時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

自治体の地震対策の確立を

2007年07月28日 | 社会問題
数日前の記事で、個人だけでなく、自治体でも中越地震の教訓が生かされておらず、対策が遅れていたことを指摘しておいたが、その後のニュースで、関連自治体の対策の不十分さが次々と明らかになっている。
新潟県中越沖地震で大きな被害の出た柏崎市で、市が地震など災害時用に備蓄している医薬品のほとんどが、2006年までに使用期限を過ぎていたことがわかったという。
市は少なくとも2002年以降、中越地震(2004年10月)を経験した後も確認を怠り、昨夏に期限切れが判明したにもかかわらず買い替えず、事実上放置したままだった。今回の地震発生直後、避難所から医薬品を求められても応じられなかったという。
医薬品は、消毒薬や風邪薬、鎮痛剤など33種類を同市健康管理センターで備蓄していたが、使用期限内だったのは精神安定剤だけだった。また、医療器具も、聴診器、電子体温計、血圧計など8種類を備蓄していたが、うち体温計と注射器(2種類)は使用期限を過ぎていた。
市はその後も予算の都合がつかないことを理由に、買い替えず、購入時期についても、「購入履歴がないのでわからない」という。
さらに、その後、市が医薬品などの買い替え費約80万円を今年度当初予算に確保していながら、発注しないまま震災に遭っていたことが新たにわかったという。
今回の地震発生直後、市内の避難所から、市災害対策本部に対し、「医療品が欲しい」という複数の要請があったが、市はまったく応えられなかったという。
聞けば聞くほど、お粗末な話である。
市民の税金を使って備蓄しておきながら、これを入れ替えず、結局はまったく役に立たないまま廃棄されるわけだ。これほど無駄な出費はない。
毎年少しずつ買い足しながら、使用期限の切れた古いものから順次処分しておけば、仮に、一部の医薬品を使用期限切れで廃棄することがあったとしても、今回のような事態には至らず、生きた税金の使い方ができたはずである。
今回の柏崎市の事例を教訓に、全国の自治体でも、防災対策をもう一度見直し、食料や医薬品の備蓄などをチェックすることは言うまでもない。
また、やむを得ないことではあるが、備蓄品には品質保持期限、消費期限の関係で、災害が起きず、幸いにして使用しなかった場合は廃棄するしか方法がないわけだが、こういう点も考慮し、医薬品メーカー、食品メーカーは、防災用の備蓄品については、廉価で販売し、使用期限切れのものは無料で引き取り、廃棄するなど、防災への協力が不可欠であろう。
災害を単に金儲けの場にするのではなく、国民的な視点から積極的な協力が求められる。また、国民も、そういう企業の行動をよく監視することが必要であろう。
今回の柏崎市の事例を教訓に、自治体が毎年、災害への備えを確認し、必要な対策がすぐに打てるように体制を整えることが重要である。


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