時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

グルジア紛争に寄せて

2008年08月22日 | 社会問題
グルジアにロシア軍が侵攻して、10日以上が経った。
戦国時代ならいざ知らず、他国に平然と侵攻するということ自体信じがたいことだが、グルジア国内にミサイル発射装置を設置したり、撤退するといいながら部隊を駐留させたりと、ロシアの横暴には驚くばかりだ。
ロシアという国には、領地主義とも言うべき悪弊が存在している。これは、スターリン以来のものであろう。
レーニンは死の直前まで、スターリンの粗暴な性格を憂慮し、自分の後継者に指名しないよう遺言したが、不幸にもこの遺言は実行されず、最悪の結果になってしまった。
ロシア革命の初期に、レーニンが独立を認めた国々(たとえばバルト3国など)を、第2次世界大戦中に、スターリンがドサクサ紛れにソビエトに併合してしまった。千島列島の不法占領ももちろんスターリンの横暴の結果である。
スターリンの死後も、アフガニスタンへの軍事侵略など、周辺国が自分の領土であるかのように、平然と軍事侵略を行うのが、この国の常となってしまった。
ソビエトという国も、アメリカと同様に、どこにでも軍隊を出動させ、他国を力で屈服させる覇権主義丸出しの国家であったが、ロシアになってもその体質に変化はないようだ。
軍隊を撤収し、話合いのテーブルに着くことを心から希望しておく。
マスコミでは、南オセチアの住民はロシア軍の侵攻を歓迎している、といった報道もあるが、仮にそうであったとしても、今回のロシア軍の侵攻を合理化できるものではない。
ロシアーグルジア間の国境の画定、南オセチア地域の帰属問題など、話し合いによって解決することは可能であろう。フランスなどの仲裁案も出されているが、国連もその仲裁に積極的に乗り出すべきである。