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駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

天童楷書物語 ~その61~

2023年05月15日 | 天童楷書
このカテで記事を書くのは久しぶりです。

天童楷書というのはいわゆる通称みたいなもので、

正式名称は「羽前(うぜん)」と言います。

そんなこと知らない方の方が多いですよね。

では、この画像の駒はご存じでしょうか?



昔はどの家庭にもあった、

天童産のスタンプ駒ですが、

この書体が羽前です。

いまでも100円均一ショップ等で売っていて、

世界で一番知られているはずの書体なのですが、

駒銘を刻まなかったせいで、

正式な書体名は知られることがなく、

通称の方がメジャーになった経緯にあると思います。

源平仕様(裏が朱色)の原点もこの駒にあり、

いわば最もこの仕様が似合う駒字と言えそうです。

今回は、この書体を一字&源平仕様で試作致します。

木地は試作用、御蔵島黄楊の柾目・板目交りを用意しました。

勘亭流 ~その7~

2023年05月06日 | 勘亭流
勘亭流です。

先ほど完成致しました。

直しを入れた関係で、

予定より時間を要してしまいましたが、

それにより新たな気づきが得られましたので、

気分は上向きです。

試作ですが、

木地はまあまあ柾目で揃ってますし、

思ったより出来が良かったので、

予備歩を足して売りに出すか、

予定通り使用見本にするかは、

ちょっと考えているところです。




三田玉枝 ~その14~

2023年05月04日 | 隷書(無剣・六清・三田玉枝・阪田好等)
三田玉枝です。

超・久しぶりですので、先に、

前回記事のリンクを貼りますね。

⇒三田玉枝 ~その13~

前回記事の日付が2014年11月1日ですので、

9年ぶりの登場ということになります。

2014年に三田玉枝を初めて作ったのですが、

この時、字母に自信がなかったので、

違う字母紙で2組作ってました。

出来の良い方をお客様へ納め、

失敗作ではないものの、そうじゃない方は、

お蔵入りとなってました。

そういう作品は他にも沢山あり、

時々見返すことで、反省し、

失敗の再発防止としています。



この三田玉枝に関しては、

その役目は終ったかなと思えましたので、

出来が悪かった駒を全て作り直し、

作品として完成させました。

ただし、経年変化で元々の駒はやや茶色く、

また新しく作った駒は白っぽく、

これではお客様からお金はいただけませんので、

作品見本として、

ハチワンダイningバーさんで

使って頂ける様にお願いする予定です。

勘亭流 ~その6~

2023年05月02日 | 勘亭流
勘亭流です。

漆を入れました。

斑(むら)の無い様に塗る必要があります。

そのために必要な、

筆に取る漆の量と筆を重ねる回数は、

感覚の世界なので説明できません。

そもそも漆は、

温度と湿度で状態が毎回違うので、

塗った直後、

それで正解だったのかどうかは、

出来上がってみないと分からないものです。

漆の塗りも大切な技術の一つです。