徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

リー・ダークスコレクション 春信が8作品も

2019-01-12 | 絵画
サンタフェ リー・ダークスコレクション 浮世絵最強列伝 江戸の名品勢ぞろい @日本橋高島屋 2019年1月9日から21日

リー・ダークスLee E.Dirks氏が2000年ごろから収集したコレクション展。故永田生慈氏が2014年に監修したパリのグランパレでの北斎展において、リー・ダークス氏から北斎の「風流なくてなゝくせ遠眼鏡」を出品を得て、そのときの出会いが今回の展覧会(監修は永田氏)につながったとのこと。
鈴木春信関連は下記の10点。どれも発色がよく眼福。

図録にも展示説明にもないが、14,16は世界で1点しか知られていない作品。管見では、15、23は2例。17,20も3例のみが知られている作品。

14.莎雞工「水光莎雞」印 やつし雲の絶間姫 S.538
「雷神不動北山桜」の4幕「鳴神」の雲の絶間姫のやつし。(明和四年八月、四世團十郎、中村座にて三度目の「鳴紳」大當りと歌舞伎年表にある。関係するか?) 図録では、莎雞工とあるので小松軒カとしているが、雲の絶間姫表現は春信。旧Grabhornコレクション(浮世絵聚花10-197)ではないか?旧Grabhornコレクションは、春信作品の半数は、Asian Art Museum of San Francisco に寄贈されているが、されていない作品も多い。

15.無款「里川」印 やつし孫康 (手紙に明和2年 絵暦) S.178.1/K.190
絵暦のうち「里川」印のある版は、ボストン美術館(11.19438)しか、管見ではなかった。2点目では。

16.鈴木春信画、高橋蘆川彫 お百度参り(明和2年絵暦) S.149.1/K.124/Y.92,コレクターマーク:わかゐおやぢ、Vever(*)
1910年のパリの浮世絵展覧会の出展Vignier&Inada(V&I 1910-#23)も判明している旧Veverコレクション(Sotheby’s 1975.3.26 #40)の一枚。売り立て後、所有者不明となっていた一枚。

17.春信画 やつし通小町 S.384/K.830/Y.318
小野小町と深草の少将のやつし
ボストン美術館(21.4393)、ライデン国立民族学博物館(4057-11)にも所蔵されているが、見比べると3例とも着物・帯・壁などの色合いが異なる。

18.鈴木春信画「風流江戸八景 両国橋夕照」

19.鈴木春信画「風俗四季哥仙 神楽月」

20.春信画 雪をみながら三味線を弾く太夫 S.519/K.863/Y.233
ボストン美術館(06.496)と林忠正印のある旧Ehrmanコレクション(Sotheby’s 1975.6.17-#33)に次ぐの3例目の作品では。摺色の発色もよく、どこかのコレクションで保管されていたのだろう。

21.鷺娘 

22.鈴木春信 見立業平東下り

23.春信画(春重) 禿の雪まろげ S.650/K.895
ホノルル美術館(13992)のほか旧Grabhornコレクション(1970年のフィラデルフィア美術館の春信展#140、Stern編グラブホルンコレクション1959#28)が知られている。本作品も旧Grabhornコレクションか?



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