http://news.xinhuanet.com/overseas/2008-01/03/content_7357580.htm
スペイン『欧華報』によると、スペイン各地のデパート、ブティック、靴屋、レストランなどで、中国人の入店を断るところが増えている、と新華社が1月3日に報道。
例1:
中国人留学生が、中華バイキングレストランで食事をした。支払いの時に『黄色い皮膚、黒い頭髪、浙江なまりの明らかに中国系マネージャー』が、嫌悪感を顔中に浮かべ彼等に言った「もう食事には来ないでくれ、このレストランは中国人を歓迎しない」。
これを聞いて、中国人留学生は昔の上海租界にあった「華人と犬入るべからず」(原文ママ)の看板を思い出した。あれは外国の侵略者の話しだが、これは確かに「同胞」が口にした言葉だ。驚きのあまり、拒否された国人は怒りと寂寥を覚え聞き返した「中国人を歓迎しないというお前は何人だ?」
ここで、中国人嫌いの「国人」は絶句、暫くしていった「私は南方人だ」
事情を知らない別の留学生が、後にこのレストランに行ったら、同様に言われた。
例2:
『欧華報』読者(以後の文脈から中国人と思われる)が友人数人(同左)とスペイン北部に旅行し、日本食レストランに入った。キモノを着たウエイトレスが、スペイン語で彼等に中国人かどうか聞き、そうである事を知ると、その「日本人ウエイトレス」はスペイン語で、このレストランは中国人を歓迎しない、どうか別の店で食事をして欲しい旨を即答した。
中国人達は相手を本当の日本人だと思い、日本侵華の歴史を思い出し、新たな憎しみと古い恨み(原文:新仇旧恨)が一緒に沸きあがり即座に反論、なぜ中国人に食べさせないのか、声高にまくし立てた。
騒ぎを聞きつけて出てきたマネージャーは、状況を見ると意外にも浙江方言で国人を追い出した。相手が「ニセ毛唐」だっと知るや彼等は更に激昂し、国を盾に罵っても結局食事はできなかった。
憤慨のあまり警察に訴えようと一度は思ったが、スペインの官憲に中国人のこのような内幕を知られるのは恥ずかしく、やめるしかなかった。
記者は「中国人お断り」の原因を、「自信のない中国系経営者が、中国人にノウハウを盗まれないように過剰に警戒しているからだ」と的外れに分析しているが、「国民性を理由に入店拒否された途端、逆切れするのみならず、歴史問題まで持ち出してくる」のが、どう考えても理由だろう。
筆者は個性を認めず集団が均質だとする考えは否定する。しかし、例1.2が同一人物の体験だと特に書かれていないので、別の人間の体験だと思われるにも関わらず、まるで同一人物の反応のように見える。これでは、「中国人」と一括りにされて「お断り」されても仕方あるまい。
移民先の国籍を取得した元同国民、日本語では「中国系~人」を「華人」と美称するらしい。
文脈を追うと、同じ華人の国籍が中国になったりスペインになったりする。例えば、タイトルでは原文の雰囲気を生かす為、敢えて華人を2回使ったが、『 「中国人お断り」スペイン中華街で再発 』がより日本語らしい。
なんとも支那人らしい、ミステリアスな存在といえる。
「中国人と中国系を敢えて混同させようとしているか、さもなければ、まだ近代的な「民族」「国民」ひいては「国家」の概念に達していないのだ」と結論づけるのはたやすい。
もっと、中国人の価値観に関わる問題のような気もする。今年は、中国が掲げるこの価値観、そしてそれが世界に対してどのように影響するかを掘り下げてみても面白い。
上記記事の締めくくりは、(中国人お断りは)「同胞を蔑視、侮辱し、華人の感情を厳重に損害し、団結を拒むものである」という非難だった。