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【雑感】中国人権活動家の有罪判決、米国務長官「深く憂慮」【和文/日経】

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080404AT2M0400304042008.html

 【ブカレスト=加藤秀央】ライス米国務長官は3日、中国の人権活動家の胡佳氏が海外のインターネットサイトに寄稿したことなどを理由に実刑判決を受けたことについて「深く憂慮すべき決定。中国の利益にならない」と批判した。ただブッシュ米大統領が北京五輪の開幕式を欠席するなどの対抗措置はとらず、「我々は五輪の前、期間中、そして後にも人権問題を提起する」と述べた。

 胡佳氏は3日に「転覆扇動罪」で懲役3年6月の実刑判決を受けた。ライス長官は2月に訪中した際に中国側に直接、胡氏の釈放を求めた経緯があり、今回の判決に厳しい口調で不満を表明した。


 この件に関する、中共外交部の正式見解

・4/3外交部定例記者会見
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t420987.htm

Q:一部の外国政府は、人権活動家、胡嘉の懲役判決に対して、無条件で釈放すべき、オリンピックを前に意見の異なる人間を逮捕してはならないとしているが、見解はどうか?

A:受け入れられない。中国は法治国家であり、法の下では全ての人が平等である。オリンピック開催が法治を取りやめる理由にはなり得ない。
この件は、中国の法律と訴訟手続きによって、継続審理されてきたのである。関連国家、組織が中国の法制を尊重し、いわゆる人権問題を理由に、中国に内政干渉しないことを希望する。


「その法律が民主的に認められておらず、内容も基本的人権を侵害している」などというのは、野暮である。
 ここでは、中共の役人が、中国の法体系では基本的人権に一部制限が掛けられており、しかもその制限を撤廃する気のないことを内政干渉を盾に表明した、事実に注目すべきだろう。スポークスマン自身に、基本的人権の知識が偏っている可能性は別にして。

 別に相対化するつもりはないが、言論の自由の封殺、の典型例といえる。


参考:中華人民の基本的人権

・自由権
 ├人身の自由:        ○
 ├┬精神の自由
 │├内面的:         △
 │└外面的:         ×
 └経済の自由:        ×
・平等権:            ○
・社会権:            △

 一応裁判は受けているので、スポークスマンのいう通り、平等権は確保されているといってよい。ただし、非常に恣意的な判決可能な罪名なので、社会権はやはり△。
 インターネットに自国政府に不都合な投稿をしたから、外国の報道機関の取材を受けたから、有罪。立憲法治国家というより、まるで古代の商鞅、李斯といった人物のエピソードを見ているようだ。

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