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●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》

2023年03月16日 00時00分25秒 | Weblog

―――――― (里見繁氏) 布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》


(2023年03月03日[金])
(沖縄タイムス社説)《冤罪の可能性がなくならない以上、再審制度の充実は不可欠だ。法整備など国のやるべきことは多い》。
 本ブログの後半でも述べているが、《弁護団の石側亮太弁護士は「長井氏は過去に自らが下した判断の当否を自ら審理することになり、信頼できない」と説明。さらに「憲法上も、37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利が侵害される」と憤る》…ということも起きている。
 山口正紀さん、《冤罪は警察・検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》。おまけに、《裁判の公正らしさ》もないのでは…。

 警察官や検察官、裁判官の責任は極めて重い。
 何度でも、書こうと思う。《元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ…」》、これは今も変わらないのでは。斎藤貴男さん《「梅田事件」…当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ真犯人なんか誰でもいい裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》。

 沖縄タイムスの【[社説]日野町事件再審決定 証拠開示の制度化必要】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1111281)によると、《滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性が殺害され手提げ金庫が奪われた事件があった。強盗殺人罪で無期懲役が確定し、服役中に病死した阪原弘元受刑者について、大阪高裁は再審開始を認める決定をした遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を支持し、検察の即時抗告を棄却したものだ。決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の写真のネガだった》。
 大事な点は《元の公判で検察が開示していなかった》というところ。

 琉球新報の【<社説>日野町事件再審決定 証拠開示の制度化急げ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1670420.html)によると、《「疑わしきは被告の利益にという原則を再審請求の審理にも適用した妥当な判断だ。元受刑者は他界しており、名誉回復への道は遠かった審理の長期化を改め、情報開示の制度化など、えん罪を防ぐための仕組みづくりを急ぐべきだ》。

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●48年も獄中に囚われていた袴田巌さん…《検察は再収監を諦めていません》
             って、正気なのかね? すぐさま、袴田巌さんに無罪を!
   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょらん
         もんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」

 ましてや、死刑執行してしまった飯塚事件は…?? また、大崎事件では、《もう話すことができなくなった原口さん》…。袴田事件では、袴田巖さんは《いまも、死刑囚のまま》だ。《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》…。
 西日本新聞の社説【滋賀の死後再審 決定を制度改革につなげ】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1060702/)によると、《無実の罪で服役を強いられたまま亡くなったとすれば、その無念は想像を絶する。たとえ死後であろうと、その尊厳は守られねばならないそんなメッセージを読み取るべき司法の判断である。滋賀県日野町で1984年に起こった強盗殺人事件について、大阪高裁は大津地裁に続き再審開始を認める決定を出した》。

   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
      侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?

 この日野町事件では、以下のようなことも起きている。詳しくは、上記ブログを。中島邦之記者による、(2020/6/26 11:00)西日本新聞のコラム【風向計/裁判の公正らしさとは】より:
 《裁判官がある事件の判決を出したとしよう。その事件の控訴審や、再審を求める審理に同じ裁判官が関わり、再び判断するこれは、公正と言えるだろうか。》
 《滋賀県日野町で1984年に発生した強盗殺人事件。14年前に大津地裁の裁判長として第1次再審請求を退けた長井秀典判事が、第2次請求を審理している大阪高裁の裁判長になったのだ。これを知った弁護団は、本人が自ら辞退を申し出る「回避」を求め、高裁に要請書を提出した。弁護団の石側亮太弁護士は「長井氏は過去に自らが下した判断の当否を自ら審理することになり、信頼できない」と説明。さらに「憲法上も、37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利が侵害される」と憤る》。
 《同様の事例は飯塚事件大崎事件でも起きた。飯塚では、一審の死刑判決に関わった判事が再審請求後の即時抗告審に関与した。大崎では、第2次再審請求の特別抗告審を担った最高裁判事が、第3次請求も担当し、地裁と高裁が認めた請求を退けた…加えて、同一事件の審理を同じ裁判官が繰り返し担うことを、再審請求審でも禁じると規定するべきではないか》

 自白偏重証拠独占、《代用監獄長期勾留死刑制度再審制度など日本の刑事司法が抱える重大な問題》について、何も進展なしなニッポン。《日野町事件でも、ネガの開示は裁判官の訴訟指揮によるものだった不利なものも含め、全てを握る検察に証拠開示させることは不可欠だ》(沖縄タイムス)。

   『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも
         例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》
    《袴田事件は、代用監獄長期勾留死刑制度、再審制度など日本の
     刑事司法が抱える重大な問題の全てを孕んだ事件だが、
     マスメディアの報道のあり方についても大きな課題を突きつけている
     今なお続く犯人視報道、人権侵害報道――この事件で、袴田さんと
     同じく、人生を大きく狂わされた熊本さんが私たちに遺した大きな宿題だ

   『●冷酷な司法…【NNNドキュメント’18/
      あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】
   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
     を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《殺害容疑をかけられて12年間服役した元看護助手・西山美香さんは
     今年3月、再審無罪が確定した。…西山さんの弁護団長を務めた
     井戸謙一弁護士は…「冤罪で絶望している人に道を開いた裁判だ
     と思います」…判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の
     改善の必要性を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない
     と話している》。
    《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い
     再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減次第
     である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1111281

[社説]日野町事件再審決定 証拠開示の制度化必要
2023年3月1日 5:01

 再審請求審での検察の証拠開示の在り方に、また裁判所から重大な疑問が示された。

 滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性が殺害され手提げ金庫が奪われた事件があった。強盗殺人罪で無期懲役が確定し、服役中に病死した阪原弘元受刑者について、大阪高裁は再審開始を認める決定をした

 遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を支持し、検察の即時抗告を棄却したものだ。決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の写真のネガだった。

 確定判決では、遺体に見立てた人形を用いた見分で犯人ならではの詳細な現場状況が再現されていたとする。客観的な証拠がない中、通常裁判ではこの見分調書などで示された「自白」を重視した

 しかし再審請求で開示されたネガには、人形を使わずに現場の様子を再現し、その後人形を使って再現した様子が繰り返し写っていた。阪原さんの弁護団長は、その意味を「人形の置き方などの練習をさせられたからだと考えている」と指摘する。

 高裁決定は、地裁が指摘した警察官の暴行や脅迫などによる自白の可能性は退けた。一方で「確定判決の審理段階でネガの存在が明らかになっていれば、有罪とは異なる判断になっていた可能性は否定し難い」と断じた。

 冤罪(えんざい)の疑いが強まったと言うほかない。

 捜査に当たった警察や検察は、信頼性に重大な疑義を生じさせた責任は極めて重いというべきだろう。

■    ■

 捜査段階で開示されなかった新証拠が、その後再審無罪や再審開始につながった事例は少なくない。

 66年に静岡の一家4人が殺害された「袴田事件」では、1回目の再審請求で証拠開示に応じなかった検察が2回目は開示に応じた。今月東京高裁が決定を出す。

 67年、茨城県で男性が殺害された「布川事件」では直接の物証がないまま男性2人が無期懲役とされた。その後開示された取り調べ録音テープに改ざんの痕跡があったことなどで再審無罪となった。

 裁判員裁判の導入により、刑事裁判の証拠開示は当時より拡充された。しかし確定判決を見直す再審にはそうした制度がなく、裁判所の裁量に委ねられているのが現状だ。

 日野町事件でも、ネガの開示は裁判官の訴訟指揮によるものだった不利なものも含め、全てを握る検察に証拠開示させることは不可欠だ

■    ■

 再審について定める刑事訴訟法は、再審を有罪の確定判決を受けた人の利益のために行うと定める。ただ、その手続きを定める条文は19で、全体で507条ある刑訴法の1割にも満たない

 日本弁護士連合会は2月、証拠開示などを大幅に充実した再審規定を盛り込むよう、法務省や国会に申し入れた。日弁連がこれまで支援した再審事件は34件に及ぶという。

 冤罪の可能性がなくならない以上、再審制度の充実は不可欠だ法整備など国のやるべきことは多い
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1670420.html

<社説>日野町事件再審決定 証拠開示の制度化急げ
2023年3月2日 05:00

 「疑わしきは被告の利益にという原則を再審請求の審理にも適用した妥当な判断だ。元受刑者は他界しており、名誉回復への道は遠かった審理の長期化を改め、情報開示の制度化など、えん罪を防ぐための仕組みづくりを急ぐべきだ

 滋賀県日野町で1984年12月、酒屋経営の女性が殺害され、金庫が奪われた事件で無期懲役が確定し、服役中に病死した元受刑者の遺族が申し立てた第2次再審請求に対し、大阪高裁は再審を認める決定を出した。

 元受刑者を犯人とした確定判決の事実認定に「合理的な疑いが生じた」としている。元被告らの死後に遺族が起こした死後再審」開始決定が確定すれば、死刑や無期懲役が確定した戦後の重大事件で初めてとなる。

 今回の再審決定を検察は重く受け止めなければならない。最高裁への特別抗告を断念し、直ちに再審裁判を始めるべきである

 大阪地裁決定の決め手となったのは、遺体発見現場の実況見分時のネガなど、第2次再審請求で新たに開示された証拠である。「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠に当たる」と判断した。検察の証拠開示は裁判所の指揮に応じたものだった

 捜査当局が再審請求の段階で新たに開示した証拠に基づく再審開始決定が近年相次いでいる。茨城の布川事件や、熊本の松橋事件などは新証拠がきっかけとなり、再審無罪につながった。

 日野町事件も再審裁判が始まれば無罪となる可能性がある。さらに言えば、確定前の裁判でネガなどの証拠が明らかになっていれば、判決内容に影響を与えていたかもしれないのだ検察の責任は重い

 事件の発生から38年が過ぎぎている。最初の再審請求は2006年に大津地裁で棄却され、即時抗告審中の11年に元被告が他界し、手続きが終わった。遺族は12年に「死後再審」を請求。新たな証拠に基づき大津地裁が18年に再審開始を決定した。そして今回、大阪高裁は地裁判断を支持したのである。

 遺族による再審請求から数えても、既に10年以上が経過している。大阪高裁の即時抗告審では裁判長は3回交代した。審理は4年半と長期化し、元受刑者の名誉回復は遅れた再審手続きの迅速化が求められる

 現在の刑事訴訟法には再審における証拠開示について定めた規定はなく、裁判官の裁量や検察官の姿勢に委ねられている点が今回の審理で問題となった。証拠開示の範囲は裁判所によって格差が生じているのだ。日本弁護士連合会は2月、再審における証拠開示の法制化を求める意見書を公表している。

 大阪高裁決定は、再審における証拠開示の重要性を示すものだ。国は早急に証拠開示の制度化に取り組むべきだ。
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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1060702/

社説
滋賀の死後再審 決定を制度改革につなげ
2023/3/2 6:00

 無実の罪で服役を強いられたまま亡くなったとすれば、その無念は想像を絶する。たとえ死後であろうと、その尊厳は守られねばならないそんなメッセージを読み取るべき司法の判断である

 滋賀県日野町で1984年に起こった強盗殺人事件について、大阪高裁は大津地裁に続き再審開始を認める決定を出した。。

 この事件で無期懲役が確定し、服役中に75歳で病死した阪原弘元受刑者の遺族による第2次再審請求である。「死後再審」開始が確定すれば、死刑や無期懲役が言い渡された戦後の重大事件では初めてとなる。

 大きな意義を持つ決定だと評価したい。依然として壁の高い再審制度の見直しにつなげていきたい。

 阪原さんと事件を結びつける直接的な証拠は元々乏しかった。大阪高裁は、主に二つの争点について確定判決に「合理的な疑問」を示した。(1)遺体発見現場での捜査の任意性(2)阪原さんによるアリバイ主張の虚偽認定-である。

 その根拠は、第2次請求審で裁判所の指揮により検察が新たに証拠開示した実況見分時の写真ネガなどだ。決定はそれらを、刑法が求める「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」と判断した。

 高裁決定は結論こそ地裁決定と同じ再審開始だったが、内容は地裁決定の根拠を否定する部分も複数ある。

 発生から40年近く経過した事件の再審の是非を巡り、厳正、適切に判断するのは難題であるに違いない。

 だからこそ、私たちは社説で、再審請求の結論に長期の時間を要する現行制度を改革すべきだと訴えてきた。

 刑事訴訟法435条は、再審請求は有罪の確定判決を受けた者の利益のため、と明記している。この精神に従えば答えはおのずと導かれよう。

 地裁であろうとも再審開始決定が出れば、検察による高裁、最高裁への異議申し立てを認めず、直ちに再審の法廷に舞台を移すことを原則とすべきだ。有罪、無罪はやり直しの裁判で決めればよい。

 鹿児島県の大崎事件では地裁、高裁が計3回にわたり再審開始を決定したが、検察の異議で結局、最高裁が開始決定を取り消し、第4次請求審が続く。当事者にはあまりに過酷ではないだろうか。

 近年の改革で、捜査側が持つ証拠のリストの開示は認められたが、不十分だ警察が集めた証拠は検察が全て握っている証拠開示を原則とすれば、審理の内容も早さも大きく改善できるはずだ

 大阪高裁の決定でも、新たに開示された証拠が重要な役割を果たした

 これが実現したのも担当の裁判長の判断である。再審請求の審理は裁判長の裁量次第の面がかなり大きい。「疑わしきは被告人の利益にという刑事司法の原則に立っているか。ここでも一定のルール作りが必要だ。
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●再審無罪が確定した西山さんの国家賠償請求訴訟で、冤罪を生んだ滋賀県警が《今になって西山さんを犯人視する書面を作成、裁判所に》…

2021年12月01日 00時00分37秒 | Weblog

(2021年09月26日[日])
東京新聞の社説【<社説>再審無罪を否定 西山さんを苦しめるな】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/132379?rct=editorial

 《再審無罪判決を否定するという荒唐無稽な書面だ。滋賀県の病院で、患者の死亡を巡り殺人罪などで服役後、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さんによる国家賠償請求訴訟で、被告の県は、西山さんを犯人視する表現をした準備書面を大津地裁に提出した。県警が作成したもので、県側は承知していなかったとして、三日月大造知事は謝罪し、書面修正の意思を表明した。なぜこんなことが起きたのか、県と県警に徹底調査を求めたい》。

   『●《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、
       逮捕・起訴はなかったかもしれません」》と仰ってたのですがね?
    《だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に
     好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、
     根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を
     心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。
     再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも
     適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません
     と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した》

 再審無罪が確定した元看護助手西山美香さんによる国家賠償請求訴訟で、冤罪を生んだ滋賀県警が《今になって西山さんを犯人視する書面を作成、裁判所に》提出? 醜悪過ぎる滋賀県警、いっさい反省なし、冤罪に何の痛痒も感じていない…《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》。

   『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
     【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】
   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
      よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、
       《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか?
   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
      を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い
     再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減
     次第である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ

 西山美香さんは冤罪で服役し、《青春時代の十数年間を監獄で過ごさねばならなかった》。《再審開始決定までの七つの裁判所判断は、この矛盾に言及しなかった》。《無理な捜査、虚偽自白、証拠開示の遅れ》…弁護士も立ち会わず、長期拘留して密室で自白を迫る。警察や検察により、被疑者に有利な証拠は隠蔽される。同じことの繰り返しだ。
 大西直樹《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」》《「西山さんの15年を無駄にしてはならない」》と仰ってたのですがね? 醜悪過ぎる滋賀県警。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
          人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
             喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
            いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》
    「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法
     …《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
     「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
     《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
     にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
     《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
     《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
     認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」

   『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
      無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》。」

   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
         証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ

 布川事件桜井昌司さんは《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定しました。54年の苦難にとても報いることはできませんが、その一部に少しでも報いられたとしたら、この判決を歓迎すべきかと思いました。検察や警察は《判決の結果を真摯に受け止め》、二度とこのような冤罪被害者が出ないよう、改善を約束すべきです。そのために何をすべきかを明らかにすべき。
 湖東記念病院人工呼吸器事件も同様だと思うのですが…。

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
         検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、
     濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/132379?rct=editorial

<社説>再審無罪を否定 西山さんを苦しめるな
2021年9月22日 07時50分

 再審無罪判決を否定するという荒唐無稽な書面だ。

 滋賀県の病院で、患者の死亡を巡り殺人罪などで服役後、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さんによる国家賠償請求訴訟で、被告の県は、西山さんを犯人視する表現をした準備書面を大津地裁に提出した。県警が作成したもので、県側は承知していなかったとして、三日月大造知事は謝罪し、書面修正の意思を表明した。なぜこんなことが起きたのか、県と県警に徹底調査を求めたい。

 訴訟は、西山さんが捜査の違法性を解明することなどを目的に、昨年提訴した。県側は、違法性はなかったと主張する今月十五日付書面の中で「患者を心肺停止状態に陥らせたのは、原告(西山さん)であると、西山さんを殺害の実行者と決め付けた

 西山さん側からの強い抗議で、知事は臨時の記者会見を開き「西山さんの心情を傷つけた深くおわびする」と述べ、修正の意向も示した。事前に書面の内容や提出の事実を知らなかったという。

 書面は県警が作成。県警は「慣例に従った」と釈明しているが、県の規定では、県警本部長の決裁後、県総務課長が決裁することになっている。しかし今回、書面は県側に回付されていなかった

 再審無罪が確定した昨年三月の大津地裁判決は「『呼吸器を外した』との捜査段階の自白には、信用性と任意性に疑いがある」と認定。さらに「取調官は西山さんの自分への恋愛感情に乗じて供述をコントロールしようとした」と、自白調書を証拠から削除し、患者は「他の原因で死亡した可能性がある」と結論づけた

 これに対し、問題の準備書面は「取調官に好意を寄せて虚偽の自白をするなどあり得ない」と反論。無罪判決も否定した。

 だが、ちょっと待ってほしい。再審公判で、検察側は「新たな有罪立証は行わない。裁判所に適切な判断を求める」と論告し、求刑もしなかった。有罪立証を放棄したに等しいのに、捜査をした県警が今になって西山さんを犯人視する書面を作成、裁判所に出すのは不可解と言うほかない

 県警には、なぜ「犯人視」の書面が提出され、どんな意図があったのかきちんと調査、説明する責任がある。文書修正だけで済む話ではない西山さん本人にも直接謝罪すべきだろう
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●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん

2021年11月08日 00時00分45秒 | Weblog

―――――― (里見繁氏) 布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》



(2021年09月21日[火])
東京新聞の社説【布川事件の教訓 冤罪防ぐさらなる改革を】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/800693/)。

 《冤罪(えんざい)無実の人の一生を台なしにしてしまいかねない。その防止に向け、貴重な教訓に満ちた司法判断が確定した。1967年に茨城県で起こった布川事件で強盗殺人罪に問われ、再審無罪となった桜井昌司さん(74)が国と県に損害賠償を求めた訴訟である。警察と検察の捜査の違法性を認め、被告側に計約7400万円の支払いを命じた東京高裁判決に対し、国と県は上告を断念した》。

   『●アベ様が《新政権も警察権力も私物化する暗黒時代が始まる》、《官邸の
       忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》が…
   『●山添拓議員の《送検》、八代英輝弁護士の《野党共闘に対する意図的な
      攻撃》とそれに群がるお維議員たち、中村格氏の警察庁長官へ昇格…

 検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、遺棄、逆に証拠の捏造…デタラメな行政。布川冤罪事件の桜井昌司さん、《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と。強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、一方、弱者には厳格・冷酷な司法判断…最「低」裁を頂点とする司法の堕落。
 《検察は常に間違わない。そんな「無謬(むびゅう)が独り歩きし、自ら描いたストーリーに沿うように供述調書を作成する-。過去に冤罪を生んだ落とし穴の一つであり、布川事件はその典型だったと言えるだろう。東京高裁の審理で、もう一つ重要な点が明らかになった。検察は当初、取り調べの録音テープや第三者の毛髪など有罪立証に不利とみられる証拠の存在を認めなかった。国は「当時の刑事訴訟法に証拠開示の規定はなかった」と主張した。これこそが冤罪を防げない法制度の欠陥そのものではないか》。
 《桜井さんは20歳で逮捕され、再審無罪となるまで44年を費やした。「裁判官なら真実を見極めてくれると信じたが裏切られた」という言葉が重く響く》

 (雨宮処凛さん)《桜井昌司さんの名前を知る人はどれくらいいるだろう。彼は無実の罪を着せられ、29年間を獄中で過ごしたという「冤罪」の人だ。20歳から、29年。20代、30代のすべてを、殺人の濡れ衣を着せられて刑務所で過ごさざるを得なかったのである。そうして事件から実に44年後の2011年、無罪が確定。すべての始まりは、1967年に起きた布川事件だった》。
 そして、いま、…(NNNドキュメント ‛21)《検察は都合の良い証拠だけを使い無期懲役判決が下る。29年間投獄された男は、仮釈放から14年後にようやく無罪となった。この「布川事件」で潔白を勝ち取った男だったが、今度はがんにより余命一年の宣告を受けた。今、残された時間で冤罪被害者を支援し、濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている桜井昌司さん。

   『●『冤罪File(No.10)』読了
   『●冤罪デモ
   『●『自然と人間2010年2月号』読了
   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了
    「里見繁氏、「布川事件再審公判傍聴記――確定判決から30年余り
     時を経て、今ようやく再審の幕が開いた――」。「この事件を一言で
     言えば「検察の証拠隠し」である。最新請求の審理の過程で百件を
     超える隠蔽証拠が開示された。…。一審から最高裁、再審請求の
     地裁から最高裁、合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を
     見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべき
     かもしれない」。「ところが警察と検察は、桜井さん、杉山さんの
     二人に結びつかない証拠はすべて隠した」。
     桜井昌司さんと杉山卓男さん」

   『●布川事件の記録映画、……そして、………………
    《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部
    《映画「ジョージとタカオ」を観て 刑事司法の病理を体現する
     ふたりの中年男》
    《水戸地裁土浦支部は05年、「鑑定書が確定審の審理中に提出されて
     いれば有罪認定に合理的疑いが生じた」と述べ、再審開始の決定をした。
     検察側は即時抗告したが、東京高裁は08年、11カ所の中断が
     みられる桜井さんの自白の録音テープについて「取調官の誘導があった
     ことをうかがわせる」と指摘。検察側が新たに開示した「現場宅で見た
     のは杉山さんらではない」とする目撃証言も考慮し「確定判決の判断を
     維持できない」と認定した。最高裁も09年に再審開始を認めた》
    《弁護側は、検察側が2人に有利な証拠を再審請求審まで明らかにして
     いなかったことを「証拠隠し」と非難。裁判所の責任についても
     「冤罪(えんざい)の根絶のため、有罪になった構造を解明すべきだ」
     と求めてきた》

   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
       冤罪15年間への償いはできるのか?
    《▼「新証拠なんかじゃない。検察が隠し持っていたんですよ」。
     決定後の記者会見で昨年、再審無罪になった布川事件の桜井昌司さんが
     憤っていた。血痕が付着したコートなどの不利な証拠を出し渋り、
     DNA鑑定にも二の足を踏んだ検察の姿勢が冤罪(えんざい)
     生んだのは明白だ》

   『●冤罪(その2/2): せめて補償を
   『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
       高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却
   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
      『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?
     …刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、
     証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
    《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた
     二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の
     証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で
     無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を
     促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、
     桜井さんは捜査機関の在り方を批判した》
    《桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で
     再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから
     希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件
     大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
    「ついでと言っては何ですが…桜井昌司さんについて…
     《清水潔… 【放送告知】強盗殺人容疑で有罪判決を受け、
     罪を償わされてから冤罪が明らかになった男性をカメラが追いました。
     裁判の間違いを裁判所が認めるまでに38年。ようやく潔白を手に
     入れて今度は10年で末期がん宣告です。壮絶な人生を描く
     ヒューマンドキュメンタリー。》」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
         検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定

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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/800693/

社説
布川事件の教訓 冤罪防ぐさらなる改革を
2021/9/15 6:00

 冤罪(えんざい)は無実の人の一生を台なしにしてしまいかねない。その防止に向け、貴重な教訓に満ちた司法判断が確定した

 1967年に茨城県で起こった布川事件で強盗殺人罪に問われ、再審無罪となった桜井昌司さん(74)が国と県に損害賠償を求めた訴訟である。警察と検察の捜査の違法性を認め、被告側に計約7400万円の支払いを命じた東京高裁判決に対し、国と県は上告を断念した

 この事件は独り暮らしの男性が他殺体で見つかり、桜井さんら2人が別の容疑で逮捕、起訴された(桜井さん以外の1人は既に死去)。証拠は自白と現場の目撃証言しかなかった。

 高裁判決は、一審東京地裁判決が認めた警察官の取り調べに加え、捜査段階の検察官の取り調べも違法と断じた。検察官は桜井さんが無実の主張を信じてもらえず絶望的になったのを利用し「自分の意図するままに供述調書を作った言い切っている有罪をでっち上げたと非難しているに等しいものだ。

 古い事件ではあるが、とりわけ検察には猛省を求めたい。

 国内で起訴された事件の有罪率は99%超だ。検察が警察の捜査をチェックしている結果であるとともに、検察の力を過信させる面のある数字である。

 検察は常に間違わない。そんな「無謬(むびゅう)が独り歩きし、自ら描いたストーリーに沿うように供述調書を作成する-。過去に冤罪を生んだ落とし穴の一つであり、布川事件はその典型だったと言えるだろう。

 東京高裁の審理で、もう一つ重要な点が明らかになった。

 検察は当初、取り調べの録音テープや第三者の毛髪など有罪立証に不利とみられる証拠の存在を認めなかった。国は「当時の刑事訴訟法に証拠開示の規定はなかった」と主張した。これこそが冤罪を防げない法制度の欠陥そのものではないか

 桜井さんの有罪が一度確定した最高裁判決(78年)は、自白強要の証拠は「記録上発見することができない」とした。隠されていたのだから当然である。

 近年の刑事司法改革で、取り調べの可視化(録音・録画)が一部義務化され、証拠リストの開示が認められた。それでも十分とは言えない。私たちは社説で、捜査で集めた証拠の全面的開示や裁判をやり直す再審の開始規定緩和など、法改正を国に強く求めてきた。

 桜井さんは20歳で逮捕され、再審無罪となるまで44年を費やした。「裁判官なら真実を見極めてくれると信じたが裏切られた」という言葉が重く響く。

 布川事件は「過去の問題」ではない。国や司法関係者はさらなる制度改革を急ぐべきだ。
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コメント
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●《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」》と仰ってたのですがね?

2021年10月31日 00時00分38秒 | Weblog

(2021年09月18日[土])
安藤仙一朗記者による、アサヒコムの記事【元看護助手の無罪、滋賀県が判決否定 「心肺停止状態にさせたのは原告」】(https://digital.asahi.com/articles/DA3S15046227.html)。

 《だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した》。

   『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
     【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】
   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
      よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、
       《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか?
   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
      を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い
     再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減次第
     である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ

 西山美香さんは冤罪で服役し、《青春時代の十数年間を監獄で過ごさねばならなかった》。《再審開始決定までの七つの裁判所判断は、この矛盾に言及しなかった》。《無理な捜査、虚偽自白、証拠開示の遅れ》…弁護士も立ち会わず、長期拘留して密室で自白を迫る。警察や検察により、被疑者に有利な証拠は隠蔽される。同じことの繰り返しだ。
 大西直樹《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」》《「西山さんの15年を無駄にしてはならない」》と仰ってたのですがね?
 醜悪過ぎる滋賀県警、いっさい反省なし、冤罪に何の痛痒も感じていない…《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…
          人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や
             喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●《「自白の強要をされたという認識に変わりはない」と反論…
            いまだにこんな水掛け論になるのかと嘆かわしい》
    「《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法
     …《日本の刑事司法制度は国際的水準に達していない》。
     「人質司法」は未だに《国際的にも悪評が高い》。
     《弁護士の立ち会い…多くの国・地域で認めている制度》である
     にもかかわらず、ニッポンでは認められていない。
     《録音・録画(可視化)》もほとんど進まず、
     《事後検証が不可能に近い》。《弁護士の立ち会いが任意段階から
     認められていれば、誤認逮捕という人権侵害もなかったはずだ》」

   『●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…
      無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》
   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益には再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》。」

   『●《「証拠は再審請求の段階でも捜査側に偏在している」…検察は掌中の
         証拠をあまねくオープン》にするよう裁判所は訴訟指揮すべきだ

 布川事件桜井昌司さんは《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定しました。54年の苦難にとても報いることはできませんが、その一部に少しでも報いられたとしたら、この判決を歓迎すべきかと思いました。検察や警察は《判決の結果を真摯に受け止め》、二度とこのような冤罪被害者が出ないよう、改善を約束すべきです。そのために何をすべきかを明らかにすべき。

   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定

 一方…こんなことが許されていいのか! ―――――《官邸の忠犬政権の爪牙山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁長官に…。前川喜平さん《中村の警察庁長官就任は、安倍・菅政権の腐敗を象徴する人事だ》。金子勝さん《権力に近ければ、罪を犯しても逮捕されない…公安警察・検察が安倍政権を支配していることに事の本質がある》。青木理さんは《…本来は一定の距離を保つべき政権と警察・検察が近づき過ぎるのは非常に危うい民主主義国家として極めて不健全な状態と言わざるを得ません》。

   『●アベ様が《新政権も警察権力も私物化する暗黒時代が始まる》、《官邸の
       忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》が…

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https://digital.asahi.com/articles/DA3S15046227.html?unlock=1#continuehere

元看護助手の無罪、滋賀県が判決否定 「心肺停止状態にさせたのは原告」
2021年9月17日 5時00分

     (記者会見する西山美香さん(左)と井戸謙一弁護士=大津市)

 滋賀県の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者への殺人罪で服役後、再審無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(41)が国と県に計約4300万円の国家賠償を求めた訴訟で、県が無罪判決を否定する内容の主張をしていることが分かった。16日に大津地裁であった非公開の手続き後、原告側が会見で明らかにした。

 昨年3月の再審の無罪判決は、西山さんの捜査段階の自白について、取り調べた県警の男性刑事が西山さんの恋愛感情などを利用して誘導したと認定。被害者が致死性不整脈で死亡した可能性があり「殺害されたという事件性が証明されていないと結論づけた。無罪判決は翌月に確定した。

 だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。

 再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません」と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した。

 西山さんは昨年12月、捜査の違法性を明らかにするとして、国賠訴訟を起こした。国は6月、「検事が有罪と認められる嫌疑があると判断したことには十分な理由があり、起訴の判断が合理性を欠くとはいえない」とし、検事の捜査に違法性はなかったとする書面を地裁に提出している。

 16日の会見で、西山さんは「県の書面の内容はうそで、怒り心頭だ」と語った。代理人の井戸謙一弁護士は「予想外で大変不当」と強調。県の準備書面について「無罪とした刑事確定判決の判断正面から否定するもの」「美香さんを再び馬鹿にし、その名誉を甚だしく毀損(きそん)するもの」などとし、県の代理人に撤回を求めたという。

 無罪判決をめぐっては、県議会で昨年6月、滝沢依子・県警本部長が代表質問に対し「結果として(西山さんに)大きなご負担をおかけし、大変申し訳ないと謝罪していた。県警監察官室は取材に対し、準備書面について「個別の案件についてはコメントを差し控える」とした。(安藤仙一朗)


■誤り認め検証を

元刑事裁判官の水野智幸・法政大法科大学院教授の話 民事裁判は、刑事裁判から独立して認定できるので、国や滋賀県がどのような主張をするかは法的に自由だ。ただ、無罪判決が再審で確定し、違法な捜査があったと認めている。無罪判決を否定するような主張をするのは、「私たちは納得していない」というポーズであり、間違いを認めない姿勢の表れだ。裁判が長引くと無罪になった人の負担が増え、救済も遅れる捜査機関側は素直に誤りを認めて謝罪し、事件を検証するべきだ
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●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定

2021年10月10日 00時00分17秒 | Weblog

(20210914[])
中村真理記者による、アサヒコムの記事【「今が春」 冤罪で服役29年、末期がん…それでも開けた視界の先は】(https://www.asahi.com/articles/ASP9B656LP91OIPE01F.html?iref=pc_ss_date_article)。

 《「あれ、俺死ぬの怖くない」 がんで余命1年の宣告をうけたとき、桜井昌司さん(74)は気づいた。戦後7件目の冤罪(えんざい)布川事件で、強盗殺人罪で29年服役。獄中で父も母も亡くした。それでも「今が春」と笑う》。

 《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定しました。54年の苦難にとても報いることはできませんが、その一部に少しでも報いられたとしたら、この判決を歓迎すべきかと思いました。検察や警察は《判決の結果を真摯に受け止め》、二度とこのような冤罪被害者が出ないよう、改善を約束すべきです。そのために何をすべきかを明らかにすべき。

   『●『冤罪File(No.10)』読了
   『●冤罪デモ
   『●『自然と人間2010年2月号』読了
   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了
    「里見繁氏、「布川事件再審公判傍聴記――確定判決から30年余り
     時を経て、今ようやく再審の幕が開いた――」。「この事件を一言で
     言えば「検察の証拠隠し」である。最新請求の審理の過程で百件を
     超える隠蔽証拠が開示された。…。一審から最高裁、再審請求の
     地裁から最高裁、合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を
     見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべき
     かもしれない」。「ところが警察と検察は、桜井さん、杉山さんの
     二人に結びつかない証拠はすべて隠した」。
     桜井昌司さんと杉山卓男さん」

   『●布川事件の記録映画、……そして、………………
    《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部
    《映画「ジョージとタカオ」を観て 刑事司法の病理を体現する
     ふたりの中年男》
    《水戸地裁土浦支部は05年、「鑑定書が確定審の審理中に提出されて
     いれば有罪認定に合理的疑いが生じた」と述べ、再審開始の決定をした。
     検察側は即時抗告したが、東京高裁は08年、11カ所の中断が
     みられる桜井さんの自白の録音テープについて「取調官の誘導があった
     ことをうかがわせる」と指摘。検察側が新たに開示した「現場宅で見た
     のは杉山さんらではない」とする目撃証言も考慮し「確定判決の判断を
     維持できない」と認定した。最高裁も09年に再審開始を認めた》
    《弁護側は、検察側が2人に有利な証拠を再審請求審まで明らかにして
     いなかったことを「証拠隠し」と非難。裁判所の責任についても
     「冤罪(えんざい)の根絶のため、有罪になった構造を解明すべきだ」
     と求めてきた》

   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
       冤罪15年間への償いはできるのか?
    《▼「新証拠なんかじゃない。検察が隠し持っていたんですよ」。
     決定後の記者会見で昨年、再審無罪になった布川事件の桜井昌司さんが
     憤っていた。血痕が付着したコートなどの不利な証拠を出し渋り、
     DNA鑑定にも二の足を踏んだ検察の姿勢が冤罪(えんざい)
     生んだのは明白だ》

   『●冤罪(その2/2): せめて補償を
   『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
       高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却
   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
      『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?
     …刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、
     証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
    《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた
     二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の
     証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で
     無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を
     促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、
     桜井さんは捜査機関の在り方を批判した》
    《桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で
     再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから
     希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件
     大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
    「ついでと言っては何ですが…桜井昌司さんについて…
     《清水潔… 【放送告知】強盗殺人容疑で有罪判決を受け、
     罪を償わされてから冤罪が明らかになった男性をカメラが追いました。
     裁判の間違いを裁判所が認めるまでに38年。ようやく潔白を手に
     入れて今度は10年で末期がん宣告です。壮絶な人生を描く
     ヒューマンドキュメンタリー。》」

   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
         検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》

 《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた彼らこそ裁かれるべきかもしれない》。
 東京新聞の記事【布川事件訴訟、国と茨城県が敗訴 桜井さん「やっと解放」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/130627)によると、《1967年に茨城県で起きた「布川事件」で強盗殺人罪に問われ、2011年に再審無罪となった桜井昌司さん(74)が、国と県に損害賠償を求めた訴訟で、検察や警察の捜査の違法性を認め、計約7400万円の支払いを命じた東京高裁判決が13日までに確定した。国と県が上告しなかった。桜井さんは同日、東京都内で記者会見し「事件発生から54年の長い時間を思うと、やっと解放され、ほっとしている」と語った。茨城県警は「判決の結果を真摯に受け止め、今後も引き続き、緻密かつ適正な捜査を推進していく」とコメントした》。

 《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》――― 検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に証拠の捏造…デタラメな行政。布川冤罪事件の桜井昌司さん、《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と。強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、一方、弱者には厳格・冷酷な司法判断…最「低」裁を頂点とする司法の堕落。

 こういうことに恐怖を感じる。こんなことが許されるの!? ―――《官邸の忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁長官?
 日刊ゲンダイ【安倍政権時代の「官邸ポリス」が“論功行賞”で警察組織2トップに昇格の不気味】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294620)によると、《警視庁の斉藤実警視総監は、庁内で「警備警察のエキスパート」と呼ばれてきた人物。早ければ9月中に退任するとみられ、後任には警察庁の大石吉彦警備局長が就任する予定だ。…さらには、警察庁も年末にトップが交代して、安倍氏と親密な元官邸ポリス」が長官に就きそうなのだ。一貫して警備畑を歩んできた警察庁の松本光弘長官の後任には、警察庁ナンバー2の中村格次長が昇格する》。
 アベ様がやりたい放題だ。

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https://www.asahi.com/articles/ASP9B656LP91OIPE01F.html?iref=pc_ss_date_article

「今が春」 冤罪で服役29年、末期がん…それでも開けた視界の先は
中村真理 2021年9月12日 9時30分

     (「布川事件」で再審無罪となった桜井昌司さん
      =2021年6月15日午後、名古屋市中区、岩下毅撮影)

 「あれ、俺死ぬの怖くない

 がんで余命1年の宣告をうけたとき、桜井昌司さん(74)は気づいた。戦後7件目の冤罪(えんざい)布川事件で、強盗殺人罪で29年服役獄中で父も母も亡くした。それでも「今が春」と笑う。

 今年4月、獄中で書きためた詩と人生をつづった本を出版した。作詞作曲から手がけたCDも発売した。各地でコンサートを開き、プロの歌手からも誘いがかかる。歌うのが大好きで、「夢は『紅白』と『徹子の部屋』に出ること」だ。

 2019年にトイレで出血し、直腸がんが判明。転移も見つかった。医師に「手術はできない」と言われ、翌年には余命1年と宣告された。

 「死ぬのか」。がんとわかり、真剣に考えてみた。獄中も含めた72年の人生について、死ぬことについて。「俺の人生、楽しかったな。ドラマチックで、他の人に生きられる人生じゃなかったよな」

 昔から特に死ぬことが恐怖だった。小学4年生の夏、テレビアニメで人が死ぬシーンを見ると、庭に飛び出してトマト苗の下に逃げ込んだ。刺すような太陽の明るさに「生きている」と感じてようやく安心した。

 「とにかく自分が消えることが震えるほど怖かった」


恐怖だった「死」、獄中で見つけた生き方とは

 20歳で逮捕されたときも、取り調べで死刑をちらつかされ、うその自白へ追い込まれていった

 「死ぬの怖くない」に至るまでの変化には、無実の罪に翻弄(ほんろう)され続けた桜井さんが見いだしてきた生き方がある。

 最初の転機は、無期懲役刑が確定した31歳だった。20歳で逮捕され、うその自白で有罪、しかも死刑に次ぐ最高刑が確定してしまった。無実を信じた母は前年に死亡。手を握ることもかなわないままだった。

 外の世界へ出ることを思い描いていたが、どうあがいたってもう出られない。「俺の人生は終わった」。暗闇に落ちたようだった。

 もがく中、ふと考えが切り替………
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●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》

2021年07月08日 00時00分11秒 | Weblog

(20210627[])
マガジン9のコラム【雨宮処凛がゆく! 第558回:コロナ禍、不自由な日々の中で突き刺さる「無実の罪で獄中29年」、桜井昌司氏の言葉。の巻】(https://maga9.jp/210519-1/)。

 《不満を燻らせていたところ、ガツンと頭を殴られるような一冊に出会った。それは4月に出版された桜井昌司さんの『俺の上には空がある広い空が』(マガジンハウス)。桜井昌司さんの名前を知る人はどれくらいいるだろう。彼は無実の罪を着せられ、29年間を獄中で過ごしたという「冤罪」の人だ。20歳から、29。20代、30代のすべてを、殺人の濡れ衣を着せられて刑務所で過ごさざるを得なかったのである。そうして事件から実に44年後の2011年、無罪が確定。すべての始まりは、1967年に起きた布川事件だった》。

   『●『冤罪File(No.10)』読了
   『●冤罪デモ
   『●『自然と人間2010年2月号』読了
   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了
    「里見繁氏、「布川事件再審公判傍聴記――確定判決から30年余り
     時を経て、今ようやく再審の幕が開いた――」。「この事件を一言で
     言えば「検察の証拠隠し」である。最新請求の審理の過程で百件を
     超える隠蔽証拠が開示された。…。一審から最高裁、再審請求の
     地裁から最高裁、合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を
     見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべき
     かもしれない」。「ところが警察と検察は、桜井さん、杉山さんの
     二人に結びつかない証拠はすべて隠した」。
     桜井昌司さんと杉山卓男さん」

   『●布川事件の記録映画、……そして、………………
    《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部
    《映画「ジョージとタカオ」を観て 刑事司法の病理を体現する
     ふたりの中年男》
    《水戸地裁土浦支部は05年、「鑑定書が確定審の審理中に提出されて
     いれば有罪認定に合理的疑いが生じた」と述べ、再審開始の決定をした。
     検察側は即時抗告したが、東京高裁は08年、11カ所の中断が
     みられる桜井さんの自白の録音テープについて「取調官の誘導があった
     ことをうかがわせる」と指摘。検察側が新たに開示した「現場宅で見た
     のは杉山さんらではない」とする目撃証言も考慮し「確定判決の判断を
     維持できない」と認定した。最高裁も09年に再審開始を認めた》
    《弁護側は、検察側が2人に有利な証拠を再審請求審まで明らかにして
     いなかったことを「証拠隠し」と非難。裁判所の責任についても
     「冤罪(えんざい)の根絶のため、有罪になった構造を解明すべきだ」
     と求めてきた》

   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
       冤罪15年間への償いはできるのか?
    《▼「新証拠なんかじゃない。検察が隠し持っていたんですよ」。
     決定後の記者会見で昨年、再審無罪になった布川事件の桜井昌司さんが
     憤っていた。血痕が付着したコートなどの不利な証拠を出し渋り、
     DNA鑑定にも二の足を踏んだ検察の姿勢が冤罪(えんざい)
     生んだのは明白だ》

   『●冤罪(その2/2): せめて補償を
   『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
       高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却
   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
      『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?
     …刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、
     証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政
    《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた
     二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の
     証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で
     無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を
     促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、
     桜井さんは捜査機関の在り方を批判した》
    《桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で
     再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから
     希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件
     大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
    「ついでと言っては何ですが…桜井昌司さんについて…
     《清水潔… 【放送告知】強盗殺人容疑で有罪判決を受け、
     罪を償わされてから冤罪が明らかになった男性をカメラが追いました。
     裁判の間違いを裁判所が認めるまでに38年。ようやく潔白を手に
     入れて今度は10年で末期がん宣告です。壮絶な人生を描く
     ヒューマンドキュメンタリー。》」

――――――――――――――――
https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/18940v6mzkfe29llw8xf.html

NNNドキュメント ’21

2021年4月18日(日) 24:55
濡れ衣
~闘い続ける余命一年

強盗殺人犯として逮捕された男。検察は都合の良い証拠だけを使い無期懲役判決が下る。29年間投獄された男は、仮釈放から14年後にようやく無罪となった。この「布川事件」で潔白を勝ち取った男だったが、今度はがんにより余命一年の宣告を受けた。今、残された時間で冤罪被害者を支援し、濡れ衣を着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている。事件を20年以上追跡してきた日本テレビの映像により壮絶な人生に迫る。

ナレーター/石井康嗣  制作/日本テレビ  放送枠/30分

再放送
4月25日(日)5:00~/24:00~ 日テレNEWS24
5月2日(日)8:00~ BS日テレ
――――――――――――――――


 検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に証拠の捏造…デタラメな行政。布川冤罪事件の桜井昌司さん、《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と。強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、一方、弱者には厳格・冷酷な司法判断…最「低」裁を頂点とする司法の堕落。

 日テレNEWSの映像資料【冤罪「布川事件」 29年間を獄中で過ごした桜井昌司さんとジャーナリスト・清水潔に聞く】(https://www.youtube.com/watch?v=WueXQENEeYA)によると、《強盗殺人事件「布川事件」の犯人として濡れ衣を着せられ、29年間を獄中で過ごした桜井昌司さん。冤罪はどのようにして作られたのか? 日本の刑事司法の問題点は? ジャーナリスト清水潔さんとともに話を聞いた。 ※桜井さんの闘いを追ったNNNドキュメント【濡れ衣 ~闘い続ける余命一年~】は、5月15日からHuluにて配信予定》。


【冤罪「布川事件」 29年間を獄中で過ごした桜井昌司さんとジャーナリスト・清水潔に聞く】(https://www.youtube.com/watch?v=WueXQENEeYA

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https://maga9.jp/210519-1/

雨宮処凛がゆく!
第558回:コロナ禍、不自由な日々の中で突き刺さる「無実の罪で獄中29年」、桜井昌司氏の言葉。の巻(雨宮処凛)
By 雨宮処凛 2021年5月19日

 「この一年、コロナのせいで季節の思い出もイベントの思い出も何もない」
 「人生、むちゃくちゃ損してる気がする」

 そんな声を耳にすることがたまにある。

 私自身も、自粛自粛のかけ声の中、時々うんざりする気持ちが込み上げる。「人となかなか会えない」「会食もできない」「旅行もできない」「海外なんてもってのほか」という日々が一年以上も続いているのだ。多くの人がストレスを抱え、不自由さに理不尽な思いを募らせている。

 唯一、「よかったかも」と思ったのは、自分が40代であることだ。

 もし、私が20歳の頃にコロナ禍が起きていたら……。「遊びたい盛り」に在宅を命じられるストレスは今の何百倍にもなっていただろう。そう思うと、「若者の軽率な行動」がメディアでことさらに非難されていることに同情したいような気持ちも少し、沸き起こる。同時に思うのは、もし20代前半とコロナ禍がかぶっていたら、私は決して物書きにはなっていなかっただろうということだ。

 なぜなら、20代前半はバイトをしながら「何者かになること」を目指していた時期だったからだ。いろんなイベントや集まりに行って、すでに「何者か」である人たちとがむしゃらに知り合い、刺激を受けていた。誘われた会には極力顔を出し、自分の「やりたいこと」「できること」はなんだろうと日々模索していた。生活費は、バイトで稼いでいた。

 そんな生活をしていた頃、コロナ禍が直撃していたら。せっかく東京でいろんなチャンスを掴もうにも、人と会う機会もイベントもないのであれば、高い家賃を払って東京にいる意味がない。しかも生活費を稼ぐためのバイト先も壊滅的な打撃を受けている状態。おそらく、コロナ禍での東京生活は半年と持たずに実家の北海道に帰っていただろう。そう思うと、若い世代に与える影響は、上の世代以降とは桁外れのものに思えてくる。

 それでも、40代の私も「損失」を日々感じている。

 軒並み中止となった講演会で、思いを共にする人々と出会う機会がなくなった(なのでたまにリアル講演会があるとすごく嬉しい)。コロナ前はよくしていた路上飲みもしていない。何より、人と会っていないので、気を抜くと「自分だけ仲間はずれにされている」感覚に陥ってしまう。何か「忘れ物」をしているような、宙ぶらりんな喪失感。そんなものを一年以上、抱えている。

 不満を燻らせていたところ、ガツンと頭を殴られるような一冊に出会った。それは4月に出版された桜井昌司さんの『俺の上には空がある広い空が』(マガジンハウス)。

 桜井昌司さんの名前を知る人はどれくらいいるだろう。彼は無実の罪を着せられ、29年間を獄中で過ごしたという「冤罪」の人だ20歳から、29年20代、30代のすべてを、殺人の濡れ衣を着せられて刑務所で過ごさざるを得なかったのである。そうして事件から実に44年後の2011年、無罪が確定

 すべての始まりは、1967年に起きた布川事件だった。今から54年前の8月、茨城県北相馬郡利根町布川で当時62歳の男性が殺され現金が奪われたのだ。

 同年10月、逮捕されたのが当時20歳だった桜井さんと、当時21歳だった杉山卓男さん。厳しい取り調べの中、あの手この手で自白を強要され、桜井さんは嘘の自白をしてしまう。そうして桜井さんと事件を結びつける物証はひとつもないにもかかわらず、無期懲役が確定してしまったのだ。

 20歳から29年間、自分がやってもいない殺人の罪で囚われの身となる――。誰にとっても、「人生で絶対に起きてほしくないことナンバーワン」ではないだろうか。しかし、桜井さんのすごいところは、それでも決してくじけなかったことだ。31歳で無期懲役が確定した時はさすがに「これで俺の人生は終わった」と思ったものの、前向きな気持ちを取り戻す。「今日という日は社会にいても刑務所にいても、どこで過ごしても一日しかない。ならば刑務所へ行っても、一日一日を人生の一日限りの今日として大事に生きよう」と決めたのだ。

 そうして「今なすべきことを全力でなせ」という思いで生きてきた。それまで一度も真面目に働いたことがなかったという桜井さんは、「刑務所では真面目に働いてみよう」と決め、靴工場で誰にも負けない作業量をこなした。それ以外にも父に仕送りするため、自己労作と呼ばれる「内職」もする。

 しかし、理不尽に獄中に囚われる日々の中、時々、「頭が爆発してしまう」ほど「自由になりたい!」という思いが押し寄せることがあったという。そんな時、桜井さんは深呼吸して、「俺の上には空がある。広い空がある。自由な空がある」と心を鎮めたという。

 そんな獄中生活を支えたのが、桜井さんの無実を信じる弁護団と支援者たち。が、再審請求は何度も棄却されてしまう。

 事件から29年後、仮釈放となって「シャバ」に。獄中にいる間に、母も父も亡くなっていた。が、無実の自分を信じ、見返りを求めず支援してくれた人々を裏切らないよう誠実に生きていくことを決め、地元の工務店で働く。99年には支援者だった女性と結婚し、01年、54歳の時には第二次再審請求。05年、再審開始が決まり、事件から44年後の11年、64歳でやっと無罪が確定したのだ。

 桜井さんと初めて会ったのは、4年前。17年5月に日比谷公園で開催された集会でのことだった。この日集まったのは、桜井さんの他に、90年、栃木で起きた「足利事件」で女児殺しの犯人にでっち上げられて17年を獄中で過ごした菅家利和さん(2010年、再審で無罪が確定)。63年、女子高生が殺害された「狭山事件」で逮捕され、31年間も獄中生活を送った石川一雄さん(再審請求中)。そして66年、一家4人が殺害された「袴田事件」で犯人とされ、48年も獄中に囚われていた袴田巌さんの姉・秀子さん。

 この4人を合わせた獄中生活の期間、なんと125年!

 「冤罪オールスターズ」と呼びたくなる面々が集まり、いまだ無罪が確定していない石川一雄さんの無実を訴えたのだった。

 その時会った桜井さんの印象は、一言でいうと「メチャクチャ明るい人」。ハイテンションで常にみんなを笑わせるムードメーカー的存在。しかも歌が好きで、なぜかCDデビューまで果たしているということだった。

 そんな桜井さんが癌の告知を受けたことを最近、テレビ番組で知った。ステージ4の直腸癌で、何もしなければ余命一年だという。桜井さんはこれまでの人生を考えた時の心境を、本書で以下のように書いている。

 「20歳で冤罪となって29年間の獄中生活、社会に戻り結婚。詩集と自作のCD作成、善意の弁護団と支援者に支えられての再審無罪、ドラマチックな数々の出来事を思うと、『俺の人生は楽しかった、満足だった、有り難かった』と思えた。このまま死んでも充分笑って死ねると思ったのだ」

 桜井さんは満足していても、やっぱりもっと、生きてほしい。そして冤罪についてだけじゃなく、桜井さんの超絶ポジティブなメンタルの保ち方について、もっともっと、発信してほしい。もっと詩も作ってほしいし歌ってほしい。勝手ながら、そう思う。

 桜井さんは現在、74歳。この6月、桜井さんが国家賠償を求めた控訴審の判決が出る予定だ。

 まずは判決を見守りたいと思っている。そしてぜひ、多くの人に、本書を読み、桜井さんの言葉に触れてほしい。

 「一度限りの人生と今日。ならば明るく楽しく」

 囚われの身だった桜井さんの言葉には、コロナ禍を乗り切るためのヒントが詰まっている。

     (「冤罪オールスターズ」の皆さんと。左から、桜井さん、
       袴田秀子さん、菅家さん、石川一雄さん、私)


雨宮処凛
あまみや・かりん:作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。格差・貧困問題、脱原発運動にも取り組む。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。近著に『ロスジェネのすべて』(あけび書房)、『相模原事件裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』(太田出版)。「反貧困ネットワーク」世話人、「週刊金曜日」編集委員、フリーター全般労働組合組合員。
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●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政

2019年06月06日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html)と、
蜘手美鶴記者による【「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html)。

 《一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証を「違法」と認定》。
 《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決一九七三年で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した》

 《桜井昌司さんと杉山卓男さんは冤罪で29年間も獄中に》。《市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。市原裁判長は、これらの違法行為がなければ遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高いと指摘した》。
 検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…行政がデタラメ。桜井昌司さん《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と言います。そして、強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、弱者には厳格・冷酷な司法判断…司法の堕落。そんな中で、《判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む踏み込んだ判決に感謝している」と評価》しておれる。また、《弁護団からは「画期的だ」との声が上が》った。
 《自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》…他の冤罪事件にも波及することを望む。

 東京新聞の社説【布川事件に賠償 再審でも証拠開示を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019053102000176.html)によると、《再審無罪となった男性に対し、「国と県は賠償せよ」と東京地裁が命じた。一九六七年の布川事件(茨城)だ。検察に不利な証拠でも開示義務を指摘した点は大きい。再審でも同じルールが必要だ。母親が早く自白するように言っている」「被害者宅近くで目撃証言がある」-。取り調べでは事実と異なる供述の誘導があった。公判でも捜査官の偽証があった。検察官も証拠開示を拒否した。損害賠償を認めた根拠には、警察・検察側の不公正の数々が積み重なっている。何より判決が証拠開示の在り方について、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものは、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と述べた意義は大きい。検察が合理的な理由がなく証拠開示を拒否することは、できないはずである手持ち証拠は基本的にすべて法廷に出すという規範が働くことが期待される。万一、証拠隠しが発覚すれば、賠償義務が生じることになるからだ。問題は再審のケースである。刑事訴訟法には、再審での証拠開示についての明文規定がない。検察側は再審では積極的に応じようとしない傾向があるし、訴訟指揮権も裁判官の裁量次第である。…近年の再審無罪のケースは、検察側の証拠開示が決め手になっている場合が多い。松橋事件(熊本)、東京電力女性社員殺害事件(東京)、東住吉事件大阪)…。新証拠が確定判決をゆるがせ、無罪に導いている。もはや全面的な証拠開示が必要なときだ。裁判員裁判の時代でもある。冤罪(えんざい)をこれ以上、生んではいけない

   『●『冤罪File(2010年3月号)』読了
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
    「…など職業裁判官の怠慢の例は
     数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件西武雄さん
     飯塚事件久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
     しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さん
     志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」

   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了
   『●『検察に、殺される』読了
   『●布川事件の記録映画、・・・そして、・・・・・・・・・
    《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部 2011年5月24日》

   『●冤罪だらけ: 裁判官の目は節穴か?
   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
        冤罪15年間への償いはできるのか?
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
          高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却
   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
            『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
       刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、警察・検察に、
             司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 廃止か?」
               …話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
    《狭山事件…で逮捕され、31年も獄中生活を余儀なくされた石川和雄さん
     だけでなく、「冤罪オールスターズ」と呼びたくなる面々が集まっていた。
       67年、茨城で起きた「布川事件」の強盗殺人犯とされ、29年も刑務所に
     ブチ込まれた桜井晶司さん(2011年、無罪が確定)。66年、一家4人が
     殺害された「袴田事件」で犯人とされ、48年も獄中に囚われていた
     袴田巌さんの姉・秀子さん。そして90年、栃木で起きた「足利事件」で
     女児殺しの犯人にでっち上げられて17年を獄中で過ごした菅家利和さん
     (2010年、再審で無罪が確定)》

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
    《直後には東京地検特捜部でも捜査報告書の捏造事件が発覚し、
     加えて足利事件布川事件といった重要事件での冤罪が相次いで
     判明したため、検察に対するメディアや世論の批判はかつてないほど高まった》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000134.html

布川事件 国・県に賠償命令 「証拠開示拒否・警察偽証は違法」
2019年5月28日 朝刊

     (国家賠償を命じる判決を受け、記者会見する桜井昌司さん
      =27日午後、東京都千代田区で)

 一九六七年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)が国と県に計約一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は、検察官の証拠開示の拒否や公判での警察官の偽証「違法」と認定。国と県に対し連帯して約七千六百万円を支払うよう命じた。

 市原裁判長は、これらの違法行為がなければ遅くとも控訴審で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高いと指摘した。

 判決で市原裁判長は、県警の警察官が取り調べ段階で桜井さんに、母親が早く自白するように言っている被害者宅近くで桜井さんを見たという目撃者がいる-などと発言した内容は虚偽で欺くような取り調べ手法は違法と判断。ほかにも供述の誘導があり、「限度を超えた取り調べがあった」と非難した。警察官が取り調べを録音したテープの存在を隠し、公判で偽証したとも批判した。

 検察官の証拠開示の在り方については、「裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白なものについては、被告に有利か不利かを問わず法廷に出す義務がある」と指摘。その上で、控訴審段階で弁護側が、目撃者に関する捜査報告書や別の目撃証言を巡る参考人調書などの開示を求めたにもかかわらず、検察側が開示を拒絶したのは合理的理由はなく、違法だとした。

 桜井さんには既に、拘束された二十九年分の刑事補償として約一億三千万円が支払われたが、判決は控訴審判決時点から損害が発生していたと認定し、刑事補償額を差し引いた七千六百万円の支払いを命じた。

 判決後に記者会見した桜井さんは「警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む。踏み込んだ判決に感謝している」と評価した。


<水戸地検の横井朗次席検事のコメント> 判決内容を精査し上級庁などと協議した上で対応を検討したい。

<茨城県警の浅野芳徳監察室長のコメント> 判決内容を精査し今後の対応を検討する。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019052802000121.html

「ウソや証拠独占冤罪生む」布川事件損賠判決 逮捕から52年 桜井さん捜査批判
2019年5月28日 朝刊

     (支援者らを前に、勝訴を報告する桜井昌司さん
      (前列、左から2人目)=27日、東京都千代田区で)

 布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、桜井さんは捜査機関の在り方を批判した。 (蜘手美鶴

 「捜査官がウソを言い、検察官が証拠を独占するやり方が冤罪(えんざい)を生む。それが許されないのは当たり前。裁判所が踏み込んで認定してくれて感謝している

 判決後、弁護団と東京都内で記者会見した原告の桜井昌司さんは、逮捕から五十二年の「戦い」を振り返り、支援者の前でほっとした表情を見せた。捜査や公判の違法性が認められた点を挙げ、「検察官や警察官の個人責任を問う法律をつくるべきだ」と訴えた。

 桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ。


<布川事件> 1967年8月、茨城県利根町布川の大工玉村象天さん=当時(62)=が自宅で絞殺され、県警は別の窃盗容疑などで逮捕していた桜井昌司さんと杉山卓男さんを強盗殺人の疑いで再逮捕した。2人は公判で無罪を主張したが、水戸地裁土浦支部は70年に無期懲役判決を言い渡し、78年に最高裁が上告を棄却して確定した。2人の再審請求に同支部は2005年、再審開始を決定。11年5月に無罪判決が言い渡された。
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