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●(アサヒコム)【好書好日/長倉洋海さんの写真絵本「学校が大好きアクバルくん」インタビュー 生活感に満ちたアフガニスタンを知って】

2022年01月01日 00時00分20秒 | Weblog

(20211205[])
アサヒコムの記事【好書好日/長倉洋海さんの写真絵本「学校が大好きアクバルくん」インタビュー 生活感に満ちたアフガニスタンを知って】(https://book.asahi.com/article/14465934)。

 《世界の紛争地で、人々の暮らしや素顔を撮り続けてきた写真家・長倉洋海さん。『学校が大好きアクバルくん』(アリス館)は、アフガニスタンの山の学校に通う小学1年生の男の子が主人公の写真絵本です。本が完成した2021年夏以降、アフガニスタンではイスラム主義勢力タリバンが権力を握り混乱が続いています。長倉さんに本書とアフガニスタンへの思いを伺いました。(文:大和田佳世、写真:本人提供)》

 《80年よりアフリカ、中東、中南米、東南アジアなど世界の紛争地を訪れ、そこに生きる人々を見つめてきた》長倉洋海さん。《写真展マスード 敗れざる魂」》――― 《83年にアフマド・シャー・マスードの存在を知って、彼に会うために何度も通うようになりました》。長倉洋海さんの写真で知ったマスード氏。その頃、アフガニスタンのことなど何も理解できていなかったが氏の名前と顔だけは記憶に残っている。《アフガニスタンではイスラム主義勢力タリバンが権力を握り混乱が続いて》おり、マスード氏のお名前も時折出てくる。当時のマスード氏の思い描いていたアフガニスタンと今の姿はどれほど乖離しているのだろうか。

   『●長倉洋海さん《フォトジャーナリズムの世界に不信感……
              道を閉ざしてしまうことのないように念じている》
    「長倉洋海さん、《ただ、この事件によって、「フォトジャーナリストを
     目指したい、そのような仕事をしたい」と願っている人たちが
     フォトジャーナリズムの世界に不信感を持ったり、将来への不安を
     覚え、道を閉ざしてしまうことのないように念じている》」

   『●「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」
             …その責任を果たしつつある安田純平さん
    「長倉洋海さんは《現場で経験し、たくさんの出会いがあって、
     「伝える人」として鍛え上げられていく現場でこそ、
     ジャーナリストは磨かれ、育っていくはずだ》と言います。さらに、
     《世界は広く、深く、驚きに満ちている。自分の狭い先入観や
     思い込みではなく、驚きや偏見を打ち破るものを見つけ伝えてほしい。
     そんな写真や文章はさまざまな形で発表することができる。
     …私はペンとカメラさえあれば、人の心を打つことはできる
     と信じている》」

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https://book.asahi.com/article/14465934

2021.10.25
長倉洋海さんの写真絵本「学校が大好きアクバルくん」インタビュー 生活感に満ちたアフガニスタンを知って

 世界の紛争地で、人々の暮らしや素顔を撮り続けてきた写真家・長倉洋海さん。『学校が大好きアクバルくん』(アリス館)は、アフガニスタンの山の学校に通う小学1年生の男の子が主人公の写真絵本です。本が完成した2021年夏以降、アフガニスタンではイスラム主義勢力タリバンが権力を握り混乱が続いています。長倉さんに本書とアフガニスタンへの思いを伺いました。(文:大和田佳世、写真:本人提供)


お話を聞いた⼈

長倉洋海 (ながくら・ひろみ)
写真家
1952年北海道釧路市生まれ。80年よりアフリカ、中東、中南米、東南アジアなど世界の紛争地を訪れ、そこに生きる人々を見つめてきた。アフガニスタンは同年から取材を続けている。写真集に『マスード 愛しの大地アフガン』(第十二回土門拳賞/新装版・河出書房新社)、『人間が好き―アマゾン先住民からの伝言』(産経児童出版文化賞/福音館書店)、『ザビット一家、家を建てる』(講談社出版文化賞写真賞/偕成社)など。


■一目で心惹かれたアクバルくん

――アフガニスタンの小学生アクバルくんの登校から下校までを映した写真絵本『学校が大好きアクバルくん』。勉強したり友達と遊んだり、仲良く一緒に下校したり……。そんな平和な風景は、タリバンが武力で国の権力を握った後、以前のものとなりつつあります。撮影は2019年だそうですが、アクバルくんを撮ろうと思ったのはなぜですか?

 表情がすごく魅力的だったんです。僕は20年近く、毎年のようにアフガニスタンの山の学校を訪れていますが、2019年春に入学したばかりの1年生のクラスで、教室の後ろの席に座っている男の子にぱっと目が吸い寄せられました。それがアクバルくんでした。

 最初はちょっとわんぱくで、きかん気が強くたくましい印象でしたけど、よく見ていると意外とシャイで繊細なところもあるんですね。初めてカメラのファインダーで彼をとらえたときは3Dみたいに画面から飛び出してきたように感じましたよ(笑)。「あっ」と一目で心を惹かれ、気づいたらたくさん撮っていたという感じです。

     (『学校が大好きアクバルくん』(アリス館)より。算数の授業中、
      先生の話をじっと聞いて質問に答えようとする)

――たしかに生き生きした表情から目が離せなくなりますね。

 授業中もころころ表情が変わるんですよね。先生の問いかけに、手をあげようかと迷ったり、思っていた答えで合っていたのか「あーあ、手をあげればよかった」という顔をしたり。そういう気持ちって、僕自身も子どもの頃に覚えがあるからよくわかる(笑)。

 アクバルくんは鉛筆が大好きで、いつも大事そうに持って歩いているんです。鉛筆をにぎって文字を書くときの真剣さや、ときどき友達と教室で取っ組み合いのケンカになっちゃう姿も楽しそうで「いいなあ」と思いました。休み時間は元気よく外で遊びます。友達に自分のコルチャ(ビスケット)をパッと半分差し出す仕草もいいんですよ。優しいなと思います。


■美しい渓谷の村で

――山の学校はアフガニスタンのどのあたりにあるのですか?

 北東部のパンシール(パンジシール)渓谷という地域です。首都カブールから車で2時間半くらい。峻険なヒンズークシ山脈(5000~7000メートル級)に120キロに渡って深く切れ込んだ大峡谷で、山からの雪解け水が流れる川の周辺に点在する村落に、約10万人が暮らしています。

 小学校があるのはパンシール川の支流、ポーランデ川沿いのポーランデ地区。標高2780メートルにあり、上下10ほどの集落から150人以上の子どもたちが通ってきています。春にはあんずやアーモンドの花が咲く美しいところです。

     (『学校が大好きアクバルくん』(アリス館)より。
      標高2780メートル、ポーランデ川沿いにある山の学校)

――雪が残る山肌の間を縫うように、通学路に子どもが集まってくる様子がわかります。

 アクバルくんの家は、学校から山の上のほうへ1時間くらい登ったところですが、彼のように上から来る子も、下の集落から登ってくる子もいますよ。子どもたちはみんな朝5時頃から水汲みや家畜の世話など、家の仕事をして、たいてい1時間以上かけて登校してきます。登校時間になると、どんどん合流してきてにぎやかですよ。

――男の子も女の子も仲良く一緒に過ごしているんですね。

 山の学校は、アフガニスタンでは珍しく、男女共学なんです。平らな土地が狭い山間で、教室をいくつも作る余裕がなかったことも関係あるかもしれません。でも村人たちは「男女共学はみんなで決めた。私たちの民主主義だ」と胸を張っていました。


■マスードを通じて見つめてきたアフガン

――長倉さんはいつ頃からアフガニスタンに通っているのですか?

 写真家としてアフガニスタンを取材したのは、通信社を退社しフリーになった1980年からです。83年にアフマド・シャー・マスードの存在を知って、彼に会うために何度も通うようになりました。

 マスードは、79年から当時のソ連がアフガニスタン北部に侵攻したとき、ソ連軍と戦い、最終的に撤退に追い込んだ、ゲリラ戦の指導者です。マスードは僕の1歳下。年長者を重んじる伝統的な部族社会で、29歳のマスードが部族をまとめ上げていると知ったときは驚きました。

     (ひとりの人間として長倉さんを魅了しつづけたアフガニスタン北部の
      指導者マスード(左)と。1990年撮影

――アフガニスタンの英雄と呼ばれたマスード司令官と、長倉さんは同世代だったのですね。

 指導者としてカリスマ性を持ち、精力的に働き、読書が好きで思慮深い。彼の人間性に魅せられ、取材を続けてきました。マスードというひとりの人間をとおして、アフガニスタンという国がどうなっていくのかを見つめたかったのです。しかしマスードは“9.11”(2001年9月11日に起きた、アメリカ同時多発テロ事件)の2日前に自爆テロで亡くなりました。

 マスードの死後は喪失感でいっぱいでした。一周忌の追悼イベントが終わり、共に長い時間を過ごした彼の故郷、パンシール渓谷を訪れてみようと思って、行ってみると、僕のことを村の人たちは覚えていて「オマール!」(アフガニスタンでの長倉さんの通称)と声をかけてくれました。

 その地区の小学校の校長は、かつてのマスードの部下で、「先生の免状を持っているなら、故郷で教育に力を尽くしなさい」とマスードに諭され教育現場に戻ったサフダル校長でした。


■同じ川の水に育まれた故郷

――小学校の様子はいかがでしたか。

 学校といっても、村人たちが積み上げた石で囲われ、屋根があるだけ。土壁もないし、扉も窓もない。床は土のままで、冬は雪が吹き込み、ある日は登校したら家畜が教室の中に……という状態で。

 政府から先生へ支払われるはずの給与も遅れ、悩んでいたサフダル校長から、「子どもたちに勉学の機会を与えてもらえないか」と請われて支援を始めました。マスードの願いであったアフガニスタンの未来のために、子どもたちに教育をという遺思に寄り添いたかったのです。

     (山の学校の中学生たちと長倉さん)

 長引く戦争で、全生徒の3分の1にあたる子どもが父親か母親を亡くしていると知ったときは言葉がありませんでした。でも彼らの前向きなエネルギーに、心の隙間が埋められていくのを感じました。

 山の学校に通う子は皆、ヒンズークシの山並みをのぞむ集落で、同じ川の水を飲んで育った子たち。ペルシャ系のタジク族の子がほとんどの中で、モンゴル系のハザラ族の子がいたりするけれど、いじめを見たことがありませんそこには、生活感に満ちた故郷があります。「こんなところで勉強してみたい」と僕自身も思うくらい、居心地のいい場所です。

(『学校が大好きアクバルくん』(アリス館)より。まだ長い、
      使い始めたばかりの鉛筆を握って一心に文字を書く)


■山の学校のこれから

――山の学校は今後どうなっていくのでしょうか。

 今は戦時下で、パンシール渓谷にも無人爆撃機が飛んできて、先生も子どもたちも散り散りになり、この先どうなるかわかりません。僕ができることは、いつか子どもたちが学校に戻ったとき、支援ができるように準備をすることだと今は思っています。

 ただ、タリバン支配下ではイスラム教科が中心になって、地理、英語、絵や音楽といった芸術の授業はなくなってしまうでしょう。

 深刻なのは、女の子が上級学校に通うことも、外で働くこともできなくなることです。「父親や男兄弟が一緒でないと女性は外出してはいけない」とされた、一昔前のタリバン支配時代に逆戻りしています。主要な働き手である父をなくした家や、山の学校に通う優秀な女の子で「医者になりたい」「法律家になりたい」と夢を語っていた子たちがどうなるのか……女性がスマートフォンを持つことへの禁止令も出ました

 故マスードの息子、アフマド・マスードが国内に留まり、民主的な選挙や話し合いを呼びかけましたが、タリバン側は応じていません

 アフガニスタンはアーリア系のパシュトゥーン族が約40%で、タリバンを構成する多くもパシュトゥーンです。しかし元々パシュトゥーンだけでなく、25~30%を占めるタジク、ハザラやウズベクなどの民族が共生する多民族国家なのです。少数派や女性への人権侵害が続けば、人は国外に流出し、国として痩せていく一方ではないでしょうか

    (コロナのため2年ぶりのアフガニスタン訪問。2021年、3年生になった
     アクバルくんに絵本を手渡す長倉さん)


■写真絵本に小さな希望をのせて

――本には、女の先生が働く姿もありますね。いつか以前のような山の学校は戻ってくるのでしょうか。

 この20年、山の学校に子どもたちを送り出していたお母さんたちは、おそらく自分が学校に行けなかったから、子どもは行かせてあげたいという思いの人が多かったと思います。タリバン支配が長く続くとは思いたくない。でも、山の学校で学んだ子たちは大人になったとき、きっと、自分の子に山の学校のことを話すに違いありません。「男女共学で、女の先生に教わったよ」「日本人も来たんだよと言ってくれるんじゃないかな希望がつながっていくことを祈りたいと思います

――日本の子どもたちに伝えたいことはありますか。

 本を通して「アクバルくんが住んでいるアフガニスタンって、どんな国かな」「楽しそうだな」と感じてもらえたら。「この子、おもしろそう! 何をしてるの?」と興味を引かれれば、自然に、他国の子の存在感が、読んだ人の中に染み込むはず。グラフィックな写真が多くの人の感情を呼び起こし、アフガニスタンの現状への関心が広がることを願っています。
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●《安田純平さん…外務省にパスポート発給を拒否され、日本という柵の中に閉じ込められ…「自由はまだ奪われたままです」》

2019年10月28日 00時00分17秒 | Weblog


阿部岳さんによる、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]家畜の論理】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/484299)。

 《ジャーナリストの安田純平さん…は現在、外務省にパスポート発給を拒否され、日本という柵の中に閉じ込められている。「自由はまだ奪われたままです」。シリアの人々も日本の私たちも、もちろん家畜ではない。(阿部岳)》。

   『●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、
        使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」
   『●《「ひどい環境から解放されて良かったね」とねぎらわれ》ても、
                      帰国しても《ひどい環境》が待っている
   『●無事帰国した安田純平さんに、是非、現地の様子や
        拉致事件の全貌、生還できた教訓等々を聞いてみたい
   『●「紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論」…
               「政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国」
   『●自己責任論な人々…斎藤貴男さん「いざ自分の命が絶たれる時に、
                 己がどういう人間だったかを理解できる」
   『●「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」
            …その責任を果たしつつある安田純平さん

 《シリアで3年4カ月間拘束された》安田純平さん、2018年10月に無事に解放されてから約1年。相も変らぬ「自己責任論」な人々によるイチャモン・中傷。そして、いま、パスポート発給拒否という外務省・国による嫌がらせを受けている。《日本という柵の中に閉じ込められている。「自由はまだ奪われたままです」》。そんなに、外の世界やそこから見えるニッポンを報じられることに問題があるのか? 《自己も責任もない家畜へと貶めたいらしい、どこまでも《卑(ミーン)》なアベ様ら。

   『●《官邸の意に沿わない記者を排除…
     明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭める…》
   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●アベ様や最低の官房長官ら独裁政権が
       《国民に知らせないことの利益より不利益を考える》はずがない
   『●<金口木舌>《よほど国策ごり押しの現場を見せたく
       ないらしい。それこそ基地隠蔽》、辺野古破壊隠蔽

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/484299

[大弦小弦]家畜の論理
2019年10月14日 06:30

 シリアの人々はかつて、秘密警察の監視下で一見平和に暮らしていた。民主化運動が泥沼の内戦に拡大した後、ジャーナリストの安田純平さん(45)は昔の方が良かったのでは、と尋ねてこう返されたという。「飯が食えて安全だったけど、俺たちは家畜じゃない

▼シリアで3年4カ月間拘束された安田さんが無事解放され、もうすぐ1年になる。「拘束は自己責任。なのに助けてくれた政府を批判している」などと今も中傷がやまない

▼事実は違う。全ての証拠は政府が救出を放棄し、無策だったことを示している。当事者である安田さんはそのことを批判しないし、自己責任も否定していない

▼自己責任を突き詰めれば、戦地取材も自由ということになる。ところが、被害を受けるわけでもない人が迷惑だと止める俺も空気を読んでおとなしくしているお前も」と言うようなもので、まさに家畜の論理である。自己も責任もない

家畜同士が忠誠を競い、足を引っ張り合い、足元を掘り崩していくのはご主人様には好都合だ。放っておいても統制され、厳罰を受け入れるようになる

▼安田さんは現在、外務省にパスポート発給を拒否され、日本という柵の中に閉じ込められている。「自由はまだ奪われたままです」。シリアの人々も日本の私たちも、もちろん家畜ではない。(阿部岳
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●「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」…その責任を果たしつつある安田純平さん

2019年08月16日 00時00分23秒 | Weblog


本年2月の日刊ゲンダイのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/安田純平氏が独白「“無謀”に突っ込む人間が社会には必要」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247106)。

 《日本での会見では「自業自得」とも語り、またぞろ「自己責任論」バッシングも生じたものの、ほどなく鎮火。その後は雑誌で手記を発表し、今年1月にはメールマガジンを始めて希少な経験を語るなどジャーナリストとして事実を伝える活動をずぶとく続けている。帰国後の日本を見て、いま何を感じ、何をやろうとしているのか》。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
    「帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 
     自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録!
     民営化の果て、その現場とは?」
       ファルージャ 日本人人質拘束事件

   『●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、
        使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」
   『●《「ひどい環境から解放されて良かったね」とねぎらわれ》ても、
                      帰国しても《ひどい環境》が待っている
   『●無事帰国した安田純平さんに、是非、現地の様子や
        拉致事件の全貌、生還できた教訓等々を聞いてみたい
   『●「紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論」…
               「政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国」
    「『久田将義責任編集TABLO』…の青木理さんの記事
     【安田純平さん帰国について想うこと 「アメリカ政府がジャーナリズム
     原則論をコメントした意義」|青木理】…《安田純平さんが解放され、
     無事帰国した。なによりもそれを喜びたい。一部ではいまだに
     「自己責任論」などを振りかざし、安田さんに罵声を浴びせる連中も
     いるらしいが、世界でも珍しいほど馬鹿げた議論
     これ以上、私はつきあいたくもない》」

   『●自己責任論な人々…斎藤貴男さん「いざ自分の命が絶たれる時に、
                        己がどういう人間だったかを理解できる」
    《▼内戦下のシリアで武装勢力に3年4カ月も拘束され、生還した
     ジャーナリストの安田純平さん(44)が2日に開いた記者会見…
     ▼会見は「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」と
     2時間近く。…世界の実情を私たちに伝えようとして40カ月も
     虐げられた人を、さらに痛めつける社会は異常だ》。
    《堂々たる心情を聞いてなお小ざかしい自己責任論を振りかざし
     誹謗中傷を浴びせ続けている人々に言おう。いいかげんにしろ
     少しは恥というものを知れ

 「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」と語っていた安田純平さん。その責任を果たしつつあり、何が起こったのか、その貴重な体験や反省点が明らかになりつつある。
 《一般論ですが、“無謀”に突っ込んでいく人間がいるから波紋が生まれ、何かが浮かび上がってきます。…日本も“無謀”に突っ込んでいく人の存在を保障できる社会にならないと。もっと紛争地を取材するべきです。それが社会をより強くするのですから》。

 長倉洋海さんは《現場で経験し、たくさんの出会いがあって、「伝える人」として鍛え上げられていく現場でこそ、ジャーナリストは磨かれ、育っていくはずだ》と言います。さらに、《世界は広く、深く、驚きに満ちている。自分の狭い先入観や思い込みではなく、驚きや偏見を打ち破るものを見つけ伝えてほしい。そんな写真や文章はさまざまな形で発表することができる。…私はペンとカメラさえあれば、人の心を打つことはできると信じている》。
 パスポートが発給されないというイジメが続いている模様。

   『●長倉洋海さん《フォトジャーナリズムの世界に不信感……
              道を閉ざしてしまうことのないように念じている》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247106

注目の人 直撃インタビュー
安田純平氏が独白「“無謀”に突っ込む人間が社会には必要」
2019/02/12 06:00

     (ジャーナリストの安田純平平氏(C)日刊ゲンダイ)

 2015年6月にシリアで武装組織に拘束され、昨年10月23日、3年4カ月ぶりに解放された。日本での会見では「自業自得」とも語り、またぞろ「自己責任論」バッシングも生じたものの、ほどなく鎮火。その後は雑誌で手記を発表し、今年1月にはメールマガジンを始めて希少な経験を語るなどジャーナリストとして事実を伝える活動をずぶとく続けている。帰国後の日本を見て、いま何を感じ、何をやろうとしているのか。

 ――3年ぶりの日本で、帰国後どのように過ごされましたか。

 年末は妻の実家がある鹿児島に墓参りをして、正月は私の実家のある埼玉に行っていました。お世話になった方が何人か亡くなられていました。もっと早く帰れればと悔いています。早く帰れる可能性はなくはなかったので私のミスです。


 ――機内で取材を受ける様子がまず日本では報じられましたが、解放直後とは思えないくらい落ち着いていました。

 機内では入れ代わり立ち代わりでさまざまな人に取材されました。トルコで解放後、最初にお酒を飲んだのはその機内なんです。ワインのミニボトル1本とビール1缶だけだったのですが、おそろしく酔っぱらって。そのせいで冗舌だったのかもしれません(笑い)。


 ――「安田純平の死んでも書きたい話」という有料メルマガを1月から「まぐまぐ!」で配信されています。配信直後は購読増加ランキングで1位でした。

 まずは自分にできる仕事として、幽閉されているときにつけていた日記や時事的な話題などを書いていこうと思っています。


 ――カメラや取材ノートは武装勢力に没収されたそうですが、日記は大丈夫だったのですか。

 私を解放するということは拘束時の様子が話されることを意味しますから日記は大丈夫でした。彼らも見られて困るものは私に見せませんから。もちろん当時の日記はそのままではとても読める文章にはなっていないし、人前に出せない類いのメモもありますから、手を入れてメルマガに少しずつ出していきます。日記は書籍化する予定です。


 ――3年前と日本が変わったと思うことは。安倍政権が今も続いていると思いましたか。

 
「モリカケ」問題は帰国後に知りましたが、あれだけのことが明らかになっているのに首相が辞任に至らないのは驚きです。メディアは首相の地元もあまり取材してないようで不思議です。あとはテレビ番組がずいぶん変化した印象です。今回、私はワイドショー系にはほとんど出ていなくて、ニュース番組か報道番組の取材しか受けていないんです。以前もありましたけど、タレントのみなさんがニュースや時事モノについてもかなり自由に意見を言う番組が増えています。話はプロですから上手ですけど、事実関係を説明するべきものも省いてあちらのペースで進めてしまうから、今は出演しないほうがいいと周りから言われました。


 ――情報発信のハードルは下がっていますからね。

 ツイッターでは私がパスポートを偽造してシリアに入国したと本気で書いている人がいました。その人たちは愛国者のつもりで書いているのかもしれませんが、それでは日本政府や入国管理局を無能だと言っていることになるのに。ツールに罪があるわけではないので、こちらの発信をよくよく考えてうまく使っていかないといけないなと思いました。これは2015年とは全然違います。


フェイクニュースによって日本人が狙われる

 ――トランプ大統領が言い出した「フェイクニュース」という言葉も日常的に使われるようになりました。

 私がイスラム国から解放されたという間違ったフェイクニュースもクルド系メディアが流して、今も掲載されています。2004年にイラクでスパイ容疑で拘束された時も、当初は「人質」と報道され、その後は「拘束」とメディアが修正していったのですが、インターネット上では当時のフェイクニュースがそのまま残っています。私が人質にされたのは今回が初めてです。フェイクしか見ない人もいますし、フェイクに反論するだけでは対処しきれない。私が人質だったというフェイクニュースが残り続けることには問題があります。今回、私の解放に際して身代金が支払われたという真偽不明の情報が報じられましたが、身代金が支払われて日本人の人質が解放されたという情報が世界中に出回ると、日本人を誘拐すれば金になると思われてしまいます。


 ――紛争地に行くジャーナリストが狙われやすくなってしまう。

 ジャーナリストだけではありません。すべての日本人がターゲットになってしまいます。実際にシリアの武装勢力も日本のメディアをインターネットでチェックしていました。


■自己責任論者の思い込み

 ――今回も自己責任論が議論されましたが、以前と違って「危険な取材をするジャーナリストを批判するのはおかしい」と多くのジャーナリストやメディアが擁護に回った印象です。

 政府が自己責任論を言いませんでしたから。イラク人質事件のときは自衛隊のイラク撤退が人質解放の条件であり、政治問題でした。政府に助けてもらうのかと、自己責任論を掲げて批判してくる人は日本政府がなんでもできると思い込んでいるのでしょう。しかし、日本政府に本当に救出ができたのか。交渉はしていたのか。身代金を払うためには人質が生きていることを確認する生存証明を取る必要がありますが、拘束中、日本政府は一度も取っていません。紛争地に行く自由は、死んでしまうことも含めた自由です。政府がほとんど何もできない場所ですから、自分の身で責任を取るしかない究極の自由とも言えます


■もっと紛争地を取材するべきです

 ――お連れ合いに「いざという場合には一切放っておけ」と伝えていたとか。

 日本政府にしろ、トルコまで行ってくれたフリージャーナリストにしろ、いろいろな方が動いてくれましたが、こちらからは何もしないようにと以前から妻には言っていました。妻が記者会見を開けば、何を言っても言葉尻をとらえられてしまうでしょう。後藤健二さん(シリアで拘束されて殺害されたジャーナリスト)のときも、メディアは後藤さんの家族のマンションを連日取り囲んだ。捕まっている主体は本人なのに、それが広がってしまうんです。でも妻は本当によくがんばってくれました。次に海外に行くなら南の島にしてくれと言われていますが。


 ――3年4カ月の間、ほぼ独居で拘束されていたのに、よく拘禁症になりませんでしたね。

 何度も正気を失いそうになって壁を蹴りつけたり暴れたりもしました。ただ、中国から来ていたウイグル人の施設では私に気を使ってか、部屋の窓から見えるように馬とかアヒルとかを移動動物園のように広場に連れてきたりしていました。


 ――安田さんにとって、日本人が海外を直接取材をする意味は。

 一般論ですが、“無謀”に突っ込んでいく人間がいるから波紋が生まれ、何かが浮かび上がってきます。これは紛争地に限らない話だし、ジャーナリストに限る話でもありません。たとえば、かつてアフガニスタンを取材したとき、たまたまカブールの日本大使館の職員と話をしました。彼らからはアフガニスタンの道路について聞かれました。日本のODAで道路建設が必要かどうかを判断する情報が欲しいのですが、彼らは現場には行けないからです。日本が独自の道を進むには独自の情報は有益です。それを国が規制して、他国が集めた情報に頼っていればいいのでしょうか。


 ――今後の予定は。

 また紛争地に行きます、とは今は言えませんね(笑い)。ただ、スペインではシリアで解放されたジャーナリストが再びシリアやイラクに取材に行っています。フリーランスはどうしても大手メディアが入ることができない場所やテーマを取材するようになります。日本も“無謀”に突っ込んでいく人の存在を保障できる社会にならないと。もっと紛争地を取材するべきです。それが社会をより強くするのですから。

 (聞き手=平井康嗣/日刊ゲンダイ)


▽やすだ・じゅんぺい 1974年、埼玉県出身。地方紙を経てフリー。イラクやアフガニスタン、シリアを取材。イラクで料理人として働き、民間人が戦争を支える実態を「ルポ 戦場出稼ぎ労働者」(集英社新書)で執筆。 
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●大沼「少年」の《事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの》を撤去し…いま、政治的と言われ…

2018年12月31日 00時00分07秒 | Weblog


東京新聞の山田祐一郎記者の記事【大田区「政治的」一部除外求める 原発事故 復興写真展】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018101902000128.html)。

 《東京都大田区の施設で開催予定の写真展で、区側が主催者に、作品の一部が政治的だとして展示を除外するよう求めていたことがわかった。フォトジャーナリストの豊田直巳さん(62)が福島県内で撮った原発事故被害を描く写真展で、豊田さんはすべての作品の展示を求めている》。
 《豊田さんは「作品一点だけを取り上げて駄目だとする判断そのものが政治的で、表現の自由文化を破壊する行為だ」…作品に写っていたのは、小学生の時に標語を考えた茨城県古河市の大沼勇治さん(42)。作品が拒否されたことに「原発事故を風化させたくないと思っての行動その写真のどこが政治的なのか」と嘆いた》。

   『●内部被爆がもっと語られるべき
    《【福島原発】フォトジャーナリストが緊急現地報告
     投稿者: ourplanet 投稿日時: 土, 03/19/2011 - 11:45 …
     ビジュアルジャーナリスト協会のメンバーら6人が取材チームを結成し、
     東北・関東大震災直後の3月13日、福島第一原子力発電所のある
     福島県双葉町へ取材に入った。東京に戻ったばかりのメンバーに話を聞く》

   『●ある原発労働者のつぶやき
    《『10年後ガンだな』 …TBS系列「報道特集」で、地震発生2日後
     (3月13日)に入った福島県双葉町の映像が放送されます。
     …日本ビジュアル・ジャーナリスト協会会員(森住卓豊田直巳
     山本宗補野田雅也綿井健陽)と広河隆一・DAYSJAPAN編集長が
     取材しました》

   『●「安倍晋三首相の本音」
     『週刊金曜日』(2013年5月31日、945号)についてのつぶやき
    「豊田直巳さん【経産省前テント村で起きている新しい文化を守れ 
     土地明け渡し訴訟はスラップ訴訟だ】。原発スラップ
     (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d9269ad04e51c0851121ebcdf51bd983)の第2弾」

   『●広河隆一さん『DAYS JAPAN』の編集長公募
    「個人的には、綿井健陽さんか安田純平さん、長倉洋海さん、
     豊田直巳さん、森住卓さんが良いな。さて、どんな新編集長だろう、
     楽しみだ」

   『●自公議員や原子力「推進」「寄生」委員会委員らは
                    「闘うみんな」ではないようだ
    《東京電力福島第一原発の事故から間もなく三年。福島県飯舘村の
     村民を追ったドキュメンタリー映画「遺言 原発さえなければ」が、
     八日から東京都内で上映される。一般向けの公開は初めて。ともに
     報道写真家の豊田直巳さんと野田雅也さんが撮影、監督し、
     高濃度の放射能汚染で故郷を奪われた人々の絶望や苦悩、そして
     再起への歩みを記録した。村民の姿は「事故はまだ終わっていない
     と訴えかけてくる》

   『●核発電《ゼロへ》でなければならない…
      「心に刻まれたのは「あまりにも罪深い」という強い痛みだった」
    《豊田直巳さん…豊かだったふるさとを失った村人の苦悩、それでも
     ふるさとを愛し、懸命に生きる村人の希望である》。
    《東日本大震災から七年。原発事故の現場、時間が止まったままの
     帰還困難区域を取材して心に刻まれたのは「あまりにも罪深い
     という強い痛みだった》

 猫や犬の肉球さへも「政治的」と言われる日も近いね、きっと。
 大沼 「少年」の言う《事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの》を消し去っておきながら…、何が《政治的》か。アベ様や経産省、電力会社といった核発電「麻薬」中毒者達に、そこまで忖度して恥ずかしくないのか。故郷を追われた人々の哀しみや慟哭、叫び声は聞こえないのか?
 年末にあたり、今年も、東京電力核発電人災について、誰か一人でも責任を取ったのか? 原状回復して見せたか?


   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」
                  ・・・・・・いま、その〝少年〟は?

   『●消えゆく「事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの」
              ~「原子力 破滅 未来のエネルギー」~

   『●東京電力原発人災4年目のアベ様の酷い記者会見:
         情報公開、信頼関係、オンカロ、将来的、自立、除染

   『●原発PR看板撤去=「間違った過去と向き合わない行為」
                ・・・「人間の愚かさ」にさらなる恥の上塗り
   『●双葉町長「(原発PR看板)復興した時に 
      あらためて復元、展示したい」…それは『X年後』の何年後?
   『●「故郷の川に身を投げたい衝動に駆られた」
       「早く浪江に帰りたい」…「原状回復」することも無く…
    《全町避難が続く福島県双葉町で昨年末始まった「原子力広報塔」の
     撤去工事が4日、完了…原発PR標語の看板の一部を業者が細断。
     標語考案者の1人の大沼勇治さん(39)が「復元できない」と抗議し、
     工事は工法変更の検討などで中断していた》
    「双葉町で、《「原子力明るい未来のエネルギー
     「原子力正しい理解で豊かなくらし」と表裏に記された看板1枚の撤去を
     開始》していたわけですが、ついに撤去。「愚」の一言…双葉町長の言う
     《復興した時にあらためて復元、展示》は東電原発人災の何年後? 
     「麻薬」中毒患者にとって目の上のタンコブ、目障りな看板を取り去り
     はずせて、せいせいしているのでしょう。標語の作者である大沼勇治
     「少年」の言う《事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの》を
     この世から〝消し去った〟わけです。愚かです」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018101902000128.html

大田区「政治的」一部除外求める 原発事故 復興写真展
2018年10月19日 朝刊

     (展示作品から外すよう求められた作品=豊田直巳さん提供)

 東京都大田区の施設で開催予定の写真展で、区側が主催者に、作品の一部が政治的だとして展示を除外するよう求めていたことがわかった。フォトジャーナリストの豊田直巳さん(62)が福島県内で撮った原発事故被害を描く写真展で、豊田さんはすべての作品の展示を求めている。 (山田祐一郎

 問題となったのは、二十六日から区立男女平等推進センター「エセナおおた」で始まる豊田さんの写真展「叫びと囁き フクシマの七年間~尊厳の記録と記憶」。約四十点の展示を予定する。主催する市民団体「大田ネットワーク」によると、区は展示を許可する条件として、福島県双葉町の標語「原子力明るい未来のエネルギー」が書かれた看板の前で、防護服姿の二人が「撤去が復興?」などのパネルを持った作品を除くよう求めたという。

 施設を管理する区人権・男女平等推進課は、作品の展示を拒んだことを認め、「作品が若干、政治的だと感じた」と説明する。施設は利用条件で、展示できないものとして営利目的や政治活動、宗教活動を表現したものを定めているためという。

 豊田さんは「作品一点だけを取り上げて駄目だとする判断そのものが政治的で、表現の自由や文化を破壊する行為だ」と話し、区側の対応を批判。予定していた全作品の展示を求めてきた。本紙の取材に、同課の担当者は「今後直接、豊田さんの思いを確認した上で、すべての作品を展示できるようにしたい」との考えを明らかにした。

 作品に写っていたのは、小学生の時に標語を考えた茨城県古河市の大沼勇治さん(42)。作品が拒否されたことに「原発事故を風化させたくないと思っての行動その写真のどこが政治的なのか」と嘆いた。

 市民の表現の自由などに詳しい武蔵野美術大の志田陽子教授(憲法)は「公共の施設側が市民の表現に立ち入らずに場を提供するのが本当の意味での中立性。展示を認めるのは正しい判断だ」と話した。 
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●自己責任論な人々…斎藤貴男さん「いざ自分の命が絶たれる時に、己がどういう人間だったかを理解できる」

2018年11月14日 00時00分47秒 | Weblog


沖縄タイムスの磯野直記者によるコラム【[大弦小弦]長さ1.5メートル、幅1メートルの独房に押し込められ…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/340576)。
日刊ゲンダイの斎藤貴男さんによるコラム【二極化・格差社会の真相/安田さん解放 人命の為に使う税金ほど有意義なものはない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241088)。

 《▼内戦下のシリアで武装勢力に3年4カ月も拘束され、生還したジャーナリストの安田純平さん(44)が2日に開いた記者会見…▼会見は「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」と2時間近く。体験を詳細に語ることで、シリアの惨状に少しでも関心を寄せてほしいとの思いは痛いほど伝わった…世界の実情を私たちに伝えようとして40カ月も虐げられた人を、さらに痛めつける社会は異常だ》。
 《堂々たる心情を聞いてなお小ざかしい自己責任論を振りかざし、誹謗中傷を浴びせ続けている人々に言おう。いいかげんにしろ少しは恥というものを知れ》。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
    「帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 
     自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録!
     民営化の果て、その現場とは?」
       ファルージャ 日本人人質拘束事件

   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……
   『●安田純平さんの無事な解放を祈る… 
     「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?
   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?: 
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達… 
      安田純平さんの「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?
   『●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、
        使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」
   『●《「ひどい環境から解放されて良かったね」とねぎらわれ》ても、
                      帰国しても《ひどい環境》が待っている
   『●無事帰国した安田純平さんに、是非、現地の様子や
        拉致事件の全貌、生還できた教訓等々を聞いてみたい
   『●「紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論」…
               「政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国」
    「『久田将義責任編集TABLO』…の青木理さんの記事
     【安田純平さん帰国について想うこと 「アメリカ政府がジャーナリズム
     原則論をコメントした意義」|青木理】…《安田純平さんが解放され、
     無事帰国した。なによりもそれを喜びたい。一部ではいまだに
     「自己責任論」などを振りかざし、安田さんに罵声を浴びせる連中も
     いるらしいが、世界でも珍しいほど馬鹿げた議論
     これ以上、私はつきあいたくもない》」

 週刊朝日の記事【シリア人質、安田純平氏が語った紛争地取材と「自己責任」】(https://dot.asahi.com/wa/2018110600023.html)によると、《だが、世間が期待したのは、「自己責任論への総括」であり、「謝罪であったのは明らかだった。2004年、安田さんがイラクで人質になると、政治家や世間は「自己責任論」をぶちまけ、その後も批判が収まることはなかった》。
 マガジン9の【雨宮処凛がゆく! 第465回:貧すれば、ゼロトレランス〜14年前の「自己責任」論から振り返る〜の巻】(https://maga9.jp/181107/)によると、《この会見を受けても様々な意見があるが、拘束中のことを知れば知るほど「よく耐えられたものだ」という気持ちが湧いてくるのは私だけではないはずだ。しかし、安田さんがシリアへ足を踏み入れたことへのバッシングは一部でいまだ続いているようだ。そんなものを見ていて思い出したのは、2004年、イラクで高遠菜穂子さんら3人が人質になった際に起きた恐ろしいほどの「自己責任」バッシングだ。イラクにボランティアなどとして入った3人がとらわれ、武装勢力が日本政府に自衛隊撤退を要求したという事件である。安田さんも同時期、1度目の拘束をされており激しいバッシングに晒された。私はあの瞬間が、この国の大きな分岐点ではないかと思っている。ちなみにあの時のバッシングは、私にとってはまったく他人事ではなかった。なぜなら、私もその前年、イラク戦争が始まる1ヶ月前にイラクに行っていたからである。…誰だって、間違える時はある。そして誰だって、予期せぬトラブルに巻き込まれることがある。その時に「自分を責めないで」と優しく手が差し伸べられる社会と、「自己責任だ」と、再起不能なまでに叩きのめされる社会。一体、日本とタイで、何をどうしてどうやったらここまでの差がついてしまったのか。なぜ、タイの人は冷たく「自己責任」と突き放したりせずにいられるのか…最後に。安田さんの「自己責任」を問う報道は多くするのに、「世界で最悪の人道的危機」にあるシリアの状況についてまったく報じないメディアって一体なんなんだろう、という疑問を本気で考え始めると、これはこれで本当に怖くなってくる》。

 斎藤貴男さん《いいかげんにしろ。少しは恥というものを知れ》! 全く同感。
 磯野直記者《世界の実情を私たちに伝えようとして40カ月も虐げられた人を、さらに痛めつける社会は異常だ》、雨宮処凛さん《「自己責任だ」と、再起不能なまでに叩きのめされる社会》…ニッポン、一体どんな社会なのか…?
 斎藤貴男さん《ここまで書いてもわかってもらえない人は仕方がない。一生、必死に生きる他人をあざ笑い続けていくがいい。いざ自分の命が絶たれる時に、己がどういう人間だったかを理解できるだろう》。
 《人でなし》なアベ様らによって、社会的には《いざ自分の命が絶たれる時》が迫っているのに、この国の1/4の自公お維キト支持者の皆さんや2/4の選挙に行きもしない眠り猫な皆さんの呑気ブリときたら。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/340576

[大弦小弦]長さ1.5メートル、幅1メートルの独房に押し込められ
2018年11月6日 07:19

 長さ1・5メートル、幅1メートルの独房に押し込められ、立つことも体を伸ばすこともできない。鼻息の音でも拷問され、いつ処刑されるか分からない恐怖が続く。自分だったら耐えられるだろうか

▼内戦下のシリアで武装勢力に3年4カ月も拘束され、生還したジャーナリストの安田純平さん(44)が2日に開いた記者会見。拘禁生活の具体的な説明に、自分に身を置き換えて想像すると身震いした

▼会見は「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」と2時間近く。体験を詳細に語ることで、シリアの惨状に少しでも関心を寄せてほしいとの思いは痛いほど伝わった

▼それでも「自己責任」を振りかざすバッシングはやまない。冒頭で政府に謝罪したが、「反省が足りない」などと言う

▼思えば2004年、イラクで3邦人が人質なった際、自己責任論の口火を切ったのは小泉純一郎首相や閣僚だった。自衛隊を派遣した政府への批判をかわすためとの見方が強いが、人々の心のパンドラの箱を開けた。言ってもいいんだと

▼それから14年。今のところ、安倍政権の誰も自己責任を問うていない。なのに声高に叫ぶ者が後を絶たないのは、この言葉が社会に根付いてしまった証しか世界の実情を私たちに伝えようとして40カ月も虐げられた人を、さらに痛めつける社会は異常だ。(磯野直
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241088

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。


二極化・格差社会の真相
安田さん解放 人命の為に使う税金ほど有意義なものはない
2018/11/07 06:00

     (自国民の救出に全力を尽くすのが政府の仕事
      (会見する安田純平氏)/(C)日刊ゲンダイ)

 「解放に向けて尽力していただいた方々に、おわび申し上げますとともに、深く感謝申し上げます」

 ジャーナリストの安田純平さん(44)が2日、記者会見した。堂々たる心情を聞いてなお小ざかしい自己責任論を振りかざし、誹謗中傷を浴びせ続けている人々に言おう。

 いいかげんにしろ少しは恥というものを知れ

 私は安田さんと格別に親しい仲でもない。10年も前に何かの集まりで同席し、多少の会話を交わしたことがあるだけだ。

 とはいえ彼がシリアで拘束された時には当然、複雑な思いが錯綜した。本人も会見で「自業自得」だったと述べていたが、ああなる危険も覚悟の上で、彼は戦場に足を踏み入れたのである。

 だが“自己責任”の報いは、3年4カ月にも及んだ地獄の日々で、すでに十分すぎるほど受けているそれでも許されないと叫ぶ者は、「殺されればよかったのにと残念がっているのと同じだ

 こんなものは、もちろん右だの左だのの問題とは本質的に異なる。単なる人でなしの所業である。

 ジャーナリストは戦場に出かければよいというものではない。イラク戦争に特派されて米軍に取り込まれ、民家まで砲撃した連中を「私たちの部隊」と称えてみせるに至った大手紙やテレビの記者も珍しくなかった。

 安田さんは、そうなる可能性を排除した方法で、戦場に渡った。成果も必ず公にされよう。

 つまり本物だ。だから、たとえば4日付の毎日新聞に、英紙「タイムズ」や仏紙「ルモンド」、韓国紙「朝鮮日報」の東京支局長らが、彼に惜しみない敬意を払いつつ、「報道の使命、理解してと訴える談話を寄せてくれているのだ。

 私はジャーナリストを特別扱いしろと言いたいのではない。拘束された人間が誰であろうと、自国民の救出に全力を尽くすのが政府の仕事だ。税金? 日本政府が今回果たした役割はまだ不明だが、人命のため一定の金額を負担したとすれば、これほど有意義な税金の使い道がまたとあろうか

 安田叩きをもくろんだらしい「週刊文春」と「週刊新潮」(11月8日号)が、タイトルとは裏腹の温かい記事を載せていた。当たり前だ。取材して、にもかかわらず“自己責任”をわめき立てていられる記者や編集者なら、もはや人間失格である。

 ここまで書いてもわかってもらえない人は仕方がない。一生、必死に生きる他人をあざ笑い続けていくがいい。いざ自分の命が絶たれる時に、己がどういう人間だったかを理解できるだろう
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●「紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論」…「政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国」

2018年11月07日 00時00分27秒 | Weblog

[※ 青木理さん(『サンデーモーニング2018年10月28日)↑]



久田将義責任編集TABLO』(http://tablo.jp/)の青木理さんの記事【安田純平さん帰国について想うこと 「アメリカ政府がジャーナリズム原則論をコメントした意義」|青木理】(http://tablo.jp/serialization/aoki/news004062.html)。

 《安田純平さんが解放され、無事帰国した。なによりもそれを喜びたい。一部ではいまだに「自己責任論」などを振りかざし、安田さんに罵声を浴びせる連中もいるらしいが、世界でも珍しいほど馬鹿げた議論これ以上、私はつきあいたくもない》。

 まず、『BLOGOS』(https://blogos.com/)の4つの記事へのリンクを以下に:

   【【会見全文・前編】「あきらめたら試合終了」
         安田純平さんが明かす40ヶ月のシリア拘束
    (https://blogos.com/article/336156/

   【【会見全文・後編】「あきらめたら試合終了」
         安田純平さんが明かす40ヶ月のシリア拘束
    (https://blogos.com/article/336157/

   【安田純平さんが帰国後初会見
         「何が起こったのか可能な限り説明することが私の責任」
    (https://blogos.com/article/335972/

   【安田純平さん「自己責任といった批判があるのは当然のこと」
    (https://blogos.com/article/336046/


 《紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論》、それを《政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国》ニッポン。〝御上〟に逆らった者には、《「自己責任論」などを振りかざし…罵声を浴びせる連中…世界でも珍しいほど馬鹿げた議論》が沸き起こる国ニッポン。

   『●綿井健陽さんと鎌田慧さん
    「鎌田さんは……「もしも原発で事故が発生したときどうなるか
     と突然のように思いたった。いったん立ち入り禁止区域に
     指定されたなら、なかの様子はもう報道できなくなる
     それが『禁止区域』にはいろうと思った動機のひとつである。
     報道規制そのまま従っていてはなにも明らかにならない
     という想いがあった」……章の題は「大本営発表、バンザーイ」だ。
     「挙げ句の果てにわたしは、立ち入り禁止区域の『無許可報道
     とのことで、長崎県警から書類送検されるトバッチリを受けた。
     いまや勝手に取材するとお縄を頂戴する時代である(後略)」
     ……「様々なメディアが多種多様な報道を自由にできること
     は社会の根幹

   『●綿井健陽さん「「様々なメディアが
         多種多様な報道を自由にできること」は社会の根幹」
    「東京新聞の社説【旅券返納 渡航の自由どう考える】…。」
    「今回のパスポート没収問題について、最初に思ったのは
     「元朝日新聞記者の本多勝一さんのルポ『戦場の村
     (朝日文庫)」のこと。で、次に思い出したのは鎌田慧さんの
     雲仙普賢岳噴火の際の取材のこと。政府が規制すればそれで
     御仕舞い?、で良い訳は無く、
     「アベ様のNHK」的に「政府が白というものを黒とは言えない」で良い?
     とは思えません。「いまや勝手に取材するとお縄を頂戴する時代」。
     綿井健陽さん「「様々なメディアが多種多様な報道を自由にできること
     は社会の根幹」」

 メディアやジャーナリストは「沈黙」「目と耳をふさぐ」でいいのでしょうか? 市民は知らなくていいのでしょうか? 〝御上〟の言うとおりにしていれば大丈夫なの?




   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
    「帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 
     自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録!
     民営化の果て、その現場とは?」
       ファルージャ 日本人人質拘束事件

   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……
   『●安田純平さんの無事な解放を祈る… 
     「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?
   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?: 
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達… 
      安田純平さんの「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?
   『●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、
        使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」
   『●《「ひどい環境から解放されて良かったね」とねぎらわれ》ても、
                      帰国しても《ひどい環境》が待っている
   『●無事帰国した安田純平さんに、是非、現地の様子や
        拉致事件の全貌、生還できた教訓等々を聞いてみたい
    「『サンデーモーニング(2018年10月28日)』での青木理さんの御話。
     政府側の言い分(ケリー国務長官)ではあるが「メディアや
     ジャーナリストの危険性をゼロにすることは無理」であるが、一つ方法が
     あって、それは「沈黙」「目と耳をふさぐ」こと…でも、
     それは「降伏・放棄」である。
       「降伏・放棄」は、圧政者を利し、圧政や戦禍に苦しむ市民を
     見放すことになる。」

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http://tablo.jp/serialization/aoki/news004062.html

青木理逆張りの思想
安田純平さん帰国について想うこと 「アメリカ政府がジャーナリズム原則論をコメントした意義」|青木理
2018年11月05日 アメリカ政府 コメント ジャーナリズム原則論 安田純平 帰国 青木理

      (日本政府は身代金を払っていないという)

 安田純平さんが解放され、無事帰国した。なによりもそれを喜びたい。

 一部ではいまだに「自己責任論」などを振りかざし、安田さんに罵声を浴びせる連中もいるらしいが、世界でも珍しいほど馬鹿げた議論これ以上、私はつきあいたくもない

 ただ、紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論については、一般の理解があまりに不十分だと思われるので、私がすでに各所で紹介した話ではあるが、本サイト編集長の久田君の許可を得て、ここでも再掲しておきたい(なお、この話は紛争地に限らず、事件・事故や被災地での取材にも同じことがいえる)。

 さて、あらためて記すまでもないことだが、紛争地でジャーナリストやメディア関係者が殺害されたり、人質になったりする事件は日本以外にも各国で起きている。米国務省によれば、たとえば米国では2014年、実に60人ものジャーナリストやメディア関係者が紛争地で死亡したという。

 そこで翌年の2015年1月20日、米国務省はメディア関係者と会合を開いた。テーマは、紛争地取材におけるジャーナリストの安全について。その会合であいさつに立った当時のケリー国務長官は次のように述べている。

   「紛争地におけるジャーナリストの危険性を完全に取り除くことはできない。
    唯一の方法は沈黙することだが、それは降伏と呼ぶべきだ。
    世界は何が起こっているかを知る必要がある
    沈黙は圧政者や暴君に力を与える。専制政治を栄させてしまう」

 その上でこうも語っている。

   「ジャーナリストは可能な限り公的機関から独立していなければいけない。
    しかし政府にもできることがある、我々はそう信じている」
    (米国務省HPより訳出)

 なんでもかんでも米国がいい、などというつもりはない。米国こそが世界最大の"紛争生産国"ではないか、という皮肉を投げかけることだってできる。

 だが、この発言は、メディアやジャーナリズムの教科書があれば、その1ページ目に記してもおかしくないほどの原則論である。たとえ建前にせよ、政府高官がこうした原則論をきちんと口にできる国と、そうでない国との違いはあまりに大きい。政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国がどこか、これもあらためて指摘するまでもないだろう。(文◎青木理 連載『逆張りの思想』)
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●無事帰国した安田純平さんに、是非、現地の様子や拉致事件の全貌、生還できた教訓等々を聞いてみたい

2018年10月30日 00時00分05秒 | Weblog

[※ 青木理さん(『サンデーモーニング』 2018年10月28日)↑]



久田将義責任編集TABLO』(http://tablo.jp/)の二つの記事。
畠山理仁さんの記事【ジャーナリスト・安田純平さん帰国で炎上する『自己責任論』について私はこう考える|畠山理仁】(http://tablo.jp/case/international/news004023.html)。
久田将義責任編集の記事【戦場ジャーナリストには意義がある 安田純平さん帰国で『自己責任論』を拡散する人達へ|久田将義】(http://tablo.jp/case/international/news004025.html)。

 《だが、安田さんはあなたではない。「私だったら行かない」でいいだろう。「私だったら謝る」でいいだろう。「帰ってこなくていい」という冷たい言葉を放った人は、その先に何を見ていたのか。…安田さんは生きて帰ってきた。だから私は少し待ちたい。安田さんのジャーナリスト生命をここで終わらせてしまうことのほうが、社会にとって大きな損失ではないだろうか》。
 《今回の「事件」について、安田さんは記事か本か映像で発表するでしょう。それは僕らが分からなかった中東情勢を知らせてくれるでしょう。また過去の安田さんがシリアに行って撮影した映像も、彼が現地入りしたからこそ初めてわかるものでした》。

   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)
   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)
   『●「自己責任」を叫ばれた人の立場
   『●「自己責任」バッシングと
     映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』
   『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
                     伝えようとした人が現場にいたからです」


 安田純平さんに自己責任論を投げつけ、「沈黙」させれば気が済むのですか? 
 『サンデーモーニング(2018年10月28日)』での青木理さんの御話。政府側の言い分(ケリー国務長官)ではあるが「メディアやジャーナリストの危険性をゼロにすることは無理」であるが、一つ方法があって、それは「沈黙」「目と耳をふさぐ」こと…でも、それは「降伏・放棄」である。
 「降伏・放棄」は、圧政者を利し、圧政や戦禍に苦しむ市民を見放すことになる。



 かつて同番組で、青木理さんは以下の様にも述べておられました。

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■(サンデーモーニング、2016年3月20日)青木理さん: 「自己責任や、「公共の迷惑」か? 安田さんのような活動が無いと、戦場で何が起きているのか知りようがない。紛争は究極の人権侵害が起こる場所。そこで何が起きているのか、女性や子供といった弱者がどうなっているのか、我々は何も知り得なくなる。こういうジャーナリストの活動が知る権利、「公共の利益」を代表している」
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 無事帰国した安田純平さんに、是非、現地の様子や拉致事件の全貌、生還できた教訓等々を聞いてみたい。《戦場で何が起きているのか…そこで何が起きているのか、女性や子供といった弱者がどうなっているのか》、安田純平さんから聞いてみたい。
 ジャーナリストである《安田さんが背負っている責任》は、畠山理仁さんが言うように、《この40か月の体験を、いずれ社会に還元してくれるだろう。それに対する評価を受けること》。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
    「帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 
     自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録!
     民営化の果て、その現場とは?」
       ファルージャ 日本人人質拘束事件

   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……
   『●安田純平さんの無事な解放を祈る… 
     「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?
   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?: 
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達… 
      安田純平さんの「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?
   『●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、
        使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」
   『●《「ひどい環境から解放されて良かったね」とねぎらわれ》ても、
                      帰国しても《ひどい環境》が待っている

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http://tablo.jp/case/international/news004023.html

ジャーナリスト・安田純平さん帰国で炎上する『自己責任論』について私はこう考える
畠山理仁
2018年10月27日 ジャーナリスト 安田純平 帰国 炎上 畠山理仁 自己責任論

 

 シリアで拘束されていた安田純平さんが解放され、約40カ月ぶりに帰国した。筆者は安田さんと面識はあるが、友人関係ではない。しかし、共通の知人である記者仲間が安田さんの解放を願って動いたり、あえて動かなかったりしたことを知っている。

 記者たちは安田さんのための行動を自己責任でやってきた。そんな人たちの心労が減ったことは喜ばしい。また、私自身も安田さんの帰国を喜んでいる失われてもいい命などこの世には一つもない。それは皆さんの命もまったく同じことである。

 しかし、安田さん帰国の第一報が流れると、日本では『自己責任論』を盾にしたバッシングが始まった。私にはバッシングする人たちが何を求めているのかがわからなかった。

   「危険地帯に勝手に行って捕まった」

 そう憤る人もいた。しかし、そこが危険地帯であるとどうやって知りえたのだろうか。誰かが「現地で何が起きているか」を取材し、伝えているからではないか。

   「行くべきではなかった」「謝るべき」

 そんな意見も目にした。だが、安田さんはあなたではない。「私だったら行かない」でいいだろう。「私だったら謝る」でいいだろう。「帰ってこなくていい」という冷たい言葉を放った人は、その先に何を見ていたのか

 安田さんは目的を持ち、自らリスクを負ってシリアに行った。それ以上でもそれ以下でもない。私たちの「目」や「耳」の役割を果たすであろうジャーナリスト、「現地に行くなと言う理由がわからない。多様な情報があるからこそ、机上の「論」も成り立つ。わざわざ情報を遮断して世界を歩こうとするのは、とても危険なことではないだろうか。

 事実として、安田さんは日本の外務省が退避勧告を出しているシリアに入った。しかし、そのことをもって、日本国が「国としての責任」を免れるわけではない。

 普段から政治家は「国民の生命と財産を守るのが仕事だ」と胸を張る。政治家は特別職の公務員であり「全体の奉仕者」だ。国民を選別していいはずがない。もちろん、あなた自身も守られるべき存在である。

 たしかに安田さんは、政府にとって厄介な事案を引き起こしたかもしれない。しかし、多様な人たちの集合体が国である。多様性を認められない国は、民主国家とは呼ばれない

 紛争地を取材するジャーナリストは、リスクを負った結果、不幸にして命を落としてしまうこともある。「死」は大変に重い情報だ。しかし、生きて帰れば、より多くの情報を社会に伝えられる。当然ながら、本人にとっても社会にとっても「生還が最善だ

 だから私には、生還を喜ばない人たちが何に重きを置いているのかがわからない。もし、他人にを要求するような社会であるならば今の日本はとても病んでいると思う。

 安田さんはジャーナリストだ。この40か月の体験を、いずれ社会に還元してくれるだろうそれに対する評価を受けることが安田さんが背負っている責任だと私は思う。

 安田さんは生きて帰ってきた。だから私は少し待ちたい。安田さんのジャーナリスト生命をここで終わらせてしまうことのほうが社会にとって大きな損失ではないだろうか。(文◎畠山理仁 [第十五回開高健賞受賞作家])
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http://tablo.jp/case/international/news004025.html

戦場ジャーナリストには意義がある 安田純平さん帰国で『自己責任論』を拡散する人達へ久田将義  
2018年10月28日 久田将義 安田純平 帰国 戦場ジャーナリスト 拡散する人達 自己責任論

 ジャーナリスト安田純平さん帰国の報に対して、ネットを中心に余りにも勘違いしている人がいます。「自己責任だからしょうがない」論。そこから「自己責任だから死んでも仕方ないまで発展する人もいます。大丈夫ですか? 何かがおかしい、とご自分では省みないのですか?

 まず、同じ日本人として、日本人が無事に帰ってきたことに「お疲れ様」と言うのがです。というより、日本人でなくても人が生死の境目から帰還したら同じような気持ちを抱くのが真っ当な心根ではないでしょうか。

 安田純平さんは戦場ジャーナリストです。つまり、一般の人が行けない戦地に行って現場をリポートするのが目的であり「職業」です。

 この仕事の日本における泰斗として明治時代、西南戦争に従軍したジャーナリスト福地桜痴(源一郎)がいます。文字通り、戦場ジャーナリストの先駆けです。彼の記事のおかげで現在も西南戦争のリアルが伝わってきます。「翔ぶが如く」(司馬遼太郎著)などの作品も彼の取材がなければ成立しなかったかも知れません。彼も一歩間違えれば「戦死」の可能性がありました。また、日露戦争に従軍して「乃木大将と日本人」をアメリカ人記者スタンレー・ウォッシュバーンが著しました。

 福地から始まった(とされる)日本での戦場ジャーナリズム。戦場に赴き、最小限の安全を確保しつつ、現場戦地をリポートする事は、意義があるのです。危険地帯を危険と報道すれば政府は国民に対してその国へ渡航する事に注意を則します。つまり、公益性がある仕事なのです。

 戦場カメラマン沢田教一さんはピューリッツア賞を取りましたが、現地で亡くなりました。安田純平さんは亡くなれば偉かったのでしょうか。日本人が、いや、人が亡くなってよくやったねとほめる事人間のあるべき姿として、生き方として間違っています

 安田さんに対する批判で、少し理解できるのが「安田さん英雄論批判」です。これは安田さんのせいではありません。僕も、「誰が安田さんを英雄とか言っているのか」と驚きましたが恐らく、テレビ朝日の玉川徹さんの言葉が拡散されているかと思われます。これには玉川さんに苦言を呈しておきたいです。英雄は言い過ぎだろう、と。こういった風潮に対して、過剰に反応するムキがあるのかと思います。

 が、それが「自己責任論」へと結びつくのは余りにも愚かです。

 安田さんのツイートも見ました。現政府に対して、反旗を翻す内容でした。その文章表現は僕は、品がないものもあったと思いましたしたが、僕も品のないツイートをしています。

 しかし、この国では言論の自由、表現の自由が認められています。基本、何を言っても良いのです(これについては何度も言ったり書いたりしています)。けれども、「政府に助けてもらうのはおかしい」という論こそ、全くおかしいものです。憲法に基づき、政府は政府の役割を果たすのみです。すなわち日本国民の安全を保障する、です。

 今回の「事件」について、安田さんは記事か本か映像で発表するでしょう。それは僕らが分からなかった中東情勢を知らせてくれるでしょう。また過去の安田さんがシリアに行って撮影した映像も彼が現地入りしたからこそ初めてわかるものでした。

 少女が銃声に耳をふさぐ様子。幼き子供が亡くなってしまった事。こんな悲劇が世界で起きている事を安田さんは伝えてくれました。これは日本人にとって非常に貴重な情報です。

 安田氏の帰国に関して、ずっと言われているのが自己責任論です。すなわち、自分の事は自分で責任を取ると言う事ですが、一見、勇ましく聞こえます。勇ましい事を言う人ほど、僕は疑心を持ちます。例えば本当の愛国者は愛国とかわざわざ口に出して言わないものです

 主にネトウヨと言われる人たちが批判していると思われますが、ネトウヨと保守は違います。ネトウヨと右翼民族派は違います。同じと言ったら右翼は怒るでしょう。これも記事に書いています。


   【新大久保】「もう商売にならない...」民族派や任侠団体が
   嫌韓デモに悩まされる地元住民の駆け込み寺に?


 ネトウヨも左翼も同じ日本人ではないですか。日本を良くしよう、子供たちが笑顔で育って欲しい、貧しい人たちが一人でもいなくなって欲しい、自殺者が一人でも減って欲しい、弱者の立ち場にたった政治を行って欲しい立場は違えど、そう考えていると僕は信じたいものです。

     (2011年夏頃の小高地区(筆者撮影))

 現場に行くという意味では、福島第一原発事故取材だって、同様です。僕はまだ大熊町や小高が放射線量が高く、立ち入り禁止になっている時期に地元の人間と入りましたが、これも自己責任です、当然。そんな事は分かっているのです。安田さんも当然理解しています。「で? それからどういう議論が生まれるの?」という事です。

 戦場ジャーナリズムは戦争が起きているかぎり、必要なのです。行きたくない、けれど行かなくてはならない。そういう思いで取材に出かけています。そして、思想がどうであれ、人柄がどうであれ彼らの仕事には意義がある事なのです。歴史に残る事なのです。

 福地桜痴のした仕事のように。

 自己責任論でそういったジャーナリズム活動を委縮されるのは先進国として世界の尊敬を集めている国がするべき態度ではありません。「さすが日本だ」。そういう評価を得るべく恥ずかしくない言動を取りたいものです。(文◎久田将義
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●《「ひどい環境から解放されて良かったね」とねぎらわれ》ても、帰国しても《ひどい環境》が待っている

2018年10月27日 00時00分10秒 | Weblog


リテラの記事【安田純平さんに高須克弥らネトウヨたちがまた自己責任論バッシング! 人質バッシングのルーツは安倍首相】(https://lite-ra.com/2018/10/post-4334.html)。

 《今回の解放・帰国の知らせは喜ばしい限りだ。だが、その一方で、懸念されていたことが現実化してしまった。またも「自己責任論」がここぞとばかりに吹き出しているからだ》。

   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)
   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)
   『●「自己責任」を叫ばれた人の立場

   『●「自己責任」バッシングと
     映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』
   『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
                     伝えようとした人が現場にいたからです」

     《イラクでは2004年4月にボランティア活動家の高遠菜穂子さんら
      3人と、取材中だったフリージャーナリストの安田純平さんら2人が
      相次いで誘拐された事件が起きている。高遠さんらを誘拐した
      犯人グループは自衛隊のイラクからの撤退を要求した。政府は
      応じなかったが、5人とも4月中に解放された》
     《2012年、シリアで内戦を取材中に銃撃戦に巻き込まれて
      亡くなったジャーナリストの山本美香さん(当時45)のパートナー。
      後藤さんと面識はないが、撮影した映像を見たことがある。
      紛争の最前線から一歩引いたところで、市民、特に子どもたちが
      置かれた状況を淡々と取材する姿勢が伝わってきた。
      「強い意志を持って、何かを伝えようという気概に敬服する」》
     《独立系通信社ジャパンプレスの代表を務め、山本さんを失った後も
      アフガニスタンなどの取材を続けている。「なんであんな危険な場所に
      行くのか」と問われる。今回の事件でもインターネット上などでは
      自己責任論が飛び交う。「ではなぜ読者や視聴者はシリアが
      危険だと知っているのか。伝えようとした人が現場にいたからです」》
     《危険な思いをしても戦地に行くのはなぜか。原点はアフガニスタンでの
      体験だという。「血も涙もない集団」と報じられていた反政府勢力
      タリバーンだったが、支配下の街は平穏だった。「イスラム国」でも、
      宗教指導者は温厚な人柄で「空腹ではないか」などと気遣ってくれた。
      「ネットで得た情報ではなく、
      自分で話をして、身を置かないとわからない」という》

 前回に引き続き、『綿井健陽逆視逆考PRESS』(https://watai.blog.so-net.ne.jp/)より二つのつぶやき:

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
https://watai.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26
https://twitter.com/wataitakeharu/status/1055320910519918592

WATAI Takeharu 綿井健陽
@wataitakeharu

安田純平さんの拘束当時の映像が初めて出たのが2016年3月でした。当時これからどうなるだろうか、解放されるために何をすべきだろうか、そして解放された時のことを思って書いた原稿です(写真参照/2016年3月・共同通信から全国の加盟紙に配信)。しばし休んで、また取材現場に戻ってきてほしい。
13:51 - 2018年10月25日
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
https://watai.blog.so-net.ne.jp/2018-10-26
https://twitter.com/wataitakeharu/status/1055329109444718593

WATAI Takeharu 綿井健陽
@wataitakeharu

安田純平さんの解放直後の言葉で印象的なのは、シリアでの拘束期間を「3年半」ではなく、「40カ月」と表現したこと。気の遠くなるような日々を、一日一日、一カ月一カ月、解放される日を待ち望みながら過ごして数えた「40カ月」ではなかったか…。いつか直接聞いてみたい
14:24 - 2018年10月25日
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 日刊スポーツの記事【ダルビッシュ「旅行じゃない」自己責任論に反論】(https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201810260000264.html)によると、《カブスのダルビッシュ有投手(32)が、シリアの過激派組織による拘束から解放されたジャーナリスト安田純平さんに対する「自己責任論」に反論した…「人間が助かったわけでそれに安堵するのって変でしょうか? 後悔とか反省って自分でするもので、他人が強要するものではないと思うんですよね」と反論…「…でも行くってことは誰かがいかないと歴史は繰り返されると理解しているからではないでしょうか?」と私見を述べた》。

 日刊ゲンダイの記事【安田純平さん解放 安倍政権は手柄どころか寝耳に水だった】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240368)によると、《安倍首相は「世界各国の指導者、友人たち、協力いただいたすべての関係者に、日本国民を代表して感謝申し上げたい」と官邸主導をアピール。菅官房長官も「官邸を司令塔とする『国際テロ情報収集ユニット』を中心にトルコやカタールなど関係国に働きかけた結果だ」と自画自賛したが、どうもマユツバなのだ。現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏はこう言う。「2015年1月にシリアでIS(イスラム国)に殺害されたジャーナリストの後藤健二さんのケースでは、安倍政権はよりによってISと敵対するヨルダン政府に交渉を託した。それが事態をこじれさせた印象はぬぐえません。今回は安田さんを拘束したとみられる旧ヌスラ戦線を支援するカタールとトルコに仲介役を託したのが奏功したと言われていますが、これまでの経緯や現地情勢を考えれば当然の判断です」》…《安田氏と交流のあるジャーナリストの志葉玲氏も言う。「安田さんの消息は15年6月に途絶えましたが、最初の動画が公開された16年3月までに解放された可能性があった。安田さんの安否を案じた民間の支援者がトルコ入りし、過激派組織に近いトルコやシリアの関係者の協力を得ながら情報をかき集め、外務省にたびたび報告していたのです。その過程でトルコのエルドアン大統領に近い組織が安田さんを拘束した組織に影響力を持つことが分かり、外務省にトルコ系組織を通じた解放交渉を提案したのですが、働きかけた形跡はない。外務省が全く動かなかったとは思いませんが、支援者の情報を吸い上げるばかりで、安倍政権の本気度は正直言って疑わしいものでした」》。

 前日ブログ同様、まずは、(政界地獄耳)《自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい》に全く同感。

 そして改めて、またしても今回…「自己責任論」。安田純平さんは、折角、「地獄」のような「40カ月」から解放されて、無事帰国しても、つぎは、言葉の「暴力」「嫌がらせ」が待っているニッポン。一体どんな国なのだろうか。《ひどい環境から解放されて良かったねとねぎらわれ》ても、国内での《ひどい環境》が待っている。
 《フリーのジャーナリストは命を懸けてやっている》…《国内の大手メディアが報じない戦場やテロリスト組織の実態をあきらかにするために、つまり国民の知る権利を守るために身体を張ってシリアへ渡った》というのに、褒められ、称賛されこそすれ、悪罵を投げつけられる理由がどこに在るのか。

 【ジャーナリスト安田純平さん帰国 「虐待状況だった」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018102501001371.html)によると、《「拘束後は虐待としか言いようがない状況だった。暴力を受けた」「可能な限り何があったか説明したい」と話した。安田さんは「武装勢力の機嫌が悪いと、缶詰を出しても缶切りは渡されなかった」とも述べた》。
 また、同紙の記事【安田さん帰国 衣食住、自由なく】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018102602000128.html)によると、《「暴力や嫌がらせを受け、拘束中は虐待としか言いようがない状況だった」。…「生活を取り巻く全ての環境が、拘束した彼ら次第でひどくなった」と安田さん。「機嫌が良いとチキンのグリルやラムのサンドイッチを渡されたが、半年以上も水浴びをさせてもらえなかったり、缶詰をもらっても缶切りをもらえなかったりした」と打ち明けた。同乗した外国人の男性から、日本語でひどい環境から解放されて良かったねとねぎらわれると、笑顔で「サンキュー」と答えていた。…「殺されるかもしれない」と感じた「独房」の日々を振り返った。「地獄だった」「今日も帰されないと考えるだけで日々、だんだんと自分をコントロールできなくなってくる」。前かがみの姿勢で、「監禁されている独房の中にいるという状況が当たり前の生活のように感じ始め、非常につらかった」と言葉を選びながら語った。拘束中は「足を伸ばして寝てはいけない。範囲が一・五メートルだけ。それが二十四時間」という状態が八カ月ほど続いたこともあったという》。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
    「帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 
     自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録!
     民営化の果て、その現場とは?」
       ファルージャ 日本人人質拘束事件

   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……
   『●安田純平さんの無事な解放を祈る… 
     「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?
    「過去に「拘束」された経験があるから何だというのでしょうか? 
     優れたジャーナリストが細心の注意を払っても、拉致される現地の
     酷い状況、その証左だ。松沢呉一さんに言わせれば、「こういう人たちに
     「自業自得」なんて言葉を投げつけるのなら、命がけでビデオを回し、
     写真を撮り、記事を書いている人たちに失礼だから、二度とニュースや
     雑誌を見なさんな」だ」

   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?: 
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達… 
      安田純平さんの「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?
    《だが、日本はどうだろう。既報の通り、04年の人質事件で自己責任論
     ふりかざした急先鋒は当時の自民党幹事長、安倍晋三氏である》
    「非情な「自己責任」論者アベ様、そしてその取り巻き達、支持者達
     《自分もまた人質の見殺しに加担していること》に気付けない、
     あまりの非情さ。《冷酷な社会》《残酷な国》。本当に自己責任であり、
     「公共の迷惑」なのか? 青木理さんは「「知る権利」を保障し、
     「公共の利益」である」と仰っている。どちらが常識なの? 
     「日本の“お上”意識」はマトモなの?」

   『●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、
        使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」

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https://lite-ra.com/2018/10/post-4334.html

安田純平さんに高須克弥らネトウヨたちがまた自己責任論バッシング! 人質バッシングのルーツは安倍首相
2018.10.25

     (安田氏の著書『囚われのイラク』)

 2015年6月にシリアで行方不明となり、イスラム過激派組織「シャーム解放委員会」(旧ヌスラ戦線)に拘束されていたとみられるジャーナリストの安田純平氏が解放され、本日、成田空港に到着した。

 今年7月には、黒づくめの人物から銃を突きつけられた状態で「いますぐ助けてください」と安田氏がオレンジ色の囚人服姿で訴える動画が公開されるなど一刻も早い救出が待たれていたが、今回の解放・帰国の知らせは喜ばしい限りだ。

 だが、その一方で、懸念されていたことが現実化してしまった。またも「自己責任論」がここぞとばかりに吹き出しているからだ。

 たとえば、高須クリニックの高須克弥院長は、24日にこう投稿した。

   〈この人には敬意ははらえません。兵士ではない。
    兵士ならば敵に媚びる捕虜だ。
    出でくるときは定番の作法を守ってほしい。
    まず『恥ずかしながら・・・』と謝りなさい〉(原文ママ)

 さらに、ネット上では、安田氏の解放に安堵したり祝福するのではなく、安田氏に怒りを露わにしたり、糾弾するようなコメントが殺到。

   〈ムカムカする。実に腹立たしい。この三年半、掛かった費用を公開してほしい〉
   〈あなたを助けるためにかかった諸々の費用はすべて負担してくださいね〉
   〈無精ヒゲ剃らずに捕虜生活大変でしたアピールか? 帰国しなくて結構ですけど?〉
   〈行くなと言われている場所に自己責任で行った結果でしょ?〉
   〈次に誘拐されに行くのは何カ月後ですか?〉

 Twitterやまとめサイトのコメント欄などに溢れる〈どの面下げて帰ってくるつもりか〉〈国に迷惑をかけるな〉という非難の声……。なかでも、Yahoo!ニュースのコメント欄はほとんどが自己責任論で埋まるという異常な事態となっている。

 しかも、今年7月に公開された動画のなかで、黒ずくめの人物に銃を突きつけられた安田氏が「私はウマルです。韓国人です」と語っていたことから、〈韓国籍のウマルだっけか? やっぱチョンだから助けたってわけ?〉〈日本に帰ってくるなよ、韓国に行くか自害しろやwww〉などという卑劣なコメントも数多く投稿されている。帰国の途についた安田氏がメディアの取材に対して語ったことによると、犯行グループから「自分の本名や日本人であることは言うな」「韓国人だと言え」と要求されていたためだったというが、ネット上では安田氏解放のニュースに託けたヘイトコメントが垂れ流されている状態だ。

 そもそも、安田氏が拘束されている最中から、ネット上では安田氏の自己責任だとがなり立てる声が多く寄せられていた。とくに、安田氏が拘束前の2015年4月にツイートした〈戦場に勝手に行ったのだから自己責任、と言うからにはパスポート没収とか家族や職場に嫌がらせしたりとかで行かせないようにする日本政府を「自己責任なのだから口や手を出すな」と徹底批判しないといかん〉という投稿をあげ、「本人が口も手も出すなって言ってたんだから自己責任でしょ」とあげつらう者が続出しているのだ。

 一体、どこをどう読んだら、そんな話になるのか。この安田氏の投稿は、“ジャーナリストに自己責任を押し付ける政府にはジャーナリストに足枷をはめる権利はない政府による報道規制を非難しているのであって、政府が安田氏を助けなくていい理由になどまったくならない。しかしこの国では、あたかも「国の命令に逆らう者を救出する必要などないと考える人が恐ろしく多いのである。

 当たり前すぎる話だが、自国民の生命保護は、ほかでもない国家の責務だ。それがたとえ犯罪者であったとしても、政府は法の範囲内において人命を救うために最大限の努力をする義務があり、国民はそれを国家に要求する権利がある。むしろ、「危険地帯に勝手に行ったのだから自分の責任で何とかしろなどという大合唱が起こる先進国などどこにもない


■海外メディアは、日本の人質“自己責任”バッシングを「異常」と批判

 実際、人質事件が起こると日本に沸き返る「自己責任論」を、海外のメディアは日本の異常な状況”だと見ている。

 たとえば、2004年に発生したイラクでの邦人3名の人質事件の際、日本では自己責任論が噴出。とくに現地でボランティア活動を行っていた高遠菜穂子さんが解放後、「今後も活動を続けたい」と語ったことに対し、当時の小泉純一郎首相は寝食忘れて救出に尽くしたのに、よくもそんなことが言えるなと激昂した

 しかし、海外の反応はこれとまったく違った。アメリカのパウエル国務長官が「イラクの人々のために、危険を冒して現地入りをする市民がいることを、日本は誇りに思うべきだ」と発言したことは有名だが、フランスの高級紙ル・モンドも、〈外国まで人助けに行こうとする世代が日本に育っていることを示した〉と高遠さんらの活動を評価。逆に、日本に広がっていた人質への自己責任論については、〈人道的価値観に駆り立てられた若者たちが、死刑制度や厳しい難民認定など(国際社会で)決して良くない日本のイメージを高めたことを誇るべきなのに、政治家や保守系メディアは逆にこきおろしている〉と強く批判している。さらに、〈社会秩序を乱した者は後悔の念を示さなければならないのが日本の習慣〉と、その特異性をも伝えていた。

 アメリカのニューヨーク・タイムズも同様だ。〈イラクで人質になった日本の若い民間人は、黄色いリボンではなく非難に満ちた、国をあげての冷たい視線のもと、今週、故国に戻った〉と日本国内の異常さを表現し、帰国後も自己責任だと人質を追い詰める日本政府の態度を凶暴な反応を示した〉と非難。〈(人質である)彼らの罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したことだと皮肉を込めて論及している。

 また、イスラム国(IS)に後藤健二さんと湯川遥菜さんが拘束されたときも、イギリスのロイターは〈日本では、イスラム国人質事件の被害者を攻撃する者がいる〉という見出しの記事を掲載。〈日本政府の対応と同胞である日本市民たちの態度は、西欧諸国のスタンダードな対応とはまったくちがうものだった〉と日本における人質への冷酷な受け止め方を紹介。アメリカのワシントン・ポストも、2004年の邦人人質事件で起こった自己責任論に再び言及している。

 もちろん、海外でも、保守系政治家が自国の人質に対して自己責任をぶつことがないわけではない。たとえばフランスでは2009年にジャーナリスト2名がテロ組織に拘束され、当時のサルコジ大統領は2人のことを「無謀」と非難。しかし、市民はこうした政府の姿勢に反発し、2人の救出を求める署名活動やコンサートが企画されるなど、国に対して積極的な対応を求めた。こうした世論がフランス政府を後押しし、結果、2名のジャーナリストは無事、解放されるにいたったのだ。


■自己責任バッシングのルーツは安倍首相だった!

 だが、日本はどうだろう。2004年の人質事件で自己責任論をふりかざした急先鋒は当時の自民党幹事長、安倍晋三氏である。とくに、人質が解放された翌日の会見では、「山の遭難では救出費用を遭難者に請求することもある」と発言、政府に救出費用の請求を検討させる姿勢さえ見せたほどだった。この安倍氏をはじめとする政治家たちの新自由主義的な自己責任の大合唱が国民に浸透し、いまではすっかり根付いてしまったのである。

 しかし、過去何度も繰り返されてきたこうした自己責任論に対し、今回は早くからそれを牽制する意見も出ていた。たとえば、24日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、玉川徹氏が「自己責任論というのは、僕は否定しておきたいたいな、釘を刺しておきたいなと、ほんとうに今回、とくに思います」と述べ、こうつづけた。

   「そもそも論から言うと、ジャーナリストは何のためにいるんだ。
    それは民主主義を守るためにいるんですよ
   「民主主義を守ってるってどういうことかっていうとね、民主主義だ
    といっても国なり企業なりで権力をもっている人たちは、自分たちの
    都合のいいようにやって隠したいんですよ。でも、隠されているものを
    暴かない限り、私たちは正確なジャッジができないんです、国民は。
    正確なジャッジをするためには情報がいるんですよ。その情報を
    とってくる人たちが絶対に必要なんですね。それをやっているんです、
    ジャーナリストっていう人たちは。僕なんかはできていないです、
    そういう意味では。フリーのジャーナリストは命を懸けてやっているんですね
    いちばん危ないところにこうやって行かれているんですよ、安田さんは。
    そういう人を守らないでどうするんだと

 安田氏はイラク軍基地訓練施設に労働者として潜入して戦争ビジネスの実態をレポートした『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(集英社新書)を発表したり、シリア内戦の緊迫した凄まじい日常に肉薄する現地取材を伝えてきた、貴重なジャーナリストだ。しかも、安田氏は自分勝手でもわがままを通した人でもまったくない。国内の大手メディアが報じない戦場やテロリスト組織の実態をあきらかにするために、つまり国民の知る権利を守るために身体を張ってシリアへ渡ったのだ

 こうした民主主義を支える仕事ぶりに敬意を払うどころか、みんなで同調して石を投げつけるなんと冷酷な国だろうかと溜息が出るが、これは遠い国で拘束された人だけの問題などではない。「国が助ける必要はないなどという意見が、さも当然のようにまかり通る国になった結果、いまや保育園に入れないと現状の不備を訴えただけでも「子どもをつくった人の自己責任」と跳ね返す者が現れるような、冷淡な社会になってしまっているということを、よく考えるべきだろう。

(編集部)
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●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」

2018年10月26日 00時00分26秒 | Weblog


沖縄タイムスの田嶋正雄さんのコラム【[大弦小弦]「自己責任」という言葉をよく耳にするようになった…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/334982)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/フリー記者と企業ジャーナリスト】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201810250000216.html)。
東洋新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018102502000151.html)。

 《考え方の違いで人命を選別する風潮の強まりに疑問を感じる…ジャーナリストとして今回の貴重な体験を伝えてほしい。(田嶋正雄)》。
 《自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは使命感からだ。…安田純平解放を心から喜びたい》。
 《井伏鱒二の『山椒魚(さんしょううお)』…▼事件に関してジャーナリストとはいえ、行くなと言われた危険な地域へ赴き、悪者に拘束されたのは自分の責任だろうという意見があることは承知している▼理解できぬわけではない。が、その声はやはり、あの山椒魚に「あきらめなさい」とただ背を向けるに等しかろう》。

 『綿井健陽逆視逆考PRESS』(https://watai.blog.so-net.ne.jp/)より二つのつぶやき:

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
https://watai.blog.so-net.ne.jp/2018-10-24
https://twitter.com/wataitakeharu/status/1054747564770177024

WATAI Takeharu 綿井健陽
@wataitakeharu

喜ぶ準備をしつつ、確実な吉報を待つ。拘束されている人たちは他にもいるでしょうから、早く解放されますように。
23:53 - 2018年10月23日
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
https://watai.blog.so-net.ne.jp/2018-10-25
https://twitter.com/wataitakeharu/status/1055163691438563328

WATAI Takeharu 綿井健陽
@wataitakeharu

この声を聞いて、喜ぶ準備から一転した。≪安田さん 「地獄だった」拘束された3年余り | NHKニュース≫   https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181025/k10011684721000.html
3:26 - 2018年10月25日

   安田さん 「地獄だった」拘束された3年余り | NHKニュース
   シリアの武装組織による拘束から解放されたフリージャーナリストの
   安田純平さんはトルコ南部の入管施設を出てイスタンブールに向…
   nhk.or.jp
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 綿井健陽さんの仰る通りだけれど…、まずは、安田純平さんが無事に解放されて本当に良かった。《救おうと取り組んだ人がいる》…ニッポン政府も含まれるものと良心的に解釈していますが、様々な国々の方が取り組んで下さったようだ。長期の《地獄》の拘束でしたが、《救おうと取り組んだ人》達のおかげだと思います。
 拉致からの開放に対して、自己責任論と忖度が幅を利かせる》ニッポン。すでに、SNS上で酷い言葉が投げつけられているけれども、世界でもまれではないでしょうか。《成熟した市民社会》からは程遠い哀しきニッポン。
 田嶋正雄さんの仰るように、ブログ主も、《ジャーナリストとして今回の貴重な体験を伝えてほしい》と思います。現地で何が起きているのか、起きていたのか、是非、聞いてみたい。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
    「帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 
     自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録!
     民営化の果て、その現場とは?」
       ファルージャ 日本本人人質拘束事件

   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……
   『●安田純平さんの無事な解放を祈る… 
     「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?
   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?: 
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達… 
      安田純平さんの「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?
    《だが、日本はどうだろう。既報の通り、04年の人質事件で自己責任論
     ふりかざした急先鋒は当時の自民党幹事長、安倍晋三氏である》
    「非情な「自己責任」論者アベ様、そしてその取り巻き達、支持者達
     《自分もまた人質の見殺しに加担していること》に気付けない、
     あまりの非情さ。《冷酷な社会》《残酷な国》。本当に自己責任であり、
     「公共の迷惑」なのか? 青木理さんは「「知る権利」を保障し、
     「公共の利益」である」と仰っている。どちらが常識なの? 
     「日本の“お上”意識」はマトモなの?」

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/334982

[大弦小弦]「自己責任」という言葉をよく耳にするようになった…
2018年10月25日 07:40

 「自己責任」という言葉をよく耳にするようになった。今では社会的弱者のバッシングにも使われる

▼きっかけは2004年、イラクで日本人が武装組織の人質にされた事件だと記憶している。「自業自得」と非難された人質の一人がジャーナリストの安田純平さんだった

▼3年前、内戦のシリアで消息不明になっていたが、武装勢力の拘束から解放された。戦闘地域で長期間の拘禁、処刑の恐怖にさらされた心理状態は想像もつかないが、まずは無事を喜びたい

▼本人は「自己責任で行く」と現地入りした。取材のための渡航を妨げようとする日本政府に批判的だった。それらを理由にSNSでは「助ける必要なかった」との意見も飛び交う。考え方の違いで人命を選別する風潮の強まりに疑問を感じる

▼内戦の様子がほとんど知られていなかった12年、TBS「報道特集」で放送された安田さんのリポートは政府軍が市民に発砲する実態を市民側から伝えた。誰かが伝えなければ、世界各地の戦争・紛争の実相を知ることはできない。それを支えるのが成熟した市民社会ではないだろうか

▼シリア内戦の死者は50万人を超え、国民の半数が住む家を失い、1200万人が難民か国内避難民になったといわれる。報道はまだ十分ではない。ジャーナリストとして今回の貴重な体験を伝えてほしい。(田嶋正雄
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201810250000216.html

コラム
政界地獄耳
2018年10月25日9時52分
フリー記者と企業ジャーナリスト

★シリアで戦場取材を続けていた時に拘束されたフリージャーナリスト・安田純平が、約3年ぶりに解放された。この間、一部の日本人は政府の誘導もあって、彼の安否を気遣うどころか、政府が危険だから行くなという場所にわざわざ行くのだから自己責任だと批判した。いまさらフリーの記者の覚悟を書くつもりもないが、フリー記者は取材対象に対して、常に自己責任が伴うと考えて行動する。なぜならば、企業メディアと違い、誰も守ってくれないからだ。その覚悟、自己責任で行動することを前提にしなければ、フリー記者は成り立たない。

★「終身雇用という形態で、企業の中で地位が上がっていく企業ジャーナリストは、その分バランス感覚にたけてくる。一方、フリーは会社の縛りや制約がない分、踏み込んだ取材ができる日本のジャーナリズムは、その両方がかみ合うことで力を発揮する」。2008年に亡くなったジャーナリスト・筑紫哲也の言葉だ。ところがいつの間にか、戦場取材は、組合が危険手当を要求。労務担当はリスクが大きいとして、フリーにその役割を委託したが、明確な契約は避けたがる傾向にあった。それでも現場があれば出掛けていくフリー記者たちに、いくばくかの取材費が出たとしても、安全のよろいにもならない。それでも行く自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、使命感からだ

★そして、今では戦場なんかに出かけていくやつは変わり者とばかり、自己責任論と忖度(そんたく)が幅を利かせる。政府は往々に事実を隠したがる批判する者を封じ込めたいと考える。サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギがトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で殺害されたことで、世界的ニュースになっている。ジャーナリストを国家が殺害するというところまで、国家は追い詰められているのか。安田純平の解放を心から喜びたい。(K)※敬称略
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018102502000151.html

【コラム】
筆洗
2018年10月25日

 井伏鱒二の『山椒魚(さんしょううお)』はうかつにも川底の岩屋に閉じ込められてしまった山椒魚が主人公である。岩屋から出られなくなったのは自分の判断ミスのせいである▼二年間、岩屋の中で過ごしている間、自分の体の成長に気付かず、頭が出口につっかえて外に出られなくなった。「ああ神様!たった二年間ほど私がうっかりしていたのに、その罰として、この窖(あなぐら)に私を閉じ込めてしまうとは横暴であります」▼あの山椒魚には幸福な結末を予感しなかったが、三年間、テロリストによって、とらわれの身となっていた人の朗報である。フリージャーナリストの安田純平さん。解放されたとの情報が政府によって発表された。本人はもちろん、家族の喜びはいかばかりか。心配で眠れぬ夜が続いていたはずである。良かった▼事件に関してジャーナリストとはいえ、行くなと言われた危険な地域へ赴き、悪者に拘束されたのは自分の責任だろうという意見があることは承知している▼理解できぬわけではない。が、その声はやはり、あの山椒魚に「あきらめなさい」とただ背を向けるに等しかろう。言葉を借りれば命の重さに見合わぬ「横暴」の部類である。自分や家族が岩屋の山椒魚になった時、同じことが言える自信は誰にもなかろう助けを求めていた人の命が救われた救おうと取り組んだ人がいる。その事実を今はかみしめたい。
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●青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも…

2018年05月13日 00時00分33秒 | Weblog

【↑(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51JcZRoa2mL._SX336_BO1,204,203,200_.jpg)】



AERAの田沢竜次氏による記事【さすらいのジャーナリスト、安倍政権の「隠蔽の構造」暴く】(https://dot.asahi.com/aera/2018042700005.html)。

 《『情報隠蔽国家』は、安倍政権による「隠蔽の構造」を暴き、警察権力と政権中枢が結びつく恐るべき社会に警鐘を鳴らす時評コラム、ルポ、インタビューだ。著書に『日本の公安警察』『国策捜査』などがある著者の青木理さんに、同著に寄せる思いを聞いた》。

   『●「「トカゲのシッポ切り」ではなく、「頭の切り離し」」(森裕子さん)。
                          佐川事件でなくアベ様御夫妻案件
   『●菅義偉・最低の官房長官は、今なぜ、アベ様に向かって 
           「地位に恋々としがみつく」とは言わないのですか?
   『●すべては「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」に始まった
                  …五日後の「秘密会議」に太田充氏も

   『●「新聞をお読みにはならない」財務相: 切り離し不可の「頭」…
                     「責任」なんて言葉はそのオツムには無し
   『●壊憲への暴走: シビリアンが暴走し、
      アベ様の「我が軍」も既に暴走を始めているようだ…戦慄を覚える
   『●「真相解明は大切。だが、ウソをつくのは認めて」
        →「首相…のためなら、自民党はどうなっても」(筆洗)
   『●「なぜ面会したのか。首相はどう関与しているのか。
        まさか、そこのところはどうも思い出せぬでは」ネェ?
   『●斎藤貴男さん「家柄だけのボンボン爺さんの
      チョイ悪ぶりっ子ほどみっともないものはない。恥を知ろう…」
   『●「謝罪会見の場に、被害女性を散々おとしめた
      麻生氏の姿はなかった」…ウルトラ差別者の責任は有耶無耶?

 最悪の官房長官らが沖縄ではやりたい放題に「森」や「美ら海」を殺し続け、市民を分断し、反対派を乱暴に「檻」に閉じ込め、ときに、(山城博治さん、目取真俊さんら)不法拘束しようがどうしようが「本土」ではほとんど問題視しない、《前川スキャンダル》をマスコミが垂れ流す、行政府の長やウルトラ差別主義者を放置して何の責任も問わない、野党のせいで国会が不正常であるかような言説で囃し立て、行政府の長らや与党のおかげで1年以上も空転していたことには触れもしない、等々々々々…腐りきった政権や与党を放置…《政治の劣化に言論で対峙するのはジャーナリズムの役割》ではないのか? 《客観的な事実すら隠蔽し、時にねじ曲げて恥じない為政者たちの姿》を報じず、報道やジャーナリストの意味はあるのか?

 「大竹メインディッシュ」ゲストが青木理さん(01:08:00辺り)のこの「大竹まこと ゴールデンラジオ」も必聴もの。室井佑月さんも含めての、金曜恒例「大竹紳士交遊録」の金子勝さん(1:47:00辺り)の部分も、是非。


【大竹まこと ゴールデンラジオ 2018年05月11日
 (https://www.youtube.com/watch?v=HgF99trtUg0)】

   『●青木理さん「冤罪」「マイナンバー」
     「監視・管理されたがり社会」、金子勝さん「もんじゅ「廃炉」?」
   『●『超・反知性主義入門』の小田嶋隆さんインタビュー、
            「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」
   『●最後っ屁に期待する: 古舘伊知郎さん、
      この際ですから全部ぶちまけてから降板を! 矜持を示して!
   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
      「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」
    「青木理さん、「権力と距離を置かなくちゃいけないなんていうのは、
     かつてはごく当たり前の作法としてメディア内で共有されていた」」

   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
      刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●古舘伊知郎・岸井成格・国谷裕子・青木理さん… 
      アベ様に「厳しい立場だった人」達は偶然の一致なのか?
   『●スガ殿が「粛々」とジャーナリズムを破壊していく
            ~「安倍政権の圧力、狡猾なやり口」~
   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?: 
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達…
      安田純平さんの「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?
   『●「あとの祭り」: 「自民党きっての極右議員」「極右思想」大臣
                    …こんな防衛相が誕生しちゃいました
   『●青木理さん『日本会議の正体』…「民主主義体制を
        死滅に追い込みかねない悪性ウィルスのようなもの」
   『●アベ様、稲田・高市氏「この国の政権の重要閣僚が
       ヘイト団体と仲良し」…どの辺が「インテリジェンス」?
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
         「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
   『●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。
      日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」
   『●2017年都議会議員選挙: 「「安倍政治」を許さない」
      →自民党亜種・トファや公明に投票? 理解不能
   『●青木理さん、逃れられない歴史的責任…
      「朝鮮半島が平和になるために日本は努力をしなくてはいけない」
   ●アベ様は、「政治への強い志も知の蓄積の
      気配すらも見られなかった」(青木理さん)…原点回帰な9条壊憲
   『●「竹やりで…」「特攻艇・震洋」「人間機雷・伏龍」…
        「最も戦争に接近した八月」に「愚かな戦争に学ぶ」
   ●内田樹さん「泥靴でふみにじられた戦後立憲政治の常識」…
             国権の最高機関という素朴な願望も打ち砕かれる
    「青木理さん、前川喜平・前文科事務次官インタビューについて。
     「特定秘密保護法もそう、通信傍受法も強化された。そして、ついに
     共謀罪。…思い出したいのは、前川さんが出会い系のバーに行っていた、
     なんてことをなぜ官邸がつかめたのか? …警察である可能性が高い。…」
     (『サンデーモーニング』2017年6月25日)」

   『●「自衛隊、防衛出動か。射殺ですか」=
      「聴衆の問題意識を喚起する趣旨」…等々の「ト」な閣議決定を乱発
   『●国会審議形骸化: 与・(癒党込み)野党の国会質問時間の配分は
                        実質「9.5時間対4.5時間」なのね?
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」からの
      この1年間の無駄…泥縄で有耶無耶にするつもり?
   『●「2大ファシスト」「独裁者」のための憲法違反の
       「ト」な「デモ封じ条例」=東京都迷惑防止条例壊悪案
   『●「新聞をお読みにはならない」財務相:
      切り離し不可の「頭」…「責任」なんて言葉はそのオツムには無し
   『●青木理さん「特定のメディア組織に属してはいても、
       記者が本来奉仕すべきは、広い意味での読者や視聴者」

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https://dot.asahi.com/aera/2018042700005.html

さすらいのジャーナリスト、安倍政権の「隠蔽の構造」暴く
田沢竜次
2018.5.5 11:30 AERA #安倍政権 #読書

あおき・おさむ/1966年生まれ。共同通信記者を経てフリージャーナリスト、ノンフィクション作家。著書に『日本の公安警察』『国策捜査』『絞首刑』『日本会議の正体』『安倍三代』など(撮影/写真部・青木理


【↑(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51JcZRoa2mL._SX336_BO1,204,203,200_.jpg)】
(情報隠蔽国家 青木理 著)

 『情報隠蔽国家』は、安倍政権による「隠蔽の構造」を暴き、警察権力と政権中枢が結びつく恐るべき社会に警鐘を鳴らす時評コラム、ルポ、インタビューだ。著書に『日本の公安警察』『国策捜査』などがある著者の青木理さんに、同著に寄せる思いを聞いた。

*  *  *

   〈すべての事象に共通するのは、政権の都合や行政の自己保身を
    優先するあまり、客観的な事実すら隠蔽し、時にねじ曲げて
    恥じない為政者たちの姿である〉
    (第1章「日米同盟の暗部と葬り去られた国家機密」から)

 本書が世に出て以降の現在進行形の事態、暴かれつつある事実の数々は、まさに「情報隠蔽国家」というタイトルをダイレクトに体現しているようだ。本書は「サンデー毎日」誌上で発表したルポや連載コラムをベースに、加筆・修正や書き下ろしを加えた「さすらいのジャーナリスト」(TBSラジオから)青木理さんの時評&インタビュー、状況への発言などを一冊にまとめたもので、出るべくして出た必読の書といえる。

   「安倍政権の特徴は、官邸中枢を占める人脈を経済産業省人脈
    警察人脈で固めているところ。特に警備・公安警察の人脈が
    政権のど真ん中に突き刺さっているのは、政治への警察の位相が
    ものすごく上がっていることを意味します」

 青木さんは1990年代、共同通信記者時代に公安警察の暗躍を追い続け、『日本の公安警察』を上梓した。以降、特定秘密保護法改正通信傍受法共謀罪法などが次々と成立し、「安全・安心」のための監視カメラの増加など、治安当局の権限は増すばかりだ。「共謀罪と公安警察と前川スキャンダル」の章でも、官邸と結びついた公安警察の一部門が政治家や官僚などの「身辺調査」に動き回る衝撃的な実態が描かれている。

 〈従順に屈服する者は優遇して褒美を与える一方、従わない者は容赦なく切り捨て、踏みつけ、果ては個人攻撃を加える現政権の薄暗い横暴と独善は一種の恐怖政治であり、民主主義とは最も遠い地平にある〉との指摘は、本書に収められた現役自衛官や元・公安調査官の実名告発、北海道警の組織犯罪にも通底する。

   「治安維持に法律が必要だというのであれば、どこかで歯止めを
    かけるシステムを確立しておかないとまずい。本来そうした議論を
    するのが政権の側であるはずです。何の歯止めもなく警察に武器を
    与えている今の政治はすごく劣化していると思いますよ」

 政治の劣化に言論で対峙するのはジャーナリズムの役割である。〈私たちはまさに暗闇の中に立たされていないか〉という青木さんの警鐘は、読後ますます深刻に響く。試されているのは一人一人が事実を見極める力だ。本書はそのための一助となり得るだろう。(ライター・田沢竜次)

※AERA 2018年4月30日-5月7日合併号
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●争点は「壊憲」: 「ドアホノミクス」の頓挫を認めては?…座礁したアベドアホノ丸・船長の虚しき言い訳

2016年06月08日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016060202000140.html)と、
社説【7月10日参院選へ 「安倍政治」こそ争点だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016060202000141.html)。

   『●『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』を
              持つ人達は反省してくれるでしょうか?

   『●「俺様王国」ニッポン、
      「俺様王国」大阪「ト」を造りたい強権的政治手法好きな二人

   『●大阪「ト」構想のその後……元「ト」知事がアベ様へ
        「”うそ”を駆使して「相手を丸め込」む方法」伝授?


 《絶対にやると言っていた約束を一方的に破る場合の対応である…講師によると、まずは絶対に「約束を破った」と認めてはならないという。約束を破るのではなく、新しい判断とか、異なる判断をすると言い換える。なるほど間違いを認めなければ、謝る必要もない》

 座礁したアベドアホノ丸・船長の虚しき言い訳…盟友・橋下徹元大阪「ト」知事とどこか似ている。やはり、2016年7月参議院選、自公お維大地に投票してはいけない。「ネジレ」を意地でも取り戻さないと。


 《第三次安倍内閣にとって初の国政選挙は「安倍政治」こそ争点だ》。

 誰の目にも明らかな「ドアホノミクス」(©浜矩子さん)や辺野古破壊、狂気の核発電推進、明確な公約違反の消費税増税問題・「TPP断固反対」、「知る権利」や「報道の自由」の破壊、自民党議員の数々の不祥事などは、自公が認めるかどうかに関係なく、来る参院選の争点の「そ」の字にもならない。明確な失敗した悪政、それらを認める論理などない。
 争点は明確。クーデターや違法な手法での壊憲こそが争点。平和憲法の破壊を認め、戦争国家・死の商人になることを良しとするかどうか、親として子を「人殺し」に行かせることを是とするかどうか、それが明確な争点。せめて、参院選で投票すべきでない議員たちは明確なはず。

   『●「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた
              国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない
   『●ナトリウムを取り扱う技術を持つ日本原子力研究開発機構
                 …ナトリウムを使う原子炉の解体技術は?
   『●「日本政府による命の二重基準」にウンザリ:
      「日米両政府の空虚な言葉」は不要、基地撤去が抜本対策
   『●「核兵器のない世界」か?、「核廃絶」「核なき世界」か?
   『●オバマ氏の広島訪問さえも単なる選挙対策…
       自民党は「口だけ」、選挙で同じ過ちを繰り返してはいけない
   『●なぜマスコミや与党・癒党、民進党はバカ騒ぎしないのか?  
                       口利きの御返し・甘い利はOK?
   『●無意味な、裏切りのイセシマサミット:
     「ヒロシマ、ナガサキとフクシマは絶えず伝えている」というのに
   『●オバマ大統領の米国、「核なき世界」にはほど遠く、
         「核兵器のない世界」を唱えつつその現実は?
   『●「今、声を上げなければ」!: 「戦争の実態を
      伝えるために作家になった」城山三郎さんはきっと怒り心頭
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達…安田純平さんの
        「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016060202000140.html

【コラム】
筆洗
2016年6月2日

 昨日の夕方に<自分が悪い場合でも謝らなくても済む方法>というテレビ番組の放送があると聞いて、首を長くしてその時間を待った▼失敗しない人間はいない。それでも謝らなくてもよいとは何とも魅力的な番組ではないか。会社でつまらぬミスをしては上司に叱責(しっせき)される。家庭において生ごみを出し忘れ、妻にうんざりされる。この技術を覚えれば、謝る日々とはおさらばである▼こんな場合を例にその方法を教えていた。絶対にやると言っていた約束を一方的に破る場合の対応である。耳を疑った。そんな場合に謝らないで済む方法などあるはずがない▼ところがである。その方法はあった。講師によると、まずは絶対に「約束を破った」と認めてはならないという。約束を破るのではなく新しい判断とか、異なる判断をすると言い換える。なるほど間違いを認めなければ、謝る必要もない▼もし約束を守れば、世界の破滅が待っていると恐怖を煽(あお)るのも相手を納得させる効果があるそうだ。世界のリーダーや立派な学者も自分を支持していと加えることもお忘れなく。決めぜりふはどっちが正しいか、町の意見を聞いてみよう。これで、そもそも約束を破ったという事実を完全にけむに巻ける。謝らずに済む▼素晴らしい技術である。自信にあふれた講師の顔がわが国の首相に似ていた気がするが、見間違いであろう。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016060202000141.html

【社説】
7月10日参院選へ 「安倍政治」こそ争点だ
2016年6月2日

 消費税率の引き上げ再延期にばかり気を取られてはいられない。七月十日の参院選。第三次安倍内閣にとって初の国政選挙は「安倍政治」こそ争点だ。

 通常国会がきのう閉会し、安倍晋三首相は記者会見で、来年四月に予定されていた消費税率10%への引き上げを二〇一九年十月まで二年半、再び延期することを正式に表明した。

 逆進性が高い消費税の増税を見送ること自体は妥当ではある。

 しかし、首相は増税見送りの根拠を途上国経済の減速など世界経済のリスクに求めているが、無理があるのではないか。


経済「失政」を認めよ

 消費税率は一四年四月に5%から8%に引き上げられた後、一五年十月には10%に二段階で引き上げられることが決まっていたが、首相は予定通り10%に増税すればデフレ脱却が危うくなるとして、再増税の時期を一七年四月に一年半延期する方針を決め、衆院解散・総選挙で国民に信を問うた

 そのとき語っていたのは「(増税を)再び延期することはない。はっきりと断言する。一七年四月の引き上げは確実に実施する。三年間『三本の矢』をさらに前に進めることで、必ずやその(増税を実施する)経済状況をつくり出すことができる」との決意である。

 しかし、結果として、経済成長を重視する首相の経済政策「アベノミクス」では、増税に耐え得る経済状況をつくり出すことはできなかった格差を拡大し、個人消費を低迷させているからだ。

 首相が指摘した世界経済のリスクは、主要国首脳の共通認識とは言えまい。増税延期の根拠とするのは筋違いだろう。

 衆院解散にまで踏み切った「再び延期しない」との約束を違(たが)えるのなら、アベノミクスの誤りを認めることが先決ではないのか。


◆憲法改正の分水嶺に

 首相は会見で「アベノミクスを加速させるのか、後戻りさせるのか」と、経済政策を参院選の最大争点と位置付け、改選議席の過半数獲得を目指すと強調した。

 政権選択選挙とされる衆院選に対し、参院選は政権への中間評価を問う選挙と位置付けられる。

 七月の参院選は、一四年の衆院選を経て発足した第三次安倍内閣には補選を除けば初の国政選挙。失政と批判されるアベノミクスのみならず、他国同士の戦争に加わる集団的自衛権を行使するための安全保障関連法を成立させた強権的な政治手法など「安倍政治」全体の是非が問われるべきだ。

 加えて見過ごせないのは、七月の参院選が憲法改正に道を開くか否かの分水嶺(ぶんすいれい)となり得ることだ。

 衆参同日選挙が見送られたことで自民、公明の与党は衆院で引き続き三分の二以上の議席を維持。七月の参院選で自公両党と「改憲派」とされるおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党が三年前の前回参院選並みの議席を得れば参院でも三分の二以上の議席を確保し、衆参両院で憲法改正の発議に必要な議席に達する。

 首相は一八年九月までの自民党総裁の在任中に憲法改正を成し遂げたい、と明言したことがある。

 どの条文を改正するのか、各党の意見は一致してはいないが、自公両党と改憲派が参院でも三分の二以上に達すれば、現実的な政治課題に浮上するのは間違いない。

 参院選は、政権の中間評価以上に憲法改正に道を開いて「国のかたち」を変えるのか否かを国民に問い掛ける重要な選挙でもあることを、肝に銘じたい。

 民進、共産、社民、生活の野党四党は、選挙戦の行方を左右する三十二の「改選一人区」のすべてで候補者一本化を実現した。

 野党がバラバラに候補者を擁立して戦った前回参院選では、自民党は一人区で二十九勝二敗と圧勝した。批判票が割れて、自民党が「漁夫の利」を得たからだ。

 「自民一強」を変え、安倍首相の下での憲法改正を阻むには、野党の結束が重要だ。政権側は「理念も政策もバラバラ」と批判するが、憲法違反と指摘される安保関連法の廃止や立憲主義の回復は、共闘の大義としては十分だろう。


◆若者の声生かしたい

 七月の参院選は、十八、十九歳の約二百四十万人が有権者に加わる初の国政選挙となる。

 高齢者層は若年層よりも投票率が高く、政治に対する影響力は大きい。年金、介護、医療など高齢者向けの支出は増え、教育や子育てなど若年層に必要な予算は抑制される傾向にある。

 この状況を変えるには、全国民の代表たる国会議員が若者の声を政治に生かすのは当然だが、若者の側も積極的に意思表示することが必要だ。棄権せず、投票所に足を運んでほしい。若者の声が反映されるようになれば、政治はきっと変わるはずだ。
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●異常過ぎる非情な自己責任論者達…安田純平さんの「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?

2016年06月05日 00時00分45秒 | Weblog


※CMLにオンライン署名についての記事が出ていました。

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■『[CML 043630] 6/6(月)安田純平さんを救おう!6・6官邸前緊急市民行動/
  【安田純平さんを救おう!】オンライン署名』(http://list.jca.apc.org/public/cml/2016-June/043733.html
    「また安田純平さん救出のオンライン署名サイトが立ち上がりました。
     この緊急署名の拡散もお願いします。
     https://goo.gl/ohjc0e
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LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の水井多賀子氏による記事【安田純平氏の新画像公開でまた「自己責任論」が…欧米メディアが一斉に指摘する日本の“お上”意識の異常性】(http://lite-ra.com/2016/05/post-2295.html)。

 《これに対し、菅義偉官房長官は30日の会見で「さまざまな情報網を駆使して全力で対応している」と強調したが、はたしてこれは本当なのか。…官邸幹部も朝日新聞の取材に「向こうの要求に乗るようなことはないと言い放っている。昨年の後藤健二さん、湯川遥菜さんの事件の際に日本政府が何ら策を講じなかったことを考えると、安田氏を助けだそうと積極的に尽力しているとは、とても思えない》。
 《だが、日本はどうだろう。既報の通り、04年の人質事件で自己責任論をふりかざした急先鋒は当時の自民党幹事長、安倍晋三氏である》。

 なぜ尽力してくれないのか…。非情な「自己責任」論者アベ様、そしてその取り巻き達、支持者達。《自分もまた人質の見殺しに加担していること》に気付けない、あまりの非情さ。《冷酷な社会》《残酷な国》。本当に自己責任であり、「公共の迷惑」なのか? 青木理さんは「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」と仰っている。どちらが常識なの? 「日本の“お上”意識」はマトモなの? 

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……
   『●安田純平さんの無事な解放を祈る… 
     「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?
   『●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?:
      青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」

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http://lite-ra.com/2016/05/post-2295.html

安田純平氏の新画像公開でまた「自己責任論」が…欧米メディアが一斉に指摘する日本の“お上”意識の異常性
2016.05.31

 昨年6月から消息がわからなくなっているジャーナリスト・安田純平氏の画像が、5月29日夜、新たに公開された。現在、安田氏はアルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」に拘束されていると見られているが、今回の画像ではオレンジ色の服を着た安田氏が険しい顔で「助けてください。これが最後のチャンスです」と書かれた紙を持つ様子が写されている。

 これに対し、菅義偉官房長官は30日の会見で「さまざまな情報網を駆使して全力で対応している」と強調したが、はたしてこれは本当なのか。菅官房長官は今年3月に安田氏の動画が公開されたあとも「安田氏本人と思われますが、それ以上の答えは控えたい」と言い、他方、官邸幹部も朝日新聞の取材に向こうの要求に乗るようなことはないと言い放っている昨年の後藤健二さん、湯川遥菜さんの事件の際に日本政府が何ら策を講じなかったことを考えると、安田氏を助けだそうと積極的に尽力しているとは、とても思えない

 だが、日本政府の対応への疑問もさることながら、またかとうんざりさせられるのは、今回の事件に対するネット上の反応。そう、お決まりの「自己責任」という声が、またも噴出しているのだ。

   「自己責任だから助ける必要なし」「国に迷惑をかけちゃダメ」
   「自己責任で何とかしろや」「助かったらまた行くでしょ?」

 緊迫した状況であることを伝える画像が公開されてもなぜこんなに非情でいられるのかと暗澹とした気持ちにさせられるが、さらに、安田氏が昨年4月にツイートした〈戦場に勝手に行ったのだから自己責任、と言うからにはパスポート没収とか家族や職場に嫌がらせしたりとかで行かせないようにする日本政府を「自己責任なのだから口や手を出すな」と徹底批判しないといかん。〉という投稿をあげ、「本人が口も手も出すなって言ってたんだから自己責任でしょ」とあげつらう者も続出している。

 一体、どこをどう読んだら、そんな話になるのか。この安田氏の投稿は、“ジャーナリストに自己責任を押し付ける政府にはジャーナリストに足枷をはめる権利はない”と政府による報道規制を非難しているのであって、政府が安田氏を助けなくていい理由になどまったくならない。しかしこの国では、あたかも国の命令に逆らう者を救出する必要などないと考える人が恐ろしく多い

 だが、そんな考え方は、決して当然のものではない。むしろ、人質事件が起こると日本に沸き返る「自己責任論」を、海外のメディアは日本の異常な状況だと見ている。

 たとえば、2004年に発生したイラクでの邦人3名の人質事件の際、日本では自己責任論が噴出。とくに現地でボランティア活動を行っていた高遠菜穂子さんが解放後、「今後も活動を続けたい」と語ったことに対し、当時の小泉純一郎首相は「寝食忘れて救出に尽くしたのに、よくもそんなことが言えるな」と激昂した。

 しかし、海外の反応はこれとまったく違った。アメリカのパウエル国務長官が「ラクの人々のために、危険を冒して現地入りをする市民がいることを、日本は誇りに思うべきだ」と発言したことは有名だが、フランスの高級紙ル・モンドも、外国まで人助けに行こうとする世代が日本に育っていることを示したと高遠さんらの活動を評価。逆に、日本に広がっていた人質への自己責任論については、〈人道的価値観に駆り立てられた若者たちが、死刑制度や厳しい難民認定など(国際社会で)決して良くない日本のイメージを高めたことを誇るべきなのに、政治家や保守系メディアは逆にこきおろしている〉と強く批判している。さらに、〈社会秩序を乱した者は後悔の念を示さなければならないのが日本の習慣〉と、その特異性をも伝えていた。

 アメリカのニューヨーク・タイムズも同様だ。〈イラクで人質になった日本の若い民間人は、黄色いリボンではなく、非難に満ちた、国をあげての冷たい視線のもと、今週、故国に戻った〉と日本国内の異常さを表現し、帰国後も自己責任だと人質を追い詰める日本政府の態度を凶暴な反応を示したと非難〈(人質である)彼らの罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したことだと皮肉を込めて論及している。

 また、昨年の後藤さん、湯川さんの事件が発生したときも、イギリスのロイターは〈日本では、イスラム国人質事件の被害者を攻撃する者がいる〉という見出しの記事を掲載。〈日本政府の対応と同胞である日本市民たちの態度は、西欧諸国のスタンダードな対応とはまったくちがうものだった〉と日本における人質への冷酷な受け止め方を紹介。アメリカのワシントン・ポストも、04年の邦人人質事件で起こった自己責任論に再び言及している。

 もちろん、海外でも、保守系政治家が自国の人質に対して自己責任をぶつことがないわけではない。たとえばフランスでは09年にジャーナリスト2名がテロ組織に拘束され、当時のサルコジ大統領は2人のことを「無謀」と非難。しかし、市民はこうした政府の姿勢に反発し、2人の救出を求める署名活動やコンサートが企画されるなど、国に対して積極的な対応を求めた。こうした世論がフランス政府を後押しし、結果、2名のジャーナリストは無事、解放されるにいたったのだ。

 だが、日本はどうだろう。既報の通り、04年の人質事件で自己責任論をふりかざした急先鋒は当時の自民党幹事長安倍晋三氏である。とくに、人質が解放された翌日の会見では、「山の遭難では救出費用を遭難者に請求することもある」と発言、政府に救出費用の請求を検させる姿勢さえ見せたほどだった。この安倍氏をはじめとする政治家たちの新自由主義的な自己責任の大合唱が国民に浸透し、いまではすっかり根付いてしまった。


 そして、その自己責任論者の安倍氏が総理大臣となり、「国が助ける必要はないなどという意見が、さも当然のようにまかり通っている。いや、人質問題だけではない。いまや保育園に入れないと現状の不備を訴えただけでも「子どもをつくった人の自己責任」と跳ね返す者が現れるような、冷淡な社会になっていってしまっている。

 だからこそ、いま一度、繰り返しておきたい。国が国民を助けることこそ当然の話であって、国の言う自己責任論に国民が乗っかってしまえば当然の義務を果たさない政府を容認することになる。ましてや、安田氏は自分勝手でもわがままを通した人でもまったくない。国内の大手メディアが報じない戦場やテロリスト組織の実態をあきらかにするために、つまり国民の知る権利を守るために身体を張ってシリアへ渡ったのだそうした人物を見殺しにするような、そんな残酷な国ではたしていいのか


 いま、わたしたちが発するべきは、何もしない国にお墨付きを与える自己責任論ではなく、「I AM JYUNPEI」という安田氏の救出を求める声であるべきだ。そして、「自己責任でなんとかしろ」と無責任に主張するネット民は自分もまた人質の見殺しに加担していることを肝に銘じるべきだろう。

水井多賀子
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●自己責任であり、「公共の迷惑」なのか?: 青木理さん「「知る権利」を保障し、「公共の利益」である」

2016年03月22日 00時00分26秒 | Weblog


zasshi.news.yahoo.co.jpの記事【安田純平さんの安否は今どうなっているのか】(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160309-00010000-tsukuru-soci&p=1)。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……
   『●安田純平さんの無事な解放を祈る…
     「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?

 色々な意味での安田純平さんの状況について、以下の綿井健陽さんの「つぶやき」で知りました。

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WATAI Takeharu/綿井健陽 ‎@wataitakeharu
安田純平さん拘束のこれまでの経緯や周りの対応については、今年1月中旬にシンポジウムで詳しく報告された高世仁氏(ジンネット代表)の以下記事をぜひ読んで下さい(2月上旬に発売された月刊「創」3月号掲載)→ http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160309-00010000-tsukuru-soci&p=1
2016年3月18日 00:49
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 いま、ネット上で酷い言葉が飛び交っています。以下の青木理さんの印象に残る言葉のみ、メモ代わりに。

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■(サンデーモーニング、2016年3月20日)青木理さん: 「自己責任や、「公共の迷惑」か? 安田さんのような活動が無いと、戦場で何が起きているかの知りようがない。紛争は究極の人権侵害が起こる場所。そこで何が起きているのか、女性や子供といった弱者がどうなっているのか、我々は何も知り得なくなる。こういうジャーナリストの活動が知る権利、「公共の利益」を代表している」
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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160309-00010000-tsukuru-soci&p=1

安田純平さんの安否は今どうなっているのか
創 3月9日(水)17時26分配信


昨年6月、シリアに入った直後に拘束

 私はテレビの制作会社をやっておりまして、報道番組やドキュメンタリー番組を作っています。時々フリーランスのジャーナリストから依頼されて、企画をプロデュースしてテレビ局へ売り込むということもやっている。安田純平さんもそのフリーランスの一人でした。
 安田さんは、もともと信濃毎日新聞の記者で、フリーになって、2004年にイラクで拘束されています。あの時は高遠菜穂子さんたち三人が拘束された後に、安田さんと他にもう一人拘束されました。だから安田さんは今回二回目の拘束ということで、心配なのは「一回拘束されたのにまたやったのか」というバッシングにあいやすい状況にいることです。
 彼は、新聞記者出身ですので、もともとはペンと写真の人です。2012年にシリア内戦で自由シリア軍に従軍して、その時初めてビデオカメラを回したのですが、それが素晴らしい出来でした。今後これを超える戦場ルポが果たして出るのかなというくらい素晴らしかった。それはTBSの「報道特集」で放送されました。
 今回、安田さんは昨年の5月23日にトルコに入ってから、私に連絡してきて、どういう取材をしたらいいのかアドバイスを求められました。シリアに入るのは非常に難しくて、他のジャーナリスト仲間も、国境を超える時にトルコ側の国境警備隊から銃で撃たれたりしている。今回は今まで以上に厳しそうだと言っていました。
 でも彼はトルコ南部、シリアとの国境付近ですごくいい取材をしていたんです。それだけで番組ができるような取材でしたから、私はそれで取材を終えて帰ってくるかなと思っていたんです。
 そしたら、6月20日になって「シリアに入れる」という連絡が来た。その後22日に、共同通信の原田浩司さんに「これからシリアに入る」、23日にフリーのジャーナリスト常岡浩介さんに「どうももうシリアに入ってしまったらしい。ヘトヘトだ」というメッセージが入りました。そして、その直後に拘束されたようです。
 その後7月3日に、現地の人から「安田さんと連絡がつかない」と連絡があり、4日には拘束されていることがわかりました。


情報を伏せてメディアに出さないことにした

 常岡さんは安田さんの長年の友人ですが、彼と相談してこれからやることは二つということにしました。一つは、情報をそっと探ること。もう一つは、メディアに出さないことです
 なぜなら、拘束したグループから何のメッセージもなく、何のために拘束しているのかわからない。騒ぐことでこちらが有利になるのか不利になるのかわからない状況です。だからとにかく、そっとやろうね、と決めました。
 その後、7月12日に、常岡さんがトルコに行きました。その時私たちが考えていたのは「もしかしたらスパイ容疑をかけられているんじゃないか」ということでした。あくまでも推測ですが。
 安田さんが消息を絶ったところは、ヌスラ戦線というアルカイダ系の組織が強い影響力を持っている場所だったので、我々はてっきりヌスラ戦線が拘束したと思っていました。そこで、そのスパイ容疑を晴らすために安田さんが書いた本とか、記事とかテレビ出演している映像とかをヌスラ戦線に見せて、ちゃんとしたジャーナリストだよとアピールしようと思ったのです。
 でも、事前にこのミッションは失敗が見えていました。というのも、5月の段階で、それまでシリア取材を熱心にやっていた日本人ジャーナリストが、トルコの空港についた時点で次々に入国禁止になって強制送還されていたからです。例えば、若い女性ジャーナリストの鈴木美優さん、『ジャーナリストはなぜ「戦場に行くのか」』(集英社新書)の執筆者でもある横田徹さんなどが立て続けに強制送還されました。
 ましてや常岡さんは「イスラム国」を取材した数少ないジャーナリストで、2014年に日本で私戦予備陰謀というとんでもない容疑でパスポートから何から取り上げられて家宅捜索されたことのある人だから入国は絶対無理だと思いました。私は「まあダメもとで行ってらっしゃい、旅費は半分カンパするよ」と言って送り出したんです。
 そしたら案の定、トルコには入れずにすぐに帰されて来ました。ここで問題なのは、トルコに入国できないこの3人というのが、いずれもヌスラ戦線と連絡を取れて土地勘のある人たちなんですよ。しかもみな安田さんの友人。安田さん救出に最も力になれそうな人たちが、ことごとく現地に近づけなくなっているんです。

 これはあくまで推測ですが、日本政府が、そうしているんじゃないかなと私は思っています。というのも、安田さんが以前イラクでとらわれた後、日本政府が「安田純平にはビザを出すな」とイラク政府に要請したんです。だから安田さんはまともな方法ではイラクに入れなくなったので、コック(料理人)になってイラクの軍の基地でシェフとして働いた。その状況を書いた本が『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(集英社新書)というのですが、これは戦場取材に新たな手法を持ち込んだ名著だと私は思っています。

 彼は基地から出られないのでずっと厨房にいる。この本には「厨房から見た戦争」が描かれている。イラク社会ってどんなものかとか、戦争が民営化されていることもよく分かる。世界中からイラクに出稼ぎに来ていて、格差と戦争とか、大事なことがたくさん書いてあるすごく面白い本です。


幾つものグループが救出へ向けて動いた

 さて、7月以降、安田さんの友達などを含めて、民間で幾つものグループが救出に動き出します。そして、それぞれ間接的・直接的に拘束者との接触に成功しています。日本にこういう人材がいるのかと私は驚きましたね。
 そのうちの一つがヌスラ戦線に「日本人が捕まっているだろ?」と問い合わせたら、ヌスラ戦線の方が「知らない」と言うのです。実は現地はヌスラ戦線の影響力が強いところですが、最初に安田さんを拘束したのはヌスラ戦線じゃなかった。実は現地には他にもいろんな武装グループがあって、その中にはヌスラ戦線と付かず離れずで、密貿易などをやっている「ならず者集団」もいます。最初に安田さんを拘束したのはそういうグループだったのです。
 それで、ヌスラ戦線が日本からの通報を受けて調べたら、その「ならず者集団」が拘束していたので「我々のテリトリーで勝手なことするな」と怒って、ヌスラ戦線の部隊がそのグループを攻撃しました。これは死者が出るくらいの戦闘で、結果、ヌスラ戦線が安田さんの身柄を引き取りました
 今日の話は、どこから聞いたとか一切言えないですけど、今、ヌスラ戦線に安田さんは捕まっていて、12月10日段階で、安田さんが生きていることは確実になっています。
 問題はヌスラ戦線がどんな組織かということですが、もともとはイスラム国と同根のアルカイダ系組織で、途中からイスラム国と分かれます。今はイスラム国と最も激しく戦っている武装勢力です。今まで何人もジャーナリストを捕まえていますが、まだ殺していません。2012年にはスペイン人のジャーナリスト3人を身代金も何も取らずに帰しています。この時はクゥエート政府が仲立ちしたと言われています。
 だから我々もなんとか静かに交渉がやれればと思っていたら、とんでも無いことが起こりました。昨年12月23日に「国境なき記者団」が「安田さんの拘束者が身代金要求をしている。期限内に金を払わないと、殺すか、他の組織に売ると言っている」と声明で発表した。これがドカーンと報道されて、日本人のほとんどがこの事件を知ることになりました。それまでは、常岡さんたちが、日本のメディアに「慎重にして」とお願いしていた。一時期「これは安倍政権がメディアに圧力をかけて黙らせている」というツイッターかなんかがあったけど、逆だったのです
 そんな中、国境なき記者団の声明発言で安田さん拘束が報道された。これが非常に問題だったのは、そもそも安田さんの家族にも、外務省にも身代金の要求は来ていない、つまり根本的に間違った情報だったのです。そこでおかしいじゃないかと問い合わせたら、国境なき記者団は29日に発言を撤回するんです。


5000万円で解決」と持ちかけた人物も

 どうしてこんなことが起きたのか。私が知っている安田さんを助けようとしている民間のルートの一つにスエーデン人のNさんというのがいて、この人が外務省に「5000万円で私が解決してあげる」と持ちかけていたんです。外務省は相手にしなかった。で、Nさんは、自分の出番を作るために国境なき記者団を使って演出したんだと私は思っています。
 Nさんがヌスラ戦線にどんな取引を持ちかけているか分かりませんが、もし身代金での交渉ということになると、大変なことになります。
 ご存知のように日本政府は、テロリストとは交渉も接触もしません。身代金も払いません。安田さんのご家族も巨額のお金を払えるわけがない。日本には身代金を払う人がいない。ですから、身代金での交渉となると、安田さんの身柄は非常に危険なことになってしまう。我々は、今一生懸命情報を探っている段階ですけど、Nさんのおかげで非常に難しい状況に立たされています。


1210日の時点では大丈夫だと確信

 こういう混乱が起きる背景の一つには、日本政府の「関与せず」というスタンスがある。政府に頼れないから、民間の人たちがこういうふうに一生懸命やるわけです。それぞれのルートがトルコまで行って独自に調査をやっています。
 そして、私が知っている3人のヌスラ戦線と話が付けられるジャーナリストの動きは封じられています。
 もし、トルコへの入国禁止を日本政府が要請しているとすれば、「関与せず」だけではなくて救出活動を邪魔することになっている。そもそもジャーナリストが武装集団に拉致された場合、どこの国もなんらかの形で政府が乗り出すものなんです。ところが、日本はそうなっていない。それどころか政府は、危ないところにいくジャーナリストは「蛮勇だ」などと言ってバッシングに加担する。このような日本特有の事情要因があって、今回の状況は起きているんだと思います。
 とはいえ、日本政府が出て来ればかえって話がごちゃごちゃになるかもしれない。それが1年前の後藤健二さんの時の教訓でもありますので、私たちとしても動きがとれません。今はとにかく情報を集めようとしている状況です。
 ただ12月10日の段階では少なくとも安田さんはまだ大丈夫だということがわかっています。これから、新たな段階でみなさんにご協力をお願いすることがあるかもしれない。その時はよろしくお願いします。
 最後に、なぜ戦場に行かなければならないのかというきょうのシンポのテーマについて安田さんは先ほど紹介した本にこう書いています。「戦後60年が過ぎ、戦争を知っている日本人が年々減っていく中で、現場を知る人間が増えることは、空論に踊らないためにも、社会にとって有意義だ」。つまり、戦争のリアリティーを知る人が少なくなる中で、戦争のリアルを知っている人間がいるっていうことは、戦争が空論として論じられないためにもいいんじゃないかというのです。今の日本の状況にぴったりの言葉だと思います。
 安田さんは非常に志のある有能な人だし、イラクでコックをやりながらアラビア語をマスターしていたので、拘束者との間に変な誤解が生じることはないと思います。必ず、無事で帰ってくると信じています。

(1月15日に都内で行われたシンポジウム「ジャーナリストはなぜ戦場へ行くのか」での発言を収録)

高世 仁[ジン・ネット代表]



安田純平さんが本誌に書いていた手記――新聞社を辞めて 戦場に行った理由

●編集部より

 ここに紹介するのは安田純平さんが本誌2003年8月号に書いた手記の一部だ。なぜこの手記の再録を考えたかというと、ちょうど今、マスコミ就活が始まっており、新聞記者を志望する学生が本誌を読む機会が多いからだ。
 安田さんは、信濃毎日新聞社に入社して記者として仕事をしていたが、イラク戦争を現場で取材したいという希望を拒否されたために、会社を辞めて戦場に足を運んだ。その時の経緯を書いたのがこの手記だ。
 今回、戦場で消息を絶ったことともそれは関わっているのだが、なぜ彼はそこまでして戦場に行きたいと考えたのか。また新聞社という組織ジャーナリズムとフリーランスの記者との違いは何なのか。

そうしたことをマスコミをめざす若い人たちにぜひ考えてほしい。それは同時に安田さんの今回の問題を考えることにもなる。
 ちょうど1年前、本誌の「後藤健二さんの死を悼み、戦争と報道について考える」というシンポジウム(2015年4月号に収録)で安田さんは、戦場取材の意味や危険性について語っていた。本誌は安田さんが一刻も早く無事に帰還することを祈るとともに、今回の事件を通して改めて、ジャーナリストが戦場に行くことの意味を考えてみたいと思う。
 そのためにかつての安田さんの手記を、編集部の判断で再録することにした。


なぜ信濃毎日新聞社を辞めたのか

   「イラクの戦争など長野県と関係ない。取り上げる必要もない。
    そうした取材はもういっさいさせない。休みで海外に行って
    記事を書く記者が多いが、今後は書かせない方針を決めた」

 2003年1月初め、ある編集幹部に「社としての方針」としてこう聞かされ、「もう辞めるしかないか」と心が動いた。
 私は2002年12月、先延ばしにしていた夏休みを使って約10日間、イラクを訪れていた。市民グループ「イラク国際市民調査団」に参加し、バグダッドや南部のバスラをまわり、91年の湾岸戦争以降も米軍が続けてきた空爆の被害者や、劣化ウラン弾の影響とみられるがん患者を取材。活気のある街の風景や、貧しいながらも元気よく生きるイラク人の表情、米国のイラク攻撃に反対する日本の若者の活動をカメラに収めた。帰国後、これについての記事を書こうとした矢先、強硬なストップがかかったのだ。
 米英両国が国連安全保障理事会に提出したイラク大量破壊兵器査察・廃棄決議案が11月初めに採択され、すでに査察が始まっていたが、このころの新聞やテレビは、いずれも査察の状況や各国の外交について述べるばかり。戦争が迫っている国の人々の表情などは、ほとんど見えてこない状態だった。
 大手メディアもイラクに入国できる人数が限られ、「本筋」の査察取材で手一杯。調査団は、参加者20人余のうち半数は全国紙やテレビ局などメディア関係者という奇妙な市民グループだったが、それは、なかなか見えてこないイラク市民の様子を伝える格好のチャンスだったからだ。
 私は、戦争が近づいているといわれている国の人々がどのような表情をして暮らしているのか、そうした場所にいるということがどういった心境なのかを知りたいと思った。また、そうした人々の声を伝えるのが記者の役割だと考えていた。91年の湾岸戦争のとき、高校生だった私は、テレビゲームのようだったバグダッドの映像を見て「あの下にも人が住んでいるのだな。それはどのような心境なのだろうか」と感じていた。それは、さまざまな人々の境遇に触れる事のできる記者を志した原点の一つでもあった。

帰国後の報告会もとがめられた

 戦争の機運が高まり、世界的に反戦世論が広がってきていたにもかかわらず、日本国内は動きが鈍く、新聞やテレビで扱われることはほとんどなかった。長野県内にはそういった動きがなく、イラクにゆかりのある人も見当たらなかったため、地方紙に必須の「県内とからめた」イラク関連の記事を書くのが困難だった。イラク行きを決めたのは、「それなら自分が行くことで関連づけてしまえ」と“安易な方向”に走った面もあった。県内関係者が行くのを待ち、土産話を取材する機会を捜すという方法をとれないほど好奇心が勝っていた。
 記事には出来なかったが、共感してくれた県内有志が帰国後に報告会を開いてくれた。「長野県に住む自分たちとは関係ない」などと思っていない県民がこの時期からたくさんいた。身近な人を取り上げることで読者が親近感を持つという地方紙としての考え方はあってもいいし、逆に、記者が自ら体験しても親近感を持ってくれるものだという側面も感じた。
 しかし、これもとがめられた。あくまで個人的に話をしたのだが、就業規則に引っかかるらしく、「会社の名を語った」とされた。見てきたものを伝える、その方法をことごとく封じられた。
 なぜ会社がそこまで強硬だったのかは分らない。ただ、12月に行く前に「取材で行きたい」と申請したが「危険だからだめ」とにべもなく却下されていた。さらに、「休みであっても何かあれば会社の名前が出る。休みは強制できないが、行かないでほしい」という会社側の意向に辟易し、強行したことが溝をつくってしまったかもしれない。


イラク市民の側の現場に身を置くしかない

 私は2002年3月、やはり休暇を使ってアフガニスタンを取材した。「9・11」のテロ事件から始まった米国の「対テロ戦争」と、追随する日本政府の方針に疑問を感じていたからだ。同時に、それまで知らなかったアフガン民衆の困窮も知った。アフガン攻撃をきっかけに、経済のグローバル化による貧富の差の拡大が広く認識されるようになったが、「貧」の側にいる人々の存在と、「富」の側にある日本の中で比較的「貧」である地方の暮らしを考えることは、自分の中で新しい視点につながっていくのではないかと思った。地方で記者をしながら、休みを使って紛争地帯・貧困地域に行こうと考えたのはそのためだ。しかし、そもそも大した日数はつぎ込めないのに記事を書けないのならば、その意味は半減する。
 編集幹部は「イラクの話などに力を入れては読者にしかられてしまう」と言った。しかし、戦争が始まれば、紙面は戦争の記事で埋まることは分かっていた。帰国後に読んでみると、県内の市民数人に意見を聞き、攻撃反対の世論があることを紹介する記事が書かれ、各地で始まったデモや集会の紹介も手厚くなっていた。通信社からの配信を多数使い、米英側、イラク側の発表を織り交ぜていた。バグダッドにいた日本人に電話取材もしていた。識者へのインタビューも頻繁に行っている。朝日新聞なども似た内容だ。
 せめて戦争が始まる前に、この程度でも力を入れることはできないものかと思う。後から検証することは大事だが、始まってしまえば人々が傷つき殺される。この段階で反戦の論調を打ち出しても基本的に手遅れである。
 また、月並みな感想だが、どのメディアも、イラク市民の様子はいまいち伝わってこない。息遣いや生生しさを感じない。爆撃に対する恐怖も覚えない。戦況を伝えることは重要だが、あくまで基礎情報であって、それによって市民に何が起こっているのかを伝えるのが報道の使命のはずだ。そのためにはイラク市民の側の現場に身を置くしかない。
 1月の段階で、メディア情報にはこうした最も重要なはずの部分が欠落することは予想がついていて、歯がゆい気持ちで日本でそれを見ることになるのはつらいと思った。アフガン攻撃でも、現場がどうなっているのかが見えてこず、焦燥感でいっぱいだったからだ。戦前にイラクに行っていながら記事にすることができなかった苛立ちと失望の中で、そうした情報に晒されるのは我慢できないだろうと思い至った。
 戦争中に私がバグダットなどで訪れた病院は、血と膿と消毒液の混ざった生臭いにおいが充満し、路上に放置された民間人の遺体は強烈な腐臭を放っていた。空爆跡地は血だまりも残り、騒然とした空気が漂っていた。人々が発する怒りや嘆きも感じた。一方で、戦争のさなかにも人々は笑い、何気ない暮しをしていた。そうしたメディアからでは得られないものを全身で感じ、戦争とは何かを叩き込みたかったがため、私は現場へ向かうことを選んだ。そして、もちろん現場で取材できることの限界にもぶつかった。それらはフリーにならなければできないことだった。


組織ジャーナリストとフリーランスの違い

 それにしても、膨大な情報の中から取捨選択して新聞を作っていることは周知の事実なのに、多くのメディアが「公明正大」「客観」と言う言葉を未だに使いたがるのはこっけいだ。組織ジャーナリズムの中にいるかぎり、記者は取捨選択に組み込まれる。バグダット陥落後に入って来たある全国紙の記者は、悔しそうにしながら「会社の論調に合わない記事はボツになる。悩んでいる同僚は多い」と話していた。記者たちがそうした悩みを抱えながら取材をしていることを、読む側も知っていてもいいと思う。
 自分自身の状況判断と責任で行動を取れるかどうかが、組織ジャーナリストとの違いだ。フリーになって初仕事という意味では、開戦前後の葛藤はイラク戦争取材の中でも充実感の残った部分だ。組織の命令で動くならば、諦めもつくし、文句を言って気を紛らわすことも出来る。理不尽であると同時に、気楽な面もあったのだなと感じた。
 組織から「危険だから行ってはいけない」という指示を受けることがあることは、私も何度も経験している。それが記者の声明を心配してのことと言うよりも、家族からの賠償請求など会社の責任を気にしてのことだということもよく言われる。しかし、私は「休みで行くので自己責任だ」と主張したが、会社は納得しなかった。あるブロック紙のカメラマンは、「家族が賠償を請求しないという文書を出すからイラクに行かせてほしい」と会社と交渉したが受け入れられなかったという。「何かあったら会社の名前に傷がつく」ことを恐れているようだ。私などは「紛争地がらみで会社名が出ればハクがつくだろうに」と思ったものだが、そう簡単なものではないらしい。
 戦争中の3月末、通信施設が壊滅して連絡手段がいっさい途絶え、私を含む日本人の安否確認ができなくなり、ある通信社は死亡記事を用意していたらしい。私の記事を作るうえで、信濃毎日新聞のある幹部に取材をしたようだが、その幹部は私の行動で会社が取材されたことに激怒していた、という話を耳にした。何も迷惑をかけたつもりはないが、何かあれば当然、経歴とともにマスコミに出ることになるだろうし、あることないこと書くところも出てくるだろう。「何も起こらないのが一番」と考えるのも無理はない。恐らくどんな会社にいてもそうした反応をするはずだ。しかし、それが取材活動を制限することになるならば、その守りたい「名」とは何かと思わざるを得ない

安田純平『創』2003年8月号)
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●安田純平さんの無事な解放を祈る…「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか」?

2016年03月18日 00時00分34秒 | Weblog


THE HUFFINGTON POSTの記事【安田純平さん名乗る男性の動画を公開 ヌスラ戦線が拘束か(発言全文)】(http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/16/junpei-yasuda-movie_n_9482008.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001)。

 《安田純平さん(42)と名乗る男性の動画が3月16日、Facebook上に投稿された》。

 とにかく、安田純平さんの無事な解放を祈っている。少なくとも昨年の12月22日以降、アベ様ら、あるいは、政府は何らかの手を打って下さっているものと強く信じる。《政府にとって日本人の安全確保は重大な責務》。

   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)
   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)
   『●「自己責任」を叫ばれた人の立場

   『●「自己責任」バッシングと
     映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』
   『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
                     伝えようとした人が現場にいたからです」

     《イラクでは2004年4月にボランティア活動家の高遠菜穂子さんら
      3人と、取材中だったフリージャーナリストの安田純平さんら2人が
      相次いで誘拐された事件が起きている。高遠さんらを誘拐した
      犯人グループは自衛隊のイラクからの撤退を要求した。政府は
      応じなかったが、5人とも4月中に解放された》
     《2012年、シリアで内戦を取材中に銃撃戦に巻き込まれて
      亡くなったジャーナリストの山本美香さん(当時45)のパートナー。
      後藤さんと面識はないが、撮影した映像を見たことがある。
      紛争の最前線から一歩引いたところで、市民、特に子どもたちが
      置かれた状況を淡々と取材する姿勢が伝わってきた。
      「強い意志を持って、何かを伝えようという気概に敬服する」》
     《独立系通信社ジャパンプレスの代表を務め、山本さんを失った後も
      アフガニスタンなどの取材を続けている。「なんであんな危険な場所に
      行くのか」と問われる。今回の事件でもインターネット上などでは
      自己責任論が飛び交う。「ではなぜ読者や視聴者はシリアが
      危険だと知っているのか。伝えようとした人が現場にいたからです」》
     《危険な思いをしても戦地に行くのはなぜか。原点はアフガニスタンでの
      体験だという。「血も涙もない集団」と報じられていた反政府勢力
      タリバーンだったが、支配下の街は平穏だった。「イスラム国」でも、
      宗教指導者は温厚な人柄で「空腹ではないか」などと気遣ってくれた。
      「ネットで得た情報ではなく、
      自分で話をして、身を置かないとわからない」という》

 過去に「拘束」された経験があるから何だというのでしょうか? 優れたジャーナリストが細心の注意を払っても、拉致される現地の酷い状況、その証左だ。松沢呉一さんに言わせれば、「こういう人たちに「自業自得」なんて言葉を投げつけるのなら、命がけでビデオを回し、写真を撮り、記事を書いている人たちに失礼だから、二度とニュースや雑誌を見なさんな」だ。
 自己責任論者・自業自得論者が何を言おうとも、ブログ主は、安田純平さんの仕事を高く評価している。


   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配: 
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・
   『●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が
       安田純平さんについての記事・声明を公開……

 天木直人氏のブログの記事【安倍政権がその気になれば安田純平さんは救える】(http://xn--gmq27weklgmp.com/2016/03/17/post-4127/)によると…、

   「間違いなく安田純平さんだ。生存していたのだ。
    そしてもはや生きて帰れない状況で拘束されている事を
    ほのめかすメッセージをしゃべらされていた。衝撃的な動画だ。
    これまでひた隠しにしてきた安倍政権も、これで再びテロと
    向き合わなくてはならなくなった。…すべては交渉次第だ。
    …民間人の協力も得て、あらゆる手段を尽くすことだ
    ただでさえまともな外交が出来ていない安倍政権と外務省だ。
    それぐらいは知恵をだせという話だ。安倍政権と外務省は、
    国民監視に中で、大きな試練に立たせられたのである」


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http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/16/junpei-yasuda-movie_n_9482008.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001

安田純平さん名乗る男性の動画を公開 ヌスラ戦線が拘束か(発言全文)
The Huffington Post  |  執筆者: HuffPost Newsroom
投稿日: 2016年03月17日 08時02分 JST 更新: 1時間前

2015年6月に内戦下のシリアに入国した後、行方不明になったとみられるフリージャーナリストの安田純平さん(42)と名乗る男性の動画が3月16日、Facebook上に投稿された。男性は、家族への思いを語った後、日本政府を念頭に対応を求めるような発言をした。毎日新聞などが報じた。

男性は「Hello, I am Junpei Yasuda.(こんにちは、私は安田純平です)」と名乗った上で、英語で「今日は3月16日は私の誕生日で、彼らから『メッセージを送っていい』と言われた」などと語った。確認できた映像の長さは約1分7秒の長さで、男性は、机の上に置いた紙を見ながら、紙に書かれているとみられる文章を読む形で話している。

男性が語った内容の日本語訳は以下の通り。


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こんにちは。私はジュンペイ・ヤスダです。そして、今日は私の誕生日、3月16日です。

彼ら(拘束しているグループとみられる)が、話したいと思うことを話していいと言い、これ(映像)を通して、誰にでもメッセージを送れると言いました。

私の妻、父、母、兄弟、愛しています。いつもあなたたちのことを考えています。あなたたちとハグし、話したいです。でも、もうできません。ただ、気をつけてと言うしかできません。

私の42年の人生はおおむね良いものでした。とくに、この8年間はとても楽しかったです。

私の国に何かを言わなければなりません。痛みで苦しみながら暗い部屋に座っている間、誰も反応しない。誰も気にとめていない。気づかれもしない。存在せず、誰も世話をしない。

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■ヌスラ戦線が拘束か

NHKニュースによると、映像を公開したシリア人の男性は「安田さんはアルカイダ系の武装組織ヌスラ戦線に拘束されており、映像は解放に向けた仲介役を務めている人物から16日に入手した」と話したうえで、映像がどこでどのような状況で撮影されたのかについては「分からない」と語ったという。共同通信によると、ヌスラ戦線は日本側に身代金を要求する姿勢だという。

岸田文雄・外務大臣は午前7時ごろ外務省で記者団に対し、「映像は承知しており、その映像の分析を行っているところだ。政府にとって日本人の安全確保は重大な責務であり、情報網を駆使して対応している」とコメントした。


■ フリージャーナリスト・安田純平さん

安田さんは埼玉県出身、一橋大学卒。1997年に信濃毎日新聞記者となり、2003年1月に退職してフリージャーナリストに転身した。2004年、外務省の退避勧告が出ているイラクで取材中に武装勢力に拘束され、3日後に解放された。その際には「自己責任」と批判的な声も出たが、その後も何度もイラクやシリアを取材してきた。著書に「囚われのイラク」(現代人文社)などがある。

安田さんは2015年6月、シリア内戦を取材するためトルコからシリア北西部に越境。しかし、予定していた7月を過ぎても帰国していなかった。

国境なき記者団が12月に得た情報によると、安田さんは7月前半にシリア入国直後、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」支配地域で拉致され、現在も拘束されているという。過激派組織IS(イスラム国)に殺害映像が公開された国際ジャーナリストの後藤健二さんに関する取材などが目的だったとみられるという。
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コメント (4)
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●[声明が撤回されました]「国境なき記者団」が安田純平さんについての記事・声明を公開……

2015年12月25日 00時00分24秒 | Weblog


「国境なき記者団」が以下の声明を撤回しました。2015年12月29日夜。


●「国境なき記者団」が安田純平さんについての記事・声明を公開……ニッポン政府は何をしているのか?

国境なき記者団」の記事・声明【JAPANESE JOURNALIST IN DANGER, RSF CALLS FOR HIS IMMEDIATE RELEASE】(http://en.rsf.org/syria-japanese-journalist-in-danger-rsf-22-12-2015,48687.html)。

 《寺澤有 ‏@Yu_TERASAWA 
   http://en.rsf.org/syria-japanese-journalist-in-danger-rsf-22-12-2015,48687.html
   ←安田純平クン @YASUDAjumpei に関する記事が
   国境なき記者団のホームページに掲載されました。》

 寺沢有さんのツイッターで知りました。安田純平さんについて「国境なき記者団」の声明が出ました。《…the Japanese government to do everything possible to obtain the release of Jumpei Yasuda…》。この間、この国の政府は一体何をしていたのだろう? 一切無視? 大変に心配だ……、何とかならないものか……。遅ればせながら、あるいは、形式的ながら?、スガ殿が……アサヒコムの記事【官房長官「情報網駆使、全力で対応」 安田さん拉致情報】(w.asahi.com/articles/ASHDS3QMWHDSULFA00G.html?iref=comtop_pickup_04)によると、《フリージャーナリスト安田純平さんが中東シリアで武装勢力に拉致されて身代金を要求されていると、国際NGO「国境なき記者団」が伝えたことについて、「邦人の安全確保は政府の重要な責務であるので、様々な情報網を駆使して全力でいま対応に努めている」と述べた》そうです。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●安田純平さんの安否が大変に心配:
     官邸は一体何をしているのか? 後藤健二さんの対応と同じ過ち・・・

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http://en.rsf.org/syria-japanese-journalist-in-danger-rsf-22-12-2015,48687.html

JAPANESE JOURNALIST IN DANGER, RSF CALLS FOR HIS IMMEDIATE RELEASE
PUBLISHED ON TUESDAY 22 DECEMBER 2015.


Reporters Without Borders (RSF) calls on the Japanese government to do everything possible to obtain the release of Jumpei Yasuda, a Japanese freelance journalist who was kidnapped in Syria in July and who is still being held hostage by an armed group.

According to the information obtained yesterday by RSF, those holding Yasuda have started a countdown for the payment of a ransom, failing which they are threatening to execute him or sell him to another terrorist group.

Yasuda was kidnapped by an armed group in an area controlled by the Al-Nusra Front a few hours after crossing the border into Syria in early July. The stories he had wanted to cover included Islamic State’s execution of his friend and fellow Japanese journalist Kenji Goto in January.

RSF urges the Japanese government to act quickly. According to their obligations under international law – the Geneva Conventions and their additional protocols, UN Security Council Resolution 1738 on the safety of journalists (adopted in 2006) and a UN General Assembly resolution in 2013 – governments are responsible for the safety of journalists and must take active measures to protect and free them.

“We are very concerned about Jumpei Yasuda’s fate and we call on the Japanese government to do what is needed to save this journalist,” said Benjamin Ismaïl, the head of RSF’s Asia-Pacific desk. “We also urge all parties to this conflict to respect the media’s work and to stop taking journalists hostage for political or financial purposes.”

A total of 54 journalists are currently held hostage worldwide, 26 of them in Syria. The world’s most dangerous country for media personnel, Syria is ranked 177th out of 180 countries in the 2015 Reporters Without Borders press freedom index.
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