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吉川みつこの〝気ままではいられない〟日記
▲ドイツ放射線防護協会からの声明文
10月に来日されたドイツ放射線防護協会会長・セバスチャン・プフルークバイル氏が以下の声明文をだされたとの情報が届きましたので、紹介します。
放射線防護協会 2011年11月27日 ベルリンにて
Dr.セバスティアン・プフルークバイル (ドイツ放射線防護協会会長)
●プレスリリース
放射線防護協会 : 放射線防護の原則は福島の原子炉災害の後も無視することは許されない。
放射線防護協会は問う : 住民は、核エネルギー利用から結果としてどれだけの死者や病人を容認するつもりだろうか?
放射線防護における国際的な合意では、特定の措置を取らないで済ませたいが為に、あらゆる種類の汚染された食品やゴミを、汚染されていないものと混ぜることによって特定の放射線量を減らし「危険ではない」ものにすることを禁止しています。
日本の官庁は現時点において、食品の分野、また地震と津波の被災地から出た瓦礫の分野で、この希釈禁止に違反をしています。
ドイツ放射線防護協会は、この「希釈政策」を停止するよう、緊急に勧告します。さもなければ、日本の全ての住民が、忍び足で迫ってくる汚染という方式で、第二のフクシマに晒されることになるでしょう。
これによって、明確な空間的境界を定め、安全に設置され、良く監視された廃棄物置き場を利用するより、防護はさらに難しくなります。「混ぜて薄めた」食品についてもそれは同じことが言えます。現在のように汚染された物質や食品を取り扱っていくと、住民の健康への害をより拡大することになります。
現在日本では、汚染物質が全県へ分散され、焼却や灰による海岸の埋め立てなどが始められようとしていますが、放射線防護の観点からすれば、これは惨禍であります。これでは、ごみ焼却施設の煙突から、あるいは海に投入される汚染灰から、これらの物質に含まれている放射性核種が計画的に環境へと運び出されてしまいます。放射線防護協会は、かくなる諸計画の中止を、緊急に勧告します。
ドイツでの数々の調査は、チェルノブイリ以降、胎児や幼児が放射線に対し、それまで可能だとされていた以上に大変感受性が強いことが示されています。チェルノブイリ以降の西ヨーロッパでは、乳児死亡率、先天的奇形、女児の死産の領域で非常に著しい変化が起こっています。すなわち、中程度、さらには非常に低度の線量の増加に何十万人もの幼児が影響を受けているのです。ドイツの原子力発電所周辺に住む幼児たちの癌・白血病の調査(KiKK調査)も、ほんの少しの線量増加でさえ、子供たちの健康にダメージを与えることを強く示唆しています。放射線防護協会は、少なくとも汚染地の妊婦や子供のいる家庭を、これまでの場合よりももっと遠くへ移住できるよう支援することを、緊急に勧告します。協会としては、子供たちに20ミリシーベルト(年間)までの線量を認めることは、悲劇的で間違った決定だと見ています。
日本で現在通用している食物中の放射線核種の暫定規制値は、商業や農業の損失を保護するものですが、しかし住民の放射線被害については保護しません。この閾値は日本政府が、著しい数の死に至る癌疾患、あるいは死には至らない癌疾患が増え、その他にも多種多様な健康被害が起こるのを受容できると表明したものに等しいと、放射線防護協会は強く指摘します。いかなる政府もこのようなやり方で、住民の健康を踏みにじってはならないのです。
放射線防護協会は、核エネルギー使用の利点と引き換えに、社会がどれほどの数の死者や病人を許容するつもりがあるのかについて、全ての住民の間で公の議論が不可欠と考えています。この論議は、日本だけに必要なものではありません。その他の世界中でも、原子力ロビーと政治によって、この議論はこれまで阻止されてきたのです。
放射線防護協会は、日本の市民の皆さんに要望します。
できる限りの専門知識を早急に身につけてください。皆さん、どうか食品の暫定規制値を大幅に下げるよう、そして厳しい食品検査を徹底させるように要求してください。既に日本の多くの都市に組織されている独立した検査機関を支援してください。
放射線防護協会は、日本の科学者たちに要望します。どうか日本の市民の側に立ってください。そして、放射能とは何か、それがどんなダメージ引き起こしえるかを、市民の皆さんに説明してください。
放射線防護協会
会長 Dr. セバスティアン・プフルークバイル
▲放射線量に安全値はない(放射性物質の知識まとめ・その1)
放射性物質についていろいろご意見を頂くので、勉強しながら資料をまとめておこうと思います。私も専門家ではありませんので、ここ違うんじゃないの?ということがあればご指摘いただきたいと思います。
▲放射性物質には、安全値はない!(しきい値とがまん値)
この量を越えなければ害がでないという「量」があるとき、それをしきい値(閾値)と言います。放射線によるガンや遺伝子障害に於いては、しきい値はないと言われています。ここが他の有害物質と違うところであり、被曝をするということは、どんな意味に於いても危険です。つまり、どんなに微量でも危険なのですから、どこからどこまでが安全という線を引くことは、サイエンスの面から言えばできない物質といえます。
ですから、「安全基準」を定めることはできず、ここからここまで我慢させるという線引しかできないのです。
▲ベクレル(Bq)とかシーベルト(Sv)って?換算のしかた
ベクレル(Bq)は、1秒間に崩壊する原子核の数を表す物質の放射能の単位。
シーベルト(Sv)は、人体への影響の度合いを考慮した放射線量(浴びた量)。
【ベクレルからシーベルトに変換してみよう】(厚労省健康局資料を参考に)
(例)200Bq の放射性セシウム 137 が検出された水を 1kg 飲んだ場合
200Bq×1?×0.000013(セシウム137の換算係数)=0.0026mSv
(例)20Bqの200mlの牛乳を週5回飲むとすれば1年間で
20Bq×0.2?×0.000013×260日=0.0135mSv
参考 : 係数は、セシウムー137の経口摂取の場合、
国際放射線防護委員会(ICRP)では1.3x0.00001
欧州放射線リスク委員会(ECRR)では、6.5x0.00001です。
(ちょうど5倍違う)
▲今までの暫定基準の推移
★1 国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年の勧告
一般人に対する3つの指標を設定
・緊急時 年間20~100ミリシーベルト
・緊急事故後の復旧時 年間 1~ 20ミリシーベルト
・平常時 年間 1ミリシーベルト以下
としています。(国の原子力安全委員会も勧告を踏まえた考え)
★2 ICRPの勧告は、一般の人が受ける放射線の量をなるべく低く抑えようとするための指標であり、健康に影響があるか否かの基準ではない。
また、自然界から受ける放射線量や医療行為による放射線量は含まれていない。
少しずつまとめ上げていきます。とりあえず今日は、ここまで。