赤毛のアンちゃん

赤毛の柴犬アンちゃんは2014年11月、14年5カ月の生涯を閉じました。『決してリードは放しま宣言』発信中のブログです♪

ふるさと散歩[20] その2 『残したい風景―今昔もも物語』

2007-03-28 07:04:28 | (5)ふるさと散歩


土がふかふかしてやわらかい。
この畑に入って最初に感じたことですが
「育てる」とはこのことのようです。


ほぼ目線の高さが樹高の桃の木
ただ、その枝の長さはその数倍もあって
まるで羽を広げる丹頂の姿にも似た
優雅な佇まいです。


その見事な枝は
中央に据えられた太い竹の支柱から
何本もの細いロープで吊り上げるように支えられています。



桜ほどでもなく、梅ほどでもないものの
桃の品種もずいぶん多いようですが
この畑で今いちばん多く栽培しているのは


【日川白鳳(ひかわはくほう)】と呼ばれる人気の品種です。


ただ、【はなよめ】とどこがどう違うのか
花芽や花を見て分かるわけもありません。


今まで、桃の花をこんな間近で撮ったことも
本格的に取材したこともなかっただけに
その感慨もひとしおです。


同じ仲間であっても、梅とも桜とも違う
桃の魅力の一端を見せてもらった思いがします。



時代の変遷は味覚の変遷とも言われるだけに
桃が、品種改良を繰り返し続けなければならない作物と考えると
ご主人の話には重みが感じられます。

「昔は、この辺りには繊維産業も盛んでねぇ
桃も贈答品として重宝されたもんですよ」
「今は、そんな会社もなくなって
出荷量も10分の1まで減ってしまったし
大きくて甘くて安くないと売れないね」

「大きい」「甘い」「安い」
いいものが安くないと売れない時代。
決して桃だけの話ではないようです。

さまざまな分野で技術革新が進んだ結果
産業は海外に流出し、ものが溢れ、飽食を生む。
なんとも不合理な世の中であることは間違いありません。

私の子どもの頃のように
桃なんぞは病気にでもならない限り
なかなか口には入らなかった高級品だった時代には
考えもしなかったことですが・・・


とはいえ、「いいものは高い」
このあたり前の感覚が戻ってこない限り
この風景は守れないかもしれません。




今がちょうど花芽摘みの真っ最中ですが
5月に入ると南光梅ほどに大きくなった実の摘果と袋かけ
そして6月中旬から7月にかけて収穫と
作業は続くそうです。

岸和田市包近町の桃畑

その頃もう一度訪ねてみたいと思います。



最後に、住所交換もして
お礼にご主人の写真も撮らせてもらいました。
選んだ12枚のプリントもできましたので
お礼状を添えて
近々送らせていただきます。

ありがとうございました。







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