徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

バーナード・リーチ展と古代エジプト展

2012-09-08 | 陶磁器
9月4日
  • #39 生誕125年バーナード・リーチ展 @日本橋高島屋

    香港生まれ、ということを知り、面白く感じた。

    9月8日
  • #40 大英博物館 古代エジプト展 @森アーツセンターギャラリー

    混雑だった。
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    唐三彩と古代のやきもの @静嘉堂文庫美術館

    2009-07-25 | 陶磁器
    唐三彩と古代のやきもの
    2009年5月30日~7月26日
    静嘉堂文庫美術館

    唐三彩の展覧会というといまひとつ気のりがしないが、8月1日から出光美術館でも唐三彩の展覧会がひらかれる、永青文庫でも唐三彩が展示されているというので、静嘉堂文庫も会期ギリギリというところで訪れた。

    重文 三彩貼花文壺 唐時代
    重美 三彩獅子 一対 唐時代
    重美 三彩鴨形容器  唐時代
    は、1935年11月28日から翌年3月7日にロンドンRoyal Academy of Artsで開催された中国美術国際展覧会に出品された3点。同展覧会は、ジョージ5世即位25周年記念の一事業として開催され、英国陶磁協会の一行が作品選定・出品交渉のため来日して、この三点が岩崎小彌太所蔵品よりはこの三点が貸し出しに決まり、1935年9月に重美に選定されたという。

    重文 三彩貼花文壺 は白地が清楚な感じのする品格のある壺。
    重美 三彩獅子は、新海竹太郎旧蔵品で1927年6月の売り立てで入手したもの。前田青邨の獅子図(親獅子、子獅子 元は衝立て)のモチーフともなったといわれる。その獅子図の内、子獅子が後期ということで展示されていた。

    褐釉絞胎枕 唐時代 という「練り上げ手」の枕が展示されていた。バウムクーヘンのように粘土が織り込んであるのが面白かった。(追記 シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展でも宋時代の黄釉絞胎碗 に出会ってしまった)
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    加藤唐九郎・重・高宏 ―窯ぐれ三代 展

    2009-01-24 | 陶磁器
    加藤唐九郎・重・高宏 ―窯ぐれ三代 展
    2008年12月6日(土)~2009年3月8日(日)
    智美術館

    智美術館を初めて訪れる。
    唐九郎をまとまって見るのも初めて。学芸員のかたの解説を少しだけ聞く。年代に注意すると作風の変遷がよくわかる。

    志野は、
    唐01 加藤 唐九郎志野茶盌 銘 氷柱 1930 昭和5年 翠松園陶芸記念館;名品。

    唐12 加藤 唐九郎志野茶盌 銘 紫匂1979 昭和54年翠松園陶芸記念館;立原正秋が銘(書籍があるようです);これも色合いが素晴らしい。
    唐04 加藤 唐九郎志野茶盌 銘 龍驤1969 昭和44年 個人蔵
    唐03 加藤 唐九郎鼠志野茶盌 銘 鬼ヶ島1969 昭和44年 個人蔵;このころの初作とのこと。
    唐07 加藤 唐九郎志野茶盌 銘 亜幌1969 昭和44年 個人蔵

    唐06 加藤 唐九郎志野茶盌 銘 貫道1969 昭和44年 個人蔵

    亜幌(アポロ)と貫道は、横向きに筆がはいる。

    唐45 加藤 唐九郎紅志野大皿1964 昭和39年菊池寛実記念 智美術館

    黒織部は、
    唐19 加藤 唐九郎黒織部茶盌 銘 がらしや1950 昭和25年 駒形十吉記念美術館

    黄瀬戸は、
    唐46 加藤 唐九郎黄瀬戸蕪文鉢1955 昭和30年 一宮市三岸節子記念美術館
    唐48 加藤 唐九郎黄瀬戸輪花鉢1982 昭和57年 駒形十吉記念美術館

    唐56 加藤 唐九郎牛図 1985 昭和60年 個人蔵
    がいい。

    唐42 加藤 唐九郎古瀬戸釉柳文壺1934 昭和9年駒形十吉記念美術館

    三男重氏、孫高宏まで鑑賞している余裕はなかった。高宏氏の作風は当代の 楽吉左衛門氏と(それほどごつごつはしていはいないが)似た雰囲気を感じたが。

    やきものの美を求めて 名碗「紫匂ひ」をめぐって (ランダムハウス講談社文庫)
    立原 正秋,加藤 唐九郎
    ランダムハウス講談社

    このアイテムの詳細を見る
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    岩崎家の古伊万里 -華麗なる色絵磁器の世界-

    2008-11-08 | 陶磁器
    岩崎家の古伊万里 -華麗なる色絵磁器の世界-
    2008年10月4日から12月7日
    静嘉堂文庫美術館

    静嘉堂の伊万里焼コレクションは、金襴手のうち、国内の富裕層向けに製作された皿や鉢類-「型物」「献上手」と呼ばれる作品

    が、幅広く揃うことで知られている。と、ちらしには掲載されている。単なる古伊万里の展覧会と思って訪れた。古伊万里のイ

    メージが大きく変わった。

    岩崎家の古伊万里のコレクションの基礎は、お雇い外国人フランシス・ブリンクリー(海軍省が雇用)のコレクションを一括購

    入し、深川の清澄園に納められたもの。西洋邸宅の陳列室を飾るべく購入されたということになる。今回の展示でも23点がフラ

    ンシス・ブリンクリーの旧蔵品。すなわち西洋人による審美眼にもとづくもの。そのコレクションについて、奥田誠一が調査依

    頼を受け、大正十二年に小冊子にまとめているという。鑑賞陶器という奥田誠一を中心とする活動の発端になったのではないか

    と図録には記事がある。

    いちいちすべてを挙げないが、金襴手の文様のバラエティの多さには圧倒される。特に目に留まったのは
    3:色絵円窓文樽形瓶(古九谷様式);緻密な網目模様にまず目がいく。色合い発色が素晴らしい。
    22:色絵団龍文蓋物(柿右衛門様式)
    23:色絵孔雀牡丹文輪違透小鉢(柿右衛門様式)
    30:青磁龍耳広口瓶(鍋島);青磁の色合いが素晴らしい。
    35:色絵邸宅雲龍寿字文端反鉢(金襴手)
    36:色絵鳳凰花卉文八角鉢(金襴手)
    67:色絵庭園人物山水花卉文十六角鉢(金襴手)
    68:色絵庭園花鳥丸文十六角鉢(金襴手)

    清澄園という西洋邸宅の陳列室を飾るに相応しい陶器だったろう。

    お勧めの展覧会。
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    MOA美術館 陶磁器の優品

    2007-10-25 | 陶磁器
    MOA美術館の陶磁器の優品
    MOA美術館 併設展示作品
    2007年10月24日まで(?)

    展示室7から展示室10には、日本、中国の陶磁器の名品が並んでいた。

    展示室7
  • 国宝 色絵藤花文茶壺 野々村仁清 江戸時代 17世紀

  • 色絵熨斗香合 野々村仁清 江戸時代 17世紀;優美な色絵。
  • 白濁釉八角下蕪花生 野々村仁清 江戸時代 17世紀
  • 色絵龍田川文四方茶碗 野々村仁清 江戸時代 17世紀
  • 銹絵山家文茶碗 尾形乾山 江戸時代 18世紀
  • 重美 色絵桜楓文鉢 仁阿弥道八 江戸時代19世紀

  • 黒楽茶碗 銘 あやめ 長次郎 桃山時代 16世紀;千宗旦所持箱書、天正15年(1587)、千利休が茶会でもちいる。
  • 灰被天目茶碗 秋葉天目   中国 宋~元時代 13~14世紀 ;伊達家伝来。
  • 御所丸茶碗   朝鮮時代 17世紀 ;轆轤成型した茶碗を生乾きのとき沓形に変形させたフォルム。純白に近い磁質。透明の白釉、刷毛目。

  • 褐釉肩衝茶入 渋紙手 瀬戸 銘山桜   桃山時代 16世紀
  • 絵唐津鉢 銘百万石   桃山時代 16世紀後期
    等のほか美濃などが並ぶ、

    このあと、伊万里、鍋島。

    展示室8、10
    景徳鎮窯の優品が並ぶ。時間がなくてじっくりと拝見できなかったが、青磁の2点と琺瑯の2点は心に残った。祥瑞の蜜柑水指は、どこでみてもフォルムが美しい。青磁大壺は、ほんとうに大壷。日本の床の間には大きすぎなのか、日本には鑑賞陶器として伝来したのでしょう。粉彩、夾彩は、雍正、乾隆年間の派手な色合いはもちろん、表面に浮彫りされた文様が見事だった。

  • 青花蜜柑水指 祥瑞  景徳鎮窯 中国 明時代末期 17世紀
  • 青磁大壺 郊壇官窯 中国 南宋時代 12~13世紀
  • 粉彩団龍文瓶  景徳鎮窯 中国 清時代 雍正年間(1723~35)
  • 夾彩花唐草文管耳瓶  景徳鎮窯 中国 清時代 乾隆年間(1736~95)

    (10月16日)
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    特別展 美の求道者 安宅英一の眼 @三井記念美術館

    2007-10-15 | 陶磁器
    特別展 美の求道者 安宅英一の眼
    安宅コレクション
    2007年10月13日から12月16日
    三井記念美術館

    大阪市立東洋陶磁美術館は開館25周年を迎え、この10月から改装ということで、安宅コレクションの巡回がはじまった。わたしのように、安宅コレクションをきちんと拝見したことがない者にとっては、うってつけの機会と思って、東京まで名品がやって来るのは嬉しい。安宅コレクションは約1000点。そのうち、今回の企画では、大阪展では202点が展示されたようだが、東京展では展示スペースの関係で、126点しか展示されていない。一寸残念。

    第一室から第三室にまずは、中国陶磁の名品がならぶ。
  • 加彩婦女俑 唐時代 8世紀中葉 図録81 広田不狐斎氏旧蔵
  • 国宝 飛青磁花生 龍泉窯 元時代13世紀から14世紀 図録89;鴻池家伝来、器形 玉壷春
  • 重文 木葉天目 吉州窯 南宋時代 12世紀 図録91;加賀前田家伝来
  • 重文 白磁銹花牡丹唐草文瓶 定窯 北宋時代11から12世紀 図録86;定窯白磁に鉄泥で褐色の文様。器形は太白尊。
  • 重文 青磁刻花牡丹唐草文瓶 耀州窯 北宋時代11から12世紀 図録87;彫が深いのが印象的。器形は吐嚕瓶
  • 青磁水仙盆 汝窯 北宋時代11末から12世紀初 図録84;日本にある汝窯三点のうちのひとつ。現在個人蔵(川端康成氏旧蔵)の汝窯の青磁盤は泉屋博古館分館で開催された「中国陶磁 美を鑑るこころ」(2006)にてで拝見したが、もう一点は何処?
  • 青磁八角瓶 南宋官窯 南宋時代 12世紀 図録85;F.C.ハリソン氏旧蔵(1903年)、故宮蔵品票「第七百五十一號」。仇焱之氏がクリスティーズ・オークションに依頼しで落札。太陽光で見ると釉色が美しいとのこと。もう一度、大阪市立東洋陶磁美術館を訪れないといけない。
  • 重文 緑釉黒花牡丹文瓶 磁州窯 北宋から金時代 12世紀 図録82;仇焱之氏から購入
  • 黒釉刻花牡丹文梅瓶  磁州窯 北宋から金時代 11から12世紀 図録83
  • 重文 青花蓮池魚藻文壷 景徳鎮窯 元時代14世紀 図録93
  • 重文 瑠璃地白花牡丹文盤 大明宣徳年製 明 宣徳年間(1426-35)図録98
  • 重文 法花花鳥文壷 明時代 15世紀 図録99;仇焱之氏から購入

  • 国宝 油滴天目 建窯 南宋時代 12から13世紀 図録88;豊臣秀次所持、西本願寺、三井家、若狭酒井家と伝来。

    途中から気がついたが、陶磁器以外の説明がガラス面に説明がある。安宅氏の入手の逸話だ。油滴天目を若狭酒井家の当主から、パレスホテルで緊張の面持ちで譲っていただいた逸話は、安宅氏がこうやって集めていたのかと髣髴とさせる。

    また、
    茶室(第三室)
  • 青磁鳳凰耳花生 龍泉窯 元時代13世紀 図録外
  • 重文 清拙正澄墨跡 霊致別称偈 室町三井家

    第四室
    ここからは、いくつか目に付いた品を。
  • 重美 三彩貼花宝相華文壷 唐時代・7世紀後半 図録111;唐三彩の壷
  • 青磁長頸瓶 銘「鎹」龍泉窯 南宋時代12世紀から13世紀 図録113;鎹(かすがい)で継いだ青磁瓶
  • 重文 青磁鳳凰耳花生 龍泉窯 南宋時代12世紀から13世紀 図録112;丹波・青山家伝来。債権担保物品であった情報を得て、担保をはずして手に入れたという。
  • 青磁管耳瓶 哥窯 南宋時代・13世紀;くすんだ白地に黒褐色の貫入がはいっているのが哥窯の特徴という。哥窯は真贋が難しいが、著名な研究者のみなが真正と認めたという。仇焱之氏からの購入。造形といい、釉色といい、控えめだが、さすが青磁美しい。

  • 重文 白磁刻花蓮花門洗 定窯 北宋時代・11世紀 図録52;ロンドンのP・ディヴィッド財団蔵のものとともに定窯深鉢として双璧とのこと。口縁部には銀の覆輪が嵌められている。
  • 五彩松下高士図面盆 大明萬暦年製銘 景徳鎮窯 明時代 万暦1573-1620 図録54;表面にスレ傷ひとつない。
  • 紫紅釉盆 鈞窯 明時代 15世紀 図録53;
    図録52-54の三点は、広田不狐斎氏が三種の神器として秘蔵した名品。それが、安宅氏に知れることになり、ついに譲ることになってしまった逸話が書かれていた。また、安宅氏が「コレクションを作り上げるの印象に残る人は」と問われて、広田不狐斎氏、仇焱之氏の二人を答えたそうだ。なるほど。

  • 重文 青花 枇杷鳥文 盤 明時代 永楽年間1403-24;50センチ径の大型の青花盤。ゆがみのない造形。

  • 青花蜀葵文碗 大明成化年製銘 景徳鎮窯 明時代 成化年間1465-87 図録119;
  • 青花鳳凰文盤 大明成化年製銘 景徳鎮窯 明時代 成化年間1465-87 図録117; 
  • 青花瓜文碗  大明成化年製銘 景徳鎮窯 明時代 成化年間1465-87 図録118;
    成化年間につくられた青花の碗はパレスボールと呼ばれ、世界に十数点しか残されていないとのこと。わずかにクリームを帯びたやわらない白磁の釉色。青花の色も淡くなっておだやかになる。洗練さの極致。とのことだ。なるほどと見入ってしまった。パレスボールは、今度覚えておこう。故宮にでもいかないと拝見できないか。

  • 五彩金襴手瓢形瓶 景徳鎮窯 16世紀;図録100

  • 黄地紅彩龍文壷 大明嘉靖年製銘 景徳鎮窯 明時代 嘉靖年間1522-66 図録101;
  • 黄地青花紅彩 牡丹唐草文 瓢形瓶 大明嘉靖年製銘 景徳鎮窯 明時代 嘉靖年間1522-66 図録120;
  • 緑地紅彩 宝相華唐草文 瓢形瓶  大明嘉靖年製銘 景徳鎮窯 明時代 嘉靖年間1522-66 図録121;
    など嘉靖年間の五彩の優品が並ぶ。


    さてこのあと
    第四室から第五室は高麗時代の青磁と朝鮮時代の粉青面象嵌;
    第六室は小品。
    第七室は朝鮮時代の陶磁器が並ぶ。
    すばらしい作品ばかりだが、素養がなく、どれもこれも目移りしてしまう。

  • 青磁象嵌六鶴文陶板 高麗時代 12世紀後半 図録29;顧歩、唳天、啄苔、疎翎、舞風、警露の中国古来の六鶴図に由来するポーズとのことだが。可愛らしい。
  • 青磁象嵌竹鶴文梅瓶 高麗時代 12世紀後半 図録26;こちらも六鶴図
  • 青磁象嵌辰砂彩 牡丹文 壷 高麗時代 13世紀 図録63;
  • 青磁象嵌辰砂彩 牡丹文 鶴首瓶 高麗時代 13世紀 図録64;銅紅釉が見事な二点。

  • 白磁 壷 朝鮮時代16世紀 図録150;青山二郎氏と安宅コレクションの関係を示す稀代の一点。青山氏の箱蓋裏書 銘白袴と青山二郎の角印のラベル。
  • 青花 草花文 面取瓶 朝鮮時代18世紀前半 図録161;
  • 青花辰砂 蓮花文 壷 朝鮮時代18世紀後半 図録163;浅川伯教氏(1884-1964)旧蔵品。赤星五郎氏が譲り受ける。18世紀後半官窯の傑作。安宅英一氏から直接、大阪市立東洋陶磁美術館に寄贈された。


    図録は、以前に大阪でもみた所蔵品の図録よりカラー図版がよかったので買い求めた。2100円もお手ごろ。これが読み応えがあった。

    「開催にあったて 主催者」 安宅産業崩壊から30年、大阪市立東洋陶磁美術館開館25周年、安宅英一(1901-94)氏が他界して13年目の節目の年の開催、ということで、コレクション形成に関する功罪を問う声も消えうせ、ようやく安宅英一氏の眼の軌跡をたどり、内包するものを問い直す。とあった。

    「安宅コレクション 林屋晴三」によれば、安宅コレクションは約一千点であるが、韓国陶磁793件(高麗陶磁304件、朝鮮陶磁485件、日本の茶の世界で高い評価を受けた高麗茶碗はない)、中国陶磁は144件(漢から唐代43件、宋時代33件、元明時代68件。)など。高麗・朝鮮陶磁はあらゆる作風のものが集められている、中国陶磁は名品主義的。特に朝鮮陶磁の質は韓国の国立中央博物館に劣らぬと評されている。

    「ある夏の想出-コモ湖畔のシュナーベル- 安宅英一」
    「古美術 安宅英一」
    「論考 ものをして 語らしむ-安宅英一の美学 伊藤郁太郎」。美術史専攻した伊藤氏は、昭和30年に安宅産業にコレクションのための要員として入社。そして昭和52年9月末に安宅産業が崩壊後、安宅氏に「頼みました、よ」との天の声に従い、幾多の壁を乗り越え、大阪市立東洋陶磁美術館館長を務めることになる。現職。その氏が、安宅英一氏の美学について論考している。

    つまり、この展覧会は、安宅英一氏に仕えた伊藤氏の集大成的な展覧会ということになる。キャプションが面白いのも当然。

    このほかに
    「中国陶磁の特質と安宅コレクション 出川哲朗」
    「近年の韓国陶磁研究と安宅コレクション 片山まび」
    「大阪市立東洋陶磁美術館 館長インタビュー 伊藤郁太郎」
    なども収録されている。もう一度、(展示替があるわけではないが)訪れたい。
    12月1日(土)から12月16日(日)は19時まで開館まで開館しているので、このあたりが狙い目。

    (13日)

    巡回
    福岡市美術館 2008年1月5日から2月17日
    金沢21世紀美術館 2008円2月29日から3月20日
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    夏季展 染付・呉須・祥瑞 青と白のやきもの

    2007-08-23 | 陶磁器
    夏季展 染付・呉須・祥瑞 青と白のやきもの
    2007年8月14日から9月17日
    畠山記念館

    酷暑の中、車で行ける美術館ということで、目黒区美術館のあとに、畠山記念館に寄ってきました。いつも通る道が工事中で白金台の住宅街をちょっと迷いながら到着。

    (季節の茶道具)
  • 鶉図 土佐光起筆 一風 柴地大牡丹唐草門絽金、中回 白茶地波兎文金襴、上下 浅葱地瓢箪文緞子;土佐光起の鶉図は泉屋博古館でも拝見したばかり。鶉の秋の季語なのですね。立秋すぎましたね。波兎文金襴がかわいらしい。
  • 清巌宗渭墨跡 一行書
  • 一休宗純墨跡 地獄偈 一風 柴地二重蔓大牡丹文印 中回 萌葱地菱双竜文緞子、上下 鶸色魚子;
    地獄
    三界無安猶 三界安キコト無ク猶ホ
    如火宅箇主人 火宅ノ如シ箇(コノ)主人
    公?端應喏  公端應喏(ジャク)
    文明五年四月廿五
    雲門竜之主翁純
    一休天下老和宗?作
  • 広口手付籠花入
  • 和歌色紙 近衛信尹筆
  • 琴高仙人図 雪村周継筆;鯉に乗る仙人図;MIHO MUSUEMの説明によれば「琴高は中国の仙人である。周代、趙の人で、琴の名人として知られ、宋王の舎人となった。河北省のあたりを200年以上も遊歴したのち、水に入って龍子を捕え、また約束の日に鯉に乗って出て来るという仙術を使って弟子や人々を驚かせ、再び水中に戻って行ったと「列仙全伝」は伝える。」「列仙全伝」ってどれくらい画題に影響しているのでしょうか?琴高仙人図は、雪舟も伊万里の金襴手()にも画題として取り上げらている。

  • 鎌倉彫芦葉達磨香合
  • 粉引茶碗 放れ駒
  • 共筒茶杓 銘 海士小船 小堀遠州作
  • 備前茶入 銘 午枕 江雪宗立添状(1603)

  • 黒樂茶碗 馬たらい 樂一入作
  • 絵高麗梅鉢茶碗 益田鈍翁箱書旧蔵 本多家伝来
  • 共筒茶杓 銘 寿 尾形光琳作 南三井家伝来
  • 糸巻蓋置 野々村仁清
  • 雲龍釜 原三渓旧蔵 鐶付 鬼面

    (特別展示)こちらは景徳鎮官窯の三点。永楽年製
  • *重要文化財 染付龍濤文天球瓶 明時代(15世紀)
  • 染付唐草文水注 明時代(15世紀)
  • 染付唐草文大皿 明時代(15世紀)

    (染付・呉須・祥瑞)
    「中国の染付・呉須・祥瑞は、茶人の注文品として日本向けに製作された日本人に関わりの深いやきものです。室町時代以降、中国景徳鎮窯で作られた染付が舶載されていましたが、茶の湯の発達にともない江戸時代初期には茶人好みの器が大量にもたらされました。染付と祥瑞は日本文化と景徳鎮の出会いから生まれたやきものといえるでしょう。同じ頃、福建省しょう州窯で作られた呉須もまた茶人の美意識にかない、わが国で珍重されました。」というのが本展覧会の主旨。さて

    【染 付】
  • 12.染付雲堂文茶碗 明時代(15~16世紀)前田利常箱書
  • 13.染付桶側水指 明時代(17世紀)

    【呉 須】
  • 15.呉須吉祥文共蓋水指 明時代(17世紀)
  • 4.呉須山水沓形茶碗 明時代(17世紀)
  • 5.*呉須十二共蓋角水指 明時代(17世紀);十二角水指のフォルムが美しい、騎馬する姿が味わい深い。
  • 14.*呉須橋人物文火入 明時代(17世紀)南三井家伝来

    【祥 瑞】
  • 6.*祥瑞砂金袋水指 明時代(17世紀)
  • 7.祥瑞胴紐内兀茶碗 明時代(17世紀)
  • 10.*祥瑞扇面文蓋向  五両大甫呉祥瑞造 明時代(17世紀) 井上世外旧蔵
  • 16.色絵祥瑞捻文中皿 明時代(17世紀)白抜赤地兎と鳥4羽を中央に描く
  • 30.*祥瑞立瓜香合 明時代(17世紀)
  • 31.*祥瑞横瓜香合 明時代(17世紀); この2点は、発色の良い青、造形の美しさが見事

    *愛玩興衆(H17/2)に収録

    (22日)


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    景徳鎮千年展 皇帝の器から毛沢東の食器まで

    2007-08-14 | 陶磁器
    景徳鎮千年展 皇帝の器から毛沢東の食器まで
    2007年7月31日から9月17日まで
    渋谷区松涛美術館

    真夏の暑いに日に訪れたのは大失敗。渋谷から15分の道のりがなんと遠く感じたでしょうか。マークシティーを抜けて涼しめの道を選んだつもりではありましたが、猛暑日には勝てません。300円の入場料には感激。

    B1の第一展示室には、60余点の景徳鎮窯の時期が並ぶ。
  • 青白磁獅子鈕水注・承盤 北宋 鴻禧美術館
  • 青花牡丹唐草文梅瓶 元 鴻禧美術館
  • 五彩龍文蒜頭瓶(明、萬暦窯、鴻禧美術館蔵)
  • 黄地粉彩瓢蝠文瓢形瓶 清 乾隆窯 南京博物院
  • 粉彩唐子文双耳瓶 清 乾隆窯 鴻禧美術館
  • 青版宝相華唐草文双耳扁壷  鴻禧美術館
  • 黄地粉彩花鳥文碗 鴻禧美術館
  • 炉鈞釉双耳瓢形瓶 鴻禧美術館;炉鈞釉は空色地に藍で釉薬が流れるような文様を描く。
    などはちらしや絵葉書になっている作品。

    昨年末から
    静嘉堂文庫美術館 インペリアル・ポースレン・オブ・清朝 
    國立故宮博物院
    そして最近では、
    開館20周年記念戸栗美術館名品展Ⅱ -中国・朝鮮陶磁-
    と拝見しているのでかなり良さが判るようになってきたので、300円としては楽しめた。

    さて二階の第二会場に移ると、朝日新聞らしい企画でこの展覧会のメイン。毛沢東の食器。1975年文化大革命の末期に秘密裏に作成された「7501工程(1975年の第一級の任務)」の食器や文房具。「最後の官窯」ともいわれるそうだ。この文章、結構皮肉ぽいですね。でもちらしの抜粋です。
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    開館20周年記念 戸栗美術館名品展Ⅱ

    2007-07-11 | 陶磁器
    開館20周年記念戸栗美術館名品展Ⅱ
    -中国・朝鮮陶磁-
    2007年7月1日から9月24日
    戸栗美術館

    開館20周年記念の第二弾。
    (名品展Ⅰの記録はこちら

    中国陶磁。鑑賞陶器。彩陶、灰陶から並ぶ。
  • 6 緑釉 楼閣 後漢 1から3世紀;明器。高さがある
  • 8 三彩 貼花文 弁口水注 唐 8世紀;ブルーが金属器の雰囲気を醸し出す。(2000年図録3)
  • 10 三彩 馬 唐 8世紀;高さが67センチと大きく、そして精悍な馬(2000年図録1)
    宋の時代は、圧巻。
  • 12 青磁 牡丹文 碗 耀州窯 北宋 11から12世紀
  • 13 青磁 蓮牡丹文 獅子紐蓋水注 耀州窯 北宋から金 12世紀
  • 15 澱青釉 瓶 鈞窯 北宋 12世紀;白みががった緑、すんなりと伸びた首が先に向かって開いていくフォルムが美しい。今回の名品(2000年図録12)
  • 20 禾目天目茶碗 建窯 南宋 12から13世紀
  • 21 黒釉 白堆線文 瓶 金から元 12から13世紀;エナメルのような黒地に白で線をつけてある。モダン。
  • 23 油滴天目 茶碗 磁州窯系 金から元 13世紀;大振り

    元から明
    青花も圧巻だった。釉裏紅も段々わかった気になってきました。
  • 24 青花 唐草文 稜花盤 景徳鎮窯 元 14世紀(2000年図録20)
  • 27 青磁 瓶 龍泉窯 元 14世紀 芸州浅野家旧蔵(2000年図録11)
  • 30 釉裏紅 菊唐草文 瓶 景徳鎮窯 元末から明初 14世紀後半(2000年図録21)
  • 34 青花 草花文 盤 景徳鎮窯 明初 15世紀前半(2000年図録22);63.5センチもある大きな盤
  • 37 青花 葡萄文 盤 景徳鎮窯 明初 15世紀前半(2000年図録23)
  • 38 青花 琴棋書画文 壷 景徳鎮窯 明 15世紀(2000年図録26)
  • 38 青花 花果文 輪花鉢 景徳鎮窯 明(宣徳) 1426-35(2000年図録24)
    嘉靖年間の五彩は美しいですね。
  • 46 青花紅彩 魚藻文 壷 景徳鎮窯 明(嘉靖) 1522-66;2色のコントラストが鮮やか
  • 47 五彩 魚藻文 壷 景徳鎮窯 明(嘉靖) 1522-66;
  • 48 黄地紅彩 雲龍文 壷 景徳鎮窯 明(嘉靖) 1522-66;
  • 49 緑彩 龍文 瓶 壷 景徳鎮窯 明(嘉靖) 1522-66;(2000年図録32)

    民窯の五彩も何点か並ぶ。


    清の優品
  • 59 桃花紅 団龍文 太白尊 景徳鎮窯 清(康熙)1662-1722(2000年図録41)
  • 60 青地黄彩 雲龍文 盤 景徳鎮窯 清(康熙)1662-1722(2000年図録40)
  • 61 黒地緑彩 花鳥文 皿 清(雍正)1723-35
  • 62 豆彩 葡萄栗鼠文 瓢形瓶 景徳鎮窯 清(雍正)1723-35(2000年図録44)

    朝鮮陶磁
  • 72 青磁 蓮花文 瓶 高麗時代 12世紀(2000年図録45)
  • 73 青磁 花唐草文 瓶 高麗時代 12世紀
  • 75 青磁象嵌 菊花文 合子  高麗時代 12世紀(2000年図録47)
  • 79 粉青沙器象嵌 金海字 鉢 李朝時代 15-16世紀
  • 82 粉青沙器鉄絵 魚文 俵壷  李朝時代 15-16世紀(2000年図録49)
  • 90 青花 虎文 壷 李朝時代 18世紀(2000年図録54)
  • 96 青花釉裏紅 瓜形水滴 李朝時代 19世紀

    お薦め。(8日)
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    青山二郎の眼 展

    2007-07-04 | 陶磁器
    青山二郎の眼 展
    2007年6月9日から8月19日
    世田谷美術館

    静嘉堂文庫から東急バス(路線図、時刻表はこちら)に乗り、世田谷美術館へ。前回、五島美術館から静嘉堂文庫、そして世田谷美術館と回った時は、全部の区間を歩いたのだが、今回は静嘉堂文庫から世田谷美術館の区間についてバスを利用した。玉31 成育医療センター行きか、玉32 美術館行き(休日のみ)だ。日曜日は昼間帯は20分おきにバスがでている。一つ先の「やのはし」のバス停から乗った方が時間的にお得だったようだ。バスは、静嘉堂文庫前-玉川病院-やのはし の順にバスは停まるが、静嘉堂文庫前から「やのはし」までは、正規の時刻表で5分かかる。歩くと2分ほどでは。10分もせずに「区立総合運動場」に。そこで下車して砧公園を散歩しても気持ちがいいし、「星美学園」で降りれば少しは近い。日曜ならば、歩くのが大変と思えば、最後の「美術館」で下車すればいい。今回は、「星美学園」から砧公園に入って歩けば、5分ほどで着いた。

    さて、青山二郎(1901~1979)については、知識なしでこの展覧会に臨んでしまった。希代の目利きで、いわゆる「骨董」世界の完成者。東京の裕福な家庭に生まれた青山二郎は十代半ばから天才的な審美眼を発揮し、20代には柳宗悦の初期の民藝運動を支え、日本民藝美術館の設立趣意書に浜田庄司、河井寛次郎らとともに名を連ねたという。

    第1章 鑑賞陶器―中国古陶磁
    展覧会の冒頭は、青山二郎が目利きしたコレクション図録『甌香譜』(おうこうふ)から。青山二郎が26歳の時に、横河民輔氏から委託で、作成した図録。横河民輔氏の中国陶磁のコレクション2000点あまりから優品60点を青山の目で選んだという。昭和6年に5年の歳月をかけて完成。200部が作成されたという。横河民輔氏の中国陶磁コレクションは、現在は、東京国立博物館の寄贈されていて、現在も多くが展示されている。今回の展示されていた数点は、ちょっと、東京国立博物館の展示とは趣が違う。古典的な名品ではなく、青山二郎の目で選ばれたものばかりだからだ。青山には中国陶磁について「一目瞭然である」(世界陶磁全集、宋遼篇)「見れば解る、それだけの物だ。博物館にあれば沢山である。」という言説があるようだ。つまり、評価の固まった古典的なものとは違う、青山二郎の目で見た優品がある、それを真摯に選んだのが『甌香譜』。そして、その青山二郎の目が新しい古典になっていく。その意味では、泉屋博古館分館で開催された、「特別展 中国陶磁 美を鑑るこころ」(記録はこちら)も鑑賞陶器の展覧会だったが、こちらは古典的な(または最大公約数的な)優品が展示されていた。この『甌香譜』の視点には、さらに個性的な部分があるようだ。106《三彩花文皿》の文様、108《三彩貼花六葉盤》の六葉の造形と見込み中央の浮彫り、144《五彩網目魚文皿(天啓赤絵)》などが、印象的であったが、やはり、尖がっている印象がある。展覧会では、残念ながら、『甌香譜』のコレクションのうちごく一部展示されているのみ。図録には49点が収録されている。小野公久氏によれば「『甌香譜』は稀本ですが、興味のある方は東京国立博物館資料館で閲覧出来ます。 」とのことだが。。。閲覧してみたい。

    このあと、日本民藝館所蔵(柳宗悦旧蔵)の呉州赤絵とか、静嘉堂文庫所蔵の呉州赤絵とかが並ぶ。横河民輔氏のコレクションとは趣が違う。やはり、柳宗悦氏のコレクションなどは、かなり民芸色に重きがある。私の好みとしては、『甌香譜』収録の陶磁器に軍配を挙げたい。

    第2章 朝鮮考―李朝
    こちらは、李朝白磁がならぶ。「李朝の染付陶器の価値を認めたのは柳宗悦氏の力で、李朝自身は勿論柳宗悦氏以前には、これ程しっかりと認められてはいなかった。(朝鮮民芸工芸概説)」とのことだから、いづつやさんのhpで知ったが、日本民藝館にいってみるしかないかもしれない。民藝だな。というのが率直な感想。216 飴釉面取茶入、218 飴釉面取壺などが展示されていたが、これはなかなかよかった。島津家伝来のととや茶碗、伊羅保茶碗、堅手茶碗(不昧公所持)なども展示されていた。

    第3章 日本の骨董
    「二郎さんは日本のものは綜て嫌ひである」「日本の陶磁器には権力者の嗜好を満たすもの、茶陶、作家もの三つよりほかは何もない」と言い切ってしまう。というがなかなかのものでした。
    301 絵唐津茶碗 銘 水心水如(?)益田鈍翁所蔵
    302 絵唐津茶碗 銘 たんぽぽ 
    310 絵唐津草文筒碗 広田煕旧蔵

    304 萩割高台茶碗 三輪休雪旧蔵
    304 萩割高台茶碗 三輪休雪旧蔵

    308 粉引徳利 銘 酔胡 赤星五郎、小林秀雄旧蔵

    322 紅志野香炉 宇野千代、白洲正子旧蔵、青山二郎箱書き、白抜きの草花文、地の紅色が美しい。白洲正子氏が、その香炉は禿ちょろけの絹に包んであり「コレヲ持ツモノニ呪イアレ」と記してあった。と著書で思い出を語っている一品。 

    345 蕎麦猪口各種 と飾り棚;これって何気ないのですが、センスがいい

    348 信楽大壷
    349 信楽うずくまる

    337 金襴手急須 青木木米作 北大路魯山人旧蔵;はでな急須、こんな木米もあるのですね。

    第4章 装幀家 青山二郎とその交流
    ここも面白そうでしたが、ちょっと疲れてスキップでした。

    鑑賞陶器の一端が窺えるいい展覧会でした。

    (一日)
    コメント (1)
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