http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200804070039.html
パリ──北京五輪の聖火リレーが7日、パリに場所を移し、エッフェル塔からスタートしたが、前日のロンドンに引き続き、中国の人権問題やチベット騒乱を受けた抗議活動の参加者が詰め掛け、警備要員が少なくとも5度にわたって火を消し、パリ市役所前などの区間ではトーチをバスで運搬する事態となった。 予定されていた最後の区間もキャンセルされ、近代オリンピック創立ゆかりの地での聖火リレーは途中で打ち切られた。
ロンドン-パリと、中国の(非人道的)内政を批判する人々により、聖火リレーが妨害された。是非はこの際おいておいて、中国政府のリアクションを詳しく見てみたい。
・「チベット独立」分裂勢力による聖火リレー妨害について【和文/人民日報】
http://www.people.ne.jp/a/4afb1c09681546f29df64b62a40266c9
私たちは、「チベット独立」分裂勢力がオリンピック精神と英仏両国の法律を顧みず、下心をもって聖火リレーを妨害・破壊したことを強烈に非難する。この卑劣な行為は、崇高なオリンピック精神への冒涜であり、オリンピック運動を愛する全世界の人々への挑発である。
・聖火リレー妨害で中国国内 欧米批判高まる【和文/北海道新聞】
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/85992.html
五大陸を回る北京五輪聖火リレーは、六日のロンドンに続き、七日にパリでも中国のチベット暴動鎮圧に対する抗議デモと妨害に遭遇した。これに対し、中国ではチベット問題に対する欧米の厳しい視線に反発する声がインターネット上などで広がっている。
・<聖火リレー>「偉大な祖国」「西側の治安に疑問」度重なる妨害に国民は怒り沸騰―中国【和文/Record China】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080408-00000026-rcdc-cn
1)チベット独立勢力への批判
・彼らは卑劣な本性を世界にさらした
・このような恥知らずの集団には未来はない、近く必ず消滅するだろう
2)西側諸国への批判
・イベントの保安体制、国家の治安に問題あり。これはフランスの恥だ
・中国の面子を潰した西側諸国とは断交すべき
・西側諸国での聖火リレーを取りやめよう
3)愛国心の鼓舞
・諸国は中国の強大さ、偉大さに嫉妬している
・この程度でわが祖国の勢いを止めることはできない
・この機会に国民は一致団結、奮起し国家の威容を示そう
4)冷静な分析・指摘
・五輪精神を汚す行為に平和を愛する市民は落胆している
・スポーツと政治を混同すべきではない
・「何故、こうなったのか?」を誰も分析しないのだろうか?
中国のインターネットは、当局の検閲下にあるので、書き込まれた内容は政府の意向そのものを考えてよい。したがって、上の二例は中共のリアクションと考えることができる。
詳しく見るもなにも、「自分の期待通りに周りが動かないものだから、その原因が自分にあることを棚に上げて、逆切れする子供」としか言いようがない。
まあ、報道官のコメントには「オリンピック専制」的な匂いも感じられるが、これは中共の体質から考えれば当然といえる。
筆者が問題だと思えるのは、当局の検閲がなくとも、人民が心の底から、価値観として欧米に反対しているらしいことなのだ。
昔は、人民は面従腹背していると思えたものだが、ここ20年の総合愚民教育によるものか、歴史的に国際社会から隔離された価値観の元で培養された為か、とにかくあの国は「中華世界」とでも呼ぶべき別のルールに支配されていると思える。
スポーツマンシップは別にして、聖火リレー妨害は抗議する側にとって、これほど効果的なシチュエーションはなく。自業自得とはいえ、中共はネギを背負って飛び込んできたようなものといってよい。
事ここに至って、中共としては、行く先々で聖火がブーイングを浴び、世界中の嫌われ者を自覚しつつ、開き直るしか手は残されていない。
中華世界では「食うか」「食われるか」の二択しかなく、国際社会に大して譲歩しようものなら、食ってもいいと勘違いして人民革命が起こる。
中国人も言ってることだし、中国国内と北朝鮮だけでリレーすればよかったのに。
<<参考>>
平壌での聖火リレー、国連は参加せず…ユニセフ報道官
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2008/news/topic/world/news/20080408-OYT1T00362.htm