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たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『Anne of Green Gables』より_第4章Morning at Green Gables

2021年11月29日 23時50分41秒 | 『赤毛のアン』
Oh,I don,t mean just the tree:of course it,s lovely--yes,it,s radiantly lovely--it blooms as if it meant it--

but I meant everything,the garden and the orchard and the brook and the woods,the whole big dear world.

Don,t you feel as if you just loved the world on a morning like this?

And I can hear the brook laughing all the way up here.

Have you ever noticed what cheerful things brooks are?

They,re always laughing.Even in winter-time,

I,ve heard them under the ice.


「まあ、私が言ったのは桜の木だけじゃないわ。もちろん桜もきれいよ、そう、まばゆいばかりに美しいわ。まるであの木もそれを分かって咲いているみたいね。でも、全部がすばらしいのよ、庭も、果樹園も、小川も、森も、この広々とした世界のすべてが愛しいわ。おばさんは、こんな美しい朝には、世界中を愛している、っていう気にならない?私には、小川のせせらぎの笑い声がここまで聞こえるわ。おばさんは、小川がどんなに陽気か知っている?小川はいつも笑っているのよ。冬でさえ、氷の下を笑いながら流れているのよ。」

(『赤毛のアン』モンゴメリ、松本侑子訳 2000年5月25日第一刷集英社文庫より)

 6月、長い冬のあとにおとずれたプリンス・エドワード島の春、カナダの本土からはじめて島にやってきた翌日、グリーン・ゲイブルズで迎えた朝の美しさに心をうばわれたアンが。戸惑うマリラに話しかけています。生き生きとしたアンのことばには、プリンス・エドワード島を愛して、この作品を心から楽しんで書いたであろうモンゴメリさんの生命力があふれているように感じます。







小原麗子『自分の生を編む-詩と生活記録アンソロジー』より-「「おなご」という視座-囲炉裏について」(1)

2021年11月29日 17時00分50秒 | 本あれこれ
小原麗子『自分の生を編む-詩と生活記録アンソロジー』より-「「おなご」という視座-囲炉裏について」(1)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/018653c956255e69ef898b4a6f0b3a1f





「重助老人が、「おらどこの、おばあさんだ、風邪ひけば、カサかぶって、横座さ、あだったもんだ。女(おなご)だって・・・」と、(おなご)だって・・・。」を一言、はさむのを忘れないように、「横座」は、おなごの座る場所ではなかった。その家のおばあさんぐらいになって座れたということかもしれない。

 (略)

「横座」のまむかいには「木尻り」があった。そこが嫁ごの場所であったが、「木尻り」はどっかりと座る場所ではなかった。立膝か中腰にかがみ込み、蒔がよくもえるように、煮物が上手に煮えるようにと、気をくばりながらいる場所であった。もちろん、「木尻り」は、木をもやす場所であったから、「横座」よりは煙もあまりこず、火も近くにあるという利点があった。

 囲炉裏(ひびと)に集う一家団らんは「木尻り」で火を燃やし続ける嫁ごによって、支えられていたといえよう。日本の農業が、おなごだぢの過重な労働によって、支えられていたと同様に。

  嫁ごの予備軍として、たえず他の娘と比較されて育ったわたしには、囲炉裏に対してのしあわせな原風景がない。囲炉裏の象徴でもある祖母がすでになく、祖母に抱かれた記憶がないせいかとも思う。田畑が暮れても、父も母も帰らなかった。腹をすかしている弟たちをなだめながらするマッチの軸木は、半分泣きたい少女のわたしの涙でしめっていた。まして、秋の農作業がおくれ、薪とりもまに合わず、木小屋にあるべき薪はいくばくもなかった。この冬が越せるかと、嘆く母を見て育った。

 囲炉裏はつらい。「姉」は「木尻り」を守り、「木尻り」にしめあげられて自死した。嫁ごのつらい忍従によって支えられた囲炉裏の団らんは、その無理によって、ほろびるものであったのかもしれない。

 囲炉裏の構図もいまや抽象でしかない。が、「家」の座敷には床の間があった。どのような会合の時にも、「床の間」を背にすることは、一種はれがましい、気の重いことでもあるから、「じャ、じャ」とためらいの所作をくり返しながら、座ることになる。

 のふる舞いの席上で、「席順」はトラブルの原因になった。後の家の父(と)っちゃんが、酔いがまわるにつれて、髭づらをいっそう怒らせて、並ぶお膳をつぎぐちと引っくり返したという話は、子らの恐怖をかきたてた。たとえ、結婚式が、市民会館や公民館になろうとも、係が神経を使うのは、「席順」であるという。「席順」は、くらしのあちことに見え隠れして、生きているといえよう。


 くらい台所には、せめて一枚のガラス窓をという願いがあって、農家は台所改善をした。囲炉裏は消えて、ガス釜、電気釜が煮炊きの主役になった。労力によってかき集めた蒔は「金銭」と引き替えに手渡される。ガスの火をどうぞ。電気もどうぞ・・・と。

 (略)

 農婦は、女手一つで、子どもを育てた。学校にも進学させ、長男は鉄道員になり、農業は継がなかった。継がなかったばかりか別の土地に一家を構えた。それだけの財力があるか否かは別にしても、いまは前借りで、マイホームをという時代である。農婦は亡くなり、農婦の建てた家には誰も住まず、田畑は放置されたままである。たまたま農婦の長男は、鉄道員であったが、たとえ、田畑を放置して、洗濯機や電気釜を作っていても、くらしはなりたつという仕組みであった。

 それで、わたしは宙吊りのままだ。火と水が買えて、他人の家の二階に棲みつくことができたその様も、また宙吊りなのだ。

 (略)

 宙吊りもまたつらい。もがいてもすがるものがない。母はどの重労働もしないから、腰はピンとしているが、「耐える」ことにかけては相当なものだと思う。宙吊りであれば、ノドも手足もしびれてくるから、いい加減、元の場所に帰ろうかと思う。それは誰だって・・・。宙吊りのままで、ガスコンロの便利さなどにあやつられていれば、忍耐の姿勢もなにやらコッケイなので、これが一番身に沁みる。

 どっかりとぬぐめでくれる囲炉裏がこいしい。囲炉裏をとりまく一家団らん。それに「村」だ「共同体」の見直しだとくればなののこと。40歳そこそこのこの国の厚生大臣までが、「三世代同居、推進めざす」(『朝日新聞』1979年8月18日)と談話の発表に至る。「高齢化社会を迎え、公共施設で老人を抱えるよりも家族内で世話できるようにするのが家庭像としても財政面からも望ましいと考えるからだ」と、そこはそれ、いずこも同様、ソン・トクを考えての発言ではあるが、「望ましい家族像」とは、ホロリとさせる。日ごろ年寄りとくらしたがらぬ若者に対する、うらみつらみを胸底にためている、わが先輩の同僚なども、それみたことかと言うだろう。

 が、囲炉裏には「横座」があり、そのまむかいに「木尻り」があった。わたしはそこに帰らない。

                                         (1982年)」
  (2012年1月6日、日本経済評論社 発行『自分の生を編む』、163-166頁より) 

 1979年8月時の40歳そこそこの厚生大臣は誰だったかとググってみると橋本龍太郎氏(1937年生まれ)でした。1997年の橋本内閣で消費税増税と地方消費税の導入を実施。ウィキペディアには、こう書かれています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E6%9C%AC%E9%BE%8D%E5%A4%AA%E9%83%8E#%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E%E5%A2%97%E7%A8%8E%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%BE%8C

「産経新聞の田村秀男編集委員は、記事「カンノミクスの勘違い」の中で橋本が消費増税を実行したせいで、増税実施の翌年から、日本は長期デフレーション(平成不況・失われた20年)に突入したと評している。田村編集委員は、消費増税を実施した1997年度(平成9年度)においては、消費税収が約4兆円増えたが、2年後の1999年度(平成11年度)には、1997年度比で、所得税収と法人税収の合計額が6兆5千億もの税収減にとなったと指摘し、消費増税の効果が「たちまち吹っ飛んで現在に至る」と評している。さらに、「橋本元首相は財務省官僚の言いなりになった事を、亡くなる間際まで悔いていたと聞く。」と述べている。

1997年の消費税増税、健康保険の自己負担率引き上げ、特別減税廃止など、総額約10兆円の緊縮財政の影響や金融不況の影響もあり、1998年度には名目GDPは、前年度比マイナス2%の503兆円まで約10兆円縮小し、GDPデフレーターはマイナス0.5%に落ち込んで、深刻な就職氷河期、デフレーション経済が蔓延する結果になった。」

 コロナ禍であらわになったさらに希望のなくなった日本の姿よ。厚生労働大臣をつとめたことのある塩崎やすひさ氏がツィッターにこうつぶやかれています。派遣法改正を審議する厚生労働委員会での姿をみたことがあるのでまっとうなことをおっしゃっていると・・・。(ごめんなさい)

https://twitter.com/yasu_shio/status/1465167626569609218

宙組『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』-ナウオンステージより(2)

2021年11月29日 01時04分06秒 | 宝塚
宙組『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』-ナウオンステージより(1)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/86a77780c39ecc2c46db3be4f830250e

 シャーロキアンのみなさまのおかげでよりいっそうもりあがった『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』、苦しいながらも楽しい夏でした。苦難の日々に遠い過去のことにようにも思えます。毎日寝る前にどこまでが変形性股関節症のせいかわからないですがだるくてたまらない足をリラックスさせながら「ル・サンク」をながめています。オンデマンド配信中の『『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』のナウオンステージより、配信終が終了していくので印象的なことばを文字起こし。コロナ禍で二手に分かれての収録。まかキキのやりとりをききながらコロコロと笑っているじゅんはなちゃんのにかあっていう笑顔は人を幸せな気持ちにさせてくれます。

🕵まかキキじゅんはなちゃんチーム

真風さんホームズ
「世界的に人気のあるキャラクターなのでとても大きなものに挑んでいっている感覚がつよい、初探偵、舞台上に部屋のセットもつくっていただいているのでさらに息づく感覚が毎日新鮮、多彩なのでいろんなことをしなければいけない、衣装ひとつ着るのも大変。舞台上で着替える場面もあるので本当に扮装している感覚、それが自分のキャラクターづくりに絡み合っていく、人やものと挑戦できるのが毎日楽しい」

じゅんはなちゃんアイリーン
「凄まじい人生を送っている女性、強さのなかにある弱さ、愚かさをかもしだいていきたい。今回お二人とよくお芝居させていただいている、毎日違う、その日その日に生きられているんだなと思う。最後お客様もすごく笑われている」

キキちゃんから「最後のシーンでじゅんさんを尊敬している、はがねの心をもっている」、真風さんから「女優魂を感じる」とツッコミ。

キキちゃんもモリアーティ
「救いようのない悪い奴、すごく楽しい、舞台にきてますます楽しい、みなさんのキィってなっている反応やホームズの推理が楽しくてワクワクする。最初の重鎮たちが起こっているところも楽しい。最後落ちるまでずっとワクワクしている、いつもはけたあと憎たらしい顔しすぎたかなと反省しているとま、いいかって思う」

真風さんホームズ
「ワトスンさんが振りまわってくれているのが楽しい、ワトスンを困らせたい、ハドスンさんも来てくれる、喋る相手ができて嬉しい、ワトスンにはっと気づいたときヨッみたいな感じ」

メアリー、アイリーン、ハドスンさん、「女性が強い」とまかキキ。

愉快な仲間たちの話-

真風さんホームズ
「レストレード警部も困らせたい、すごく最初わたしのこと探している、モリアーティっていう言い方も可愛い。お兄ちゃんが走るのちょっと大変そう、なんかつかかってくる、わたしもつっかかる。」

キキちゃんモリアーティ
「袖でいつも警部ご苦労様ですっていうとオマエのこと見張っているぞって言うけど、絶対この人には捕まえられないなって思う、オマエのことマークしているぞって言うけど絶対無理。悪い人たち、日に日に紹介する場面でいい顔して出てきてくれる、そりゃアイリーンも呆れるよねっていう感じだけど、ワクワクする、大好きなメンバー、これからまだどんどん濃くなっていくと思う」

じゅんはなちゃんアイリーン
「幕開きですっしーさんのウィリアムズ大臣からとっても大事な物とは知らずに女性の武器を使ってシュッと取ってしまう。そこまでとはモリアーティから言われるまで知らなかった」

まかキキ
「あんなに怒っているすっしーさんはじめて」

キキちゃんモリアーティ
「すっしーさん、めっちゃ怒っているのを袖できいているのも面白い。あんなに怒っているすっしーさんをみたことない。国家事業をフェイクしたゴールデンジュビリーはすごい」

真風さんホームズ
「そのおかげで大騒ぎ、女王様もお怒り。ホームズはファンが多いから女王様に頼んだりしてモリアーティに負けじとしている。さらに役を深めつついろんな役を楽しんでもらるようにがんばります」


🕵ずんそらチーム

「幕開きの見せ場に苦戦した、できた時はオオって思った。世界中にファンがいるのでどう始めていくのかが詰まっている。ワクワクする。ホームズとワトスンの部屋、先生のこだわりでかなり忠実、しかも足の踏み場が全然ない。小道具さんも細かい要望にこたえてくださる。はじめて舞台稽古の時せり上がりの前にずっと二人で物色していた。鎖が登場する場面は袖で小道具さんがすごくがんばっている。たくさんの人たちの協力で出来上がっている」

ずんちゃんワトスン
「周りに比べるとごくごく普通の常識人、いかに普通でいるかがむずかしい。メアリーとのラブロマンスが役の色を出してくれている。メアリーといる時いかに幸せでほわほわしているかで周りとの差ができる。ファンがわかっているキャラクターを再現するのはプレッシャーだけれど、そうそうって楽しんでいただきたい」

そらくんレストレード警部
「敏腕というわけではない、事件に行き詰まるとホームズのところを訪ねる、なんて図々しい奴なんだと思う。男性の可愛らしい部分も出していきたい。事件がひとつ終わったとき解決感、自分たちの手柄じゃないのに嫌味なく自分たちの手柄にする感じを出したい」

愉快な仲間たちの話-

ずんちゃんワトスン
「真風さん、ほんとうにホームズさんだと思った、ワトスン的にはピュアにすごいと思っている感じができる、ホームズに対する居方が自然に引き出される。コンビの掛け合いの中でいつも攻めになったり受け身になったりのバランスの変わっていくのがこの作品の面白いところ。ずっと同じではないのがこの作品の登場人物たちの面白いバランス。221B濃すぎる、ハドスンさんキャラ濃い、すごい残していく。メアリーはほわほわっとしているけれど芯がしっかりある、いつも察しがきいて包み込んでくれるような母性もある、いいお嫁ちゃん。モリアーティチームも濃い、モリアーティのお兄さん不思議な空気感」

そらくんレストレード警部
「スコットランドヤード、ルイマキセくんとキホウかなたくんと3人でいることが多い、絶妙なバランス、トライアングルインフェルノ。宝塚版では一応ワトスンが上司のようになっている。モリアーティチーム、みんなビジュアルがすごい、明らかに普通の人じゃない、悪役たち」

ずんちゃんワトスン
「重鎮たちも濃い、どの角度からみてもキャラの濃い面白い方々ばかりで構成された作品なのでお見逃しなきよう、よろしくお願いします」





 『デリシュー』以来ずっと食べたいと思ってきたマカロンをようやくひとついただきました。
柚味、この先自分はどうなっていくのだろうと考えると体がふるえてきますがやめましょう。できることはいまを生きることだけ、いまはいまのためにある。幸せ時間、また思い出していこうと思います。マカロンペンライトを持ちながらのダンス、ちょっとしたストレッチになり、寝る前にエアペンライトを持ちながらやるとちょっと楽しいです。