徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

館蔵名品展 -春の宴と美人たち-  太田記念美術館

2007-04-08 | 絵画
館蔵名品展 -春の宴と美人たち-
2007年4月1日から20日
太田記念美術館

太田記念美術館が所蔵する名品の中から、春にちなんだ肉筆画が60点あまりが展示されていた。華やかな優品が並ぶいい展覧会でした。HPに画像がいくつか出ています。

  • 勝川春章 桜下詠歌の図;姫君を中心に13人の女性が幔幕から若君を覗き見している。笑える構図。
  • 歌川豊広 観桜酒宴図;吉原の二階座敷、花魁、振袖新造、番頭新造、かむろ、遣手、幇間、芸者と総勢十二人を描く華やか酒宴図
  • 作者不詳 京名所図屏風;右隻は東山清水寺、左隻は鞍馬、清涼寺の桜の頃を描く。賑やかな人出。
  • 鍬形斎 桜花遊宴図; 画面右上から左下に人物を配すダイナミックな構図。赤い着物で踊る若君がいい。
  • 渓斎英泉 江都不忍弁財天光景 褐色の地は夜桜のような風情、ちょっと寒そうな六人の男女がそぞろ歩き

  • 松野親信 草子洗小町 小野小町が草子を洗っている図。好まれていたようで。草子洗小町については、たとえば、こちら
  • 葛飾北斎 源氏物語図;巻八 花の宴 ビゲロー旧蔵
  • 小林清親 勿来図;
  • 歌川豊春 桜下花魁道中図
  • 歌川豊春 桜下花魁と禿図;この二点は華やかで春らしい。
  • 歌川国貞 桜下の花魁と禿図;禿の豪奢なガラス飾りのようなかんざし
  • 小林永濯 桜下遊女の図 絹本双幅;しっとした美人図。小林永濯も劇画風でない作品も残している。
  • 鍬形斎 飛鳥山の花図 両国の月図
  • 鳥居清長 桜下の大夫と禿 扇一本;清長の肉筆は珍しいとのこと。
  • 司馬江漢 蝶 扇一本;西洋画士江漢司馬峻と署名。
  • 俵屋宗理 藤 扇一本;
  • 酒井抱一 花卉図 扇一本;
  • 鈴木其一 彼岸桜図 扇十二本のうち;琳派らしい扇
  • 森狙仙 猿に蝶 扇一本;森狙仙らしい猿
  • 松村景文 春草図 扇一本;
  • 菱川師宣 不破名護屋敵討絵巻;紙本着色一巻;土佐浄瑠璃「名古屋三郎」を描く。軽妙な墨書が光る

    今月いっぱいならば、H19年度維持会員となれます。年間4000円で24回無料で入館+招待券2枚がいただけます。来月から2ヶ月にわたり「ヴィクトリア アンド アルバート美術館展」が開催されるので会員になってしまいました。
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    館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸(陶芸) 五島美術館

    2007-04-04 | 陶磁器
    館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸(陶芸)
    2007年3月31日から5月6日
    五島美術館

    陶芸は、ほとんど昨年の春の優品展と同じ内容。*が昨年出展された品。昨年は、伯庵茶碗は、朽木が出展されていましたが、ことしは冬木。また、瀬戸黒茶碗 銘 武蔵坊が出展されていました。***は、2005年12月の館蔵茶道具取合せ展に出展。

  • 42 猿投灰釉長頸壺 平安時代
  • 43 瀬戸黒茶碗 銘 武蔵坊 銘は表千家九世了々斎宗左(内箱蓋裏);大振りで真っ直ぐな胴は、いかにも武蔵坊。
  • 44* 黄瀬戸平茶碗 銘 柳かげ 桃山時代;(リンク);内箱蓋裏に小堀十左衛門(1639―1704)が、「道のべの清水ながるゝやなぎ影しばしとてこそ立ちどまりけり」と西行の和歌を歌銘として記す。
  • 45* 黄瀬戸胴〆茶碗 桃山時代
  • 46* 重要文化財 鼠志野茶碗 銘 峯紅葉 桃山時代;(リンク); 美濃焼(岐阜県の陶器)の一種。形姿は逞しく、堂々としているが、成形が巧みなため、手に持つと意外に軽い。桃山時代の和物茶碗の代表作。銘は茶碗の景色からの連想。鉄釉を施した上に、亀甲文と桧垣文様を掻き落とした後、志野釉をかけて文様を白く浮き出させている。九鬼家伝来。 出光美術館の「志野と織部」からこちらに戻ってきて展示されていました。
  • 47* 志野茶碗 銘 梅が香 桃山時代;(リンク)「赤志野」と呼ぶ赤味を帯びた釉薬は、志野焼の中でも珍しい。志野釉(長石釉)と素地の中の鉄分とが作用して赤く発色する。松江藩主松平不昧(1751―1818)が所持し、『雲州名物』に記載がある。岐阜県土岐市の高根西窯から同手の陶片が出土した。
  • 48*** 黒織部沓形茶碗 銘わらや; (リンク)高台脇の漆の書付「わらや」は千宗旦(1578-1658)と伝える。

  • 49 重要美術品 伯庵茶碗 銘 冬木 江戸時代・17世紀; 小堀遠州箱書付、材木商冬木喜平次が所有。松平不昧公の「古今名物類聚」記載。(リンク)
  • 50* 長次郎黒楽茶碗 銘 千声 桃山時代; (リンク);銘は、表千家六世の覚々斎宗左(原叟 1678~1730)
  • 51* 長次郎赤楽茶碗 銘 夕暮 桃山時代;鴻池家伝来 銘は千宗旦。今回は、この渋みのある赤膚の茶碗の微妙な色合いの景色の前に佇んでしまいました。
  • 52* のんこう黒楽茶碗 銘 三番叟 17世紀 銘は裏千家九世石翁玄室;渋めの長次郎赤楽茶碗の横にのんこうの茶碗、対比が妙。
  • 53* 宗入黒楽茶碗 銘 あやめ;銘は表千家六世覚々斎宗左
  • 54* 乾山黒楽茶碗 銘 露堂々
  • 55 無地志野茶碗 荒川豊蔵作 1953年

  • 56* 古伊賀水指 銘 破袋 桃山時代;
  • 57* 古備前矢筈口水指 桃山時代
  • 58* 信楽一重口水指 銘 若緑 桃山時代
  • 59* 志野矢筈口水指 桃山時代
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    館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸(絵画) 五島美術館

    2007-04-03 | 絵画
    館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸(絵画)
    2007年3月31日から5月6日
    五島美術館

    昨年も訪れたが、今年も春の優品展を訪れた。

    水墨画は、前期(3/31-4/15)、後期(4/17-5/6)で展示替えがある。

    前期は、下記の3点。
    ・布袋図 愚中周及筆 見心来復賛 室町時代・14世紀 (画像)
    絵の愚中周及(1323―1409)は、美濃(岐阜県)出身の臨済宗の僧。布袋の姿を、筆線を省略し、流麗な筆致で一気に描く。見心来復(1319―91)は、周及の中国の留学先での同門の禅僧。儒学や詩文に優れていたという。
    この布袋図、柔らかな筆使いが日本的。点で描かれた顔の造作がいい。
    ・梅画賛 一休宗純筆 室町時代・15世紀 康正二年(1456)賛 (画像)
    京都大徳寺の禅僧一休宗純(1394―1481)による梅樹を描いた自画賛。康正二年(1456)、63歳の時の作品。絵も書も、独特の自由闊達な筆致を示す。一休は、奇矯の風来僧で知られ、自由濶達に走る筆法が特徴。
    一休宗純の画といい、賛といい、自由闊達な筆致は絶妙。
    ・重要美術品 黄山谷像 伝 如水宗淵筆 蘭波景し(1419-1501)賛 室町時代・15-16世紀
    如水宗淵(?-1459-?)は雪舟の弟子とされる人物。宋時代の文人 黄山谷(黄庭堅 1045-1105)を描く。宗淵の画風は筆致が弱く、雪舟の影響を感じない洗練した画面を生み出している、との解説。

    なお、
    後期は、
    ・蘭竹図 伝 鉄舟徳済筆 室町時代・15世紀
    ・重要美術品 雪嶺斎図 僊可筆 麟仲祖祥他賛 室町時代・16世紀
    ・猿図 僊可筆・「布袋和尚」一行書 雪村周継筆 室町時代・16世紀

    4月28日から5月6日が
    ・国宝 源氏物語絵巻 鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法 平安時代・12世紀
    今年は、復元模写も展示される。
    ・源氏物語絵巻 鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法 復元模写 平成17年(2005)作
     


    水墨画-近代日本
    この一年で拝見した五島美術館の所蔵する近代日本画の優品といえば、
    小川芋銭 蓬莱仙境図(NHK日曜美術館30周年展)(記録はこちら
    川合玉堂 焚火(1903)日本絵画協会第15回共進会(没後50年 川合玉堂展)(記録はこちら
    今回は、水墨画というお題なのでこの二点は出展されていない。

    川合玉堂は初期の作品が鋭いタッチの作品が二点。
  • 松鷹図 川合玉堂筆 明治43年(1910)
  • 松山懸瀑図 川合玉堂筆 明治45年(1912)

    大観が6点ならぶ。何点かは昨年も拝見した印象があるが定かではない。
  • 横山大観 晨征(1944)昭和19年帝国芸術院会員陸軍献納展出品。;水墨画の伝統にのっとり小さく描かれた人が印象的。
  • 横山大観 暮嶽 1932
  • 横山大観 霊峰の夏 1946
  • 横山大観 竹外一枝 1946
  • 横山大観 茄子 1946
  • 横山大観 飛泉 1953

    (1日)



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