徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

2008年12月の記録

2008-12-31 | 美術(Index)
2008年12月の記録

展覧会
  • 12日 相国寺・金閣・銀閣 名宝展 "Shôkokuji, Pavillon d’Or, Pavillon d’Argent - Zen et Art à Kyoto" @ Petit Palais, Paris 2008年12月14日まで 
     フランス語でわざわざZENの文化を拝見するのは大変だが、若冲の「釈迦三尊図」が出展されているの見に行った。意外な大きさにびっくり。伝周文「十牛図」に再会できた。ゆっくり真近に拝見でき、その緻密な線がよくわかり感動。
  • 12日 Mantegna, 1431-1506 マンテーニャ、1431-1506年 @ルーブル美術館
  • 13日 Raoul Dufy. Le Plaisir @ Le Musée d’Art moderne de la Ville de Paris 2009年1月11日まで
     初期の作品からフォーブ派から晩年の作品までが並ぶ。途中、セザンヌの影響を受けたときもあったが、版画、生地のデザイン(インドネシア更紗を髣髴とさせるようなデザイン)、セラミックなども展示され、最後によく知っている淡彩のDufyの作品がテーマ別に並ぶ。初期のSainte Adresseの風景からNICEの風景(マティスのような窓越しの風景)、そして音楽シリーズまで、色彩の作家だった。美術館に常設のLa Fée Électricité (624 m²)(1936-37)の大壁画があるのも改めて鑑賞。

  • 17日 アンドリュー・ワイエス -創造への道程-@Bunkamuraザ・ミュージアム
  • 20日 浮世絵の中の源氏絵 源氏物語誕生1000年記念@太田記念美術館
     浮世絵において「源氏絵」と言った場合、厳密には『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』を題材にした作品のことを指すとのことだそうで、ある意味では10月11月の歌川国貞(三代歌川豊国)展のつづき。歌川国貞の亀戸天満宮奉納田舎源氏額面写 空蝉、若紫、(2種) は1839年の掛額の写し。そのあとずらっと偐紫田舎源氏の各場面を題材にした三枚続きの作品が並ぶ。さらに源氏見立八景之内 野分ノ晴嵐、夕霧ノ落雁も並ぶ。
     鳥文斎栄之「略三幅対 女三之宮 衣通姫 小野小町」「浮世源氏八景 松風夜雨」など普通の源氏物語の見立絵ものもあった。
     意外にも紅葉賀、花宴の巻を描いたものが多かったような気がする。

  • 25日 蜷川実花展ー地上の花、天井の色-@東京オペラシティーアート・ギャラリー
     極彩色のポスターにひかれて、ぐるっとパスもあるので来訪。若い女性ばかりで吃驚。蜷川実花はアイドルや女優の写真集を手掛けているからでしょうか有名なようです。ポートレートの部は200枚のポートレートが並んでいて長蛇の列でみなこれはだれだと見ていました。現代の女性のあこがれの美人像なのでしょう。元気がでます。

  • 26日 丸紅創業150周年記念 丸紅コレクション展 ~衣裳から絵画へ 美の競演~@損保ジャパン東郷青児美術館
     サンドロ・ボッティチェリ《美しきシモネッタ》 1480-85年頃 テンペラ・板を拝見しに来訪。
     小磯良平の《横向きの裸婦》(1951)もなかなか良かった。
  • 27日 セザンヌ主義 父と呼ばれる画家への礼賛 ピカソ・ゴーギャン・マティス・モディリアーニ @横浜美術館

    バレエ
  • 7日 ボリショイ劇場バレエ公演 白鳥の湖(ザハーロワ、ウヴァーロフ、ベロゴロフツェフ) @東京文化会館

    映画
  • 10日 Wanted(2008) @JL405
    Director:Timur Bekmambetov
    Casting
    James McAvoy ... Wesley Gibson
    Morgan Freeman ... Sloan
    Angelina Jolie ... Fox
    imdb

     
  • 10日 How to Lose a Guy in 10 days(2003) @JL405
    Director:Donald Petrie
    Casting
    Kate Hudson ... Andie
    Matthew McConaughey ... Ben
    imdb

  • 10日 The Score(2001) @JL405
    Director:Frank Oz
    Casting
    Robert De Niro ... Nick Wells
    Edward Norton ... Jack Teller
    Marlon Brando ... Max
    imdb

     Robert De Niloが筋金入りの金庫破りを演じる。金庫は歴史的な建造物で知られるモントリオール・カスタムの地下にある。懐かしい。モントリオールに住んでいたときに街中の建造物を写真で撮りまくったのを思い出す。

  • 13日 The House Bunny (2008) @JL406
    Director: Fred Wolf
    Casting
    Anna Faris ... Shelley Darlingson
    Colin Hanks ... Oliver
    imdb

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    セザンヌ主義 @横浜美術館

    2008-12-27 | 絵画
    セザンヌ主義
    父と呼ばれる画家への礼賛 ピカソ・ゴーギャン・マティス・モディリアーニ
    2008年11月15日- 2009年1月25日
    横浜美術館

     日本で大セザンヌ回顧展が開催されるはずもなく、あまり期待していなかったが、意外にも楽しめた。
     プロローグの2点
  • モーリス・ドニ セザンヌ来訪 1906 個人蔵
  • エミール・ベルナール セザンヌ礼讃 1904 グラネ美術館
     2点とも小品ながらプロローグとしてインパクトは抜群。

     第一章は人物画。セザンヌ夫人の肖像は27点あるようだが、4点が展示されいた。縞模様の服を着たセザンヌ夫人の肖像 1883-85 横浜美術館、セザンヌ夫人の肖像 1885-87 フィラデルフィア美術館、セザンヌ夫人の肖像 1886-87 フィラデルフィア美術館、青い衣装のセザンヌ夫人の肖像、1888-90 ヒューストン美術館
     水浴画も、。水浴 1877-78 和泉市久保惣記念美術館、ヴィーナスとキューピッド 1878 青山ユニマット美術館、4人の水浴の女 1880 個人蔵、水浴 1883-87 大原美術館、水浴 1895  フィラデルフィア美術館、水浴の男たち(小) 1896-97 横浜美術館(リトグラフ)、水浴の男たち(大) 1896-97 横浜美術館(リトグラフ)、宴の準備 1890 国立国際美術館と展示されていた
     ここのコーナーに
  • モールス・ドニ 森の春 1907 モールス・ドニ・プリウレ美術館
  • モールス・ドニ 赤い帽子の浜、1909 モールス・ドニ・プリウレ美術館
    が展示されていた。ドニの回顧展以来の再開に感激。

     風景画も多数展示されていたが出色は、
  • セザンヌ ガルダンヌ 1885-86 メトロポリタン美術館
  • セザンヌ ガルダンヌの村 1885-86 ブルックリン美術館
    前者は幾何学的。後者は森が目立つ。前者は昨年パリで見たVollard展にも出品されていた。初期に日本に伝わったという作品のうち、坂道 1867 永青文庫 は、見られず残念。

     静物画は国内からの作品。

     エピローグが 
  • セザンヌ ドロクロワ礼讃 1890-94 グラネ美術館。
    古典へ回帰を試みたセザンヌらしい作品。淡い彩色、古典からとった構図、現代的なモチーフ。何とも言えずとても素晴らしい。

     セザンヌ主義という面では、有島生馬、安井曾太郎は1907年のセザンヌ回顧展そのものを見て影響を受けたとのこと。前田寛治、中村彜をいくつか拝見できたこと、小野竹喬の郷土風景 1917 京都国立近代美術美術館などもよかった。 

     文献類も丁寧に展示されていたのも好感。勉強になった。グラネ美術館、モールス・ドニ・プリウレ美術館の解説映像もためになった。

     難を言えば、ゴーギャン・マティス・モディリアーニという展覧会タイトルはちょっと誇大広告では。展示リスト、展示替リストが手に入らず残念。

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    マンテーニャ、1431-1506年 @ルーブル美術館

    2008-12-12 | 絵画
    Mantegna, 1431-1506
    マンテーニャ、1431-1506年 @ルーブル美術館
    2008-09-26 から 2009-01-05 まで
    フランスで初めてとなるマンテーニャ(Isola di Carturo, circa 1431 - Mantua, 1506)大回顧展。イタリアのパドヴァやヴェローナ、マントヴァでの活動を時期を分けて展示。いまみるとWEBサイトも充実していたので、展示会場でキチンと読まなかった解説を読み返したい。
    http://mini-site.louvre.fr/mantegna/acc/xmlen/

    Andrea Mantegna, The Agony in the Garden, 1457-1459
    Tours, Musée des Beaux-arts, Inv. 803-1-24
    See http://mini-site.louvre.fr/mantegna/acc/xmlen/section_3_2.html
    The Benedictine monastery of San Zeno in Veronaの一連の作品は、岩肌のリアルだが幾何学的な表現に目がいく。

    Andrea Mantegna, St Sebastian, circa 1478 -1480?
    Paris, Musée du Louvre, dép. des Peintures, RF 1766
    http://mini-site.louvre.fr/mantegna/acc/xmlen/section_5_0.html
    何度かルーブルで見ているが、何とも痛々しい表現。

    Andrea Mantegna, Minerva Expelling the Vices from the Garden of Virtue, circa 1500-1502
    Paris, Musée du Louvre, dép. des Peintures, inv. 371
    http://mini-site.louvre.fr/mantegna/acc/xmlen/section_8_0.html

    Andrea Mantegna, Parnassus, circa 1496-1497
    Paris, Musée du Louvre, dép. des Peintures, inv. . 370
    http://mini-site.louvre.fr/mantegna/acc/xmlen/section_8_2.html

    Isabella d’Este’s Studiolo壁を飾った一連の作品が展示されていた。卓越した群像表現。

    など
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    ボリショイ劇場バレエ公演 白鳥の湖

    2008-12-07 | Review
    ボリショイ劇場バレエ公演 白鳥の湖

    台本・改訂振付・制作 ユーリー・グリゴローヴィチ
    原振付 マリウス・プテゥパ、レフ・イワノフ、アレクサンドル・ゴールスキー

    オデット/オディール スヴェトラーナ・ザハーロワ
    ジークフリート アンドレイ・ウヴァーロフ
    ロットバルト ドミトリー・ベロゴロフツェフ

    ザハーロワが可憐な白鳥で舞台に登場。に満場の拍手。一転して、黒鳥の踊り。ザハーロワは、期待をはるかに超える円熟した雰囲気を出し、切れのある踊りは最高潮。24回転も完璧。可愛く美人ザハーロワのイメージを打ち破る。ユーリー・グリゴローヴィチの振付は、最後に白鳥は悪魔にやられて、ジークフリートは嘆き悲しむのみというエンディング。マリウス・プテゥパの振付と違い、ストーリー性を重視し、わかりやすい。たとえば4羽の白鳥などマリンスキーに比すれば完璧ではないが、群舞の女性たちも美人が多く楽しめる。岩田守弘氏の道化は、はじめは緊張があったようだが、途中からは、ジャンプも高くよかった。カーテンコールに何度も応えてくれるザハーロワ、ウヴァーロフに、客席は最後はスタンディング・オベーション。

    12月7日 18時開演

    P.S. 11日のドンキホーテ公演。ザハーロワは、リハーサル中に痛めた左足甲の怪我の回復が思わしくないため、出演しなかったようだ。8日の公演が絶好調すぎたのだろうか。(ウヴァーロフも、パートナーの関係から出演しなかった。二人の代役は、ナターリヤ・オーシポワ と イワン・ワシ-リエフ が務めたとのこと。)怪我がはやくなおってほしい。2009年の4月の来日は可能なのだろうか?

    13日追記。
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