徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

8月の記録

2007-08-31 | 美術(Index)
8月の記録

相変わらず未記録が多いです。広重が描いた日本の風景、キスリング展あたりは感動だったのですが。

5日  第13回 秘蔵の名品アートコレクション展  @ホテルオークラ別館(終了)
     (その1 西洋絵画)(その2 日本画洋画)
5日  美術の遊びとこころ 「旅」 @三井記念美術館(前期終了、後期9/30まで)

10日  足利義満600年御忌記念「京都五山 禅の文化」展(第二期)
      その1その1
10日  東京国立博物館 常設展 本館

12日  歌川広重没後150年記念 広重が描いた日本の風景(前期、東海道の旅・江戸の名所)神奈川県立歴史博物館(前期終了、後期は9/17まで)
12日  キスリング展 モンパルナス-その青春と哀愁 @横浜・そごう美術館   

13日  サントリー美術館 開館記念展II
     (絵画)(広重) 
13日  日展100年 一目でわかる!日本の美術この100年 @国立新美術館(9/3まで)
13日  ルドンの黒 眼をとじると見えてくる異形の友人たち @Bunkamuraザ・ミュージアム(終了)

14日  花鳥礼讃―日本・中国のかたちと心 @泉屋博古館分館(9/24まで)
14日  大谷コレクション肉筆浮世絵 美の競演-珠玉の浮世絵美人 (後期)@ニューオータニ美術館(終了)
14日  景徳鎮千年展 皇帝の器から毛沢東の食器まで @渋谷区松涛美術館(9/17まで)
15日  足利義満600年御忌記念「京都五山 禅の文化」展(第三期)

19日  線の迷宮<ラビリンス>Ⅱ―鉛筆と黒鉛の旋律 @目黒区美術館(9/9まで)
19日  夏季展 染付・呉須・祥瑞 青と白のやきもの 畠山記念館(9/17まで)

30日  解き放たれたイメージ サーカス展 @損保ジャパン東郷青児美術館(9/2まで)    
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解き放たれたイメージ サーカス展

2007-08-30 | 絵画
解き放たれたイメージ サーカス展
2007年7月14日から9月2日
損保ジャパン東郷青児美術館

近代サーカスは1770年ごろに英国で生まれたそうだ。(WikiPedia engilish)この展覧会では、フランスのサーカスを題材にした作品が多かった。

まずは、
展覧冒頭はパブロ・ピカソの「貧しき食事」。ピカソの「サルタンバンク・シリーズ」1904年(池田20世紀美術館)はエッチング三枚、ドライポイント11枚と「貧しき食事」を組にしてクロヴィス・フゴ(?)から販売さ、1913年にヴォラールが再版。そのうち7点が展示されていた。ドライポイントは下絵のようでなかなか販売は難しかったろうが、エッチングは青の時代を髣髴させる作品。(ピカソがサーカスに興味をもったのは幼少のころというからスペインのサーカスが題材というのが正確かもしれません。)

フェルナンド・レジェ「アクロバット」1953年 グアッシュ;(池田20世紀美術館) ;ちらしの表紙の作品。1953年「大パレード」連作を制作した。

ベルナール・ビュッフェ 「黒い帽子のピエロ」1966 (ベルナール・ビュッフェ美術館)、「赤毛のピエロ」1967、挿画本「私のサーカス」(リトグラフ)1968より4点(44点のうち)

マルク・シャガール「サーカス」より6点 1967年(長島美術館);第13回秘蔵の名品アートコレクション展にもシャガールのサーカスを題材にした「緑の太陽」1968-71が展示されていたのを思い出しました。シャガールは、1927年に画商ヴォラールの依頼でシルク・ディヴェールCirque d'Hiver(冬のサーカス)に通い19点のグアッシュを制作。ヴォラールの死によりそのままになっていた作品を38点からなる版画集「サーカス」をテリアトより1967年に刊行した。とのこと。昨年見たラ・フォンテーヌの「寓話」も画商ヴォラールの依頼で作成した作品でした。

ジョルジョ・ルオー 曲馬団の女王(サバの女王)1929-39、小さな家族 1932、正面をむいた道化師、1939、アルルカン 1953-56 出光美術館
ジョルジョ・ルオー 「流れ星のサーカス」1935 より6点(ハーモ美術館);17点のアクティントと82点の木版挿画からなる作品のうち 

マリー・ローランサン 軽業師たちあるいはサーカスの女たち 1927、アルルキーヌ(女道化師)1940(以上 リー・ローランサン美術館);会津で5月に拝見した作品。

アンリ・マティス 「ジャズ」より4点(ハーモ美術館)

日本人作家では
国吉康雄 ブランコの女 リトグラフ 1936 埼玉近美
長谷川潔 旅回りの女 1922、サーカスの女 1927 横浜美術館
が印象的だった。

作家が自己の内面をサーカスの道化師に投影した作品群。

それと対照的なのは、丹野章「日本のサーカス」1957 (山口県美)の写真。ファインダーのこちらから覗けば、サーカスはやはり見世物。はっとさせられました。

リトグラフばかりではありますが、意外に楽しめました。
(24日)
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夏季展 染付・呉須・祥瑞 青と白のやきもの

2007-08-23 | 陶磁器
夏季展 染付・呉須・祥瑞 青と白のやきもの
2007年8月14日から9月17日
畠山記念館

酷暑の中、車で行ける美術館ということで、目黒区美術館のあとに、畠山記念館に寄ってきました。いつも通る道が工事中で白金台の住宅街をちょっと迷いながら到着。

(季節の茶道具)
  • 鶉図 土佐光起筆 一風 柴地大牡丹唐草門絽金、中回 白茶地波兎文金襴、上下 浅葱地瓢箪文緞子;土佐光起の鶉図は泉屋博古館でも拝見したばかり。鶉の秋の季語なのですね。立秋すぎましたね。波兎文金襴がかわいらしい。
  • 清巌宗渭墨跡 一行書
  • 一休宗純墨跡 地獄偈 一風 柴地二重蔓大牡丹文印 中回 萌葱地菱双竜文緞子、上下 鶸色魚子;
    地獄
    三界無安猶 三界安キコト無ク猶ホ
    如火宅箇主人 火宅ノ如シ箇(コノ)主人
    公?端應喏  公端應喏(ジャク)
    文明五年四月廿五
    雲門竜之主翁純
    一休天下老和宗?作
  • 広口手付籠花入
  • 和歌色紙 近衛信尹筆
  • 琴高仙人図 雪村周継筆;鯉に乗る仙人図;MIHO MUSUEMの説明によれば「琴高は中国の仙人である。周代、趙の人で、琴の名人として知られ、宋王の舎人となった。河北省のあたりを200年以上も遊歴したのち、水に入って龍子を捕え、また約束の日に鯉に乗って出て来るという仙術を使って弟子や人々を驚かせ、再び水中に戻って行ったと「列仙全伝」は伝える。」「列仙全伝」ってどれくらい画題に影響しているのでしょうか?琴高仙人図は、雪舟も伊万里の金襴手()にも画題として取り上げらている。

  • 鎌倉彫芦葉達磨香合
  • 粉引茶碗 放れ駒
  • 共筒茶杓 銘 海士小船 小堀遠州作
  • 備前茶入 銘 午枕 江雪宗立添状(1603)

  • 黒樂茶碗 馬たらい 樂一入作
  • 絵高麗梅鉢茶碗 益田鈍翁箱書旧蔵 本多家伝来
  • 共筒茶杓 銘 寿 尾形光琳作 南三井家伝来
  • 糸巻蓋置 野々村仁清
  • 雲龍釜 原三渓旧蔵 鐶付 鬼面

    (特別展示)こちらは景徳鎮官窯の三点。永楽年製
  • *重要文化財 染付龍濤文天球瓶 明時代(15世紀)
  • 染付唐草文水注 明時代(15世紀)
  • 染付唐草文大皿 明時代(15世紀)

    (染付・呉須・祥瑞)
    「中国の染付・呉須・祥瑞は、茶人の注文品として日本向けに製作された日本人に関わりの深いやきものです。室町時代以降、中国景徳鎮窯で作られた染付が舶載されていましたが、茶の湯の発達にともない江戸時代初期には茶人好みの器が大量にもたらされました。染付と祥瑞は日本文化と景徳鎮の出会いから生まれたやきものといえるでしょう。同じ頃、福建省しょう州窯で作られた呉須もまた茶人の美意識にかない、わが国で珍重されました。」というのが本展覧会の主旨。さて

    【染 付】
  • 12.染付雲堂文茶碗 明時代(15~16世紀)前田利常箱書
  • 13.染付桶側水指 明時代(17世紀)

    【呉 須】
  • 15.呉須吉祥文共蓋水指 明時代(17世紀)
  • 4.呉須山水沓形茶碗 明時代(17世紀)
  • 5.*呉須十二共蓋角水指 明時代(17世紀);十二角水指のフォルムが美しい、騎馬する姿が味わい深い。
  • 14.*呉須橋人物文火入 明時代(17世紀)南三井家伝来

    【祥 瑞】
  • 6.*祥瑞砂金袋水指 明時代(17世紀)
  • 7.祥瑞胴紐内兀茶碗 明時代(17世紀)
  • 10.*祥瑞扇面文蓋向  五両大甫呉祥瑞造 明時代(17世紀) 井上世外旧蔵
  • 16.色絵祥瑞捻文中皿 明時代(17世紀)白抜赤地兎と鳥4羽を中央に描く
  • 30.*祥瑞立瓜香合 明時代(17世紀)
  • 31.*祥瑞横瓜香合 明時代(17世紀); この2点は、発色の良い青、造形の美しさが見事

    *愛玩興衆(H17/2)に収録

    (22日)


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    線の迷宮<ラビリンス>Ⅱ―鉛筆と黒鉛の旋律

    2007-08-19 | 絵画
    線の迷宮<ラビリンス>Ⅱ―鉛筆と黒鉛の旋律
    2007年7月7日から9月9日
    目黒区美術館

    日曜美術館で紹介されているのを見て早速行ってきた。

    鉛筆やシャーペン、消しゴムなどのシンプルな描画材を、微妙な筆圧による素朴な技法で操り、線と面によるデリケートな表情で独自の世界を表現している作家9名の作品を展観している。


    篠田教夫氏。テレビでも紹介されていた「海辺の断崖」の連作。1947年小田原生れ。海辺の風景を丹念に描いていくことによりシュールな世界が広がる。小田原生まれというのだから見慣れた風景画幻想画のようになる。「秋暈」もホオズキのような実が透けて見えるようすを描いたシュールな作品。

    関根直子氏。1977年東京生まれ。磁石のような模様。マチエールも良く見ると凹凸がある。

    妻木良三氏。1974年和歌山生まれ。なまめかしい隆起する襞を描く

    小川百合氏。1952年東京生まれ。美術館の階段、本棚を丹念に描く

    佐伯洋江氏 1978年大阪府生まれ。白い空間に浮かぶ花鳥画。秋に個展を開催予定(タカ・イシイギャラリー)

    磯邉一郎氏 1969年広島生まれ。

    小川信治氏 1959年山口生まれ。観光絵葉書の再現、WITHOUT YOUシリーズの最後の晩餐、美しき女庭師たちなどもあった。

    木下晋氏 1947年富山県生まれ。老女をモデルとした迫真の皮膚。

    齋鹿逸郎氏 1928年鳥取県生まれ。2007年逝去。SIMCITYのような壁紙。

    現代作家の作品はほとんど行かないのだが、モノトーンの世界は、伝統的な水墨画のようでもあり、緻密で丹念な鉛筆裁きは作家の創作に対する執念が感じられ、大変楽しめた。お薦め。
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    景徳鎮千年展 皇帝の器から毛沢東の食器まで

    2007-08-14 | 陶磁器
    景徳鎮千年展 皇帝の器から毛沢東の食器まで
    2007年7月31日から9月17日まで
    渋谷区松涛美術館

    真夏の暑いに日に訪れたのは大失敗。渋谷から15分の道のりがなんと遠く感じたでしょうか。マークシティーを抜けて涼しめの道を選んだつもりではありましたが、猛暑日には勝てません。300円の入場料には感激。

    B1の第一展示室には、60余点の景徳鎮窯の時期が並ぶ。
  • 青白磁獅子鈕水注・承盤 北宋 鴻禧美術館
  • 青花牡丹唐草文梅瓶 元 鴻禧美術館
  • 五彩龍文蒜頭瓶(明、萬暦窯、鴻禧美術館蔵)
  • 黄地粉彩瓢蝠文瓢形瓶 清 乾隆窯 南京博物院
  • 粉彩唐子文双耳瓶 清 乾隆窯 鴻禧美術館
  • 青版宝相華唐草文双耳扁壷  鴻禧美術館
  • 黄地粉彩花鳥文碗 鴻禧美術館
  • 炉鈞釉双耳瓢形瓶 鴻禧美術館;炉鈞釉は空色地に藍で釉薬が流れるような文様を描く。
    などはちらしや絵葉書になっている作品。

    昨年末から
    静嘉堂文庫美術館 インペリアル・ポースレン・オブ・清朝 
    國立故宮博物院
    そして最近では、
    開館20周年記念戸栗美術館名品展Ⅱ -中国・朝鮮陶磁-
    と拝見しているのでかなり良さが判るようになってきたので、300円としては楽しめた。

    さて二階の第二会場に移ると、朝日新聞らしい企画でこの展覧会のメイン。毛沢東の食器。1975年文化大革命の末期に秘密裏に作成された「7501工程(1975年の第一級の任務)」の食器や文房具。「最後の官窯」ともいわれるそうだ。この文章、結構皮肉ぽいですね。でもちらしの抜粋です。
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    花鳥礼讃―日本・中国のかたちと心 泉屋博古館分館

    2007-08-14 | 絵画
    花鳥礼讃―日本・中国のかたちと心
    2007年8月4日から9月24日
    泉屋博古館分館

    伊藤若冲《海棠目白図》が出展されいるとは、判っていましたが、流石に住友コレクション。他にもよい作品が展示されています。沈南蘋《雪中遊兎図》、椿椿山 《玉堂富貴・遊蝶・藻魚図》、呉春《蔬菜図巻》は必見。お薦め。
    百花繚乱、毛描きの妙技、花鳥に託された意味、名画の再生が見所との解説あり。

  • 沈南蘋《雪中遊兎図》乾隆2年(1737);まずこの作品から展覧会は始まります。圧倒されてしまいました。沈南蘋は、享保16年(1731)に来日。沈南蘋は、断片的にしか見たことがないのでよくわかりませんが、この作品が後の画家に影響を与えたのは確か。精緻に描かれた樹木。毛並みのフワフワした、後ろ足で立つ兎。印象的です。
  • 彭城百川《梅図屏風》六曲一双 寛延2年(1749);彭城百川(さかきひゃくせん)(1697-1752)。Wikipedia。「日本美術史」(美術出版社)によれば、文人画初期を代表する画人として、祇園南海、柳沢淇園とともに挙げられている。さらに蕪村は、沈南蘋、彭城百川に私淑したという。今回の作品は、金地墨彩の作品。
  • 伊藤若冲《海棠目白図》江戸中期 平安若冲居士藤汝鈞製;海棠が満開。その海棠に九匹の目白肩寄せ合って枝に止まる。おしゃまな一匹は下を眺めている。
  • 森狙仙《孔雀図》 二幅:白木蓮と牡丹と孔雀。
  • 月州 《孔雀図》一幅 明;牡丹、海棠、薔薇、カササギ、雀、そしてトカゲを狙う二匹の孔雀
  • 陳遵 《設色花卉図》二幅 明 万暦44年(1616);萱草、立葵、石竹、寿石、アブ、蝶を描く、花は没骨法で描く
  • 張秋谷《花卉図》二幅 清 嘉慶22年(1817);七十四才作。槙、椿、蝋梅と藤、百合。枝に残る蝋梅の朽葉、風にそよぐ藤花。
  • 椿椿山 《玉堂富貴・遊蝶・藻魚図》天保11年(1840);吊り篭に海棠、牡丹、白木蓮。魚は落花に集い、蝶は花を求めて舞う。特に 魚は落花に集い様子は面白い。
  • 椿椿山 《野雉臨水図》嘉永5年(1852);かすれた様な色彩で描く。藤、山つつじ、つがいの雉、竹を描く
  • 呉春 《松図衝立》金地墨彩;
  • 土佐光起《木瓜鶉・菊鶲図》二幅;ボケ、タンポポ、鶉と白菊、桔梗を描く
  • 狩野養信(晴川院)《鳴鶴図》二幅;名画の再生と解説されていた。文正筆 鳴鶴図(重文)相国寺、狩野探幽 鳴鶴図(京都国立博物館)、伊藤若冲と同図。同曲だがすこし小さめに描いている。P.S. 鳴鶴図(重文)相国寺は、京都五山 禅の文化展に出展されていました。(三期、四期のみ 8/26まで)

  • 松村景文 《花鳥図巻》一巻;
  • 呉春《蔬菜図巻》一巻;野菜を描く、淡色で描かれた野菜は、みずみずしく、竹の子の節、茄子など見事な筆遣い。
  • 原在中、在明 一幅《春花図》;中国風の生け花図

  • 辺文進 《鳩図》 一幅 明時代;
  • 伝 辺文進 《鳩図》 一幅 明時代;最近では岸田劉生が所持した。
  • 伝 呂紀 《葵図》一幅 明時代;
  • 狩野探幽 《桃鳩図》一幅; 徽宗帝の《桃鳩図》を再現。細やかに仕上がり、探幽らしい。
  • 円山応挙 《双鯉図》一幅 天明2年(1782);鯉が二匹吊るされている。


    展示パネルに花鳥に託された意味が解説されていました。
    牡丹:富貴、百花の王
    葵:忠義、立君子
    菊:延年益寿、高潔の士(四君子)
    海棠、白木蓮;玉堂(美しい殿堂)、美女(海棠)
    鶴:最高の官位、長寿
    梅:高潔の士(歳寒三友、四君子)
    魚:有余(余裕ある)
    蟷螂:出世
    寿石:長寿
    と説明して有りました。
    なお、歳寒三友は、松竹梅。四君子は蘭竹菊梅(春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅)
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    水と生きる  サントリー美術館 (広重)

    2007-08-13 | 絵画
    サントリー美術館 開館記念展II(広重)
    水と生きる
    2007年6月16日から8月19日

  • 東海道五十三次之内(保永堂版)(1833年頃)
  • 東海道五十三次 (隷書東海道)(1847から52)
    こちらのHPに全図版が、
    こちらのProject KEIOには、狂歌入東海道、行書東海道、美人東海道、人物東海道、竪絵東海道も掲載。
  • 江戸高名会亭尽 (1835-42)全24枚の内 15点が展示された。(本当は何点なのかはよくわからない。音声ガイドでは30点といっていたような。サントリーのDBには25点掲載されている。NDLのDBは使いずらいが、それを孫引きしているのがこちら

    隷書東海道は所見。東海道五十三次は人気シリーズだったようで、調べてみると他にもいろいろあるのですね。
    保永堂版にも、数々の茶屋や客引き(最たるものが、御油・旅人留女)がでてきますが、江戸高名会亭尽は本当にグルメガイド。江戸の中にこんな趣向のお店が20以上もあったとは、現代よりも洒落ているかもしれません。
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    水と生きる サントリー美術館(絵画)

    2007-08-13 | 絵画
    サントリー美術館 開館記念展II(絵画)
    水と生きる
    2007年6月16日から8月19日

    メンバーズカードもあるので、三度通いましたが、絵画の展示は下記のようなもの。「佐竹本・三十六歌仙絵 源順」「青楓瀑布図」円山応挙のある後期は、1000円でも、もとは取れたでしょうが。

    重要文化財「佐竹本・三十六歌仙絵 源順」(後期)
    「従五位上行能登守源朝臣順 従四位上行左京大夫至孫左馬少允源挙 二男村上冷泉円融三代人也 水のおもにてる月なみをかそふれは こよひそ秋のもなかなりける」
    うつむいて何か手をあて考え事をしている風情。

    「青楓瀑布図」円山応挙 1787年
    同趣向の瀑布図はいくつかあるとのことだが、展覧会のタイトルとなるだけの静けさ。

    「雨宿り図屏風」高嵩谷 18世紀(前期)
    驟雨に遭って、大きな屋敷の門に雨宿りする人々を描く。琵琶法師の一行や竿竹売りは駆け込むところである。花売り、茄子売り、高荷木綿売り、武士、獅子舞、鰹を提げる男に犬、様々な身分と職業の者が一つ屋根の下に雨を避ける。左の門では、僧侶や白拍子が雨宿りし、子どもに乳を飲ませる女性も見られる。高嵩谷(1730~1804)は、英一蝶の門人左脇嵩之に学び、一蝶の孫弟子に当る。本図は一蝶の「雨宿図屏風」に倣ったものであるが、一蝶の軽妙な画風に対し謹直で重厚な仕上がりとなっている。(西洋の美・日本の華)
    「田園風俗図屏風」英一蝶 18世紀初(後期)
    「瀟湘八景図屏風」久隅守景 17世紀;(後期)六曲一双に瀟湘八景を描く。
    「隅田川図屏風」鍬形斎 1821年 (前期)1
    「春夏花鳥図屏風」六曲一双 狩野永納 17世紀後半 (前期)
    「波涛図屏風」狩野養信(号・晴川院)  1825 (中期)

    「四条河原風俗図巻」17世紀(前期)
    本図は巻頭に祇園御旅所、巻末に祇園社を配し、四条河原を中心とする人々の賑わいを描き出したもので、北から見た四条通を長大な絵巻の画面に収めている。物売り、茶店、いざり、琵琶法師など、風俗画ではおなじみの人物が各所に配されると共に、高瀬舟を引く舟方や、鴨川の床でくつろぐ人々、祇園社に参詣する女性の一群など、貴賎や老若男女を問わず四条に集う様々な人の表情を楽しむことができる。特に鴨川を挟んで芝居小屋や見世物小屋が続く箇所では、賑わいは最高潮に達し、鼠木戸の前で客寄せする声や軽業の曲芸に驚く観客の歓声が聞こえてきそうな勢いである。寛永期(1624~44)に制作された一連の四条河原図屏風では遊女歌舞伎が中核をなしていたのに対し、本図ではむしろ、四条通で働き、あるいは遊ぶ人々の諸相を詳細に描き出すことに関心が置かれていると考えられ、延宝(1673~81)頃の景観を、人形芝居が流行した元禄期(1688~1704)に入ってから回顧的に描いたものと推定されている。(絵巻小宇宙)

    「吉原風俗図巻」元禄16年(1703)(前期)
     英一蝶(1652~1724)は洗練された感覚で江戸の市井風俗を描き、風俗画に新境地を開いたことで知られる画家である。本作品では、新吉原を舞台として、大川を進む猪牙舟と山谷堀の船宿の場面にはじまり、格子先、揚屋町、妓楼店頭、妓楼の奥座敷の5場面をそれぞれ一画面毎に分けて表している。いずれも登場する人数自体は多くはないものの、往来での男女の行き交う視線、雲龍紋様の小袖をまとった遊女が走り寄って男女の隠れる簾に手をかける緊迫感、身支度する遊女たちのくつろいだ表情など、遊郭での様々な人間模様が描き出されている。第五段では、立ち去ろうとする客と泣き崩れる遊女がいるかと思えば、襖を隔てた隣部屋では遊女がしなだれかかる姿勢で三味線を弾き、また庭に面した別の間では酒宴に興じる人々の影が障子越しに見えるなど、一つの楼閣内で日々繰り広げられるであろう悲喜交々のドラマが展開する。巻末には款記と墨書があり、元禄11年(1698)に三宅島に流された一蝶が江戸の友人のもとめに応じて描き送り、元禄16年(1703)に表装が完成したことが分かる。(絵巻小宇宙)

    「和歌の橘図巻」 伝土佐光成(後期)
    本絵巻は、幕府御用達の材木商として財をなした紀州出身の豪商、紀伊国屋文左衛門(?~1734)の一代記を描いたものとされる。上巻では蜜柑の収穫、町中で蜜柑が売られる様子、岸での荷積み風景が表される。下巻では市中に入ると橘の木が姿を消し、市場で蜜柑が売られる場面が続き、橘の木が生える山中での宴の様子で終わる。全体的に遊楽や労働などの風俗描写に力点が置かれており、山中や水上での野外遊楽、製塩、市場での行商や筏流しなど、様々な人々の暮らしぶりを見ることができる。筆者は土佐光成(1647~1710)と伝えられるが、なお検討の余地がある。(絵巻小宇宙);土佐光成と伝えあられるだけの大和絵。 

    「西行物語絵巻」 白描本 14世紀 四巻本;
    西行の発心出家と、各地を廻る漂泊の旅を彼の詩情と歌に寄せて表わした物語。この白描本は古西行絵巻を原本として写されたものと考えられ、詞書には当て字や脱字が見られる。画面については、出家に至るまでの第一巻は比較的長い画面を持つが、二巻以降は徐々に絵の幅が短くなり、構図的にも原本の省略や凝縮が認められる。また、構図は対象を近写して画面を構成するものが比較的多く、遠くにあっても中心になる主題や人物にスポットライトを当てて大きく表現しており、こうした表現にも時代的特徴が現われているといえよう。本絵巻は、『多聞院日記』天正14年(1586)3月10日条に所載の白描西行絵三巻本に相当すること、明応5年(1496)に修理されたことが、第二巻、第四巻の奥書により知れる。さらに、中巻一巻分に相当する、伊勢から武蔵を経て奥州路を廻る旅の部分が抜けていると考えられ、残る上下巻を改装の際に現在の四巻本に調巻したものであろう。(絵巻小宇宙)(所蔵DBから) 後期に展示されていたのは、西行が讃岐国 松山に流された崇徳帝の棲家、墓を訪ねる場面。

    「西行物語絵巻」 15世紀 三巻本;
     西行の歌行脚の生涯を描いた「西行物語絵巻」の彩色本である。文学としても優れた、和歌を詠み込んだ叙情的な物語である『西行物語』を絵巻にしたもの。本作は古典的な大和絵の伝統をふまえ、四季絵、名所絵的な要素を十分取入れ、人物を小さく、自然景を重視した画面構成となっている。また、歌人西行の行状をあらわすのにふさわしい歌絵の伝統をも色濃く示しており、繊細で情緒性の強い画風となっている。西行の生涯は鎌倉時代中期にはすでに伝説化し、物語として愛好されていたらしく、その人気の高かったことは重文の徳川美術館本・萬野美術館本を始めとして、現存する西行物語絵巻が数点あることからも知られる。本絵巻は『考古画譜』にもその奥書の見える「西行物語絵巻」(東京国立博物館模本)の原本であり、元は松山の松平隠岐守家の所蔵であったと考えられている。「西行物語」としては古写の善本である。(絵巻小宇宙)

    「隅田川名所図巻」18世紀末
      ほぼ東南から見た隅田川とその向こうに広がる江戸の景観を描く。巻頭は梅のほころぶ初春の田園風景からはじまり、視点は徐々に近づきながら、桜の名所として知られる向島の土手では手前の松に見え隠れする人々を比較的大きく捉える。浅草寺の屋根を向かって右手にのぞむ橋の界隈では、2階の窓から頬杖をついて外を見やる人の姿も見られ、左手奥に建ち並ぶ店の中には眼鏡屋も登場している。河口に近づくと、武家の邸宅の様子や客を乗せた渡し舟、染屋などが表され、水辺に見る人々の暮らし振りが穏やかな画風で描き出される。(絵巻小宇宙) 後期には、1786年?に建築された天文台がや武家屋敷の場面が展示されていた。

    「道成寺縁起絵巻」元禄五年(1692);(後期)
    この鬼のような女性の姿に芝居見物の男性は拍手喝采したのでしょうか?

    「天稚彦物語絵巻」江戸時代 土佐派 (前期、中期)
     人身御供の要素を含んだ蛇と人の怪婚譚、天界譚や難題譚などの要素を含む恋愛物で、七夕伝説を題材とした物語。海龍王の天稚彦は、地上で長者の末娘と契りを結ぶが、やがて自分の本性をあかし天に戻る。娘はそのあとを追って天で天稚彦と再会する。そこで鬼である彦の父から難題をもちかけられるが、見事にこれをさばき2人は年に一度7月7日にだけ会うことを許されるというもの。本絵巻の祖本と考えられる土佐広周筆の1本(本作品の下巻に相当)が、ベルリン国立東洋美術館に収蔵されている。画風は温雅、緻密であり、色調も物語の内容にふさわしく、明るく清潔感がある。人物の描写も可憐で、親しみを感じさせる。御伽草子絵巻の中でも伝統的な大和絵の手法になる格調の高い画風であるが、これは原本が土佐広周筆とされることによるものであろう。(絵巻小宇宙)
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    美術の遊びとこころ 「旅」 @三井記念美術館

    2007-08-09 | 絵画
    企画展
    美術の遊びとこころ 「旅」
    国宝「一遍聖絵」から参詣図・名所絵、西行・芭蕉の旅まで
    2007年7月14日から8月19日(前期)、8月21日から9月30日(後期)
    三井記念美術館

    あまり期待しないで訪れたのが、大変楽しめた。お薦め。

    「美術の遊びとこころ」シリーズの第2回は、「旅」をテーマに、先人が「旅」のなかで培ってきた日本の文化と「旅」に寄せてきた様々な思いを、「小さな旅」、「霊場と名所への旅」、「イメージへの旅-詩歌と文芸-」、「鳥の目の旅-上空からの視点-」、「大日本五道中図から海外へ」の5つの小テーマに分け、絵画・書跡・工芸品の名品・優品約60点で紹介いたします。

    「小さな旅」は印籠と小茶籠。確かに今でも薬と紅茶のティーバッグぐらいは携えて旅行します。このように洒落た容器にはいれていません。豊かな時代でした。

    「茶道具取り合わせ」
    旅気分の茶道具取り合わせ
  • 熊野懐紙 後鳥羽上皇 
  • 富士釜・唐銅雲透風炉 大西浄長作 1919
  • 信楽矢筈口水指 了々斎直書 桃山時代
  • 竹茶杓 銘 旅の友 碌々斎作 1881
  • 蔦金輪寺茶器 後醍醐天皇が吉野で一字金輪の法を会得した際、当地の蔦をもって造らせたという茶器といわれる
  • 絵刷毛目茶碗 銘芦ノ湖 朝鮮王朝時代

    「霊場と名所への旅」
  • 国宝 「熊野御幸記」 藤原定家筆 鎌倉時代(1201)三井記念美術館蔵。藤原定家が後鳥羽上皇の熊野詣に随行した際の記録。これは多分何回は拝見しているはず。定家筆だけで見飛ばしていたが、今回は、写真と文字で何が記述されているので、読んでしまった。鳥羽から舟に乗る。石清水八幡、木津、四天王寺、住吉社と詣で、さらに多く王子社を経て、本宮、新宮、那智社とまわる。ひたすら帰るので帰路は早い。そして伏見稲荷と日吉社に参拝する。実は、熊野は勿論、石清水八幡はじめ、いずれも訪れたことがない。行きたくなりました。

  • 国宝 一遍聖絵 第二巻 鎌倉時代(1299) 法眼円伊筆 清浄光寺蔵(前期展示)※2週間毎に場面替えあり。拝見したのは伊予国出立の場面から四天王寺。一遍上人が伊予の生まれとは知りませんでした。後期は、第六巻の ①8/23(木)~9/4(火) 巻頭から片瀬の御堂と踊り念仏 ②9/5(水)~9/17(月) 三島社 ③9/19(水)~9/30(日) 富士山から尾張国甚目寺の場面が展示されますが、やはり、①でしょうか?

  • 重文 「富士曼荼羅図」 伝狩野元信 室町時代 富士山本宮浅間大社蔵 (前期展示);参詣曼荼羅と呼ばれる一連の絵画作品のなかでは、もっとも優れた作品として知られているとのこと。左右の日月。頂上に三体の仏像(中央阿弥陀・左右は諸説あり)があり、そこに皆が登山している。手前には三保の松原、清見寺と清見関が描かれる。

  • 大井川渡し図 英一蝶筆(藤信香) 江戸時代 個人蔵 
    も展示されていた。

    「イメージへの旅-詩歌と文芸-」
  • 西行物語絵詞 狩野養信筆 江戸時代(1819) 東京国立博物館蔵; 海田采女筆の絵巻の模写。 海田采女筆の絵巻は、俵屋宗達も模写した。西行物語絵詞には、徳川美術館と文化庁が所蔵するA本(元は三巻本であったが下巻が伝わらず、現存の上下巻も錯綜がある)。海田采女本系統B本のもの。サントリー美術館が所蔵のC本(もと久保家本)があるとのこと。

  • 小倉色紙「うかりける」 藤原定家筆
  • 墨流切「よしのやま」藤原定家筆
  • 升色紙「かみないの」伝藤原行成筆
    この三点は、目の至福。 

  • 「旅路の画巻」 松尾芭蕉筆 江戸時代柿衞(かきもり)文庫蔵 (前期展示);芭蕉が多くの旅の中から印象深い十場面をとりあげたもので、彩色を「大垣の画工」に依頼した。画の余白には句文を書き入れるつもりでいたが、旅に出たまま大坂で客死した。 とのこと。

  • 「乗興舟」伊藤若冲筆

  • 「東海道五十三次細見図会」歌川広重筆 神奈川県立歴史博物館;1840年代中ごろの作。10図が知られる。滑稽な旅人が主役になっている。

    「鳥の目の旅-上空からの視点-」
  • 「日本名所の絵」鍬形斎筆 三井文庫本館蔵;鍬形斎は、絵図も描いていた。お抱え絵師なので当然か。今年は、鍬形斎の作品に良く出会います。

    「大日本五道中図から海外へ」
  • 大日本五道中図屏風 19世紀 三井記念美術館蔵;八曲二双と六曲一双の金屏風で、江戸から長崎までの陸路と航路を示す。西日本は、琵琶湖、瀬戸内海が大きく描かれ、水通が主要だということがよくわかります。

    (5日)
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    第13回 秘蔵の名品アートコレクション展(その2 日本画洋画)

    2007-08-07 | 絵画
    第13回 秘蔵の名品アートコレクション展(その2 日本画、洋画)
    2007年8月1日から24日
    ホテルオークラ別館

    いくつもいい作品があったが、特に目立ったのは次の作品
  • 49.鏑木清方 雨月物語 1921年 霊友会妙一記念館;金鈴社6回展出品。雨月物語(蛇性の婬)が題材。全8面、元は画巻。雨やどり、まろや、ちぎり、黄金の太刀、もののけ、泊瀬、吉野、蛇身。神秘的でロマン性が加わった画面。緑と紅の紅葉の葉の一枚一枚が半分透かして描かれているなど見事。
  • 54.中村岳陵 潜鱗 1939 二曲一双 郡山開成学園;淡い青色の背景が涼しげ。透明感のある鯉たち。
  • 63.杉山寧 気 1968 ヤマタネ株式会社;三羽の鷺。そのフォルムは装飾的でもあり写実的でもある。水面に映る三羽の姿が凛とした気を伝える。青緑の靄のかかった背景と鷺の白の対比が美しい。
  • 88.佐伯祐三 パレットを持つ自画像 1924 新日本石油株式会社;パリに到着した直後の自画像。こちたを見つめる顔つきは印象的、自信に満ちパリに来たという思いが伝わる。

    それにしても、今年は、佐伯の自画像を多く見た。
    佐伯祐三 自画像 - 佐伯祐三 学生制作品 1923; パリへ-洋画家たち百年の夢にて


    佐伯祐三《立てる自画像》1924 大阪市立近代美術館建設準備室蔵 ;佐伯祐三とパリの夢:大阪コレクションズにて ヴラマンクにアカデミックといわれた後で。
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