たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組ブロードウェイ・ミュージカル『プロミセス、プロミセス』-ライブCD発売予定

2021年11月20日 00時00分00秒 | 宝塚
宙組ブロードウェイ・ミュージカル『プロミセス、プロミセス』- 公演プログラムより
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/782ed0b6a466ab4c02bc7aa1d2d0ce23

 11月13日に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで初日を迎えた『プロミセス・プロミセス』、瞬く間に18日千穐楽、#絵で残そう宙組プロミセス、というタグができており、観劇された方々がキキチャックさんのお部屋などをイラストであげてくれているのを楽しませていただいています。生命保険会社のデスクが中華料理店のテーブルやバーカウンターになるところなど、松井るみさんの舞台セット、可愛くてうまくできていて素敵です。絵心のあるみなさま、素晴らしい。キキチャックさんの登場シーンは朝ベッドから目覚めるところでパジャマ姿のキキちゃんとな、起きると顔洗って着替えてトーストかじりながらアパート出て満員電車に揺られて出勤するまでのサラリーマンの日常が描かれていて、チャックさんの寝姿の、足を立てている絶妙さだけでも舞台の場面を想像する余地がたっぷり。阪急交通社の貸切公演では、早口の膨大な台詞の中にアドリブをぶっこんできて歌にはトラピダンスまでいれてきたとか、さすがキキちゃん、カーテンコールでそらくんが膝をついてしまった時にはおじいちゃんのようにキキちゃんたちに介護されていたとか、千穐楽はルイくんを皮切りに関西弁祭りになったとか、描かれていることは重いことばかりなのに笑いにあふれた舞台になっていることが伝わってきます。


宙組公演『プロミセス、プロミセス』に関して
https://kageki.hankyu.co.jp/news/20211116_006.html

 水曜日に劇団さんから著作権の都合でライブ配信、円盤化、スカイステージでの放送はないこと、あわせて公演ライブCDの発売を予定しているとお知らせがあったのは、問い合わせ及び要望が殺到したからなのかな。さみしいですが、舞台はもともと生のもの、ライブ配信や映像化が当たり前になる前はテレビ放送以外ではチケットがなければみることができないのは当然でした。かつて杜けあきさんの『ヴァレンチノ』などみてみたいと思いながらみたことがありません。この世にいる間に映像があれば一度はみたいと今も思っています。こういう時代に、おそらく高い著作権料を払いながら映像化はできないとわかっている作品を劇団があえて選んで、キキちゃん主役の宙組メンバーにあてたことはもしかしたらすごいことなのかなと考えたりもします。劇団は生徒たちに経験をふませて、未来に投資したのではないかとつぶやいている方がいらっしゃりなるほどと思いました。もしかしたらこうして日本で上演することにはものすごくハードルが高くて宝塚だからできたのではないかと。映像でもみることが叶わないのはものすごく残念だしさみしいですが、この作品を選んでくれた劇団に感謝したい気持ちもあります。公演CD発売予定、トップスターの公演ではないことを考えるとこれもすごいことなんですね。池袋の劇場、手すりで舞台がみえなくて?あまり評判がよくないようですが東京公演も無事に走り抜けられることを祈っています。

 東京宝塚劇場のキャトルレーヴ、12月26日で営業終了のニュースにええっ⁉ってなったら、よく読めば来春近隣に新店舗オープン予定とあります。どこにできるのかな、それまでシャンテのキャトルレーヴが混んでしまうかな。あれもこれも買うことはできませんがその空間にいるだけで幸せになれる場所、生きる希望がひとつなくなることはなくてよかったです。せまいのでね、大劇場のように広いキャトルレーヴがオープンするなら嬉しいお知らせ。生き延びねばいかんと自分に言う。









ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』-「19世紀の世紀末の混沌とした時代と少年労働者」(4)

2021年11月19日 16時31分21秒 | ミュージカル・舞台・映画
ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』-「19世紀の世紀末の混沌とした時代と少年労働者」(3)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/fc8a8c02e64348b25a1d66391831406d

(公演プログラムより)

「『ニュージーズ』-19世紀の世紀末の混沌とした時代と少年労働者 君塚淳一(筑波大学アメリカ文化)

-子どもたちのストライキとニュージーズ-

 南北戦争後に続いていたアメリカの”金ぴか時代”は、1893年の恐慌で一気に冷え込んだ。その原因には様々な要因が重なった。海外投資が止まり、企業倒産が続き、農家では作物価格の下落が起き、そして様々なレベルでの労働者のストライキも頻繁に起きていた。

 そんな時代だったからこそ、1899年の子どもたちによるストライキは、実は、ニュージーズだけの話ではない。スーザン・キャンベル・バートレッティ著『ストライキをした子供たち!』(1999)では、同年に起きたそれぞれのストライキの様子を詳しく解説している。特に「みんなで団結すれば勝てる-電報配達人、靴磨き、新聞売りがニューヨークを熱くした(1899)」という章の中では、ニュージーズは取り上げられた職種の中で一番多く説明されている。構成年齢は8歳から15歳で、1899年時点で100部買い取るのに50セントを払い、1部を1セントで売っていたという。お客が読みたいと思うような事件やスキャンダルの”見出し”がついていればありがたいが、なければ売ってしまえばこちらのものだと、勝手に「自分ででっちあげる」とこもある。また、買ってもらうために同情を引くには、貧しく、病気で怪我をしているふりなど何でもする、と同書にはある。本ミュージカルにも同様な場面が出てくるのでご覧いただきたいと思う。」

 2021年『ニュージーズ』、11月17日(水)に梅田芸術劇場で無事大千穐楽を迎えました。公心からおめでとうございます。京本大我君ジャック、松岡広大君クラッチ、加藤清史郎君ディヴィというキャスティングが素晴らしすぎました。カーテンコールで、大我君から3人のフォーメンションが令和の少年隊みたいということばが出たとか、清史郎君が泣くまいと決めていたと挨拶したのに石川新太君から怪我で出演叶わなくなったキャストの名前が出ると号泣してそれに気がついたゆうみちゃんが大我君にアイコンタクトで知らせて大我君もほほえましく清史郎君をみつめたいたとか、弟のレス君をぎゅっと抱きしめていたとか。1年5カ月前の無念から、無事に千穐楽の幕がおりて本当によかったです。会員サイトの日記の更新待っていますね。

 ハードなダンスシーンが続くのでずっと同じキャストで続けていくというのはむずかしいかもしれませんが、これからも上演されていってほしい作品。多くの方に届いてほしい。







 
鮫島拓馬さんのツィッタ-
https://twitter.com/takumakumama

松岡広大君のインスタグラム
https://www.instagram.com/koudai_matsuoka.official/


花組『ハンナのお花屋さん』-オンデマンド配信中

2021年11月19日 00時54分53秒 | 宝塚
花組『ハンナのお花屋さん』を振り返ってみる
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/b74f56381a4212a2b173484766985baa


 タカラヅカ・オン・デマンド15周年を記念した動画配信祭り、花組のリクエスト30本、1か月限定で配信されました。

https://www.tca-pictures.net/vod/15th-fes/#request_hana



 2017年赤坂ACTシアター公演『ハンナのお花屋さん』、パソコンで流し続けたDVDはみることができなくなってしまったので、久しぶりにみています。DVDの所在は引っ越しばっかりでちょっとわからなくなってしまっています。優しい植田景子先生ワールド、やさしく清涼感あふれる舞台、幕開きの水の音が懐かしいです。疲れた心に沁みます。これもまたこんな時こそたくさんの人に届いてほしい作品。4年の歳月が流れ、主要キャストのほとんどが退団と組替えで花組にはもういません。みりおちゃんクリスはやっぱり素敵、瀬戸かずや氏男役ダンディのきわみ、キキちゃん花組生として最後の作品、この作品で舞空瞳ここにありと存在感を示したひっとんはこっちゃんのお嫁さん、あかさんも花組生でした。友の会のネット予約がつながり一度だけですが劇場で観劇することができたこと、今となっては二度とない一期一会の奇跡、ライブビューイングでもみました。フィナーレでみりキキが踊っている。いろいろなことがありすぎて、遠い日のことのようです。お姿はみえませんでしたが生演奏でした。このあと鎌倉の葉祥明美術館をかなり久しぶりに訪れたりしました。

「Listen to your voice
 (心の声に耳をすませて)
  作詞:植田景子

 Listen to your voice
 心の声耳すませ
 Listen to my heart
 自分の心 信じるまま
 目を閉じて 聞いて
 木々のざわめき
 目を上げて 見つめて
 優しい木漏れ日
 Believe in the Miracle
 生きてる奇跡を
 Believe in the Life
 信じよう この世界


 聞こえる 森の妖精が囁きかける
 心の扉開き 歩き出せば
 手を広げ 感じて
 吹きわたる風 自分らしく生きたい
 心のまま

 自分の心見失い 
 深い闇に閉ざされても
 霧は晴れる いつか
 信じ歩き出せば
 見つかるさ 幸せが」

 思いきって宝塚大劇場、『ポーの一族』のチケットを入手してはじめて本拠地に遠征したのは2018年のお正月。お城のような大劇場の建物に感動して、はじめて歌劇の殿堂にもはいり、衣装と小道具も夢中でみました。二度と戻らないかけがえのないとき。一期一会の出会い。












 10数年ぶりで宝塚に戻り生徒名を認識できないままライブビューイングで衝撃を受けた『金色の砂漠』、リアルタイムでは出会っていないみりかのの『仮面のロマネスク』、蘭蘭コンビの『愛と革命の歌-アンドレアシニエ-』、みりおちゃん中大兄皇子の『あかねさす紫の花』などなど、歴代『エリザベート』も配信中なので忙しいです。1,650円(税別)でありがたい。ホムシューのナウオンステージ、今月いっぱいで配信が終了するので書き留めておかなくちゃ・・・。

若松英輔さんのツィート
https://twitter.com/yomutokaku

「ヘルニアになって痛感したのは、世の中には平気な顔をして、苦しい日々を生きる人が沢山いることだ。むしろ苦しいときだからこそ、平常を装うことすらある。何もないようにしている方が楽だということもあるのかもしれない。しかし、どこかでは弱音を吐いてよい。それが人間の暮らす世界だと私は思う。」

 生まれる前からの右足股関節脱臼により、頭と手はまだ動くなれど往復するのが過酷過ぎて残念ながら週に3回が限度だと感じる、定期的な通院も身がすりへっていくような思いでどうすればいいのかわからなくて、まだ終わりませんが終わりなんだあと思うと涙が出て、鎮静剤をのまないといられなくなるのはいつ訪れるのかと考えると、直接命とられることではないけれどなんでこんな試練が与えられたのかなと思って、こんな夜に沁みる。




ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』-「19世紀の世紀末の混沌とした時代と少年労働者」(3)

2021年11月18日 17時51分26秒 | ミュージカル・舞台・映画
ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』-「19世紀の世紀末の混沌とした時代と少年労働者」(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/deae4edc2f18759910c842d49db0f97b

(公演プログラムより)

「『ニュージーズ』-19世紀の世紀末の混沌とした時代と少年労働者 君塚淳一(筑波大学アメリカ文化)

-ピュリツァーの「ニューヨーク・ワールド」紙-

 それまで英語が読み書きできない多くの新移民を読者対象にしていなかった他紙とは異なり、1883年創刊の「ニューヨーク・ワールド」紙は、読みやすいみだし、語彙をやさしく、写真の多用、スポーツページや女性向けファッションページ、社交ページ、コミックページを入れるなど、広い読者層を勝ち取る工夫を凝らしていた。また新聞サイズも小さくし、駅のスタンドで購入してもらい、仕事場へ行く通勤途中に電車の中で読んでもらうことも試すようになる(スーザン・ザノス著『ジョセフ・ピューリッツアとピューリッツア賞の裏話』)。

-ニュージーズを苦しめる元凶-

 1880年代から1890年代にかけて、新聞産業は急激に発展した。「ニューヨーク・ワールド」紙は、特にウィリアム・ハーストの「ニューヨーク・ジャーナル」という、新たに現れたライバル紙との壮絶な購読者合戦で苦戦する。

 また、1899年に集結した米西戦争(キューバ独立をめぐりアメリカとスペインとの間で起きた戦争。アメリカが勝利をおさめる)にレポーターを送るなど経費をつぎ込んだ「ニューヨーク・ワールド」紙は、ライバル出現での収入源もあり、収支を合わせるのが大変だった。まさにこの流れの中で、ニュージーズたちが怒り、ストライキをする理由は、「ニューヨーク・ワールド」紙の買取り価格の値上げがされるからである。」

                                →続く

無事に往復できますように

2021年11月18日 08時19分10秒 | 日記
土曜日以来の出勤、ちょっと頭がぼけています。ちょっと病的と思われる女性と一緒になるし、帰りの電車で折りたたみ杖を使えるかどうか、使うかどうしようかとかいろいろ考えます。
 
 昨日 、夕方と夜に人身事故コンタクトレンズがなくなったので処方してもらうため眼下にいくのにターミナル駅を通ったら他の線路を使って運航するとのアナウンス。いちばん混んでいる時間帯、何本もの路線が平行して走っているところ、出勤していたら帰路もろに巻き込まれてこの足では体がこわれていたかもしれません。駅員さん、本当に大変だったと思います。救急隊のみなさま、わたしたちの社会生活維持のために働いてくださっている全てのみなさま、本当にありがとうございます。

 折りたたみ杖を使うと膝の痛みがいくぶん和らいだかもしれません。

 不安神経症に打ち勝って無事に往復できますように・・・。

「官房機密費1日307万円使い続けた菅氏 後年公表の仕組みを」

2021年11月17日 15時17分06秒 | 気になるニュースあれこれ
「内閣官房報償費(官房機密費)の「政策推進費」は、領収書を必要とせず、官房長官の判断で支出できるブラックボックスのお金だ。赤旗が情報公開で手に入れた文書によると、菅義偉首相が官房長官在任中の2822日間に支出した総額は86億8000万円に上る。

 これは1日当たり平均307万円を使い続けていたという途方もない額だ。政府には一定程度、機密性が高いお金は必要だと思うが、全くチェックされずにこの金額が支出されているというのは許されない。国家財政が厳しいなどと言っているさなかに、いつまで高額な使途不明金の支出を放置しておくのか。」

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20210222/pol/00m/010/006000c

 2021年2月24日付の毎日新聞の記事。無料で読めるのは途中までなのですが、これも今可視化されていくべき問題。

 話題の「文書通信交通滞在費ぶんしょつうしんこうつうたいざいひ」とはなにか、コトバンクより抜粋。
https://kotobank.jp/word/%E6%96%87%E6%9B%B8%E9%80%9A%E4%BF%A1%E4%BA%A4%E9%80%9A%E6%BB%9E%E5%9C%A8%E8%B2%BB-679944


「給与やボーナスにあたる議員歳費(年間約2100万円)とは別に、国会議員に毎月100万円支給される公費。電話代、郵便代、交通費、東京での滞在費などの名目で支給される。略称は「文書通信費」「文通費」。国会法第38条の「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため、別に定めるところにより手当を受ける」という規定に基づき、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律(歳費法)」第9条によって支給が定められている。

領収書の添付義務や、使途の報告・公開義務もなく、目的外使用への罰則もない。このため使い道が不透明なうえ、「経費」か「手当」なのかの位置づけさえはっきりしておらず、国会議員の「第二の給与」や「議員特権」と揶揄(やゆ)されることが多い。」

 維新の会が問題になってから?以前から?HPに領収書のPDFと共に用途を公開しています。2021年7月をみただけでも必要経費として使われているのは一部、半分ぐらい、半分以上は党への寄付とされています。10月分だけ返還とか、寄付とかはまやかしにすぎません。必要経費は領収書を提出して事後精算するなり仮払いを受けて領収書を提出して相殺するなりが民間の一般常識、公費ならばいっそう厳密の行われるべきであるはず。制度の抜本的な見直しが必要と思います。この機会にどんどんうみがあぶりだされて可視化されていくべきだと思います。心の血を流しながら稼いだささやかなお給料から税金も社会保険料もどっさり天引きされてしまうというのに、それでもわたしたちは生きていかなければならないというのに、数十円、数百円の文房具ひとつだって管理されているというのに、桁違いのお金が非課税の完全スルーで湯水のように使われ続けてきているというのはどういうことなのか。こんなに自浄作用が働いていないってすごくおかしいです。


 2014年に全くそんなつまりはなかった労働紛争となってしまった時、社会の仕組みは弱い立場の者を守るためにあるのではないと知り、日本はこんなにもダメな国なのかとわかって愕然としました。社会の仕組みは強い者のためにあるとは世田谷事件遺族の入江杏さんのことばですが、自分が身をもって体感することがないとなかなかわからないことなのかもしれません。弁護士は法の番人であるべきだなどと言いますが、権力を手にした強い立場の人たちが自分のたちに都合のいい法律をつくり、見直すと都合が悪いから見直されることもないまま脈々と続いてしまっているということになります。こんなことを許してしまっているのは結局わたしたちなのかもしれません。労働紛争の経験で知ってことを話そうとするとそんなことばっかり言ってないでって言われました。いやいや政治ってわたしたちの暮らしそのものなのに、選挙の投票率の低さとか、結局そういうことなのかなあと思ったりします。マスゴミが維新の会をやたらと持ちあげるのにもすごく違和感があって、違和感ありすぎ、吐きそうなニュースばかり、わたしらが無知なだけでわたしらがこうして知ることは氷山の一角で、知らないところでなにかほんとにすごくおかしなことが起こり続けてきているという気がしてなりません。

 これからどうなっていくのか、生きていくことに希望がもてませんが死ぬことはできない、タイムカードによって管理される働き方でしか稼ぐ術を知らないので、自分を食わせるために倒れようとも出勤して稼いでどっさり天引きされても甘んじて生きていくしかありません。

『果樹園のセレナーデ』-ルウシイ・モンゴメリおぼえがきより

2021年11月17日 00時50分17秒 | 本あれこれ


「(1911年の冬)祖母の死とともに、古い郵便局の家も閉ざされ、ルウシイはパーク・コーナーのジョン・キャムベル叔父の家に移っていった。そして、その年の7月、長い長いあいだの愛人マクドナルド牧師と結婚した。この時、ルウシイは37歳、マクドナルドは4つ年上だった。

 彼はそれまでに各方面の一流教会から牧師として招聘されたのだが、ルウシイの近くにいたいばかりに、それら有利なポストは全部辞退して、ささやかな教会を牧することで満足していた。

 37歳の花嫁は年よりもはるかに若々しくういういしかった。エワン・マクドナルドの眼には初めてキャベンデッシの郵便局へ切手を買いに行った日に見た黒い髪の毛で青い眼をした若い娘と少しも変わっていなかった。年月も名声も彼女をそこなわなかった。

 ルウシイ・モンゴメリの人生観が彼女の青春を保つ原動力だったのだ。なにが一番貴いかをルウシイはいつでも精神的の評価できめていた。

 ある時こんなことを書いていたー

「小さい時から私は理想美というようなものにあこがれを持っていました。毎日毎日の雑事雑用にかこまれながらも、私は自分が肉眼では見えない理想の美しい世界に、非常に近く住んでいるような気がしてならなかったのです。
 
 その世界と私のあいだには薄いヴェールがかかっていました。けれど、折々ふっと風がそのヴェールをゆすぶって、私に美しい国をちらりと見せてくれるのですーほんの一目だけですーけれど、その美しい世界をかいま見るだけで、生きていることが嬉しくなるのです」

 新婚旅行には夫妻の先祖の故郷スコットランドへ行った。観光気分を満喫した夫妻はやがて、9月にカナダへ帰って来た。」












花組『テンダー・グリーン』より「心の翼」(再掲)

2021年11月16日 01時13分09秒 | 宝塚

花組『テンダー・グリーン』より「心の翼」
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/0e735cd2d490f542911ecbe186e3cc65


 コロナ禍で舞台がとまっていた2020年9月2日のブログに引用させていただいた「心の翼」の歌詞を繰り返し思い出しています。大浦みずきさんが花組で二番手だった時代の作品のテーマソング。

 「何故苦しむのだろう 何故悲しむのだろう
  生きていることがつらいなんて
  思いたくはない
  命は愛おしいと 抱きしめてみればいい」

 若き日の正塚先生らしい、まっすぐな命への讃歌、生きろという心あったかいメッセージ。大浦みずきさんへのオマージュを込めて13日に東京国際フォーラムで幕を開けた花組・月組100周年記念のOG公演と大劇場で上演中の花組公演で歌われているとのこと。OG公演、21日(日)の花組バージョン、ライブ配信が予定されています。おサイフを考えてライブ配信何本か見送っていますがこれは視聴したいと思います。今の自分で聴くとより深い想いで沁みて涙してしまいそうです。宝塚には、海外作品ばかりでなく、座付作家の愛にあふれたオジナル作品の素敵な歌がたくさんあります。専用劇場でオリジナル作品を年に数本のペースで世に送り出し続けている宝塚、すごいです。唯一無二の世界。

「作詞:正塚晴彦 作・編曲:高橋城

 もしも心に 思い運ぶ 翼あれば

 伝えてほしい 同じ涙 喜びと

 だから変わらぬ 重さの命なんだと

 願いは誰も同じと 親しみをこめ

 もしも星の夜なら

 身を寄せて眠れ

 嘆きさえも愛しい

 息づきだから

 もしも深い森なら

 木もれ陽に踊れ

 触れた心 思いは

 残るのだから

 何故苦しむのだろう 何故悲しむのだろう

 生きていることがつらいなんて

 思いたくはない

 命は愛おしいと 抱きしめてみればいい

 その手の温もり伝わるなら

 怖れは消え去る

 体の傷より 痛む心よ

 共に生きてる命の

 親しみをもて

 もしも星の夜なら

 身を寄せて眠れ

 嘆きさえも愛おしい

 息づきだから

 もしも深い森なら
 
 木もれ陽に踊れ

 ふれた心 思いは

 残るのだから

 心の翼よ今

 届かぬ思いを乗せ

 愛しい命のもと

 はばたけ願いを込め」


元宝塚トップ大浦みずきさん12回目の命日 東西でオマージュ公演
https://www.daily.co.jp/gossip/2021/11/14/0014841669.shtml

 大浦みずきさんが亡くなられたのリアルタイムで知らなくて、東京国際フォーラムで開催された宝塚100周年記念の展示で、ずらりと並んだOGからのメッセージになつめさんからのメッセージがないのをすごく不思議に思ったのでした。地方公演のベルばらもあわせて3回かな、なつめさんの舞台に出会えたこと今となっては奇跡。

 







 この世での時間があと何十年もあるわけではない。明日のことはわからないので未来を嘆きながら暮らすよりもできるだけ今を生きよう、人生の時間は老後のためにあるわけではない、今の時間は今のためにあるし、今しかない。だから木曜日はまた出勤しなければですが、体力、気力があって劇場を往復できるうちに可能な範囲で観劇もしようとの気持ちをあらたにしています。

 心のよりどころ、劇場には夢と希望がある。





折りたたみ杖を使ってみました

2021年11月15日 14時35分49秒 | 日記
 アマゾンで注文したキティちゃんの折りたたみ杖、昨日の夕方さっそく使ってみました。右足のへの負担はいくぶん軽くなるように感じますが杖を持つ右腕が痛く、へんに左足にも力が入ってしまうようです。PTに正しい使い方の指導を受けた方がいいのだろうと思いますが医者に行くのも時間とエネルギーが必要だし、そんなにつらいなら手術しかないと言われるのがいやなので行きたくありません。

 朝日新聞に、人口股関節に置き換える手術をしてよかったいう投稿が掲載されたようです。友人がおしえてくれたので一読しました。生まれつき両足脱臼、一般的には殆どが女性だとされているようですが、男性にもいらっしゃるんですね。3歳で最初の手術、乳幼児の時に適正な診断を受けられたということなのでしょう。

 このまま生きるのはつらいと感じます。このままでは体がこわれしまうと感じます。手術しないで一生を終えたいとがんばるのは愚劣でしかないのかもしれません。体操をがんばってもなくなった軟骨が戻ってくることはないので、結局生き延びるためには手術しかないのかもしれません。死ぬまで働かなければ自分を食わせていくことはできないので死ぬまで働くためには手術、手術すれば死ぬまで働ける。誰にも必要とされない自分が、そこまでして生きる意味があるのか、なんのためにそこまでして生きなければならないのか。初診で診断名を告知されたと同時にいともかんたんに手術というワードを出され、どんな手術なのか具体的な説明がなにもないまま考えてみるよう言われたので、処刑台にのぼるよう宣告されたという感覚しかありません。おそろしいし、その間完全に無収入、緊急連絡先もない、術後しばらくは外に出られない?天涯孤独のわたしがどうしてこんな困難を超えることができるでしょう。手術を決めるなんて、医者やPTにしたら簡単なことなのでしょうが大変なこと。当事者の会の投稿を読むと、こわくなって直前にキャンセルしたという方、手術したことを後悔しているという方も現実にいらっしゃる、リスクがゼロではない、処刑台に上る決心をしなければならないような心持ちです。

 席を譲ってくださいみたいに見えてしまうのがいやで、帰りの大混雑の電車の中、高齢化率の高いバスの中で折りたたみ杖をどうしようかと思います。特に疲労している帰りは使わないとつらいのですが仕事でお疲れの方々の前に立って譲ってくださいみたいに見えてしまうのは申し訳ない。でも立ち続けるのはつらい。全く外に出ることなく、歩くこともなくじっとしていればいいというものではなく、外に出ないと、歩かないと筋力が落ちて動きが悪くなりますが使い過ぎると疲労で痛みと痺れがひどくなります。通勤は週に3日が限界。小さいところに在宅勤務の環境を整えられるだけの体力は皆無で、頭はまだ動いていますが在宅ワークはできません。一年後に明日食べるものにも困る状況になるわけではありませんが「特別に」厚生年金の受給開始となるまでまだあります。どこまで持ちこたえられるのか、死ぬまでにあといくら必要なのか、どんよりしすぎてまともに勘定したくありません。週3日勤務は最低限キープしたいですがそれもわからない。これからどうすればいいのか、これからどうなっていくのか、思考がとまっています。ガンのように日々進行していく疾患ではありませんが、生まれる前から決められていたこんな苦労、わたしはいやや、これを乗り越えることで学ぶことがたくさんあるとか、乗り越えられる人にしか試練を与えられないのとかそんなん知らん。残念ながら選ぶことができなかった遺伝という血・・・。

宙組ブロードウェイ・ミュージカル『プロミセス、プロミセス』- 公演プログラムより

2021年11月15日 01時19分17秒 | 宝塚
宙組ブロードウェイ・ミュージカル『プロミセス、プロミセス』-初日おめでとうございます
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/ca51ae641c6d90b90e30d9ceea7c8e9f

原田諒先生のメッセージより

「宝塚の二枚目男役としてはある意味難役とも言えるこの主人公を、芹香斗亜はそのキャリアとこれまで培ってきたコメディセンス、そして繊細な芝居心で巧みに表現してくれている。彼女の持つ清潔感と男役としての包容力、緩急自在の演技は、このチャックという役を宝塚の二枚目男役の新しい形として見事に誕生させた。この役が、この作品が、彼女にとって代表作の一つとなり、さらなるステップアップの契機になることを信じてやまない。」

「単なるコメディ作品として終わらせるつもりはない。大人の男女の情事がテーマの一つとなる以上、いかにリアルな感情で舞台に息づくことが出来るかを目標に、脚本読解の段階からいつも以上に時間をかけて、密度の濃い稽古に出演者一人一人が真摯に取り組んでいる。大劇場では出来ない小劇場ならではのミュージカル。ニール・サイモン戯曲特有の軽妙洒脱なセリフの欧州と、バカラックの都会的なメロディに悪戦苦闘しつつも、宝塚歌劇として表現し得る限界に挑戦し、演劇の原点に立ち返る思いで作品に向かい合っている。」

 自分は観劇することができませんが今日もSNSで感想を拝見して楽しませていだだきました。ずっと笑っていたなんて読んでいるだけでひととき心が軽くなります。イラストでチャックの部屋をあげてくれたり、文章も絵もうまい方が多くて自分も観劇しているかのような感覚。これまでの観劇体験で想像の翼を羽ばたかせて頭の中に場面をつくりあげています。キキちゃんとまゆぽんの芝居の相性がすごくいいとか。嬉しいです。まゆぽん、大劇場でも宙組公演に出てほしいです。かなりの芝居力がないと成立しない作品なのかなと。日程が短く、たくさんの人が出会える機会のないのは残念ですが、少人数での小劇場公演はいいですね。この作品にもサンタフェの名前が憧れの場所として登場するのかな。

 昨日、帝国劇場にも行きました。聖地巡礼、宙組の太陽といわれたまぁ様の『マイ・フェア・レディ』、開幕しました。