時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

日本の財政悪化、先進国で突出

2009年11月04日 | 国家破綻
国際通貨基金(IMF)は、日米欧や中国、インドなど世界20か国・地域(G20)の債務残高見通しを公表した。
これによると、日本については、金融危機対応の景気対策に加え、社会保障費の伸びなど「財政出動圧力が特に強い」と指摘し、2014年には国内総生産(GDP)の約2.5倍に拡大するとした。G20全体は約0.9倍、G20内の先進国は約1.2倍で、日本の財政悪化が世界で突出していることを裏付けた。
IMFが7月に公表した見通しの第1弾と比べると、日本の債務残高の対GDP比%は6.4ポイント上昇し、上昇幅はG20内で最大だった。
IMFは、金融危機対応による国債増発などで長期金利が2%押し上げられると試算。危機対応の政策を平時に戻す「出口戦略」を「すぐに策定すべきだ」と警告している。
さて、現在の日本の借金は約800兆円、GDPは約500兆円といわれている(本当かどうかは定かではないが)から、GDP比で160%の借金を背負っていることになる。
国の借金を家計の借金にたとえて、借金そのものを批判する輩もあるが、経済効果や将来への投資の意味で、借金をしてさまざまな施策を進めることは別に悪いことではない。
しかし。長い自民党政権下で、土建屋に金をばら撒くために、まったく役に経たない橋や道路、港湾や空港を作って借金を重ねてきたことが、今日の状態を生んでいる。
しかし、借金がこれほどまで増大しても、政府や財務省に危機感がないのは、国債金利が異常なほど低いことにあるのではなかろうか?
バブル崩壊以降、大した投資先もないため、結局、余ったお金は国債に集まってくる。
企業や国民は、景気を回復して欲しいと言うが、もし景気が回復すれば、国債の長期金利が上昇し、国の財政が破綻に見舞われるというリスクもある。痛し痒しというところではあるまいか。
国の借金について、いくら発行しても財政は破綻しないと主張する人がいるが、それはあり得ない。もしそうなら、無税国家が実現できるはずである。
国債も(地方債も)、無限に発行できるわけではない。
鳩山首相は、先日「国債発行は44兆円まで」と述べたと伝えられるが、この数字に何の根拠があるのだろうか。まったく意味のない数字である。
こんなことを続けていたら、いつか財政破綻が起きそうな気がするが、まぁ、国民が政府を信用し、円を信用している限りは、破綻はないだろう。しかし、いつか信用不安を招く危険性も否定はできない。
このIMFの忠告を真摯に受け止めるか、無視するか、読者の皆さんはどう思われるだろうか。