徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

2008年9月の記録

2008-09-30 | 美術(Index)
2008年9月の記録
展覧会
  • 6日 特別展 美術の遊びとこころⅢ NIPPONの夏
       -応挙・歌麿・北斎から「きもの」まで-三井記念美術館(後期)
  • 6日 小袖 @サントリー美術館
  • 6日 浮世絵 -ベルギーロイヤルコレクション展 (第一期) @太田記念美術館
  • 6日 ジョン・エヴァレット・ミレイ展 @Bunkamuraザ・ミュージアム
  • 13日 神奈川開港・開国150周年メモリアルイベント(後期)横浜開港150周年記念 「五姓田のすべて -近代絵画への架け橋-」神奈川歴史博物館
  • 13日 源氏物語の1000年 @横浜美術館
  • 14日 第122回秋季展 渡来した陶磁器 茶人が愛した器たち@藤田美術館
  • 19日 出光コレクションによる 近代日本の巨匠たち @出光美術館
  • 21日 西洋絵画の父 ジョットとその遺産展 @損保ジャパン東郷青児美術館
  • 23日 正木美術館開館40周年記念展 禅・茶・花 @東京美術倶楽部
  • 26日 浮世絵 -ベルギーロイヤルコレクション展 (第二期) @太田記念美術館
  • 27日 帝室技芸員と1900年パリ万国博覧会(第二期) 宮内庁三の丸尚蔵館
  • 27日 スリランカ―輝く島の美に出会う @東京国立博物館
  • 27日 平常展 @東京国立博物館
          重文 文殊菩薩像および侍者立像 康円作
          特集展示 仮面
  • 27日 大本山天龍寺塔頭宝厳院本堂再建襖絵完成記念 田村能里子展(9/17から29日) @日本橋高島屋;襖絵は、朝、昼、夕の場面。タムラレッドも印象的だったが、人物は風のようにふるまい、かつ装飾的。見ている人間の心がはずむ。ご本人がこの日も会場にいらしたのをお見かけした。会場は大変な混雑。図録は売切れ。

    映画
  • 15日 ベン・ハー(1959)@NHKBS2
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    スリランカ―輝く島の美に出会う

    2008-09-27 | 美術
    特別展「スリランカ―輝く島の美に出会う」
    2008年9月17日~11月30日
    東京国立博物館 表慶館 

    次の3章に分けて展示されている。
    第1章 アヌラーダプラ時代(前3~後11世紀)
    第2章 ポロンナルワ時代から諸王国時代(11~16世紀)
    第3章 キャンディ時代とそれ以降(16~20世紀)

    スリランカ観光局の宣伝とも思えたが、それでも写真展示がしてあったシーギリヤロックに描かれたシーギリヤレディ(アプサラス)は美しい。訪れたくなる。
    また金による
    44 金板二万五千頌般若経断簡 アヌラーダプラ、ジェータヴァナ・ヴィハーラ
    35 観音菩薩坐像 ウェラガラ・シリサンガボ・ヴィハーラ出土 後期アヌラーダプラ時代・9世紀
    の2点は印象的。特に後者の優美な金色の坐像はまばゆいばかり。
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    康円の仏像、特集展示 仮面

    2008-09-27 | 美術
    重文 文殊菩薩像および侍者立像 康円作
    2008年9月24日から2009年1月4日
    東京国立博物館 本館11室

    康円(12071~?)作の仏像5躯が展示されている。文殊菩薩、善財童子、于てん王、仏陀波利三蔵、大聖老人。豊かな表情と今にも動き出しそうな動作が素晴らしい。1273年の制作、興福寺伝来。康円の晩年の代表作とのこと。

    特集展示 仮面
    2008/9/17~2008/10/26
    東京国立博物館 本館特別1室

    伎楽面 酔胡従(奈良時代)
    舞楽面 4面 手向山八幡宮蔵(1042年制作など)、
    舞楽面 7面 熱田神宮蔵(1178年制作など)
    舞楽面 3面 愛知・真清田神社蔵(1211年制作など)
    舞楽面と行道面が6面 高野山天野社伝来、
    能面  和歌山・根来寺蔵。
    行道面 菩薩 9面 快慶工房作(1201) 兵庫・浄土寺蔵。
    などが並ぶ。
    能面以前に伎楽面や舞楽面が存在したとは。

    当日「法隆寺宝物館」(平成11年)をたまたま購入したら飛鳥時代と奈良時代の伎楽面も掲載されていた。同書によれば、伎楽は、大型の仮面をつけ、寸劇を交えながら音楽とともに野外を練り歩くという仏教の儀式で、7世紀前半百済から伝えられたという。日本では7世紀8世紀に盛んに行われたが、その後次第に衰え廃絶した。とのこと。

    ちょっと調べてみるが、「3世紀、中国の魏・呉・蜀の三国時代に生まれた呉の歌舞(くれのうたまい)が7世紀初頭、飛鳥時代の日本に伝わりました。この伎楽の発祥はギリシャあるいはインドの仮面劇と言われています。聖徳太子が奨励し、当時の日本を代表する芸能として盛んに演じられました。ヘルメットのように頭をすっぽりと覆う形の巨大な伎楽面は、彫りの深い、バリエーション豊かな表情をたたえており、強烈な印象を与えます。当代一流の技術を誇る仏師によって製作され、世界的にも驚くほどの高い水準を保っています。平安時代には衰退してしまった。」との説明がDNPのサイトに。迦楼羅(かるら)は、インド神話の霊鳥を神格化したもの。崑崙。呉女。婆羅門(ばらもん)。酔胡王(すいこおう)は、酔っぱらったペルシア人。ギリシャ神話でいうバッカス。という名前を見てもインターナショナル。またギメ美術館の解説がなんとなくわかりやすい。

    平安時代に衰退したといっても、舞楽面は同じような名前が付いている。日本人は太古の昔から仮面をつけて舞っていたようだ。仮面をつけて踊るのはアジアの文化なのだろうか?ツタンカーメンの黄金仮面もあるが、仮面の文化圏ってどうなっているのだろうか?
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    渡来した陶磁器 茶人が愛した器たち

    2008-09-14 | 茶道具
    第122回秋季展 渡来した陶磁器 茶人が愛した器たち
    2008年9月13日から12月14日
    藤田美術館

     国宝9点・重要文化財50点・重要美術品2点を含む約5000点を収蔵を収蔵する藤田美術館。50点ずつほどしか展示されないので大阪に来るたびに寄る必要がある。前回春季展に訪れたが、国宝9点でも拝見するのにいつまでかかるか?9点は、
    [国宝] 大般若経(薬師寺経)387巻
    [国宝] 曜変天目茶碗 (今回拝見)
    [国宝] 柴門新月図 (2007年 「京都五山 禅の文化」にて拝見)
    [国宝] 紫式部日記絵詞
    [国宝] 両部大経感得図
    [国宝] 仏功徳蒔絵経箱
    [国宝] 玄奘三蔵絵
    [国宝] 花蝶蒔絵挟軾
    [国宝] 深窓秘抄 (2008年 121回展にて拝見)


     さて今回は、中国・朝鮮・東南アジア・ヨーロッパの陶磁器を通して、茶人達の美意識を紹介する展覧会。大阪に向かいながら田中優子氏の「江戸の想像力」を読んでいた。江戸初期は東南アジア・世界とつながっており、台湾でも戦争をし、タイに日本人町がある様子が生き生きと描かれていた。まったくそのような江戸初期の世界観を体現した茶道具展だったので、余りの偶然にびっくり。

    江戸の想像力―18世紀のメディアと表徴 (ちくま学芸文庫)
    田中 優子
    筑摩書房

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    閑話休題。まず中国陶磁
  • 砧青磁茶碗 銘 満月
  • 七官青磁三足香炉 銘 東福寺 龍泉窯 明時代15-6世紀;伝来 天龍寺、東福寺、仙台伊達家 上品な色合い。
  • 絵高麗共蓋水指  明時代15-6世紀;磁州窯系の陶器とのこと。絵柄が鶴がかわいい。

  • 大名物 国司茄子茶入 中国 宋から元時代;伊勢の国司北畠氏所持。茄子茶入の筆頭。
  • 名物 田村文琳茶入 中国 宋から明時代;田村左京大夫所持
  • 唐物大海茶入 銘 敷津 中国 宋から元時代;小堀遠州銘

  • 大名物 曜変天目茶碗(国宝) 中国 南宋時代 12から13世紀; うっすらと曜変が瑠璃色に光る。金覆輪。徳川家康から水戸光圀に譲られ、1918に藤田家に。このような虹彩を持つ天目茶碗は世界に三碗しかないという。他の二碗は、静嘉堂文庫美術館(2008年2月に拝見 )と大徳寺龍光院に所蔵される。
  • 白縁油滴天目鉢 重文 中国 金時代 12から13世紀;

  • 青磁夜学蓋置 中国 明時代 15-16世紀;夜学とは甕形で窓のような透かしがり、灯台を転用したもの。

    朝鮮陶磁
  • 小貫入茶碗 銘 雄蔵山 李朝朝鮮時代 16世紀;
  • 尼呉器黒しみ茶碗  李朝朝鮮時代 16世紀;
  • 御所丸黒刷毛茶碗 銘 緋袴 李朝朝鮮時代 17世紀;
  • 雲鶴青磁下蕪花生 李朝朝鮮時代 17世紀;

    そして東南アジア、オランダ。
  • 大名物 交趾大亀香合 中国 明から清時代 17世紀;形物香合番付で筆頭の東の大関。明治45年に藤田傳三郎が記録的な価格で落札。実は福建省で焼かれた。
  • 南蛮縄簾水指 ベトナム 16世紀;粗い土と縄簾が魅力。
  • 雲鶴寄口丸香合 朝鮮半島/タイ 14から16世紀;
  • 宋胡録(すんころく)柿小香合 タイ 14から16世紀;スワンカロークが産地。鉄釉の文様。 
  • 阿蘭陀色絵莨葉文水指  デルフト 17世紀;白地に藍、黄、オレンジなど色鮮やか。
  • 和蘭花文捻花入 オランダ 17世紀;染付写。草花はすこし洋風の意匠。

    などなど。

    次回春季展は3月7日から6月14日
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    五姓田のすべて -近代絵画への架け橋- (後期)

    2008-09-13 | 絵画
    神奈川開港・開国150周年メモリアルイベント(後期)
    横浜開港150周年記念 「五姓田のすべて -近代絵画への架け橋-」
    2008年8月9日~8月31日[前期]9月6日~9月28日[後期]
    神奈川県立歴史博物館

    前期に続いて訪問。
    五姓田芳柳
    ・六美人図(福島美術館) お土産もののような美人図。あの「揺らぐ近代」に展示されていた風呂屋のような景色の富士山を描いた「風俗図屏風」の裏面。
    ・大阪陸軍臨時病院行幸の図(靖国神社遊就館)西南の役で慰問図。明治天皇に随行している

    五姓田義松
    ・加奈陀ヴィクトリア港景図 前回書いたカナダ横断鉄道に乗ったかという推測ははずれ。サンフランシスコ経由で帰国。その後、もう一度、サンフランシスコ経由で渡米、そのときにヴィクトリアを訪れている。米国で職もえたというからすごい。

    渡辺幽香
    ・五姓田芳柳像(1889)(東京芸術大学) 展覧会の冒頭。これがなかなか上手。

    山本芳翠
    ・西洋婦人像(1882)(東京芸術大学)
    ・裸婦(1880)(岐阜県美術館);緑の森を背景に横たわる裸婦。
    ・浦島図(1893-96)(岐阜県美術館)
    ・猛虎一声(1895)(岐阜県美術館)
    以外にも。ジェロームに学んだというだけある。
    ・蜻蛉集(冊子)(明智町HPhttp://akechi.city.ena.gifu.jp/housui/に画像あり)
    も上品。
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    浮世絵 -ベルギーロイヤルコレクション展 (第一期)

    2008-09-06 | 絵画
    浮世絵 -ベルギーロイヤルコレクション展 (第一期)
    2008年9月2日から15日
    浮世絵大田記念美術館 

    ベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館の浮世絵コレクション展。ベルギー王立美術歴史博物館は7500点以上、ベルギー王立図書館は約500点を超す作品を所蔵する。ベルギー王立美術歴史博物館の浮世絵は、1905年に収蔵されたエドモン・ミショット(1831~1913)のコレクションを4666点を中心とするもの。エドモン・ミショットはパリでジークフリート・ビングから購入したというからパリのジャポニズムの熱がベルギーにまで伝わっていたということになる。

    この展覧会、260点余りの作品を三会場で展示するという。

    浮世絵大田記念美術館 2008年9月2日から15日(前期)
    浮世絵大田記念美術館 2008年9月17日から28日(後期)
    高島屋京都店 2009年1月7日から19日
    高島屋日本橋店 2009年4月29日から5月11日

    春信は28点も図録に収録されているが、浮世絵大田記念美術館で展示されるのは14点。
    歌麿も高名美人見たて忠臣蔵 十二段つづき が前期・後期で展示される。(これはすごいこと)だが、青楼十二時 続の十二点も図録に収録されているが、残念ながら浮世絵大田記念美術館は展示されないようだ。

    本当に三会場 4回通わないと260余点を鑑賞することはできないようだ。

    春信
    それにしても素晴らしい春信。ミネアポリス美術館秘蔵コレクションの発色も素晴らしかったが、ベルギー王立美術歴史博物館の春信の美しさには目を見張る。保存状態はミネアポリス美術館を超えている。
  • 14 鈴木春信 (三十六歌仙)素性法師; 明和4~5年;みわたせばやなぎさくらをこきまぜてみやこぞ春のにしきなりける
  • 23 無款(鈴木春信) (めだかすくい);明和4~5年;水の透明さの表現が秀逸。
  • 2 鈴木春信 (漢詩を作る若衆);明和2~7年
  • 16 無款(鈴木春信) (坐鋪八景 鏡台の秋月);明和2~7年
  • 19 鈴木春信 (五常)義;明和4年
  • 8 鈴木春信 花下志帰因美景;明和2~7年 ;
    和漢朗詠集 春興(しゆんきよう)
    白居易
    花下忘帰因美景   花はなの下もとに帰かへることを忘わするるは美景びけいに因よるなり、
    (樽前勧酔是春風   樽たるの前まへに酔ゑひを勧すすむるはこれ春はるの風かぜ)
    (中略)
    拾遺 はるはなほ われにてしりぬ はなざかり こころのどけき ひとはあらじな  壬生忠岑
    が画題だが。。。?
    以上 ベルギー王立美術歴史博物館
  • 232 鈴木春信 寄菊;明和2~7年;ベルギー王立図書館

    東洲斎写楽では、世界に1点しか確認されていない作品が三点展示されている
  • 東洲斎写楽「二代目嵐龍蔵の奴なみ平 とら屋虎丸」(ベルギー王立美術歴史博物館蔵);大首絵
  • 東洲斎写楽 「四代目岩井半四郎の鎌倉稲村が崎のおひな娘おとま実は楠政成女房菊水」(ベルギー王立図書館蔵)
  • 東洲斎写楽 「三代目市川高麗蔵の廻国の修行者西方の弥陀次郎実は相模次郎時行」 (ベルギー王立美術歴史博物館蔵)

    歌麿
  • 喜多川歌麿 「当時三美人」(ベルギー王立美術歴史博物館蔵)
    の他に
  • 喜多川歌麿 「姫君座敷舞踏観覧」長判摺物 (ベルギー王立美術歴史博物館蔵)
    のような摺物
  • 喜多川歌麿 「見越入道」(ベルギー王立美術歴史博物館蔵)
  • 喜多川歌麿 「一つ目」(ベルギー王立美術歴史博物館蔵)
  • 喜多川歌麿 「河童」(ベルギー王立美術歴史博物館蔵)
    のような妖怪が展示されていた。「見越入道」「一つ目」は世界で1点だそうだ。

  • 鳥文斎栄之 (吉野丸船遊び)寛政前期(ベルギー王立美術歴史博物館蔵) は大判5枚続き。賑々しい。2006年に拝見した「隅田川舟遊図」のほうが遠景があっていいですね。ちょっとアップしすぎています。

  • 国芳による「金魚づくし」も楽しい。

    お勧め。
  • コメント (3)
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