徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

2008年7月の記録

2008-07-31 | 美術(Index)
2008年7月の記録

展覧会
  • 5日 ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展 @国立新美術館(9月15日まで)
  • 5日 アボリジニが生んだ天才画家 エミリー・ウングワレー展 @国立新美術館
  • 5日 エドヴァルド・ムンク「二人の姉妹―ラグンヒルとダグニー・ユール」他 @青山ユニマット美術館
  • 5日 副都心線 パブリックアート展 @クレアーレ青山アートフォーラム(パサージュ青山 AOYAMA M’s TOWER 2F)
  • 5日 江戸の祈りと呪い(まじない)@太田記念美術館
    この日は六本木から原宿まで散歩しながら、5件の美術館を梯子。

  • 11日 BRUEGEL, DouとDavid @Musée du Louvre

  • 18日 特別展 美術の遊びとこころⅢ NIPPONの夏
         -応挙・歌麿・北斎から「きもの」まで-三井記念美術館(前期)
  • 18日 「対決-巨匠たちの日本美術」@東京国立博物館
          運慶 vs 快慶
  • 18日 平常展 @東京国立博物館
  • 19日 日仏交流150周年記念 オルセー美術館コレクション特別展
         「フランスが夢見た日本-陶器に写した北斎、広重」@東京国立博物館

  • 25日 「対決-巨匠たちの日本美術」@東京国立博物館
          池大雅 釣便図
  • 25日 特集陳列「六波羅蜜寺の仏像」@東京国立博物館

    映画
  • 12日 The Spiderwick Chronicles (2008) @AF276, imdb
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    池大雅 釣便図

    2008-07-25 | 絵画
    創刊記念『國華』120周年・朝日新聞130周年
    特別展「対決-巨匠たちの日本美術」
    2008年7月8日~8月17日
    東京国立博物館 平成館

    釣便図
    池大雅の釣便図。教科書にも掲載されていたこの一枚の絵のために、先週第二期を訪れたにも拘わらず、第三期もわざわざ訪問。川端康成記念会所蔵のこの作品は、なかなか見る機会を得なかったが、川端康成の生誕110周年記念の企画展「川端康成コレクション」名古屋・松坂屋美術館 2009年2月19日 - 3月15日だろう。でも名古屋ではなかなか難しいので、今回は逃さずということででかけた。

    十便十宜図貼は、李漁(李笠翁)が伊園での隠遁生活を詠んだ十便十二宜詩を題材に、池大雅が十便貼を、与謝蕪村が十宜貼を共作した作品。尾張国鳴海の素封家の下郷学海の注文によって制作されたと考えられている。明和八年(1771)。十便とは自然の中の生活がいかに便利かということを、十宜とは春夏秋冬、朝晩、雨風などが楽しめるという。釣便とは、船に乗ることなく釣りを楽しめる便利さとのこと。
    釣りをする人物が、便利というより楽しんでいる様が描かれている。ユーモラスな表情が釣便の名作たる所以なのだろう。釣り糸が絡まるような垂れ方も飄々としている。

    対決 池大雅 VS 与謝蕪村
    という意味では、中国風の池大雅と和風の与謝蕪村では、やはり与謝蕪村に軍配を挙げたい。
  • 重文 漁楽図 池大雅筆 1幅 江戸時代・18世紀 京都国立博物館蔵
    も精緻な筆遣いが見事だが、
  • 重文 新緑杜鵑図 与謝蕪村筆 1幅 江戸時代・18世紀 文化庁蔵
  • 重文 鳶鴉図 与謝蕪村筆 2幅 江戸時代・18世紀 京都・北村美術館蔵
    の2点がいい。とくに後者の墨の技法と何とも言えない鴉の風情は、素晴らしい。

    十便帖十宜帖は勿論、池大雅も与謝蕪村もなかなかまとまって作品を見る機会がなかったので楽しめた。

    国宝 十便帖 池大雅筆 1帖 江戸時代・明和8年(1771) 神奈川・川端康成記念会蔵
    ※池大雅筆「十便帖」の頁替。
       耕便図 :7月 8日(火)~7月13日(日)
       課農便図:7月15日(火)~7月21日(月・祝)
       釣便図 :7月23日(水)~7月27日(日)
       灌園便図:7月29日(火)~8月 3日(日)
       樵便図 :8月 5日(火)~8月10日(日)
       眺便図 :8月11日(月)~8月17日(日)
    国宝 十宜帖 与謝蕪村筆 1帖 江戸時代・明和8年(1771) 神奈川・川端康成記念会蔵
    ※与謝蕪村筆「十宜帖」の頁替。
       宜夏図 :7月 8日(火)~7月13日(日)
       宜秋図 :7月15日(火)~7月21日(月・祝)
       宜暁図 :7月23日(水)~7月27日(日)
       宜晩図 :7月29日(火)~8月 3日(日)
       宜風図 :8月 5日(火)~8月10日(日)
       宜陰図 :8月11日(月)~8月17日(日)
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    対決-巨匠たちの日本美術(1) 運慶 vs 快慶

    2008-07-18 | 美術
    創刊記念『國華』120周年・朝日新聞130周年
    特別展「対決-巨匠たちの日本美術」
    2008年7月8日~8月17日
    東京国立博物館 平成館

    運慶 vs 快慶 —人に象る仏の性—
  • 重文 地蔵菩薩坐像 運慶作 1躯 鎌倉時代・12~13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵
  • 重文 地蔵菩薩立像 快慶作 1躯 鎌倉時代・13世紀 奈良・東大寺蔵

    運慶(-1224)と快慶の作風は動と静。などということも頭に入っていなかった。運慶、快慶はとともに、平重衡の兵火(1180)から南都再興にあたった。運慶は、鎌倉幕府関係の仕事も行い、東国武士好みの作品を残した。伊豆の韮山の願成就院に作品があるようだ。 今度訪れてみたい。快慶は、東大寺大仏再興の大勧進であった俊乗坊重源と関係が深かったという。

    先日、日下力氏の「いくさ物語の世界」(お勧め)を読み、「保元物語」「平治物語」「平家物語」「承久記」は、戦後文学であったと知ったが、運慶、快慶の作品もある意味、戦後復興の彫刻だったと、音声ガイド聞きながらふと思ったりした。

    いくさ物語の世界―中世軍記文学を読む (岩波新書 新赤版 1138)
    日下 力
    岩波書店

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    ルーブル美術館にて BRUEGEL, DouとDavid

    2008-07-11 | 絵画
    Musée du Louvre

    ルーブル美術館の絵画部門を一通り鑑賞。今回目に付いた作品をリストアップ。


    Pieter BRUEGEL le Vieux, Les Mendiants ou Les Culs-de-jatte, 1568, R.F.730; ブリューゲルの小品。ブリューゲルの油彩は45点あまりしか知られていない。

    Gerald Dou, La Femme hydropique,1663, Inv.1213 H.:0,86 m. ; L.:0,68 m.; Salle 35にはDouの作品が何点も並んでいた。どれもDouらしい小品だが、この作品だけは大作。ルーブルサイトを調べてみると、Galerie royale de Turin ; donné par le roi de Piémont-Sardaigne, lors de son abdication, à l'adjudant-général Clauzel, lequel donne à son tour à la "nation'', 1798 ; transféré au Louvre dès 1799と書いてある。もっともらしく書いてありますが、ナポレオンがイタリア遠征の戦利品として奪ったという意味でしょうか?ともあれ、la vanité de la médecineという意味の作品とのこと。

    Jacques-Louis DAVID, Madame Charles-Louis Trudaine, 1791-1792, R.F.670;背景が最後まで描かれていない。しかし、それが、肖像写真のようで目を引いた。同じく有名なMadame Récamier,INV. 3708と同様とのことだが、この状態で十分味わいがある。
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    副都心線 パブリックアート展

    2008-07-05 | 美術
    副都心線 パブリックアート展
    2008年6月14日から7月10日
    クレアーレ青山アートフォーラム(パサージュ青山 AOYAMA M’s TOWER 2F)

    副都心線のパブリックアートの原画を展示した展覧会に立ち寄った。このギャラリーは地図をもたないでいったら迷いました。ともあれ、

    こちらに
    にパブリックアートの写真は掲載されていますが、

    幸せのリング/宮田亮平【池袋駅 B2F 改札内通路】
    新宿躑躅/中山ダイスケ【東新宿駅 B4F 改札】
    希望/武田双雲【明治神宮前駅 B1F 千代田線連絡通路】
    あたりが、個人的にはシンプルで気に入りました。

    地下鐵道乃圖/山口 晃【西早稲田駅 B1F 早大理工方面改札】
    海からのかおり/大津英敏【渋谷駅 B2F 半蔵門線方改札外通路】
    とかは、駅のイメージと関連しているかなと思いましたが、

    ウォーターフォール/千住 博【新宿三丁目駅 B2F 高島屋方面改札】
    は、高島屋というイメージとはちょっとずれているような。
    コメント (1)
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    ムンク「二人の姉妹―ラグンヒルとダグニー・ユール」

    2008-07-05 | 絵画
    エドヴァルド・ムンク「二人の姉妹―ラグンヒルとダグニー・ユール」
    2008年4月23日から10月20日
    青山ユニマット美術館

    青山ユニマット美術館、箱根美術館時代には訪れたことがなかったが、いろいろ面白い作品を所蔵している。国立新美術館を後にして、外苑前ではすぐといことで、久々に訪問。

    今回のハイライトは、ムンク「二人の姉妹―ラグンヒルとダグニー・ユール」(1892)。ムンクの精神に大きな影響を与えた「ファム・ファタル」の一人が、ダグニー・ユール(後にプシビシュフスキー氏と結婚)。その彼女がピアノを弾く後ろ姿で描かれている。正面を向いて歌うのが妹ラグンヒル・ユール。ラングヒルの家族が所有していたため、箱根美術館で公開されるほとんど公開されることのなかった作品だという。

    作品は印象派風。《叫び》の前年に描かれたもの。

    ダグニー・ユール・プシビシュフスキーが、ムンクの死んだ姉とともに、いかにムンクの精神に影響を与えたかが、解説されていた。

    25日以降は、クリムトも展示されるとのこと
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    エミリー・ウングワレー展

    2008-07-05 | 絵画
    アボリジニが生んだ天才画家
    エミリー・ウングワレー展
    赤い大地の軌跡―5万年の夢に導かれ、彼女は絵筆をとった。
    2008年5月28日から7月28日
    国立新美術館

    エミリー・ウングワレー(c.1910-1996)の大回顧展。圧倒的な迫力。モダンアートにはない生命力がみなぎっています。
    1点好きな作品を挙げろと言われれば、
  • ビック・ヤム・ドリーミング 1995年
    黒地に白でヤムの根?が画面を覆い尽くす。リズミカルな線は圧倒的。
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    ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展

    2008-07-05 | 絵画
    ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展
    2008年7月2日から9月15日
    国立新美術館

    フランダースやオランダの画家による静物画の展覧会だった。ハプスブルク家から1648年にオランダが独立したのだから、フランダースの絵画は優品のはずだが、基本的にはオランダ絵画は、ハプスブルク家としてのコレクションは少ないはず。

    興味深かったのは、月暦の
  • ヤン・バプティスト・サイーフェ(父)、「果物市場(9月ー10月)」「肉市場(11月から12月)」(1590)
  • フレデリク・ファン・ファルケンボルフ一世の工房、「花市場(春)」「果物市場(夏)」c.1610。

  • アントニオ・デ・ベレデ「静物:虚栄」c.1634;カール5世のカメオが描かれている。

    華やかな画面のヤン・ブリューゲル(父)の作品は、いつも楽しい。
  • ヤン・ブリューゲル(父)、ヘンドリク・ファン・バーレン「大地女神ケレスと四大元素」(1604)
  • ヤン・ブリューゲル(父)「青い花瓶の花束」c.1608; 中国陶器とおぼしき花瓶。
  • ヤン・ファン・デ・ヘッケ Jan van den Hecke「花瓶の花とグラーフェリンゲンの包囲戦」c.1652; 縞がらのチューリップが凄い。

  • レアンドロ・ダ・ポンテ Leandro de Ponte「6月」c.1580;陰影のハッキリした輪郭線で画面がおおわれていて、生々しい草とか、ちょっと怖い。

  • ルーベンス「チモーネとエフィジェニア」c.1617;弟子が背景や猿を描いているという。

    とはいえ、オランダ絵画の優品も来日している。
  • ヤン・ステーン「逆さまの世界」c.1663
  • ヤン・ステーン「農民の婚礼」c.1670
  • ヘーラルト・ダウ「医師」c.1653
  • ヘーラルト・ダウ「花に水をやる窓辺の老婦人」c.1660/65
    など。

    そして
  • ベラスケス 「薔薇色の衣装のマルガリータ王女」c.1653/54
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