駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

香落ち上手戦記 下手居飛車穴熊1  ~その5~

2019年06月22日 | 対局日誌
●第9図までの指し手
▲9四桂
△同 香
▲9一銀
△9三玉
▲7一龍
△8八銀成
▲同 飛
△8一金


下手▲9四桂~▲9一銀は部分的な手筋ですが、上手に桂馬を渡しましたので、自玉の危険度が更に増しました。
▲7一龍でかなり迫った様に見えますが、上手の玉は金銀3枚に馬付きです。対抗形の将棋で制空権を握っている側の玉が寄ることはほぼありません。
△8一金で下手の攻めを催促します。

●投了図までの指し手
▲8二銀打
△8四玉
▲8五歩
△同 馬
▲7三銀不成
△同 玉
▲5五金
△同 角
▲投 了
まで99手で上手の勝ち


上手がかけた王手はわずかに1回でした。勝勢と分かっていても、穴熊特有の耐久力を発揮されない様に堅実な着手を選択します。
投了図の局面は、手番が上手に回ると△8七桂で一手一手の寄りに入りますので、下手投了も仕方ないでしょう。
右下で原型のまま並んでいる香車と桂馬が泣いていますが、これが下手の敗因であり、上手が目指した展開でした。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする