時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

刑務所の収容率

2008年03月28日 | 社会問題
刑務所の定員オーバーという状況は、いま全国的に起きているそうなので、全国の刑務所の収容者数を調べてみた。
戦後、もっとも収容人数が少なかったのは、意外にもつい最近の1992年であり、収容人数は4万5082人で、収容率は約70%であった。
1992年というとバブル崩壊の直前だろうか。日本がまだ多少は景気が良かった頃である。このあと長期にわたる不況に突入し、それに伴って犯罪が増え、その結果として現在では収容率が100%を超えたわけである。
そして、少し古いデータになるが、2006年の時点で約8万数千人である。1992年時点と比べて、この10年ちょっとで収容人数は約2倍になっている。
刑務所では、土日、祝日を除いて8時間の作業があるらしい。職業訓練を兼ねて、さまざまな作業が行われているが、最近は不景気のため受注量が減り、刑務所内の作業を探すことも結構大変になっているそうである。刑務所のホームページなどを見ると、印刷、木工、縫製などさまざまな仕事の募集が行われている。物品の販売も行われていておもしろい。
受刑者への報酬は、月当り約4000円と人件費は格段に安いが、原材料費や設備費などが高いためだろうか、中国などの大量生産にはかなわないらしい。
さて、中国製の農薬入り餃子事件が起き、食の安全が騒がれているが、元を正せば、日本の食料自給率が低下していることに問題がある。また、山林の荒廃も問題になっているが、過疎地などで第1次産業に従事させ、農業や林業の復興のために受刑者を活用することはできないのだろうか。
狭い刑務所に定員以上の受刑者を詰め込むことは、受刑者にとっても、職員にとってもストレス以外の何物でもない。
こういう取り組みが広がれば、日本にとっても一石二鳥ではなかろうか。
政府は、受刑者の急増に対し、刑務所の新規施設の建設を含めて、定員を大幅に増やすとの方針を持っているというが、犯罪の根源が解決されない限り、イタチごっこにならないだろうか?
犯罪の根源にある貧困の解消、犯罪の抑止、容疑者の検挙率のアップなどとともに、犯罪者の更生や出所後の生活にプラスになるような懲役刑のあり方を考えるべきではあるまいか。


最新の画像もっと見る