徒然なるまままに

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館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸(古筆) 五島美術館

2007-04-20 | 
館蔵春の優品展 水墨画・古筆と陶芸(古筆)
2007年3月31日から5月6日
五島美術館

五島美術館の春の優品展の水墨画陶芸について書いてからしばらくたってしまったが、古筆について書いておく。

この2点は27日までの展示、連休中には源氏物語絵巻に展示替え。
  • *重文 大手鑑 筆陣毫戦;黒田長成旧蔵 257葉一帖;見返しが立派、解説なしで極札で鑑賞するのは大変なので、次回(再来年でしょうか)展示のときに。
  • *権納言家歌合・中宮権大夫家歌合・源大納言家歌合;巻子装;二十巻本類従歌合 巻十三「納言」の一部;愛媛・久松定謨旧蔵);今回は、冒頭の権納言家歌合(嘉保三年(1096)三月廿三日)は隠れて、中宮権大夫家歌合(嘉保三年(1096)五月三日 題郭公 菖蒲 早苗 恵 祝)と源大納言家歌合(題 障子絵)が展示されていた。;後者は実際は寛徳二年(1045)から天喜二年(1054)の間に行われた左京大夫道雅障子歌合;巻子装の裏の料紙が飛雲で美しい。

    以下、古今和歌集を中心に、(後期だが)高野切、本阿弥切(前期のみ)、三色紙のうち、継色紙(前期のみ)、寸松庵色紙、また筋切などオーソドックスな連綿体の古筆切れが展示されている。「特別展 やまとうた一千年」以来の展示か?久々に拝見するがやはり筆致が美しくて見入ってしまう。

  • **重文 継色紙 伝小野道風筆 (めつらしき)古今和歌集 巻七賀歌359 ;大聖寺藩前田家伝来、三井八郎衛門旧蔵 
  • 亀山切 伝紀貫之筆;古今和歌集 巻四秋歌上204,205,207,208; 丹波亀山藩主松平家伝来に因む
  • 栂尾切 伝源順筆 (湯原王亦贈歌一首):万葉集 巻四相聞670;桂本万葉集のつれ 現在は源兼行(高野切第二種と同種)と推定;
  • 関戸本古今集切 伝藤原行成筆 (あしひきの山へにいまはすみそめの);古今和歌集 巻十六哀傷歌844-845;本切は金銀泥で鳥の下絵、藍色の料紙
  • 重文 寸松庵色紙 伝紀貫之(としゆき);古今和歌集 巻四秋歌上218;雲母刷りの瓜の料紙
  • 藍紙本万葉集断簡 藤原伊房筆 万葉集 巻十八 4162 大伴家持;薄藍色の漉紙に銀の揉箔
  • **本阿弥切 伝小野道風筆(すもゝの花);古今和歌集 巻十 物名428-432;鳳凰唐草文の藍の具引紙、本切は雲鶴文様
  • 筋切 伝藤原佐理筆;古今和歌集 巻二十東歌1093-94;藤原定実の筆致と断定。
  • 烏丸切 伝藤原定頼筆;後撰和歌集 巻五秋上238-241;烏丸光弘(1519-1638)旧蔵。もとは二冊の冊子本。上巻のみ断簡で現存。(右近切と呼ぶものも有る)後撰和歌集の最古の写本。飛雲文様をちらし金泥砂子をまく
  • 中院切 伝源実朝筆;後拾遺和歌集 巻六冬383-385;中院通村(1588-1653)旧蔵。後拾遺和歌集の上下二冊本、上巻のみが断簡として現存、料紙は烏丸切と似て、飛雲や金銀揉箔散らし
  • 堺色紙 伝藤原公任筆(音羽山ととにきゝ);古今和歌集 巻十一恋歌一473;銀泥で蝶、鳥、秋草文様を描いた薄藍色染紙;通常の古筆よりやや大きめの筆使い。およそ十点現存、巻七、十一に限られる。
  • 鶉切 伝藤原顕輔筆;古今和歌集 巻十六哀傷歌840-841;鶉切れは、型文様雲母刷りの料紙、文様の一つに鶉があることから鶉切れと呼ばれる。冊子本の断簡、本切は人物像文様。

  • *百首和歌 頓阿筆

    *3月31日から4月27日まで展示
    **3月31日から4月15日まで展示

    なお、**に変って後期は、五島美術館自慢の
  • 重文 高野切第一種 伝紀貫之 巻一春歌上1-3

  • 石山切(伊勢集)
    が展示される。

    (1日)
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