たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

小さな旅の思い出_奈良飛鳥路

2020年05月30日 21時04分57秒 | 小さな旅の思い出
 2019年5月星組公演『鎌足』を振り返っていたら、飛鳥路へ旅したことがあったことを思い出しました。旅日記を読み返してみると、昭和63年10月31日から11月3日まで3泊4日の旅でした。西暦にすると1988年、郷里を離れる数カ月前、まだ生きることのきびしさを知らなかった頃でした。

 つたない旅日記。歩ける距離ではないところをわたしはふらふらになりながら歩いたようです。石舞台古墳、おぼろげな記憶で、巨大な人が横たわっているようにもみえて不気味な不思議さを感じました。

「昭和63年11月2日(木)雨、くもりのち晴

6;45 起床(奈良ユースホステル)

8:10  市営球場前⇒JR奈良駅前

8:38 JR奈良駅発

9:08 桜井駅着 近鉄八木駅⇒橿原神宮前駅で乗り換えて飛鳥駅へ。

10;00頃 飛鳥駅着
 徒歩にて飛鳥路めぐり。
 高松塚古墳壁画館⇒鬼の爼(まないた)⇒飛鳥板葺宮伝承地⇒石舞台古墳⇒酒船石⇒飛鳥寺⇒甘樫丘⇒川原寺跡⇒亀石⇒高松塚古墳⇒飛鳥駅

16;38 飛鳥駅⇒橿原神宮前駅

17:09 橿原神宮前駅⇒八木駅⇒桜井駅

17:59 桜井駅発

18:08 柳本着 徒歩15分 天理山の辺ユースホステル泊

飛鳥駅前を歩き始めた頃は雨、ひょっとして橿原神宮前へ戻るかも・・・なんて思って荷物を持ったままあるいたのがとんでもなかった。高松塚古墳へ行ったあと、また駅へ引き返して荷物を置いて再び飛鳥路へ。
ぼつぼつと歩いた、お天気もよくなってきてあたたかだった、景色はよいし。
かなりの田舎、のどかな田園風景がひろがった山あいの村、奈良が好きになりそうだ。
甘樫丘から飛鳥駅へ引き返す途中道を間違えたりしたけど時間的にはわりとゆったりゆごせたそうに思う。

引き返す頃には足元ふらふら、今ひとつ景色を楽しむどころではなかったけど・・・。

また奈良へ来たいなあ。せっかく万葉集を勉強したけど全部忘れちゃった。ゆかりの地をのんびりたずねられたらいいな、でも徒歩だときついかな。

修学旅行生や遠足の子どもが多くてなんとも賑やかだった。そのせいか少しもわびしい感じはしなかった。奈良は穏やかな雰囲気でよいね。」


当時購入した『飛鳥路全集』より

「石舞台:花崗岩30数個、推定総重量2300トンの巨石を使って築き上げられた石舞台古墳は、嵩峻(すしゅん)天皇をほしいままに殺した逆賊、蘇我馬子の遺体を葬った桃源陵で、埋葬間もなくあばかれ、石室もあらわに、千数百年の風雪を経てこのような姿になったものと伝えるが、さだかではない。天日にさらされ、雨露に洗われた今、情熱、怨念などの、人間くささを超越して、ただ巨大は飛鳥の自然とともに、永遠の沈黙を守りつづけている。石舞台の名前の由来は、この石の上で狐が女に化けて舞いをまったということから、素朴な村人が、いつとはなしにそう呼ぶようになったものであろうか。自然の岩肌をむき出してくみ上げた、それはまさしく天然の舞台のように見える。」





「飛鳥寺:崇峻天皇元年(588)、百済から仏舎利と寺工、画工らが献じられ、真神原に寺を造られたのがわが国最初の公式寺院、飛鳥寺である。法興寺や元興寺とも呼ばれ、この寺で催されたけまりの会での中大兄皇子と藤原鎌足の劇的な出会いの話は大変興味深い。寺の完成から10年を経た推古13年(605)、天皇は銅造の丈六の釈迦如来像を造ることを決意され、止利仏師に制作を命じられた。千三百数十年の歴史を経た今、現存最古の仏像として損傷はなはだしいが、前にたたずめば、はかり知れない歴史の重みを感じさせる。昭和31年よりの発掘調査により、南門、中門、塔、金堂、講堂が一直線にならび、塔の両横に東西両金堂、北側に中金堂がある堂々たる釈迦配置であることが確認された。」



 紅ゆずるさんたち出演者は、公演前に実際この飛鳥路を訪れたそうです。蘇我馬子は『鎌足』で華形ひかるさん演じた蘇我入鹿のお祖父さんですね。大化の改新で藤原鎌足と中大兄皇子によって暗殺された入鹿。悪のイメージが先行していますが、『鎌足』では有沙瞳ちゃん演じる皇極天皇のちに斉明天皇の深い孤独に触れた入鹿が、父蝦夷から認められていないと思い知らされた自身の孤独と共鳴し守るため対立する勢力を次々に消していき、気がついたときには血にまみれながらも後戻りできなくなっていたと描かれました。そんな入鹿を、少年の頃、入鹿から弓の手ほどきを受けた鎌足が、まさにその弓で入鹿を射たという物語でした。最後に天寿光希さん演じる船史恵尺(ふねのふひとのえさか)が、自らしたためてきた「歴史」を破り捨てる場面がありました。飛鳥の地には、恵尺によって歴史から葬り去られた敗者の魂が今も息づいているのかもしれません。こんなこと考え始めるとちょっとこわいですがやめられなくなります。

 高松塚古墳のことは、2014年に上野の国立博物館でみた『キトラ古墳展』の振り返りと共に書きたいと思いながらなかなか。深いものがあるのでいつか・・・。





星組『鎌足-夢のまほろば、大和し美しー』_思い出し日記

2020年05月29日 01時35分57秒 | 宝塚
2019年5月26日;星組『鎌足』ライブビューイング_弱き人の姿が尊かった
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/5e1cb67c620ef089166d03f0b4af1995



2019年5月26日;星組『鎌足』ライブビューイング_カッコ悪い姿が美しかった
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/dc41132368e53925a4513a73e137ad4b



2019年6月12日;星組『鎌足』ライブビューイング_生きているのも悪くないって思わせてくれる
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/bc8e2ab7aa017a8073743db8921590e5



2019年6月17日:星組『鎌足』ライブビューイング_これでよかったのです
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/93e99c869184475810afe1c736539b15



2019年7月7日:星組『鎌足』ライブビューイング_安見児得たり
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/79b1c8eb6fc9c50560263ee0e6fef411


 2019年5月25日(土)、星組『鎌足-夢のまほろば、大和(やまと)し美(うるわ)し-』の日本青年館千穐楽ライブビューイングから一年が過ぎました。残念ながら公演プログラムに歌詞は掲載されておらず、『ルサンク』も出版されなかったので、美しいなあと思いながら十分には聴き取れていなかったテーマソングの歌詞と副題が日本武尊(やまとたけるのみこと)の絶唱とされている詩からきていることを最近たまたま知りました。


「折々のうた・ことば集」より

http://www.muturaboshi.net/oriorino-uta-1.html

「倭(やまと)は 国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる(やまこもれる) 倭(やまと)しうるはし」

 大和は、国の中でも もっとも良いところだ。重なりあった青い垣根の山、その中にこもっている大和は、美しい。」

 2月の梅田芸術劇場『紅ing』で紅ゆずるさんが歌った時も、バックに流れた奈良の?映像と相まって美しいと思いました。この「倭(やまと)は~」を耳に残りやすいメロディーラインにのせて作品世界を見事に表現したのは太田健先生、『あかねさす紫の花』で額田王の「あかねさす~」をメロディーラインにのせた寺田瀧雄を思わせる腕前、オンデマンド配信でみるナウオンステージで出演者もすごいと言っています。『あかねさす紫の花』では冷徹な悪役的に描かれている鎌足が苦悩しながら生き抜いた様を描いた物語。紅さんが退団後にどこかで自分がやりたいとリクエストした役柄だと話されていました。「大和(やまと)し」と脚本・演出を担当した生田大和(いくたひろかず)先生の名前が共通しているのはどんな縁なのか。


 公演プログラムに掲載された生田大和先生により解説から。

「『天狗てんこう。状は大奔星の如し。声有りて、その下、地に止まりて狗いぬに似る、堕ちる所、炎天に及びて望むるに火光の如し・・・』

「日本書記」あるいは「藤氏家伝」に登場する学問僧(のちに国博士)、僧旻(そうみん)は隋・唐での24年間に及ぶ留学生活を終え帰朝すると、我が国初の仏寺・飛鳥寺に貴族の子弟を集め、学塾を開いたと伝わる。その教え子の中に蘇我鞍作、後の大臣・蘇我入鹿と「乙巳の変」に始まる一連の「改新」の立役者、中臣鎌足がいた。「変」によって倒された者と倒した者が、二人とも僧旻の教え子だったということだ。」

「僧旻の教えていた学問の一つに「周易」がある。「易」と言えば、現代では占星術的な「占」と解されてしまいがちだが、過去から積み立てたデータに基づき、在る事象を観測した時に、次に起きる事を予測しようという統計的な学問である。冒頭に掲げた「史記天官書」の引用に著わされている「天狗」つまり隕石はその重要な事象の一つである。天狗が落ちた後には災いが起きるとされているのだ。では、どのような時に天狗は落ち、災いは齎(もたら)されるのか。
それは時の為政者が悪政を布いた時であるとされる。天は悪政を見逃さず、罰を下されるものだ。簡易な解説だが、これを「天命思想」という。この「天命思想」に基づき、過去から未来を読み解いたのが僧旻であった。

 それに対し、船史恵尺(ふねのふひとのえさか)という人物がいた。蘇我蝦夷に仕えた書記官であった恵尺は、蝦夷の父である蘇我馬子と山背大兄王(やましろのおおえのきみ)の父である厩戸皇子が綴り始めた「天皇記」そして「国記(くにつふみ)」の編纂に当たっていたという。そして「乙巳の変」にて、蘇我蝦夷が自邸に火を放ち自決を図り、炎上する蘇我邸から「国記(くにつふみ)」を持ち出した後、改新政権に仕えたという。如何に重要な書物であったとはいえ、仕えた主人を救うことよりも「国記(くにつふみ)」を救うことを選んだ恵尺のやや薄情な性格を、今作では誇張して造型した。そのような恵尺の編纂した「国記(くにつふみ)」は残念ながら現存していない。それは何故か。主人を鞍替えしてきた恵尺のことである。主人に合わせた改変を重ねるうちに、正史として継がれる軌道を逸れてしまったのではないかというのが、今作の想像する恵尺である。恵尺は未来から過去を、歴史を作ってしまうのだ。

 語られる歴史と、騙(だまさ)られる歴史。僧旻と恵尺、立場を異にする二人がこの物語の証人、案内役となる。」

「なかったことをあったことにする」「あったことをなかったことにする」、演じる天寿光希さんの体をとおして語られる恵尺の言葉はぞくっとするものが多く、今わたしたちが歴史として一般的に知っている事柄はもしかして勝者によって創られたものなのかもしれないと考える余地がたくさんあるのは面白なと思います。

 一年前、援助職の面接会場に、辞退することを伝えるために出向いた自分がいたために一幕の途中からの観劇となりましたが、最近オンデマンド配信でようやく全編みることができました。子ども時代の鎌足と与志古のかわいいことかわいいこと。愛里さん演じる10歳の与志古ちゃんの、「かまたり~」と手足ぴょーんと同時に伸ばして鎌足を脅そうと草陰から飛び出したところは新体操選手なみの身体能力。どうしたらあんなことができるのか、何気にすごい。平成から令和へと時代が移っていった節目に上演された日本ではじめての年号「大化」の物語を今振り返るとみえてくる景色が違うような気がします。一年前語り切れていないところをまたランダムに書いていこうかな。


 凛々しい紅ゆずるさんのお化粧は、蘇我入鹿を演じた華形ひかるさんの手ほどきによるものだそうな。「さゆみちゃんが凛々しくみえるように花組の培ったノウハウで・・・」と語るナウオンの華形ひかるさんの素顔、めっちゃ美人。





 ささやかなブログへの訪問、ありがとうございます。一人でも読んでくださる方がいるかぎりは続けていければと思います。



宙組『エルハポン-イスパニアのサムライ』_ハッピーエンドの物語

2020年05月28日 03時58分28秒 | 宝塚
「スペインのセビリア近郊、支倉常長をはじめとする慶長遣欧使節が滞在した町、コリア・デル・リオ。この町には、スペイン語で「日本」を意味するハポンという姓を持つスペイン人が、今も約600人暮らしています。使節一行が長い航海を経て、この町で初めてスペイン本土の土を踏んだのは1614年のこと。使節一行のうち数名は日本に帰ることなく留まったといわれ、ハポン性の彼らこそが、日本の侍の子孫であると考えられています。現在、コリア・デル・リオには支倉常長像が立ち、市役所には二の丸が掲げられています。」(『歌劇』2019年11月号より)

この物語に出会うことがなければ知ることはなかったであろう史実。ここに史実では伊達政宗の家臣で、伊達家から和賀家に派遣され、政宗の支援を得て和賀家が起こした所領回復の戦い「岩崎一揆」に参加し、敗走の後、和賀家と最期を共にしたとされる蒲田治道(真風涼帆さん)を使節団の一員として登場させたのが作・演出大野拓史先生のオリジナル。和賀一族の娘藤野(遥羽ららちゃん)と契りを交わしながら、伊達政宗の命により和賀家の所領へ戻ることを許されず藤野は落城と共に燃え尽きていき、弟の藤九郎(和希そらくん)が治道を恨み続けるという虚構。さらにはスペインの地では、流れ者の謎の剣士アレハンドロ(芹香斗亜さん)が敵かと思いきや実はいい奴でしかも国王に使える寵臣の三男だったかな?で家に戻る気はない自由人、宿屋のしっかりものの女将カタリナ(星風まどかちゃん)の亡き夫の友人で、治道をいい奴と見込んでスペインに残る条件としてカタリナの亡き夫を名乗りカタリナの伴侶となることを条件として治道とカタリナは結婚するというハッピーエンド。姉を裏切ったと思い込み治道を許せずにいた藤九郎もスペインに残ることを決意したのは不法滞在にはならないのかな?というところが唯一回収できていませんでしたが、その後治道らはどうやって暮らしたのかというのはAnotherStoryを創作した方もいらっしゃるぐらい想像の余地がたくさんある楽しさ。藤九郎の青くさい少年性と存在感、治道への怒りをあらわにしつつ治道の剣の腕を認めざるを得ないという身の引き具合とのさじ加減が絶妙でした。治道と出会ったことで刀の腕も、人としても成長していきましたね。カタリナの夫の結婚式の当日殺した農場主フェルニナンド(英真なおきさん)の息子で、オヤジのようにはなりたくないと反発し、剣術学校で俺様に勝てる奴はいなかったと息巻いているエリアス(桜木みなとさん)、ひねくれものの役が続いているかなという印象ですが完全敵役ではなく、西洋の剣で治道と闘い叶わないことを知ってたしか治道の力を認めるという展開だったと思います。違ったかもしれませんが彼もまた物語の中で人間として成長していったと感じました。最後の大団円ではアレハンドロさんと仲良くなっていたんだったかな。
 和賀城に戻ろうとする治道をとめた西九郎の瑠風輝さん、治道の先達にあたる役所で緊張していたと思いますが大健闘でした。フェルニナンドの農場に売られた日本人奴隷の一人、はる(天彩峰里ちゃん)の「にっちゃ」だったかな、も印象的でした。日本人奴隷が売られていたというのは史実のようです。はる、きく、すて、とら、とめら日本人奴隷がカタリナのもとにかくまわれ働くという虚構も配して、大野先生のやりたいことが詰まりすぎ、登場人物が多すぎのきらいはありましたが、シリアスかと思いきや誰も死なない、終演後はみんなが笑顔のコメディ。王道の宝塚的な世界観もたっぷりで楽しい作品でした。

「夢想願流」-人を生かすための、そして、生き延び何かを守り続ける者のための剣術。治道たちを守ろうとして手にした剣をにぎりしめたままのカタリナに、治道がやさしく男っぽく「ゆっくり手をはなすんだ」って言った場面、真風さんの色っぽさと優しい声色にきゅんとなりました。











紅ゆずるさんのメモリアルブックをみると2008年星組の下級生たちの集合写真にまかききがいます。みんな若い、ききちゃんまだ高校生ぐらいのおぼこさ。12年の歳月を経てすっかり大人の男役へと成長しました。

宙組『アクアヴィーテー生命の水-』_プロローグ

2020年05月27日 01時31分08秒 | 宝塚
(『歌劇2019年11月号 宙組座談会より)

藤井(大介);第1章は「ザ・キング・オブ・リッカー-酒の王者ー」、音楽は青木朝子先生、振付は羽山紀代美先生です。今回は各章が時系列になっていて、幕開きは午後11時。ウィスキーの精エイトモルトたちに続いて英真(なおき)さん扮する錬金術師アルカミストJが登場し、この世に最高のウィスキーを生み出そうとアンニュイに歌います。錬金術師は何百年も飲み続けて、いつも酔っぱらっている感じのキャラクターで、随所に登場していただきます。

藤井;第2章は「ジェントルマン・クラブ-紳士の社交場-」、引き続き音楽は青木先生、振付は羽山先生です。ここからが本格的なプロローグで、舞台一面に巨大なカウンターが並び、そこにゆりか(真風涼帆さん)扮するウィスキーキングが一人、グラス片手にスツールに腰掛けてセリ上がり、物憂げにブルースを歌います。これが僕の妄想ですね。そしてゆりかを中心にウィスキーダンディたちがバリッと踊ると、まどか(星風)率いるウィスキーレディたちも現れてウィスキー・パーティーに発展。ゆりかとまどかのデュエットダンスではキキちゃん(芹香斗亜さん)が歌ったりして、最後は主題歌の”アクアヴィーテ”による総踊り。ただ元気なだけではなく、大人たちがテンション高く遊んでいるようなかっこいいプロローグにしたいなと思います。さらに第3章「ゴージャスリー・ブライトリーー華やかさとキレ-」へと続き、音楽は青木先生、振付は百花沙里先生。前場から残ったまどかと数人のレディたちがパーティーの余韻を楽しむように盛り上がって、プロローグを締めたいなと。 
(略)
藤井;宙組さんは男役多いよね。

真風;そうなんです。なので揃えるところはしっかりと揃えて、先生の振りの素敵さをこの大人数で出せたら迫力が出るのではないかと思いますし、後半にかけても羽山先生の遊び心をすごく感じる振付て、大介先生のおっしゃった場面の雰囲気と合わせてお洒落さをだしていけたらと思っています。

星風;大人っぽい雰囲気で始まり、男役さんが格好良くパリッと踊られた後は、ウィスキーに色んな種類があるようにガラっと雰囲気をかえて、最後に向けて盛り上がっていけたらと思います。プロローグの締めとして、そして次の場面にしっかりと繋げていけるように頑張りたいです。

芹香:プロローグはザ・羽山先生という感じで、振付を受けている時からコレコレ!と。ゆりかさんもおっしゃっていたように、群舞で魅せる男役の格好良さを皆で出していきたいですね。」

 クラブではテーブルで上級生男役さん同士がなにか言葉を交わしながらスタート、そして真風さんがグラス片手にせり上がって登場したあとは、男役さんも娘役さんも次々とカウンターを下りてきて、全員で「アクアヴィーテ♪ アクアヴィーテ♪」、この一連の流れと振付がとてつもなくかっこいい場面でした。スツールで登場した真風さんがどの角度からみても、なんなら影さえかっこいいと思えるほど全身でカッコよさを体現。足先から頭の先まで美しくカッコよくみえるように気を配っていたんでしょうね。なんなら影までかっこいい、いちるのすきもありませんでした。さすがの衣装の着こなしと所作。
まどかちゃん率いる娘役さんたちもかっこよかった。今の宙組で、真風さん率いる宙組でこんな大人っぽい、終始お酒に酔っているような感覚のショー、奇跡的なショーだったと思います。

 こうして楽しかった時間を思い出していると元気がでてきます。まかキキの漫才コンビ、楽しい。『FLYING SAPA』、来年になってもいいからなんとか上演されないかな。まかキキまどかちゃんとウエクミ先生との化学反応、お蔵入りは勿体なすぎる。



 
2019年11月30日、夜の阪急宝塚駅



『エルハポン』のことをもう一回ぐらい書きたいかな。ささやかなブログへの訪問ありがとうございます。



宙組『アクアヴィーテ-生命の水』_第5章「スモーキー・ナイト」

2020年05月26日 01時01分51秒 | 宝塚



(『歌劇2019年11月号宙組座談会より)

「藤井(大介):第5章「スモーキー・ナイト-煙った夜-」。音楽は手島恭子先生、振付は中塚皓平先生です。午前1時半、場所はスコットランドのアイラ島。世界のウィスキーの「聖地」と呼ばれるほど有名で。錬金術師が南の島の雰囲気で気怠げに歌うと、ドーンとダティオのゆりか(真風涼帆さん)が登場。るいるい(瑠依)や鷹翔さん、南の島の男たち14名とリズムだけで激しく踊ってもらおうと。やがて夜の浜辺に女の子たちも集まってきて、ダティオは、まどか扮する屋台の看板娘サインボーダと恋に発展してゆき、最後は陽気なラテンの曲で盛り上がろうと思っています。

真風(涼帆);中塚先生の振付を受けるのは初めてで。舞台は拝見したことがあるんですけれど。なので、今からすごく楽しみですね。歌稽古はこれからですが、言葉のやりとりが早くスピード感のある音楽なので、明るく楽しいシーンになるのではないかなと。

星風(まどか);曲を聴いてみるとすごく可愛らしくて。ゆりかさんと歌わせていただくところでは、プロローグとはまた違った色をお届けしていきたいです。」

花組のトップ娘役をつとめた蘭乃はなちゃん、今も間近で拝見するとあり得ないぐらい細いですが(細い脚はきれいに筋肉がついてしまっています)、先日のインスタライブで宝塚時代はさらにやせていたという話。宝塚時代は舞台の上でずっと持久走をしているようなものだったと。

この場面、まさに持久走をしているような感じでした。星風まどかちゃんも近くでみたらとてつもなく細いんでしょうね。心配になるぐらいですが、まどかちゃん率いる娘役さんたちと真風さん率いる男役さんたちが対面で踊る場面に、彼女がトップ娘役として確実に力をつけてきたことを感じました。まどかちゃんの満面のキラッキラッの笑顔に、たゆまぬ努力を続けてきたであろう力に裏打ちされた自信とトップ娘役としての貫禄がありました。まどかちゃん、いい意味であったまってきて真風さんとのコンビ感も安定してきました。まどかちゃん演じる酒場の看板娘のパパとママが寿つかささんと美風舞良さん、宙組創設時のメンバーのお二人が浮き輪をついたお衣装だったのも印象的な場面でした。オンデマンド配信で視聴した「ぽっぷあっぷたいむ」という番組で、浮き輪をつけて踊るのは初めて、むずかしくてすごく大変だったということを話されていました。振り回されそうになってしまうだったかな。銀橋もわたって、お衣装の色目がパステル調で華やかだったし、わちゃわちゃと賑やかで楽しい場面でした。まどかちゃんの衣装、可愛い。

藤井先生の、ウィスキーというワードから生命の躍動感あふれる世界へと創造の翼を広げた感性に感服、そして宙組のかっこいいところを満面なく魅せたいという愛を感じるショー。



2019年11月30日の宝塚大劇場







バスツアーでは入ることのなかったロッテリア宝塚花の道店にはじめて入りました。
レシートをみると営業時間7;30~21;00 新人公演日は22時まで営業とあります。楽屋への出前承りますとか書かれた紙が貼ってあったりして、ここはロッテリアも歌劇と共にあるのだと不思議な感じがしました。ポスターもいくつか。明日海りおさんのサインいり横浜アリーナ公演のポスターにがあったかな。



「もっと男役道」のキキちゃんのバックハグ実演、『ハンナのお花屋さん』のアベルとハンナは愛し合っているので優しく、『天は赤い河のほとり』のラムセス将軍はチャラくて遊び慣れているのでユーリへのバックハグは勢いよく。どちらも下級生男役3名がキュンキュンなっていました。


宙組『アクアヴィーテ-生命の水』_第6章「リファインド・テイスト」

2020年05月25日 03時21分10秒 | 宝塚
(『歌劇』2019年11月号、宙組座談会より)

「藤井(大介):第6章「リファインド・テイスト-洗練された味わい-」は青木朝子音楽・若央りさ先生振付で、宝塚らしい場面にしたいなと。舞台はアメリカ、ルーフトップバーで行われるジャズレビューがイメージです。まずはミステリアスクラウンのずんちゃん(桜木みなとさん)が中性的なアマーミ役の春瀬さんと七生さんを連れ、お客様を妖しく夢の世界へと誘います。そしてここからが華やかなジャズメドレー。ゆりか(真風涼帆さん)からスタートして、”Boogie Woogie Whisky Rain"という曲を色んなアレンジで繋いでいきます。男役は白燕尾、娘役は白ドレス、皆さんシルクハットにケーンというスタイルの予定です。途中、白いタコ足ドレス姿のそら(和希そらさん)がいたり、錬金術師さんにもアレっと思うような感じで登場していただこうかなと。そしてメドレーのあとには、ゆりか、キキちゃん、まどか、夢白さんによる男女二組のダンスシーンがあって、さらにゆりか、キキちゃん、ずんちゃんの三人がセクシーにお客様を誘惑する場面もやりたいなと。最後は皆でウイスキーグラスをもって客席でお客様と乾杯となります。

真風(涼帆);まだ音楽をいただいていないのですが、ジャズということですごく楽しみですし、お客様と一緒に盛り上がれるシーンもあるということで嬉しいですね。

藤井;そこはお客様から一人ターゲットを決めて、語りかける感じにしようかなと。お得意だと思うので。

真風:ははは、頑張ります。

星風:またガラっと雰囲気が変わるので、曲や振付のお力をいただいて、中詰の素敵な世界観をお客様にお届けしたいです。

芹香(斗亜):この場面は何時の設定ですか?

藤井:午前2時の予定です。

芹香:午前2時はもうね!だいぶきていると思うので。

真風;飲まないのに何を言う。

芹香:しっかりと午前2時のテンションにもっていきたいなと。

英真(なおき):私は扮装が変わるそうですが。

藤井;ちょっとお楽しみな感じで。

英真:はい、まあ、できれば遠いところから見ていただけたら・・・。

桜木;お話を伺っただけで本当にワクワクするような盛りだくさんなメニューで。冒頭では魅力的なお二方をお連れして、お客様をしっかり誘えたらと思います。

和希:タコ足のお衣装とのことなので・・、あの、お客様にもできれば午前2時のテンションでご覧いただきたいです。

瑠衣(蒔世):ウィスキーで乾杯して、是非お客様と一緒に盛り上がっていきたいですね。

瑠風(輝):シルクハットにケーンというスタイルが憧れだったので嬉しいです。華やかさが伝わるようにお届けできたらなと。」


”Boogie Woogie Whisky Rain”は西城秀樹さんが歌っていた曲、YouTubeで検索すると出てきますがすごくかっこいい。キキちゃんも映像をみてすごくかっこいい、これ歌いたいと思ったとカフェブレイクで話していましたね。

2020年1月17日宝塚『CAFEBREAK芹香斗亜の謎は明かされないの巻』

https://www.youtube.com/watch?v=ux8xi2bzG78

長身の男役さんたちに白燕尾のシルクハット、娘役さんたちもスタイリッシュでこの場面にも宙組のカッコよさがぎゅっと詰まっていました。ずんちゃん、歌の声がよく通っていて安定、三番手になってぐんぐん力をつけてきています。そして男役化粧のままタコ足ドレスで登場して銀橋をわたった和希そらくん、宙組の男役の中では小柄で芝居のでは青臭い少年性を残して存在感を発揮しつつ、ショースターとしても確実に力をつけてきています。真風さんとキキちゃんの色気に追いつこうと必死になっているけどなかなか追いつかないところがまたいい。これからも注目です。錬金術師の英真なおきさんはこの場面白いドレスでの登場でした。二組のダンスシーン、ききちゃんの相手役は夢白あやちゃんでしたが、まどかちゃんとのペアになる場面が一瞬あるのを見逃せませんでした。まかききずんの三人が石川さゆりさんの「ウイスキーはお好きでしょ」を歌いながら客席におりて、ウィスキーグラス片手に「グッドイーブニング」ときざに語りかける場面、キキちゃんは全く照れずに言ってたかなあ。客席からは毎回笑いと最後に拍手が起きていましたね。こんなくさい台詞をがんばっていえたね、っていう感じかな。藤井先生はどんな顔してこの台詞がある台本を稽古場で渡したのだろうと気になります。長身の三人が銀橋にそろって歌う姿はかっこいいの極み。高身長、小顔、脚長トリオ。毎回爽快でした。大劇場で通路側とわかっていたのに幕間、公演ドリンクの空グラスを用意できる余裕がなかったの悔やまれます。再開後の公演ではもうないであろう貴重な客席降り、ジェンヌさんたちと乾杯できる機会でした。


 


2019年11月30日の宝塚大劇場



















タカラジェンヌさんたちのリレーメッセージ、トップスターのあとは、指名方式で一日二人を動画にアップのハイペース。それぞれ伝えたい想いを真摯に自分の言葉で語ってくれています。みなさんほっぺたがふっくらしていたり、髪が長くなっていたり黒髪になっていたりするのでほんとに自粛されているんだなあと。どうやら番手とか関係なくほんとに指名したい人を指名しているみたいで次に誰がくるのか楽しみになってきています。

せおっち(瀬央ゆりあさん)からちなつさん(鳳月杏さん)への流れは、次にくるのはききちゃん以外あり得ないよねという期待しかなく期待どおりでしたけどね。わかる人にはわかる話。ちなつさんもファンの期待をわかっていてききちゃんを指名してくれました。

せおっち主演の『龍の宮物語』、バウホールで上演中でした。オンデマンド配信のミュージッククリップ、素敵でした。来月あたり全編視聴できるかな。





 キキちゃん、男役道での話、ハットをかぶるとき、ハットの右斜めのラインの美しさも意識する、かぶるときも全部みられているぞと意識してゆっくりかぶる、頭のカタチはそれぞれ違うのでどうかぶったら自分がいちばんかっこよくみえるか鏡をみて研究、男役は宝塚を退団したらやることはないと思うので思いっきり楽しみたい。スーツを着るときはまずジャケットをきれいにさばいてからポケットに斜めに手を入れると美しい。
 真摯に男役を追及してきた上級生の余裕と貫禄は爽快。花組時代の映像をみるとさらに力をつけてきているのがわかるし、真風さんとのワンツーが似合いすぎています。再開後が楽しみでしかない。きっとまた会えるよね・・・。



宙組『アクアヴィーテ-生命の水-』_第6章「リファインド・テイスト」

2020年05月24日 00時54分17秒 | 宝塚
2019年12月1日;宙組『エルハポン-イスパニアのサムライ』
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/721fd01fb841df0996b82fb79c2feeb3

宙組『エルハポン-イスパニアのサムライ』『アクアヴィーテ』_無事に宝塚大劇場へ行ってきました
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/9de5852c3d8b06a414c10ba0d79f95f8

2020年1月4日:宙組『エルハポン-イスパニアのサムライ』『アクアヴィーテ』東京宝塚劇場_楽しかった
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/34e1299709ac301d3d5fb222ce1c03b6

2020年1月25日;宙組『エルハポン-イスパニアのサムライ』『アクアヴィーテ』東京宝塚劇場
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/6ccbfacb5ad5b8340afbd505391aa15a

2020年2月15日:宙組『エルハポン‐イスパニアのサムライ』_少し復習と予習
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/bfa3396c1ebf7e9a399fb24be6832e60

2020年2月16日:宙組『エルハポン-イスパニアのサムライ』『アクアヴィーテ』LV
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/preview20?eid=79fc8b8904f8586c8cd0a68d562e38ce&t=1590244373911

2020年2月18日:宙組『アクアヴィーテ』_第9章「リザウンド・リッチリー」
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2020年2月28日:宙組『アクアヴィーテ』_第4章「ダウンタウンビースト」
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2020年3月23日:宙組『エルハポン-イスパニアのサムライ』じわる
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2020年3月30日;宙組『エルハポンーイスパニアのサムライー』_マカロニ・ウエスタン
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 わたしは行ったことありませんが、関西地区の緊急事態宣言解除に伴い、梅田のキャトルレーヴが営業を再開したとのこと。雑誌は全部ビニールに包まれているそうで、消毒もしなければならないし、大変だと思います。安心して買い物できる環境を整えての通常運転、ありがたいです。わたしの中ではむしろ今まで人との距離が近すぎたのでほどよい距離が当たり前の日常はほっとしているところもあります。希望の灯りは消えないと信じて生き延びて行こうと思います。

 2月16日の東京宝塚劇場千穐楽ライブビューイング、劇場がいち早く自粛をはじめる少し前のタイミングでこうなってみると奇跡でした。自分が観劇した一回一回が奇跡。その時間はもう戻ることがない。すごく遠い日のことのように思えます。お金は使ってしまいましたけどね、行ってよかったです。3月末までの10カ月間、どうやら歯のかぶせていたところがとれてしまっていたのに、いつとれたのか記憶になく、まともに痛いと感じることすらないぐらい緊張し続けていたみたいで、こうして観劇の時間がなかったら心はとっくにこわれていただろうなと思います。 

 オンデマンド配信で視聴する「もっと男役道」、男役を極めている上級生が下級生に自分が身につけてきたことを指南するという番組内容。宙組はききちゃん(芹香斗亜さん)のバックハグ実演付き、下級生の男役3人が乙女になってキュンキュンしているのが可愛いです。宙組はのびのびと自由な雰囲気があるんだあと思います。

 作・演出:藤井大介「アクアヴィーテ!!」生命の水という副タイトルがついています。宙組のカッコよさ全開の躍動感にあふれたショー。

「ウイスキーの発症については様々な説があり、謎に包まれていますが、その中の一つとして、4世紀、一人の錬金術師により編み出されたという説があります。錬金術師の作ったその液体を口に含むと、燃え上がる炎のような熱さを感じさせたことから、不老不死の薬と讃えられ、ラテン語で「アクアヴィテ(生命の水)と呼ばれるようになり、やがてアイルランドやスコットランドに広まっていきます。ゲール語で「ウシュクベーハー」と呼ばれるその魅力的な液体は全世界に流行し「ウイスキー」という名の蒸留酒として世界中の人々に愛され、今に至ります」(公演プログラムより)

 書けていなかった宙組の思い出し日記、ようやく中詰めのことを書こうとしていましたが過去の記事を追うだけで時間がかかってしまったので、明日以降続けて書ければと思います。












 
 

2014年『CELEBRATION100!TAKARAZUKA』‗思い出し日記(6)

2020年05月23日 01時06分50秒 | 宝塚
2014年『CELEBRATION100!TAKARAZUKA』_思い出し日記(5)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/e8882239b73cdd470d94d932d3a69006




(公演プログラムより)

「100周年の気合い/OGたちの輝き TextBy小藤田千栄子

 今回のチラシを見ていると、まあ、よくもと思えるほどに凝った構成になっている。前回の『DREAM A DREAM』のときもそうだったのが、いったい誰が考えるのか。特に今回は、レギュラー出演者のほかに、とあり、さらに<スペシャルゲスト>というのもある。何度チラシを見ても、観劇日が特定できず、あげくチケット・ミスなどしてしまう私である。

 二つ折りチラシの、内側の写真は、まさに豪華そのもの。この方々の宝塚時代は、ほとんど知っているが、例えば、眞帆志ぶきさんの写真などみると、『花のオランダ坂』見ました、なんて言いたくなる。初風諄さんの写真を見ると、初演の『ベルサイユのばら』見ました、なんてことも言いたくなる。

 観客の側が、自慢話を始めたら、もうキリがないのだが、こんなふうに話題が尽きないのも、OG公演の良さだと思う。

 今年は、『宝塚100周年』ということで、マスコミの話題も多いが、「なんで宝塚って、100年も続いたのですか?」と、よく聞かれる。そんな時の答えはひとつ。<宝塚を見たいという人が、100年間いたってことですよ>。

 ショービジネスは、観客がいなければ成り立たないのだから、宝塚を見たいという人が、100年間いたってことは、これはもう本当にスゴイことなのだ。

 では何故、宝塚を見たいという人が、100年間もいたのか。これには、いろいろな理由があると思うが、その基本は育成のシステムにあると思っている。出演の生徒たちは、宝塚音楽学校を経て、各組に配属され、研鑽を積むのはよく知られているが、これは演出家にも当てはまる。

 演出助手からバウホール・デビュー、そして大劇場デビューとなっていく。このような育成のシステムを堅持しているのは、日本では宝塚だけであり、その成果が、結局のところは100周年の輝きに繋がっているのだ。OG公演とは、その成果の集大成とも言えるのである。」

 
 宝塚にはタイトルがすぐには思い出いけれど、OG公演や映像を通してなんどもきいたことがある、ああこれこれっていう歌が、何十年も歌い継がれてきている、懐かしくて今も新しい歌がいつくもあります。プログラムを読み返してみると、このコンサートでは第一部のオープニングで歌われた「幸せを売る人」もそのひとつ。

 「悲しい時に 明るい歌を♪
  涙のほほに 笑顔の歌を♪
  淋しい心に 楽しいリズムを♪
  苦しい人に 幸せの歌♪


  夢はいかが 希望はいかが♪
  明るい笑顔 お安くしましょう♪
  幸福の歌 お買いなさい♪
  そうすりゃ この世は いつも天国♪」
  

 調べてみるともともとはシャンソン、訳詞は高木史朗、1960年初演の『華麗なる千拍子』の挿入歌でした。岩谷時子さん訳詞で越路吹雪さんが歌われたものもあるようです。ブログで曲を表現することはできませんが弾むような曲調に、こんな時元気になれる歌詞。


 記憶の残っているうちに書きたいと思いながら書けないままだった思い出し日記、6年前なので残念ながらあいまいになってきていますが、断片的に思い出されるのは、風花舞さんと湖月わたるさんのデュエットダンス。プログラムを読み返してみると、『激情』の曲にのせてだったかなあ。そこは思い出すことができませんが、現役時代、素晴らしいダンスを魅せてくれていた二人のデュエットダンスはさらに力をつけていて見応えがありました。最後わたるさんに支えられた風花ちゃんが床にくっついてしまいそうなぐらい、ぐっと背中をそったポーズで終わって暗転。拍手したいけど、拍手が長くなってしまうときっと風花ちゃん苦しいだろうから長く拍手しない方がいいよねという場面でした。

 男役だったわたるさんの衣装がとりわけ中性的で個性があったのも印象的でした。ふわっとしたレースの、スカートにみえてスカートでないような衣装、わたるさんの長い脚が映えて、宝塚OG公演ならではと思いました。

 わたしが観劇した5月22日にスペシャルゲストだったタータン(香寿たつきさん)と渚あきちゃんの歌った曲を残念ながら思い出すことができません。二人がコンビを組んだ作品、私的に通信教育で国家試験の勉強を始めたりして忙しくなりすぎた頃になるのかなあ、宝塚、いや観劇そのものから遠のいてしまい、二人のコンビ作品を観劇したのは退団公演の『ガラスの風景』『バビロン』、あと日本青年館の『凍てついた明日』は二人が雪組時代に組んだ作品だったかな。安蘭けいさんが二番手としてキャスティングされた舞台でした。『華の業平』などみたことがない作品をこの世にいる間に映像でみる機会があればいいなあと思います。曲を思い出すことはできませんが、二人が揃ったの嬉しかったのと、長い髪を束ねてオレンジ色の男役衣装を着たタータンが「男役をやるのはこれが人生で最後かあって思う」って可愛い声でしみじみと話したことが印象的でした。その後、『エリザベートガラコンサート』などでルドルフを歌っているので最後にはならなかったのですがこの時はそうでしたね。雪組OGがそろったトークコーナーの司会は久路あかりさん。(OGさんの中には司会にすごく向いている方がいらっしゃいます。星組OGの久路あかりさんはそんなお一人で、2012年には帝国劇場で『ルドルフ』集合イベントの司会をされていました。)杜けあきさんが結婚式の司会をやったの、何百組って紹介されたかな。具体的には思い出せませんがこんなにたくさん・・・、と思う数でした。

 同世代、ちょっと下のOGさんたちが現役時代よりも力をつけて活躍される姿を拝見するのは嬉しいものです。

 ゆきちゃん(高嶺ふぶきさん)、日曜日の夜妹さんとのインスタライブで手術前最後の貴重な鼻歌をきくことができるかな、月曜日に入院とのこと、無事を祈っています。


 杜けあきさんの声がけで始まったすみれプロジェクト、先日第3弾が公開されましたが、現在第4弾を準備中とのこと。第3弾、蘭乃はなちゃんもいてうれしみ。

「すみれプロジェクト-すみれの花咲く頃Part3」

https://www.youtube.com/watch?v=ZRWZ6abJc18&feature=youtu.be


 106年目の春、宝塚大劇場の月組公演で初舞台を踏むはずだった106期生のお披露目は早くて秋でしょうか。今はこの唯一無二の世界が永遠に続いていきますようにと祈るばかり。生きていればまた会えると信じるばかり。


 イルミネーションに彩られた今年の冬の東京宝塚劇場。すごく遠い日の夢の中の記憶のように思えますが、ツィーターでみかけたところでは公演中止が続いている現在(いま)も毎晩この灯りが灯っているとのこと。遠くなってしまいましたが、希望の灯りをともし続けてくれているというそれだけで嬉しいです。中では公演再開に向けて動いていることと思います。






「劇場再開のために」

2020年05月22日 00時42分19秒 | 宝塚
「劇場再開のために」 

https://ameblo.jp/saty0221/entry-12598376031.html

 東宝、宝塚の舞台で指揮をされている上垣聡先生がブログで、新型コロナウイルスの感染を回避しながら劇場を再開するために、舞台、客席、オーケストラボックスで考えられる手段を具体的に提案されています。再開にむけて、いちばんむずかしいのは演者同士の密、そして、宝塚が3月に星組の大劇場千穐楽と雪組の東京宝塚劇場千穐楽を上演したときにかけられた社会からの圧力に対していかに納得させられるかでしょうか。

 映像をみながらあらためて思います、これだけのもの、もし消えてしまったら同じものはもう戻ってこないと・・・。

 客席と舞台とオーケストラボックスと、そしてスタッフの力があって舞台はつくられるもの。その時間、その空間を共有する貴重なアナログ時間。キラキラキラキラ、ミラーボールが回るのみながら、オーケストラボックスの全体もみえるって東京宝塚劇場の2階席でしか味わうことのできないワクワク感。

「舞台というライブ体験はDVDでは味わう事ができない「空間・時間の共有」です。役者の息遣いや、録画・録音では表現できないダイナミックさなど、その魅力は他では体験することはできず、メディアやAIがどこまで発展しても、舞台にとって変わるものを作ることは不可能です。この絶対に消してはならない文化を守っていかなくてはなりません。」

 今すぐ思い出せるところでは、2018年星組公演『AnotherWorld』『キラー・ルージュ』、宝塚大劇場も東京宝塚劇場も上垣先生の指揮でした。その頃の先生のブログを時々読むのも楽しいです。


「星組 初日開きました‼️」
https://ameblo.jp/saty0221/entry-12371708819.html









 オーケストラボックスから奏でられる音色に包まれながら舞台を観るひととき、生きていてよかったと心の底から思えるひととき。なにものにもかえがたいひととき。
 
 また劇場の幕があがる時は必ず訪れると信じて生き延びる日々。生きていればまた会えると信じて生き延びる日々。

 劇場という空間の空気が、開演前のワクワク感が、終演後の幸せ感がなつかしくて遠い日々。

「大草原の小さな家」への旅_ウィスコンシン州ぺピン🚌ミネソタ州レイクシティホテル

2020年05月21日 00時09分38秒 | 「大草原の小さな家」への旅
2014年12月7日:「大草原の小さな家」への旅_ミネソタ州ぺピン湖畔

https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/preview20?eid=44ce3c68f296c49c3607ee2c55fff110&t=1589986846277


旅の一日目、

ウィスコンシン州ぺピンのローラが生まれた丸太小屋(復元)を見学したあと、ミシシッピ河を渡りミネソタ州レイクシティのホテルへ向かう途中、バスの中から撮った写真。

ホテルが近くなってきた頃の風景だったと思います。

ぺピン湖畔にキャンピングカーが何台も停まっています。こうして家族でキャンピングカーに寝泊まりしながら旅をするというお話でした。