たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『オーシャンズ11』_東京宝塚劇場千穐楽LV思い出し日記(3)

2019年11月17日 19時52分11秒 | 宝塚
 宙組『オーシャンズ11』のことをもう少し。この公演で退団された澄輝さやとさん@フランク・カットンのいかさまディラー、蒼羽りくさん@バジャー・ターのマジシャンも、最後の役として軽やかでそれぞれよかったと思います。澄輝さやとさん、蘭乃はなちゃんと同期入団、ソロがありましたが、なんと最初で最後のソロだったとか。もったいないこと。『天は赤い河のほとり』の女役の美しさも印象的でしたが最後は黒塗りで詐欺師集団のイレブンの一人。ライブビューイングの大画面に映し出された、トランプをさばきながら自分を誘いに来たダニーをみるときの、上目使いと手の動きがすごく美しく印象的でした。蒼羽りくさん、ベネディクトに騙された過去の悔しさからダニーに誘われてイレブンに加わる役、純矢ちとせさん@クィーン・ダイアナとのやりとりも手品の場面も軽妙でした。

 和希そらさん@ライナスが、ベネディクトの胸ポケットから金庫のセキュリティカードを盗み取る一瞬をライブビューイングのカメラがとらえきれなかったのは痛恨、残念でした。ライナス、長身の男役がそろう宙組の中では小柄な和希そらさんに少年感がすごく合っていました。伝説のスリと謳われた父親のように大きな仕事ができない自分にすっかり自信を失っているライナスを、飛ぶんだと励ます「JUMP!」の場面。泥棒たちが少しも悪びれずに、もっと大きな仕事をお前ならやれる、お前なら飛べると励ましているのだからおかしな場面といえば場面ですが、そこを軽やかに魅せるのがこの作品の魅力ですかね。スタィリッシュな宙組、さらっとしすぎているかなあという感もありましたが、ダニーを筆頭に罪の意識が全くみえない軽やかさがよかったです。努力してどん底から這い上がってきたベネディクトが金庫を空っぽにされてテスも離れていってしまうの、ちょっと可哀そうかなという気がしなくもなかったですが、大きな金を回しているベネディクトにとってはたいした損害ではなかったかもしれないですね。

 プログラムを読むと、この作品の初演は2011年11月の星組。東日本大震災のあった年の秋でした。関西はわかりませんが、関東は原発事故もあり不安な空気が色濃く残っていました。そんな時に軽やかな元気のでるエンターテインメント作品を小池先生自身も求めていたそうです。初演と再演でそれぞれライナスを演じ、星組の新人公演でダニーとライナスとしてタッグを組んだ真風涼帆さんとキキちゃん(芹香斗亜さん)のバディ感が見どころでした。真風さんの軽やかなちょい悪ダニーに対して、三度目の出演のキキちゃん@ライナスは甘やかで何を考えているのかわからない本心のみえないところがあるけれど、ちゃんと大切なポーラ@の遥羽ららちゃんのためという正義を貫いている、ぶれない男ぶりが素敵でした。宙組の長身の男役さんたちのスーツの着こなしぶりは舞台映えしましたが、紫かがった青色の着こなす真風さん@ダニーとピンク色を着こなすキキちゃん@ラスティの着こなしぶりは中でも圧巻でした。二人の舞台を回す力とワンツーのバディ感、ここがしっかりしていてこその宙組の『オーシャンズ11』でした。


 舞台写真、宝塚ジャーナルよりお借りしています。












 15日に初日を迎えた宙組の舞台。バスツアーが催行中止になってしまったのは残念でした。芝居はハッピーエンドでまさかのコメディ?ショーは体感5分の楽しい仕上がりになっているようで評判いいっぽい。自力でお弁当付きのプランが入手できたの、新幹線でがんばって往復しようかな。新大阪から大劇場まで、ちと遠いですがきっと慣れればたいしたことじゃないよ、慣れればたぶんバスツアーより自力で往復する方が性分にあっています。お正月の東京公演も行きます。ハプスブルク展は上野でしか開催されないのであわせて遠征するつもりでこだまのチケットを予約しました。地方民は美術展など、文化からも遠いですね。気軽にいけないのつらい、地方民はこうして暮らしているのか。知らなければなんともないのかもしれませんが知ってしまったからなんともさみしい。

 

 先日劇団のホームページにアップされた年末のタカラヅカスペシャルのポスター画像。ライブビューイング申し込むと思いますが、なんとも複雑な気持ちになってしまうのはわたしだけではないですよね。若いトップスターを支えるために二番手として学年が上の男役さんをつけないと舞台は安定しないのでこうならざるを得ないのかなあ。かつて天海祐希さんのあとをうけて久世星佳さんがトップになったようなことはまずないと思うので、なんとも言えない気持ちです。みりおさんのもとで二番手として支えてきたキキちゃんが小さくて、光さんが大きく写っているの、なんとも言えないですが、宙組でのびのびと楽しそうにやっているキキちゃんをみるとそんなことはどうでもいいのかなとも思います。紅さんが退団したあとのタカラヅカスペシャル、トークコーナーで誰が笑いをとって盛り上げていくのか、二番手だけどキキちゃんと愛月さん、彩奈さんの93期にかかっていると期待しています。キキちゃんの笑いは人を幸せにする力がある!

 こうして楽しい予定を考えながら生き延びる日々。先ほど紅さんのコンサートを申し込むため、2月の予定を確認しました。業務のことと通勤不安を考えていると吐きそうなので、楽しみのためでないと予定をみることなどできません。脳みそがもたないので電話当番は明日の朝確認。なにもかも無理がありすぎてもたない。今日新幹線で大劇場を往復しているかもしれなかったので火曜日に休みをいれています。キャンセルは出なかったので往復しませんでしたがもたないので、医者に行きたいし予定どおり休むつもりです。慣れないフィールドで慣れない生活、慣れない業務。変化が大きくすぎてつらい。観劇のためになんとか生き延びていきます。

 『オーシャンズ11』はこれぐらいかな。