます。

ここには、ハイドンを敬愛したブラームス(1833~1897)の記念室も併設されています。冒頭の写真は、WEBから借用しました。

蛇足~これはハイドンの「ヴァイオリンとハープシコードのための協奏曲ヘ長調」で、宮廷音楽らしい優雅さとおちつきを感じさせます。イムジチの演奏も良く、アナロク(LP)ののびやかな音にも好感がもてます。

 


新着のハイドン

2009年06月13日 | 音楽三昧

今年は、作曲家ヨーゼフ・ハイドン(1732~1809)の没後200年に当たるそうで、世界中で「ハイドン・イヤー2009」の催しが行われています。

これに合わせて、CDの新譜も数多くリリースされていますが、新着の1枚をご紹介します。

ヤーブ・ヴァン・ズヴェーデン指揮、オランダ放送室内フィルハーモニーのハイドン交響曲シリーズの内、第31番「ホルン信号」、第72・73番「狩」の3曲を収容したEXTONの新譜です。

この3曲は、いずれもホルンが大活躍する交響曲で、特に第31番は、第1楽章の冒頭から4本のホルンが朗々と鳴りひびくユニークなシンフォニーです。とは言っても、特にうるさい感じはなく、全体として壮麗な響きを楽しむことができます。

ハイドンには、驚愕(94番)、軍隊(100番)、時計(101番)、太鼓連打(103番)などユニークな副題のついた交響曲が多いのですが、このCDは、ホルン三連発とも言うべき交響曲集で、とても面白く興味つきません。

また、EXTONレーベルで録音も良く、再生装置がよければ音の良さも楽しめると思います。一聴をお勧めします。


ピアニストの体格

2009年05月31日 | 音楽三昧

日本の著名なピアニストで、チャイコフスキーコンクールの審査員などもお勤めになった中村紘子さんは、エッセイストとしても有名で、「ピアニストという蛮族がいる」、「アルゼンチンまでもぐりたい」などのエッセイ集があります。特に、前者は、文藝春秋読者賞を受賞しています。

その中で、「ピアニストは骨格勝負」。ピアノという巨大楽器と格闘するピアニストは、先ずは、体格が良く、骨格が大きくしっかりしていないと勝負にならない(良い弾き手になれない)と言っておられたのを記憶ています。

これは大変よくわかる話です。ただ、どういうわけか、小生がステージで拝見する著名なピアニストが、必ずしも大柄な方ではないのを不思議に思っています。

例えば、昨日の記事にあげたマレイ・ペライヤ氏も、いわゆる「ズングリムックリ」タイプで、欧米人としては小柄な方です。また、有名どころのアシュケナージ氏(現NHK交響楽団常任指揮者)、ブーニン氏、キーシン氏、ユンディ・リー氏、ツイメルマン氏、日本人では仲道郁代さんなど、客席から拝見するかぎり、人並みか、どちらかと言えば小柄な方々です。

このように、中村さんがおっしゃっていることと、実際の著名なピアニスト方が異なるのは、どうも外見的なことではなく、天性の資質と日頃の鍛錬によって得られる身体のメカニズムとしての強靭さということのようです。

勿論、大柄なピアニストがおられないわけではなく、例えば、90年のチャイコフスキーコンクールピアノ部門で優勝したロシアのベレゾフスキー氏は、いわゆる雲をつくような大男でした。女性では、先般、札幌Kitaraホールで拝見したオット嬢も大柄な方です。

 


マレイ・ペライヤのベートーヴェン

2009年05月30日 | 音楽三昧

夢の中で、周囲の立ち木がゴウゴウと鳴るのを聴いていました。今日は晴天ですが、風が強く不安定なお天気です。

先日、CS音楽放送(Music Bird) で米国のピアニスト、マレイ・ペライヤが弾くベートーヴェンの初期ピアノソナタ集を聴き、その演奏の確かさ、録音の良さに感心し、早速CDを取り寄せて、再度聴きました。

収容されている曲は、次の4曲です。

・ソナタ第12番変イ長調作品26
・ソナタ第 9番 ホ長調作品14-1
・ソナタ第10番 ト長調作品14-2
・ソナタ第15番 ニ長調作品28「田園」

この曲名をご覧になって、ハテ?どんな曲だったかと思われるほど、例えば、「月光」とか「熱情」とか「テンペスト」など、数あるベートーヴェンの有名なピアノソナタからすると、言わば無名の曲ですが、これが、現代のピアノの名手ペライヤが弾くとあたかも、これら有名曲に匹敵する輝きを放ちますから不思議です。

一方、これらはいずれも長調の曲で、これがベートーヴェンの曲かと思えるほど、明るくキュートな曲ばかりです。中でも、初めの第12番は、メロデイーが親しみやすく印象に残ります。

ところで、ベートーヴェンの音楽はどういうものか、という問いへの回答は極めて難しいと思うのですが、このCDの解説で、シープマンという人が次のように言っているのも印象に残りました。少し長いのですが、ご紹介します。

「ベートーヴェンが書いた32曲のピアノ・ソナタは、よく知られているようにそのどれもが素晴らしい。総じてユニークであり、独特の魅力にあふれている。

そしてそれらのソナタは、彼がほとんど弦楽四重奏曲だけに専念した晩年は別として、ベートーヴェンという人類史上最も偉大な精神の1つの、言わば自伝を形作っているだけでなく、作曲家としての、また思想家、劇作家、哲学者、詩人としての彼の成長を示した驚くほど包括的な記録でもある。

世俗にまみれた音楽の世界でそのようなことすべてが可能になったのは、べ一トーヴェンの巨大な知性のみならず、人間の多様な経験からその本質を抽出し、表現し、伝える能力をそなえていたからにほかならない。およそ人間の気分、感情、精神状態の中で、ベートーヴェンの注意を引かなかったものはひとつもない。

ベートーヴェンは普通では考えられないほどたびたび物事の核心に到達した。しばしば苦悩にさいなまれた内的体験を通じて、ベートーヴェンは個人的なものを普遍的なものに昇華させた。

彼がその偉大な音楽の中で表現したのは、悲しみではなく悲しみの本質、単なる喜びではなく喜びのエッセンスだった。

英雄的なものだけではなく、ヒロイズムそのものを、英雄であることそのものを表現しベートーヴェンがすべての作曲家の中で最も偉大な存在の1人として広く認められているとするなら、その理由は、間違いなく、彼の音楽の驚<べき質の高さだけでなく、彼の表現の普遍性にもある。

そして彼の音楽が何かについて語っているとするなら(勿論、それは議論の余地があることだが)それは人間であることの意味についてだろう。

ベートーヴェンのソナタは、どれひとつをとっても、それぞれに気分や性格や表現手法に違いはあるにしても、人間としての経験の本質をテーマとした報告書または、エッセイ、あるいは瞑想なのである」

以上の解説は、ベートーヴェンの音楽を包括的に理解する上で、とてもよい助けになると思います。

最近のペライヤには、この外、バッハのパルティータ集があり、これもすばらしい演奏です。一度お聴きになってみて下さい。

 


チケットを買う~ウイーン楽友協会

2009年05月01日 | 音楽三昧

今日のニセコは、うららかな春の陽気です。
気温も17℃ほどで、快適です。

今回のツアーは中欧4ヶ国の旅で、ウイーン、プラハ、ブラスチラバとブタペストを訪問するというものでした。いずれも、ハイドン、モーツアルトやベートーヴェンなどが活躍していた都市でもあり、どこかでコンサートにもぐり込めたらいいなと思っていました。

ただ、日程に合った公演があるか、また、希望通りのコンサートがみつかっても、果たしてチケットが入手できるか不安がありました。

そこで、まずウイーン楽友協会のHPを当たってみますと、ツアー最終日、自由行動後の夕食時に、ウイーンシンフォニーオーケストラの公演があることがわかりました。しかも、この公演では、今、世界的に注目を集めているヴァイオリンのヒラリー・ハーン嬢とのコンチェルトが予定されています。

そこで、早速、チケットを購入すべく当該HPを操作してみますと、ラッキーなことに、右後方のバルコニー前列に並んだ席があります。価格は1枚、57ユーロ、7,500円ほどです。これを2枚予約して、HPを閉じると、同会からEmailで、予約が完了した旨、通知がありました。

公演当日、このEmailを印刷して持参し、チケットオフィスに出向くと、すぐ発券してくれました。これがそのチケットです。

上の写真では、左端が黒くなっていますが、実際のチケットでは、この部分は金色で、なかなか見栄えがするものです。

いずれにしても、北海道の片田舎に住んでいて、ウイーンのコンサートチケットが購入できる便利さに感嘆した次第です。上の写真は、同会のHPから借用しました。

 

 


ウイーン楽友協会のヒラリー・ハーン

2009年04月30日 | 音楽三昧

少し気温が上がって、大分過ごしやすくなりました。
薪ストーブを焚き続けて10時間。室温が25℃を越え、ようやくゆったり生活できるようになりました。家全体が冷え切ってしまうと、暖め直すのにこんなに時間がかかるとは思ってもいませんでした。

26日、ウイーン楽友協会でヒラリー・ハーン嬢のヴァイオリンコンチェルトを聴きました。

昨今、世界的なソリストとして最も注目されている米国のヒラリー・ハーン嬢のコンチェルトが聴けるというので、旅先で我儘を言い、ツアーを抜け出して聴きに行きました。評判に違わず、すばらしい演奏でした。

アーチスト
Wiener Symphoniker
Yakov Kreizberg, Derigent
Hilary Hahn, Violine

プログラム
Felix Mendelssohn Bartholdy
 ・Overture "Die Hebriden", op. 26

Jean Sibelius
 ・Concert for Violine and Orchestre d-Moll, op. 47

Dmitri Schostakowitsch
 ・Symphonie No.6 h-Moll, op. 54

聴衆は、圧倒的に熟年世代で占められ、日本のコンサートとは大分異なる雰囲気でした。つまり、当地では会員制度が普及していて、コンサートは、これらの会員中心に運営されているように感じました。聴衆の耳も肥えていて、演奏の良し悪しに敏感に反応するようでした。

ちなみに、今回のコンサート。ハーン嬢が登場したシベリウスのコンチェルトでは、拍手が鳴り止まず、ソリストによるアンコール演奏がありましたが、続いて演奏されたショスタコヴィッチの第6番では、さっさと席を立ち、アンコールもなく、すぐお開きとなりました。

それにしても、このホールの音の良さには感心しました。
毎年正月に、ウイーンフィルによるニューイヤーコンサートが中継されるので、ホールの様子はご存知の通りです。

ちょっとライブ過ぎるのではと思われるのですが、そこで演奏されるハーン嬢のヴァイオリンの何とも魅力的な音。管楽器の浸透力のすばらしさ等々、このホールならではの音の良さに聞き惚れました。写真は、ハーン嬢の公式
HPから借用しました。 


Standing ovation~キーシンリサイタル

2009年04月29日 | 音楽三昧

旅行で10日ほど留守にしました。
昨夜帰宅すると、まだ、積雪が3~40cm残っています。
留守中には雪も溶けて、花壇には、花があれこれ咲いていると思っていたので、ビックリでした。

また、とても寒くて震え上がりました。室温は12℃ほど。
早速、薪ストーブに火を入れましたが、5時間焚いても本格的な暖かさが戻りません。

19日、サントリーホールでキーシンのピアノリサイタルを聴きました。さすが世界のキーシン。プロコフィェフの難しい「戦争ソナタ」などもあったのですが、さらに凄みを増した演奏の虜になってしまいました。

プログラム

プロコフィェフ:バレエ「ロメオとジュリエット」からの10の小品OP.75より 
 ・少女ジュリエット
 ・マキューシオ
 ・モンタギュー家とキャピュレット家

プロコフィェフ:ピアノソナタ第8番変ロ長調Op.84「戦争ソナタ」
 ・第 1楽章:アンダンテ・ドルチェ
 ・第 2楽章:アンダンテ・ソニャンド
 ・第 3楽章:ヴィヴァーチェ

ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調Op.61「幻想ポロネーズ」

ショパン:マズルカ Op.30-4,0p.41-4,0p.59-1

ショパン:12の練習曲Op.10より
 ・第 1番:ハ長調
 ・第 2番:イ短調
 ・第 3番:ホ長調「別れの曲」
 ・第 4番:嬰ハ短調
 ・第12番:ハ短調「革命」

ショパン:12の練習曲Op.25より
 ・第 5番:ホ短調
 ・第 6番:嬰ト短調
 ・第11番:イ短調「木枯らし」

アンコールは7曲。
モーツアルトとプロコフィェフが2曲、ショパンが4曲。1時間にも及ぶアンコール演奏は、初めての経験でした。

会場に灯が入ってからも、去りがたい聴衆は総立ちで、彼のすばらしい演奏に拍手を送っていました。

もうひとつ、気がついたこと。
やはりこのホールは、音がいいですね。
いつもの札幌Kitaraに比べ、演奏される音が曖昧にならず、ピシッとピントが合っていて小気味良く、演奏に身をゆだねることができます。
 


幸田浩子さんの「カリヨン」

2009年03月28日 | 音楽三昧

朝から照ったり曇ったりのお天気です。
この季節にはめずらしく、今朝は-9℃まで下がりました。

この2・3日の降雪と相まって、ゲレンデは良いコンデションのはずと、早速スキーにでかけました。土曜日ですが、まだ朝早い(午前8時半頃)せいか、滑っているのは私たちだけで、貸切り状態でした。

圧雪車がつけた規則正しい「洗濯板模様」の上を滑る楽しさは例えようがありません。隣接する花園スキー場は、4月の第一週までopenしているので、まだ2~3回は滑べれそうです。

帰宅すると、Amazonから購入したCDが届いていました。

幸田浩子さんの新しいアルバム「カリヨン」は、とても評判が良いらしく、あちこちの雑誌や新聞でとりあげられています。早速聴きましたが、前作のモーツァルトアリア集に比べ、一段と声(ソプラノ)の透明度があがり、また、選曲の良さ(ポピュラーな曲が多い)もあって、すばらしい仕上がりです。

しばし彼女の美声に酔いしれました。DVDクリップがおまけについています。

 


《バレンタインに贈る愛の歌》コンサート

2009年02月13日 | 音楽三昧

今日のニセコは、はっきりしないお天気です。
午後には風雨が強まるとの予報で、もう春一番なのでしょうか。

昨夜、札幌Kitara大ホールで、《バレンタインに贈る愛の歌》コンサートを聴きました。

ピアノの仲道郁代さんとともに出演予定だったソプラノの天羽明恵さんは急病のため、代わって佐々木典子さんが出演されました。

バレンタインコンサートなので、会場は、若いカップルや女性ファンが多く、7割ほどの入りでしたが、いつになく華やいだ雰囲気でした。そして、聴き慣れた名曲の数々を、身近に、しかも生で聴く喜びを満喫したコンサートでした。

プログラム

独唱 佐々木典子(ソプラノ) ピアノ伴奏:仲道郁代

モーツァルト
・すみれ・鳥よ・年ごとに・ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時・春への憧れ

シューベルト
・春の信仰・のばら・ます・ガニュメート・グレートヒェン

ベートーヴェン
・君を愛す

ピアノ独奏 仲道郁代

ショパン
・バラード第3番変イ長調作品47

シュ一マン/リスト編
・「ミルテの花」より献呈

独唱 佐々木典子(ソプラノ) ピアノ伴奏:仲道郁代

シューマン「ミルテの花」より
・献呈・胡桃の木・はすの花・ズライカの歌・君は花のよう

アンコールには、佐々木さんがシューベルトの名曲「音楽に寄す」を歌い、また、仲道さんがショパンの「ノクターン」を弾きましたが、いずれもすばらしい演奏で、うっとりと聞き惚れてしまいました。また、人間の持つ声のすばらしさ、その強い説得力を再認識させられました。 

 


アリス=紗良・オット嬢の「皇帝」

2009年01月17日 | 音楽三昧

今日のニセコは、時折、日差しもある穏やかな日和です。
この二日間の大雪で、自宅は城砦のような雪の壁で囲まれてしまいました。

15日、札幌Kitaraホールで、アンサンブル金沢のニューイヤーコンサートを聴きました。

プログラムは、オールベートーヴェンで、2曲目のピアノ協奏曲第5番には、注目のアリス=紗良・オット嬢がソリストとして登場しました。

 プログラム
 ・「エグモント」序曲
 ・ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ・交響曲第7番

アリス=紗良・オット嬢は、88年ミュンヘン生まれの20歳。4歳からピアノを初め、早くも5歳で最初のコンクールに優勝。以来、エントリーした各種のコンクールで、すべて最優秀賞を獲得して注目され、現在、欧州を初め、世界各国で演奏活動を展開する若き天才ピアニストです。

その大柄な美しい容姿に似合わず、鍵盤を激しく連打する演奏振りは、この「皇帝」でも、遺憾なく発揮されました。ただ、まだこの大曲を隅々まで理解して弾ききるというには若すぎるような気がしました。

それにしても、そのもの怖じしない大きな演奏に、場内は熱気に包まれ、アンコールに応じて弾いた、リストの「ラ・カンパネラ」も拍手が鳴り止みませんでした。

続いて、第7番が演奏されましたが、座った席が7列目と、かなり舞台に近かったせいか、アンサンブルは絶妙なのですが、ティンパニーの音が気になって、十分音楽に浸ることができませんでした。

この曲は、緩急が激しく、また、楽曲が中断、再開を繰り返すので、オーケストラにとっては、その技量が試されるわけですが、どうもその点では、(このオーケストラには)身に余るといった感じでした。指揮は、ベテランの井上道義氏でした。

アンコールに応えて、ベートーヴェンの「トルコ行進曲」とNHK大河ドラマ「篤姫」のテーマ曲が演奏されましたが好評でした。オット嬢の写真は、最新のCD(リスト超絶技巧練習曲集)のジャケットから拝借しました。

 


小山実稚恵ピアノリサイタル

2008年11月23日 | 音楽三昧

今日のニセコは、はっきりしないお天気です。
昨夜も降雪があり、今朝も早速、ベランダの雪かきをしました。


一昨日(21日)、小山実稚恵さんのリサイタルを聴きました。

このリサイタルは、「音の旅」と名付けられた12年24回シリーズの一環で、kitaraの小ホールで開催されました。

このシリーズは、2006年の第1回から毎年、春と秋に開催されています。このシリーズのすごいところは、24回ともすべてテーマ(色彩を含む)と曲目が決まっていることです。ちなみに、一昨日のリサイタルは、シリーズ第6回で、2008年秋~内なる叫び~<紫:高貴な精神・心の嵐>でした。

プログラム

シューマン:蝶々(Papillons) 作品2
ベートーヴェン:ソナタ第17番ニ短調「テンペスト」作品31-2
シューベルト:即興曲集作品142 D935から第1番ヘ短調
ショパン:ソナタ第3番 作品58

小山さんは、人気、実力ともに日本を代表するピアニストですので、小ホールは満員の盛況でした。また、小ホールでピアノが真近にあるため、演奏を全身で受け止めることができ、(大ホールではむずかしい)ピアニシモにおける旋律の変化もよく聴き取ることができ、より深く演奏を楽しむことができました。

特にシューベルトの即興曲は、聴き慣れた曲だけに、演奏される音ひとつひとつに全身が反応するほど聴き惚れました。この10分間の演奏を聴くためにこそ、札幌に出てきたのだと納得した次第です。

次に演奏されたショパンのソナタは、小山さんがショパンコンクールの第3次予選でも演奏した作品とかで、時を経た円熟した演奏を聴かせてくれました。

予定のプログラムが終了しても、小山ファンで埋まった会場は、一人として席を立つ人がなく、ショパンのワルツなど3曲のアンコールを強要してホールを後にしました。

滑り易い雪道を踏んでホテルに向かう道すがら、「やっぱり生じゃないとね~」と家内が言います。日頃、良い音を出すべくあれこれいじり回している拙宅のオーデイオですが、この日の演奏を聴くかぎり、とても敵わないと家内の弁に納得した次第です。

 


神尾真由子さんのデビューCD

2008年09月21日 | 音楽三昧

今日のニセコは、はっきりしないお天気です。
外に出ると、ひんやりした感じで、秋の深まりを実感します。

神尾真由子さんのデビューCD「PRIMO」を聴きました。

神尾さんは、ご存知の方も多いと思いますが、昨年モスクワで行われ
た第13回チャイコスキーコンクールヴァイオリン部門の優勝者で、90年
の諏訪内晶子さんについで日本人で二人目です。

その強い音の響きは彼女独特のもので、このCDでもその辺の雰囲気
は十分聴き取れますが、従来、テレビ中継などで聴いた音に比べると
より深みのある音で、音楽にたいする彼女の理解が一層進んでいるよ
うに思いました。

CDに収録されているプログラムは、下記の通りですが、小生には、最
後のストラヴィンスキーがとても良いと思いました。旋律は比較的単純
なのですが、音楽性という点では、他の楽曲を凌駕しています。

 ・ ワックスマン カルメン幻想曲
 ・ チャイコフスキー ワルツ・スケルツォ Op.34
 ・ シマノフスキ 神話~3つの詩 Op.30
 ・ チャイコフスキー 瞑想曲 Op.42-1
 ・ ショーソン 詩曲 0p.25
 ・ ストラヴィンスキー イタリア組曲

また、伊熊よし子さんが神尾さんと収録曲について、解説を行っている
のですが、これが的確でわかり易くとても良いと思いました。もったいつ
けた解説が多い中、伊熊さんのそれには、ウンウンとうなずきながら
全文目を通すことができました。ピアノ伴奏は、ウクライナ出身のグラド
フ氏です。