徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

4月の記録

2007-04-30 | 美術(Index)
4月の記録

展覧会(日付は鑑賞日)
  • 1日 館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸 五島美術館(5/6まで)
          絵画陶芸古筆
  • 8日 館蔵名品展 -春の宴と美人たち- 太田記念美術館(終了)
          鍬形斎
  • 8日 常設展 東京国立博物館
          鍬形斎
  • 8日 チューリヒ工科大学版画素描館の所蔵作品による「イタリア・ルネサンスの版画」ルネサンス美術を広めたニュー・メディア 国立西洋美術館(5/6まで)
  • 8日 平成14~18年度新収蔵版画展 国立西洋美術館(6/3まで)

  • 9日 日本美術院の画家たち(後期)松岡美術館(終了)
  • 9日 春季展 琳派 -四季の”きょうえん”-畠山記念館(6/10まで)展示替あり
  • 9日 狩野派誕生 ―栃木県立博物館コレクション― 大倉集古館(前期5/1まで、後期5/2から27)

  • 14日 モネ展 印象派の巨匠、その遺産 国立新美術館(7/2まで)
  • 14日 開館記念展Ⅰ「日本を祝う」サントリー美術館(第一期は終了)(6/3まで)
  • 15日 生誕100年 靉光展 東京国立近代美術館(5/27まで)
  • 15日 常設展 東京国立近代美術館
  • 22日 開館20周年記念戸栗美術館名品展Ⅰ ―古伊万里・江戸時代の技と美― 戸栗美術館(6/24まで)
  • 22日 モディリアーニと妻ジャンヌの物語展 Bunkamuraザ・ミュージアム(6/3まで)


    映画・ビデオ
  • 16日@AF275
     トリック劇場版2(2006) 監督 : 提幸彦
     キャスト: 仲間由紀恵 、阿部寛 、野際陽子 、片平なぎさ
     goo映画

  • 17日@AF278
     Stranger than Fiction(2006)
     Director:Marc Forster
     Cast:Will Ferrell ... Harold Crick
     imdb

  • 23日@JL010
     Blood Diamond(2006)ブラッド・ダイヤモンド
     Director:Edward Zwick
     Cast:Leonardo DiCaprio(Danny Archer), Djimon Hounsou(Solomon Vandy), Jennifer Connelly(Maddy Bowen)
     imdb
     goo映画

     The Holiday(2006)ホリデイ
     Director:Nancy Meyers
     Cameron Diaz(Amanda) , Kate Winslet(Iris)
     imdb
     goo映画

     Addicted to Love(1997) 恋におぼれて
     Director:Griffin Dunne
     Meg Ryan(Maggie), Matthew Broderick(Sam)
     imdb
     goo映画

  • 27日@JL009
     The Prestige (2006)プレステージ
     Director:Christopher Nolan
     Hugh Jackman(Robert Angier), Christian Bale(Alfred Borden)
     imdb
     goo映画

     Music and Lyrics (2007)ラブソングができるまで
     Director:Marc Lawrence
     Hugh Grant(Alex Fletcher), Drew Barrymore(Sophie Fisher)
     imdb
     goo映画
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    戸栗美術館名品展Ⅰ―古伊万里・江戸時代の技と美―

    2007-04-22 | 陶磁器
    開館20周年記念
    戸栗美術館名品展Ⅰ
    ―古伊万里・江戸時代の技と美―
    2007年4月1日から6月24日

    戸栗美術館、一年ぶりに再訪しました。今回は名品展というので、心はずみます。お勧め。

    「古伊万里」の図録の番号が展示リストに掲載されているが、安価な「西暦2000年図録」の番号をつけた。

    特に印象に残ったものは、
    初期伊万里―素朴な味わい(17世紀前半から中葉)。
  • 2.染付 吹墨白兎文 皿 伊万里 17世紀前半;(画像・解説) 図録68
  • 8.染付 楼閣山水文 鉢 伊万里 17世紀前期;繊細な筆遣いの山水図、青みをおびた上釉。HP「主な収蔵品」に画像)
  • 9.鶴丸文 鉢 伊万里 17世紀前期;リズミカルな筆。トンド様式を生かした意匠。
  • 13.染付 樹下人物文 鉢 伊万里 17世紀前期; (画像・解説);凹凸の縞模様の入った側面。
  • 14.染付 菊亀甲文 皿 伊万里 17世紀前期;
  • 15.染付 矢羽根文 皿 伊万里 17世紀前期;図録70;この2点は、繰り返しのある幾何学的なモダンな意匠。
  • 18.染付 布袋文 皿 伊万里 17世紀中葉;図録73;微笑する民画風
  • 20.染付 人物文 捻花形皿 伊万里  17世紀中葉;捻花の口縁 その縁さえ繊細な筆遣い。
  • 23.染付 山水人物文 瓢形皿 伊万里  17世紀中葉;変形皿;図録89;
  • 25.銹釉染付 鶺鴒文 三足皿 伊万里
  • 27.青磁瑠璃銹釉 鷺龍文  三足皿 伊万里  17世紀中葉;図録86;青磁の色合い、瑠璃釉、銹釉の三色の色合い、そしてウ気彫りの文様、傑作。
  • 27.青磁瑠璃銹釉 鶴亀松竹梅文  三足皿 伊万里   17世紀中葉;(画像・解説)
  • 30.染付 波兎文 皿 伊万里  17世紀中葉;のびやかな絵。

    古九谷様式―色絵の誕生(17世紀中葉)
  • 31.色絵 梅花丸門 分銅形皿 伊万里(古九谷様式) 17世紀中葉
  • 32.色絵 牡丹花文 松皮菱形皿 伊万里(古九谷様式) 17世紀中葉;この2点は南京手古九谷。白地に唐風の文様が描かれる。
    青手は、二点。

    柿右衛門様式―海を渡った古伊万里―(17世紀後半から)
    繊細な風合いの陶磁器が並ぶ。優美。
  • 42.色絵 唐子秋草文 瓶 伊万里(柿右衛門様式)17世紀後半;図録110;
  • 43.色絵 葡萄文 虫籠形食籠  伊万里(柿右衛門様式)17世紀後半;円筒形の側面縦縞の造形と意匠は、いかにも欧州からの注文品でしょうか?
  • 44.色絵 梅竹栗鶉文 皿  伊万里(柿右衛門様式)17世紀後半から末;(画像・解説)(多分)
  • 45.色絵 人物舟遊文 皿  伊万里(柿右衛門様式)17世紀後半から末;周茂叙を描いたという。
    ここまでの四点は、真っ白な地肌が美しい。
  • 53.色絵 石畳蔓草文 皿 伊万里(柿右衛門様式)17世紀末から18世紀初;模様を施した口縁がすこし立ち上がった飾り皿。意匠はモダン。

    金欄手―豪華絢爛(17世紀末から18世紀初)
    本当に豪華絢爛。
  • 54.色絵 弓破魔皿 伊万里 17世紀末から18世紀初;変形皿;図録125
  • 55.色絵 壽字吉祥紋 鉢 伊万里 17世紀末から18世紀初;図録127;(画像・解説)
  • 56.色絵 龍鳳文 鉢 伊万里 17世紀末から18世紀初;
  • 57.色絵 琴高仙人文  鉢 伊万里 17世紀末から18世紀初;図録128;
  • 58.色絵 麒麟人物文 鉢  17世紀末から18世紀初;
  • 59.色絵 龍文 菊花形鉢 伊万里 17世紀末から18世紀初;
  • 60.色絵 五艘船文 鉢 伊万里 18世紀初;図録124;
  • 61.色絵 荒磯文 鉢 伊万里 17世紀末から18世紀初;図録125
  • 62.染付 荒磯文 鉢 伊万里 17世紀末から18世紀初
  • 63.色絵 雲龍文 鉢 伊万里 17世紀末から18世紀初;図録129;

    17世紀後半の染付磁器ー清廉な白と藍
  • 65.染付 獅子花唐草文 長皿 伊万里 18世紀初;繊細な花唐草文の中に獅子が一対描かれる。
  • 67.染付 兎形皿 伊万里 17世紀中葉;(画像・解説)

    輸出された伊万里―華麗なる磁器
    4点

    青磁・瑠璃釉・銹釉―釉薬の美
  • 78.青磁 陰刻椿門 三足皿 伊万里;17世紀前期
  • 79.青磁染付 花文 三足皿 伊万里;17世紀中葉;青磁の皿の中央に染付けで花文を描く
  • 81.瑠璃釉金銀彩 猩猩文 瓶 伊万里;17世紀後半

    伊万里焼きの茶道具―伊万里の粋
  • 銹釉染付 松竹梅文 水指 伊万里;17世紀中葉;(画像・解説)
  • 銹釉 碗 伊万里;17世紀中葉

    暮らしのうつわー生活の彩り

    (22日)
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    館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸(古筆) 五島美術館

    2007-04-20 | 
    館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸(古筆)
    2007年3月31日から5月6日
    五島美術館

    五島美術館の春の優品展の水墨画陶芸について書いてからしばらくたってしまったが、古筆について書いておく。

    この2点は27日までの展示、連休中には源氏物語絵巻に展示替え。
  • *重文 大手鑑 筆陣毫戦;黒田長成旧蔵 257葉一帖;見返しが立派、解説なしで極札で鑑賞するのは大変なので、次回(再来年でしょうか)展示のときに。
  • *権納言家歌合・中宮権大夫家歌合・源大納言家歌合;巻子装;二十巻本類従歌合 巻十三「納言」の一部;愛媛・久松定謨旧蔵);今回は、冒頭の権納言家歌合(嘉保三年(1096)三月廿三日)は隠れて、中宮権大夫家歌合(嘉保三年(1096)五月三日 題郭公 菖蒲 早苗 恵 祝)と源大納言家歌合(題 障子絵)が展示されていた。;後者は実際は寛徳二年(1045)から天喜二年(1054)の間に行われた左京大夫道雅障子歌合;巻子装の裏の料紙が飛雲で美しい。

    以下、古今和歌集を中心に、(後期だが)高野切、本阿弥切(前期のみ)、三色紙のうち、継色紙(前期のみ)、寸松庵色紙、また筋切などオーソドックスな連綿体の古筆切れが展示されている。「特別展 やまとうた一千年」以来の展示か?久々に拝見するがやはり筆致が美しくて見入ってしまう。

  • **重文 継色紙 伝小野道風筆 (めつらしき)古今和歌集 巻七賀歌359 ;大聖寺藩前田家伝来、三井八郎衛門旧蔵 
  • 亀山切 伝紀貫之筆;古今和歌集 巻四秋歌上204,205,207,208; 丹波亀山藩主松平家伝来に因む
  • 栂尾切 伝源順筆 (湯原王亦贈歌一首):万葉集 巻四相聞670;桂本万葉集のつれ 現在は源兼行(高野切第二種と同種)と推定;
  • 関戸本古今集切 伝藤原行成筆 (あしひきの山へにいまはすみそめの);古今和歌集 巻十六哀傷歌844-845;本切は金銀泥で鳥の下絵、藍色の料紙
  • 重文 寸松庵色紙 伝紀貫之(としゆき);古今和歌集 巻四秋歌上218;雲母刷りの瓜の料紙
  • 藍紙本万葉集断簡 藤原伊房筆 万葉集 巻十八 4162 大伴家持;薄藍色の漉紙に銀の揉箔
  • **本阿弥切 伝小野道風筆(すもゝの花);古今和歌集 巻十 物名428-432;鳳凰唐草文の藍の具引紙、本切は雲鶴文様
  • 筋切 伝藤原佐理筆;古今和歌集 巻二十東歌1093-94;藤原定実の筆致と断定。
  • 烏丸切 伝藤原定頼筆;後撰和歌集 巻五秋上238-241;烏丸光弘(1519-1638)旧蔵。もとは二冊の冊子本。上巻のみ断簡で現存。(右近切と呼ぶものも有る)後撰和歌集の最古の写本。飛雲文様をちらし金泥砂子をまく
  • 中院切 伝源実朝筆;後拾遺和歌集 巻六冬383-385;中院通村(1588-1653)旧蔵。後拾遺和歌集の上下二冊本、上巻のみが断簡として現存、料紙は烏丸切と似て、飛雲や金銀揉箔散らし
  • 堺色紙 伝藤原公任筆(音羽山ととにきゝ);古今和歌集 巻十一恋歌一473;銀泥で蝶、鳥、秋草文様を描いた薄藍色染紙;通常の古筆よりやや大きめの筆使い。およそ十点現存、巻七、十一に限られる。
  • 鶉切 伝藤原顕輔筆;古今和歌集 巻十六哀傷歌840-841;鶉切れは、型文様雲母刷りの料紙、文様の一つに鶉があることから鶉切れと呼ばれる。冊子本の断簡、本切は人物像文様。

  • *百首和歌 頓阿筆

    *3月31日から4月27日まで展示
    **3月31日から4月15日まで展示

    なお、**に変って後期は、五島美術館自慢の
  • 重文 高野切第一種 伝紀貫之 巻一春歌上1-3

  • 石山切(伊勢集)
    が展示される。

    (1日)
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    開館記念展Ⅰ「日本を祝う」 サントリー美術館

    2007-04-16 | 絵画
    開館記念展Ⅰ「日本を祝う」
    2007年3月30日から6月3日
    サントリー美術館

    前期:4月16日まで
    中期:5月7日まで
    後期:6月3日まで

    開館日に行かれたTakさんのBlogで、展示替えが、3回もあるというので、慌てて14日にいってきました。サントリー美術館は、赤坂見附にあったときには、たまに企画展にしか足を運んだことがなく、実際何を所蔵しているのか未見です。TAKさんもお勧めのメンバーズ・クラブに入会して、一通り拝見させてもらおうと思います。

    さて今回目に付いたのは、

  • 4 浄瑠璃絵巻 16世紀「三河国矢矧の宿での、源氏の御曹司・源義経と浄瑠璃御前との一夜の逢瀬の物語で、義経伝説の一つ、全十六段で構成される。」とのこと。その一段が展示されていたか、華やかな色彩の状態のよさが目を見張る。
  • 67 十二ヶ月景物絵巻 二巻 土佐光芳 江戸18世紀中頃; 子の日の小松引きの場面が展示されていた。土佐光芳らしい雅な世界。
  • 68 三十二番職人歌合絵巻 一巻 室町15世紀; 職人歌合絵巻は、「東北院職人歌合絵巻」(東京国立博物館蔵)、「鶴岡放生会職人歌合絵巻」(個人蔵)、天理大学附属天理図書館本などがあるとのこと。幸節静彦氏旧蔵で幸節本と従来呼ばれていたとのこと。

  • 桐鳳凰図屏風 六曲一双 狩野探幽 江戸17世紀; 華やかで優美な鳳凰。晴れやか気分になる。探幽って素晴らしいと素直に思いました。各隻”探幽法眼筆”と款し、”守信”の朱文瓢印を捺す。探幽の最も充実した、いわゆる斎書き時代の傑作とのこと。

  • 93 重美 舞踊図 六面 江戸17世紀;動作の様子がきちんと描けた優品です。

    仁清が三点。
  • 12 色絵鶴香合 一合 野々村仁清 江戸17世紀後半
  • 13 色絵獅子鈕鞠形香炉 一合  野々村仁清  江戸17世紀後半
  • 121 色絵七宝繋文茶碗 一口  野々村仁清  江戸17世紀後半

    薩摩切子の切子藍色船形鉢と「ちろり」は、ガラス器とはいえ、心惹かれます。
  • 15 切子藍色船形鉢 一口 薩摩 江戸後期19世紀中頃
  • 126 藍色ねじり提手ちろり(長崎系吹きガラス)」江戸18-19世紀

  • 71 国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱 一合 鎌倉13世紀;古河藩土井家伝来で、手箱を納める内箱の蓋裏には文政二年(一八一九)の箱書があり、「大将軍源頼朝之夫人政子の愛翫する所」の手匣の一つと記す。とのこと。三嶋大社の国宝梅蒔絵手箱も政子による寄進ですので、それにあやかって、箱書きしたのでしょうか?本当にそのような伝世品でしょうか?

    特別出品 祝い縷 一色 吉岡幸雄 2007年、カラフルな組紐が天井から落とされ、磨かれた鏡に上にたらされる。上から覗き込むと底なしで、蜘蛛の糸を眺めおろすような気分になる。楽しい作品。



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    生誕100年 靉光展

    2007-04-15 | 絵画
    生誕100年 靉光展
    2007年3月30日から5月27日
    東京国立近代美術館

    靉光(本名:石村日郎、1907-1946)(AI-MITSU)の生誕100年を記念する展覧会。

    いつも常設展に展示されている《眼のある風景》1938年を見て、強烈な印象を受けながら何を描いているのだろうと、不気味に思っていた。

    概要で、「1924(大正13)年に上京し、中村不折らが指導する太平洋画会研究所に通うようになる」とあった。一寸調べると、下記の太平洋美術会のhttp://www.taiheiyobijutu.or.jp/ryakusi/p_ryakusi.htmに「明治22年小山正太郎、 浅井忠等によって創立された「明治美術会」は同35年 「太平洋画会」と改称し、当時の洋画会の新人満谷国四郎、吉田博、中川八郎、石川寅治、石井柏亭、大下籐次郎、 丸山晩霞等により、 同年3月上野公園第5号館において第1回展を開催しました。 こののち日本近代 美術史の曙を拓いた人々です。明治37年には谷中清水町に洋画研究所を開設し、 翌年同研究所を真島町に移して後進の育成に努め、更に昭和4年には研究所を太平洋美術学校と改め (初代校長・中村不折)官立の美術学校と対抗して、当時、在野における唯一の存在として幾多の英才鬼才をわが国洋画壇に送りました。 」とある。中村不折とは、書の収集家であることを書道博物館で知り、作品も近美に常設展示されているのですが、そのような画家とは、はじめて知りました。

    そして、「「池袋モンパルナス」と呼ばれた界隈で仲間たちと切磋琢磨しながら、自らの画風を模索していきます。」とある。「池袋モンパルナス」とは?仲間とは?よく判らない。現在、板橋美術館で館蔵品展「池袋モンパルナスの作家たち」の展覧会が開催されているようだが、「今から80年ほど前、池袋、板橋、練馬付近にはアトリエ付きのアパートが立ちはじめ、若い芸術家たちが集まりました。住人の一人、小熊秀雄はこの界隈の詩を詠んで「池袋モンパルナス」と名づけました。ここでは、麻生三郎、寺田政明、井上長三郎、古沢岩美をはじめとする画家たちが、戦争や貧困の中でキュビスムやシュルレアリスムなど外国の表現を自由に解釈し、独自の芸術を探求していました。政治的、社会的な圧力にも負けず、画家たちは希望に満ちた時代と独自の芸術を明るく捜し求めていたのです。彼らの前向きで積極的な姿は、社会不安の押し寄せる現代を生きる私たちが見直すべき姿だと言えるでしょう。」とある。興味深いのは、寺田農(俳優)の父は 寺田政明という画家だったということ。知りませんでした。

    閑話休題。

    「第1章 初期作品」では、ゴッホやルオーに影響された作品が展示される。
  • 9 コミサ(洋傘による少女) Komisa (Girl Leaning on an Umbrella) 1929(昭和4)年 油彩・キャンバス 広島県立美術館
  • 10 屋根の見える風景 Landscape with Roofs 1929(昭和4)年 油彩・キャンバス
    コサミはルオー風、屋根の見える風景はゴッホ風。

    そのあとに彼が試みた、「ロウ画」と呼ばれる溶かしたクレヨンなどによる作品が並ぶ。《編み物をする女》1934年(愛知県美術館)ほか、諧謔的な味わいのデフォルメされた小品群。これは、お勧め。
  • 15 キリスト(赤) Christ (Red) 1932(昭和7)年 グワッシュ、墨・紙
  • 18 馬 Horse 1933(昭和8)年頃 グワッシュ、蝋・紙 メナード美術館
  • 21 女 Woman 1934(昭和9)年 グワッシュ、クレヨン、墨・紙 広島県立美術館
  • 20 乞食の音楽家 Beggar Musician 1934(昭和9)年 グワッシュ、墨・紙
  • 19 編み物をする女 Woman Knitting 1934(昭和9)年 グワッシュ、クレヨン、墨・紙 愛知県美術館
  • 23 自画像 Self-Portrait 1934(昭和9)年 グワッシュ・紙 スズカワ画廊

    「第2章 ライオン連作から《眼のある風景》へ」では、上野動物園に通ってさまざまな動物をスケッチしたという彼の作品がならぶ。結実したのは、
  • 34 馬 Horse 1936(昭和11)年 油彩・キャンバス 東京国立近代美術館
  • 35 眼のある風景 Landscape with an Eye 1938(昭和13)年 油彩・キャンバス 東京国立近代美術館
    「馬」のほうが、馬の原型をとどめているのが、極端にデフォルメされた画面は不思議な印象。タッチの力強さとは対象的な馬の弱弱しさ姿。動物と向かい合って感じた様々な印象を、訴えかけてくる。そのようにして、 「眼のある風景」を見れば、これは、シュルレアリスムの傑作というよりは、動物園の目の前に広がった風景そのものです。

    「第3章 東洋画へのまなざし」では、虫や鳥が見え隠れする濃密な幻想世界が繰り広げられる。個人的には趣味ではないが、強烈な印象。

    一方、
  • 80 末広一一氏の像 Portrait of Mr. Kazuichi Suehiro 1941(昭和16)年 水彩、墨、鉛筆・紙 広島県立美術館
  • 81 畠山雅介氏の像 Portrait of Mr. Masasuke Hatakeyama 1941(昭和16)年 水彩、墨、鉛筆・紙 広島県立美術館
  • 82 娘 Girl 1941(昭和16)年 水彩、墨、鉛筆・紙 広島県立美術館
    の3点では、この画家の別な面が覗く。背景がない人物像は、確かな筆致。戦前の日本人のきりっと座す空気が伝わってくる。

    「第4章 自画像連作へ」では、戦争激化にともない、逮捕者がでるなど、前衛的な表現が取り締まりの対象のなかでの作品。

  • 108 かます Barracuda 1943(昭和18)年 油彩・キャンバス 財団法人ウッドワン美術館
    の折れ曲がって描くところなど、変節する自分自身の投影でしょうか?

    そして最後に召集まえに描いたという自画像3点。
  • 111 帽子をかむる自画像 Self-Portrait Wearing a Cap 1943(昭和18)年 油彩・キャンバス 広島県立美術館
  • 112 梢のある自画像 Self-Portrait with Treetops 1943(昭和18)年 油彩・キャンバス 東京藝術大学
  • 118 自画像[白衣の自画像] Self-Portrait Dressed in White 1944(昭和19)年 油彩・キャンバス 東京国立近代美術館
    顎をあげ、上官に向かって起立したような姿。デフォルメされた頭部の輪郭。空を見つめる姿。孤独、絶望、あるいは力強さ、未来への意志など様々な解釈できると解説されているが、悔しさがいっぱいの表情に、つい涙に誘われました。

    (15日)









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    モネ展 印象派の巨匠、その遺産

    2007-04-14 | 絵画
    モネ展 印象派の巨匠、その遺産
    2007年4月7日から7月2日
    国立新美術館

    会場情報がHPにある。平日はお待ちいただくことなく入場できます。金曜の夜間開館時、および土・日の夕方は比較的ゆっくりご覧になれます。土・日・祝は開館直後(午前10時頃)10〜15分程お待ちいただく可能性があります。会期後半は混雑が予想されますのでお早めのご来場をおすすめします。これを見ないで、土曜日の開館直後に訪れてしまった。しっかり待たされる。中の混み具合は、まあまあというところ。

    ほとんど事前情報もなく、訪れたが。。。モネは97点。(3点はまだ展示期間ではない)

    オルセー美術館共同企画ということで、オルセー美術館からの作品が16点(多分)。
    4.ゴーディベル婦人 1868
    7.石炭の積み下ろし 1875
    9.日傘の女性(右向き)1886
    14.アルジャントゥィユのセーヌ川 1873
    16.アルジャントゥィユの小舟 1872
    19.かささぎ 1868-69
    20.ヴェトゥイユの教会 1879
    21.ヴェトゥイユの教会、雪 1878-79冬
    25.モントルグイユ街、1878年パリ万博の祝祭 1878
    26.ボルディゲラの別荘 1884
    28.ジヴェルニーのモネの庭、アイリス 1900
    43.アルジャントゥィユのレガッタ 1872
    57.エプト川のポプラ並木、風の日 1891
    63.積みわら、夏の終わり、朝 1891
    64.ルーアン大聖堂、正面とサン・ロマン塔 1893
    68.サン・ラザール駅 1877
    89.しだれ柳 1920-22(オルセー美術館寄託)

    他にフランスの美術館からは、11点(多分)
    34.エトルタの日没 1883  ナンシー美術館 
    51.ヴェトゥイユ、曇り日 1901 リール美術館
    67.アルジャントゥィユ駅 1872 ヴァル・ドワーズ県議会
    72.ロンドン、国会議事堂 1903 マルロー美術館、ル・アーブル
    78.テムズ川のチャタリング・クロス橋 1903 リヨン美術館
    79.ヴェトゥイユの村 1881 ルーアン美術館
    80.セーヌ川、シャントゥメッスルの高台からの眺め 1881 ルーアン美術館
    83.ジヴェルニーの池の片隅 1917 グルノーブル美術館
    84.藤 1917-20 マルセル・ドッサル美術館、ドルー
    86.ばらの小径 1918-24 マルモッタン美術館
    88.モネの家 1922-24 マルモッタン美術館

    米国からは、13点(多分)
    3.ゆりかごの中のジャン・モネ 1867  ワシントン・ナショナル・ギャラリー
    11.読書をするシュザンヌと描くブランシュ 1887 ロサンゼルス美術館
    23.アルジャントゥィユのモネの庭 1873 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
    24.庭のカミーユ・モネと子供 1875 ボストン美術館
    29.マルタン岬から見たマントンの町 1884  ボストン美術館
    33.ヴァランジュヴィルの漁師小屋 1882  ボストン美術館
    39.ボルディゲラのやしの木 1884 メトロポリタン美術館
    53.サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会から見たドゥカーレ宮 1908  メトロポリタン美術館
    54.大運河、ヴェネツィア 1908  ボストン美術館
    58.ポプラ並木、秋 1891 フィラデルフィア美術館
    62.積みわら、雪の朝 1891 ボストン美術館
    81.睡蓮の池 1900 ボストン美術館
    96.睡蓮 1917-19 ホノルル美術館

    あと、スイス、ドイツ、個人蔵などもあるが、あとは日本の美術館所蔵。ここまで書いてきましたが、日本人はモネが好きですね。

    今回は、主題別に並んでいるので、モネの描き分けているようすがわかり面白い。
     雪の風景を描いた、19.かささぎ、20.ヴェトゥイユの教会 1879、21.ヴェトゥイユの教会、雪 1878-79冬、の対比。
     ヴェネツィアの風景
     ロンドンの風景
    このあたりを並べて見るのは初めてなので、ちょっと感動しました。
    もちろん、ポプラ並木、積みわら、ルーアン大聖堂なども数点ずつ、睡蓮は大量に並べられている。

    個人的に印象に残ったのは、
    3.ゆりかごの中のジャン・モネ 1867  ワシントン・ナショナル・ギャラリー
    5.カミーユ・ジャン、乳母 1873 個人蔵、スイス
    8.菫の花束をもつカミーユ・モネ 1876-77 個人蔵
    11.読書をするシュザンヌと描くブランシュ 1887 ロサンゼルス美術館
    23.アルジャントゥィユのモネの庭 1873 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
    38.ルエルの眺め 1858 丸沼芸術の森所蔵 (w.1とあるが最初期の作品ということでしょうか)
    84.藤 1917-20 マルセル・ドッサル美術館、ドルー;藤色がなんともいえない。
    94.睡蓮 1914-17 アサヒビール株式会社;大山崎山荘美術館を訪れたことはないのですが、自慢の作品ですね。

    日本人の先人の炯眼にびっくりするのは、
    60.積みわら 1885 大原美術館;これも、もしかすると積み藁を描いた作品としては、初期の作品なのですね。

    この他に、モネに影響を受けた他の作家の現代的な作品も展示されている。
    資料展示、モネを訪ねた日本人のコーナもなかなか楽しかった。松方コレクションのうちモネは25点とは。

    コメント (2)
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    狩野派誕生 ―栃木県立博物館コレクション―

    2007-04-11 | 絵画
    狩野派誕生 ―栃木県立博物館コレクション―
    2007年4月1日から5月27日
    前期4月1日から5月1日、後期5月2日から27日
    大倉集古館

    狩野派の初代・狩野正信が関東に縁があるということもあり、栃木県立博物館は、まとまった狩野派コレクションを有している。二代元信が大成した初期の狩野派絵画を中心に、江戸狩野の立役者・探幽らの作品を加えた、栃木県立博物館のコレクション40点が一挙に展観される。正信筆の「観瀑図」(重要文化財、栃木県・大祥山長林寺蔵)、個人蔵の二点に加え、大倉集古館の「探幽縮図」も参考出展。パンフレットは500円。

    全般的に状態が(補修のためか)素晴らしいため、緊迫した空気がみなぎり、感嘆することしきり。
    *は、前期のみ。

    1.初代・狩野正信(1434-1530)
    正信は、上総狩野家が直接の出身という説が唱えられえているそうだ。
  • 狩野正信「観瀑図」(重要文化財、栃木県・大祥山長林寺蔵);下野国足利庄の代官長尾氏が正信に描かせ長林寺に寄進したとされるという。縦に流れる瀑布の様子など締まった画面は迫力の有る名品。解説によると正信の娘が長尾氏に嫁いだという。
  • 伝狩野正信「松下二仙図」 近藤滋弥男爵旧蔵。かなりあくの強い人物。

    2.二代・狩野元信(1477?-1559)
    伝元信の作品しかないが、状態は(補修したのか)素晴らしく、緊迫感の有る作品が並ぶ。
  • 伝狩野元信 蕪菁図 策彦周良賛;伝牧谿「客来一味図」(宮内庁三の丸尚蔵館)を基にして描いたという。
  • *伝狩野元信 山水図屏風; 有馬伯爵家(久留米藩主)旧蔵;六曲一双だが、もともと別の作品を組み合わせているという。工房作というが、張り詰めた空気が伝わってくる優品。
  • 伝狩野元信 達磨慧可対面図 東渓宗牧賛;

    3.元信周辺
  • *右都御史 牧牛図;二幅; 右都御史(狩野玉楽)(16世紀後半)は、小田原狩野の画人。細部まで描かれた優品。
  • 官南 渡唐天神図;官南(16世紀後半)。正面を向き梅が枝をもった渡唐天神図。
  • 石樵昌安 鴛鴦図;信濃の画僧(16世紀後半)。東博にも時々出展されている覚えがある。彩色が施された鴛鴦図。
  • 狩野秀頼 布袋図;狩野秀頼(?-1534-1576-?)といえば、国宝「高雄観楓図屏風」。昨年東博の国宝室で楽しんだ。元信の次男または孫とされる人物。こちらは、墨による袋に寄りかかって足を投げ出して布袋図。

    4.狩野興以(?- 1623-1636)
    狩野興以は、三代・光信の高弟の一人。光信の死後、探幽などの後見にあたる。
  • * 狩野興以 月下猿猴図; 二幅; 猿の毛並みが見事。猿が月に手を伸ばす画題は、よく見る画題だが、猿が湖面に映る月を取ろうとして溺れ死んだ話に、自らの力に余る大望を抱くことのはかなさを説く禅画「猿猴捉月(えんこうそくげつ)」に由来する画題という。二幅にしては、並べ方が少しあっていない気がしました。

    5.狩野山楽(1559-1635)
  • 伝狩野山楽 野馬図屏風;躍動感ある馬の表現、さまざまな斑の馬。馬に格段の興味のあった武将たちには、好まれた画題ではなかったのでしょうか?

    6.狩野探幽(1602-74)
  • 狩野探幽 瀟湘八景図巻;探幽壮年期にあたる斎書き時代の優品。ターナー様の墨をつかった抽象画。洞庭秋月を欠く。
    他には画巻としては本間美術館に2巻本がある。
  • 狩野探幽 富士三保清見寺図;三幅対;探幽は生涯に25作を超える富士図を描いたそうだ。本図は、日本平から見た富士三保清見寺図。淡墨、淡彩の日本画の源流のような作品。

    8.狩野安信(1613-85)
  • 狩野安信 東坡騎驢図;理知的な画面。前かがみで、ぴんと跳ねた驢馬の耳。

    9.その他
  • *衛藤良行「山水図屏風」;衛藤良行(1761-1823)は、肥後細川藩御用絵師。雪舟風の山水画
  • *矢野良勝「風景図屏風」;矢野良勝(1760-1821)は、矢野派第五代。遠近法的景色。

    10.狩野意信
  • 狩野意信 日光名所絵図巻;狩野意信(-1847);豪華絢爛

    この他に、下野ゆかりの美術として、「奈良絵本 俵藤太 17世紀」が展示されていた。豪華な絵本。

    後期には
    狩野正祐「鶉図」(前期)
    官南「高士観瀑図」(後期)
    伝狩野雅楽助「廿四孝図屏風」(後期)
    などが展示される。また訪れたい。

    (8日)
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    春季展 琳派 -四季の”きょうえん”- 畠山記念館

    2007-04-10 | 絵画
    春季展 琳派 -四季の”きょうえん”-
    2007年4月3日から6月10日
    畠山記念館
    畠山記念館では、6年ぶりの琳派展。同館の優品が56点が展示される。展示スペースの関係だろうが、書画は、2週おきぐらいに展示替がある。計4回は通わないと全点は拝見できない。出品目録をリストにしたので参考まで。今回は新しい琳派の図録があり、1800円。
    工芸は、紅葵牡丹花蒔絵硯箱(光琳)が5/6までの展示

    4/3~4/17~4/24~5/8~5/15~5/29~
    扇面月兎画賛 一幅 本阿弥光悦筆
    金銀泥薄下絵古今集和歌巻」 一巻 本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵
    素紙千載和歌集巻 本阿弥光悦筆 
    小謡本 本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵
    後選集和歌短冊 本阿弥光悦書
    古今和歌集色紙 本阿弥光悦書
    重文 金銀泥四季草花下絵古今集和歌巻 本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵
    扇面草花図 伝俵屋宗達筆 
    蓮池水禽図 一幅 俵屋宗達筆
    騎牛老子図 俵屋宗達筆
    重文 躑躅図 尾形光琳筆
    小督局図 尾形光琳筆
    禊図 尾形光琳筆 
    八橋図・秋草図団扇 尾形光琳筆 
    重美 白梅模様小袖貼付図屏風 尾形光琳筆 
    布袋図 尾形光琳筆
    秋萩図 尾形乾山筆
    立葵図 尾形乾山筆
    拾得図 尾形乾山筆
    紫陽花百合図 尾形乾山筆
    重美 四季花木図屏風  六曲一双 渡辺始興筆
    月波草花図 酒井抱一筆 
    十二ヶ月花鳥図 十二幅 酒井抱一筆
    四季花木図屏風 酒井抱一筆
    乙御前図 酒井抱一筆
    立雛図 酒井抱一筆
    賤が屋の夕顔図 酒井抱一筆
    富士見業平図屏風 酒井抱一筆
    風神雷神図 酒井抱一筆
    曲水宴図 鈴木其一筆
    向日葵図 鈴木其一筆


    さて今回の書画の展示品は、
  • 3.素紙千載和歌集巻 本阿弥光悦筆
  • 8.扇面草花図 伝俵屋宗達筆
  • 13.禊図 尾形光琳筆;伊勢物語 第65段
  • 14.八橋図・秋草図団扇 尾形光琳筆
  • 15.重美 白梅模様小袖貼付図屏風 尾形光琳筆
  • 16.布袋図 尾形光琳筆;原三渓旧蔵。愛らしい布袋の表情がいいです。
  • 24.四季花木図屏風 酒井抱一筆;桜の木のたらしこみに目がいく。
  • 25.乙御前図 酒井抱一筆
  • 26.立雛図 酒井抱一筆;ひな祭りに掛けたのでしょうか。
  • 27.賤が屋の夕顔図 酒井抱一筆;昨年も拝見。屋根の上の猫が長閑な風情。
  • 30.曲水宴図 鈴木其一筆;雅な曲水宴図。3月3日。桃が咲く。

    工芸品は、
    「赤楽茶碗 銘 雪峯」(重要文化財) 本阿弥光悦作;昨年も拝見した。
    「赤樂茶碗 銘 李白」本阿弥光悦作;高台がほとんどない。
    「黒樂茶碗 銘 武蔵野」尾形乾山作;
    「紅葵花蒔絵硯箱」 一合 尾形光琳作

    あとは、乾山のオンパレード。
    「銹絵染付火入 銘 赫々」尾形乾山作・尾形光琳絵
    「色絵藤透鉢」 尾形乾山作
    「色絵菊透鉢」 尾形乾山作
    「色絵福寿文手鉢」尾形乾山作
    「銹絵染付絵替り四方向付」 六客 尾形乾山作
    「色絵牡丹文四方皿」尾形乾山作
    などなど
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    日本美術院の画家たち(後期) 松岡美術館

    2007-04-09 | 絵画
    日本美術院の画家たち(後期)
    2007年2月27日から4月22日
    松岡美術館

  • 横山大観 《夕月》紙本墨画淡彩 1939年 ニューヨーク万博 ;崖の上に立つ木々が傾いている、風が強いのだろうか。そこに分け入る人物が一人。
  • 下村観山 《長安一片月》 絹本墨画銀泥 1900 第9回絵画協会第4回日本美術院連合共進会;
    子夜呉歌 李白
    長安一片月 長安一片の月
    萬戸擣衣聲 万戸衣を打つの声
    秋風吹不盡 秋風吹きて尽きず
    總是玉關情 総て是玉関の情
    何日平胡虜 何れの日か胡虜を平らげ
    良人罷遠征 良人遠征を罷めん
    李白の有名な漢詩のようだ。

  • 下村観山 《武人愛梅》 紙本着色 1902頃
  • 寺崎広業 《美人読書図》紙本墨画 1910;白描の美人。
  • 川合玉堂 《春峡》 1926;
  • 小林古径 《紅梅》 1943;毒々しいようなピンク
    など

    明清時代の絵画(後期)
    2007年2月27日から4月22日

    記録はしていませんが、前期の方がまだ精緻な山水画などあり楽しめたのですが、清となるとまだまだ理解を欠きます。
  • 沈銓 鴛鴦図 紙本着色 清時代;白地なのですが、日本で珍重された沈銓らしい細密描写は極わずかに認められるのみ。百合、牡丹、鴛鴦などを描く。
  • 金農 「紅白梅図巻」 紙本墨画淡彩 一巻 清乾隆16年(1751)孫星衍画題「南枝紅恵」;鬱蒼とした枝ぶりの梅が画巻いっぱいに生い茂り、そこに満開の梅の花がさく。金農は特徴的な字体の書でしか見たことはなかったが、揚州八怪(乾隆年間に揚州で活躍した個性的な画家たち)の一人だそうだ。
    など

    庭も公開されていましたが、桜吹雪が舞い、紅葉の青葉が鮮やかでした。
    (8日)
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    鍬形斎

    2007-04-08 | 絵画
    鍬形斎

    なぜか、鍬形斎の肉筆画を何点か立て続けに見た。

    東京国立博物館の常設展。(2007/3/13から4/8)
  • 飛鳥山図 1幅 鍬形斎筆 江戸時代・19世紀 A-1023
  • 近世職人尽絵詞 1巻 鍬形斎筆 江戸時代・19世紀 A-83-3 3巻のうち巻下; 画像の通り、生き生きと描かれていて楽しい絵巻。

    そして太田記念美術館 館蔵名品展 -春の宴と美人たち-
  • 鍬形斎 桜花遊宴図;この巧みな構図は見事。(図は(こちら)を参照)
  • 鍬形斎 飛鳥山の花図 両国の月図

    特別展 浮世絵(昭和59年)の図録によれば、
    鍬形斎:1764(明和1)-1824(文政7)
    北尾政美。初代北尾重政の門人。のち狩野養川院惟信の門に入る。はじめは黄表紙を主とした版本の挿絵を専ら描く。天明中頃より錦絵の美人画や武者絵、浮絵なども手がける。寛政六年(1794)、津山侯のお抱絵師となり、鍬形姓を名乗って、狩野惟信に師事してからは、版画制作を離れて肉筆画に専念する。

    なお、2004年に鍬形斎展が開催されていた。図録は太田記念美術館で販売していた。(リンク

    浮世絵師からお抱絵師になったとは、意外に江戸時代は自由な時代です。
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