時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

現物資産ということ

2008年01月23日 | 経済問題
以前に、お金(カネ)とは何かについて論じたことがある。
編集長は、お金というものをあまり信用していない。日々、生活していくうえでは絶対に欠かせないものであるが、必要以上に持っていても仕方がないものである。
しかも、お金そのものに価値があるわけではなく、お金それ自体は、国家による保証によって成り立っているだけの「モノ」にすぎず、それ自体が普遍的な価値を有しているわけではない。
これに対して、現物資産はそのものが価値を有するため、国家の混乱などとは無縁であり、現物資産への信奉者も多い。
現物資産というと、読者諸兄はどのような資産を想像するだろうか。
一般的には、土地、建物、貴金属や宝石、絵画、骨董品などの美術品などであろうか。
しかし、経済学的に言えば、すべての「労働生産物」が「価値」を有することから、労働生産物であれば、何でも投資対象になるはずだ。衣食住や文化に関するものなどがすべて該当する。その証拠に、ありとあらゆる物が商品として売買され、必要な人たちの手に渡っていく。
サブプライム問題を受けて、ドルが急落し、株式市場も混乱しているが、要するに、ドルという貨幣の信用が下落し、財産の一部を現物資産に換えておこうという動きが出てくる。世界的に、原油やGoldが買われているのはそのためである。
もし、食料難の時代であれば、食料が買い漁られることになろう。水資源や森林資源が投資あるいは投機の対象になりつつある。
少し話がそれるが、テレビ東京系列の「開運!なんでも鑑定団」という番組があるが、ここには、実に多種多様な「現物資産」が登場し、安値で購入した物にとんでもない高値が付いたり、大金をはたいて買った物が二束三文だったりと、他人事なので結構面白い。
しかし、よく勉強し、調査したうえで、専門家のアドバイスも受け、信用のできる店で購入すれば、ひどい偽物をつかまされることもないだろう。また、購入して楽しんだ後に、それなりの価格で売却できるかもしれない。値下がりすることもあるだろうが、あわよくば、値上がりするかもしれない。
現物資産を保有することの善悪、好き嫌いはともかくとして、「金は天下の回りもの」と言われる。お金というのは、使ってこそ意味のあるものであろう。限られた人生である。読者諸兄にも、衣食住に必要なさまざまな現物資産を購入するために、有意義のお金を使って人生を楽しんでいただきたいと思っている。