綿井健陽さんの「綿井健陽の逆視逆考PRESS」の記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-04-24)から。中身は忘れてしまったけれども、鎌田慧さんのこの「ぼくが世の中に学んだこと」(岩波現代文庫)は学生の頃に読んで、書棚のどこかにしまってあるはず。綿井さんの口から鎌田さんの名前が出てくるというのは意外な感じ。
「いまや勝手に取材するとお縄を頂戴する時代」だし、フリーの記者は記者会見にも入れてもらえないですし。
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【http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-04-24】
「今日の出会いに感謝」
▼共同通信から全国の加盟新聞社に配信予定(4月25日)
書評「読んでくれますか?」 新しい場所での生活と生き方に不安を感じた方へ
鎌田慧著「ぼくが世の中に学んだこと」(岩波現代文庫)
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/60/1/6031660.html
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「立入禁止」前日(4月21日午後2時)に撮影した看板。福島第一原発・正門から2キロほどの大熊町で。
3月下旬に宮城県の被災地を一緒に回った共同通信・文化部の多比良さんから、書評シリーズ「読んでくれますか?」の原稿依頼があったので、思い入れ深い本を一冊選んで福島県いわき市まで持ってきた。鎌田慧さんは日本の原発を徹底取材したルポライターだが、鎌田さんは以前に「立入禁止区域」の取材で書類送検されたことがある(後に不起訴)。91年の雲仙普賢岳取材のときだ。
ちくま文庫の方での『ぼくが世の中に学んだこと』の解説を故・灰谷健次郎さんが寄せているが、現在の原発取材状況を“予言”しているので少し紹介したい。鎌田さんは当時このように書いていたという。
「もしも原発で事故が発生したときどうなるか、と突然のように思いたった。いったん立ち入り禁止区域に指定されたなら、なかの様子はもう報道できなくなる。それが『禁止区域』にはいろうと思った動機のひとつである。報道規制にそのまま従っていてはなにも明らかにならない、という想いがあった(後略)」
「『災害対策基本法』は、国民の生命、身体及び財産を災害から守り、公共の福祉の確保に資することを目的にしているものであって、被災状況を伝え、その対策を要望する報道を規制するものとは考えられない」
そして灰谷さんは最後にこう付け加えた。
「ここで愉快なことがおこる。鎌田さんの不起訴を、島原の被災者組織の代表者が、次のように述べた。
『私たち避難住民は警戒区域内の情報が欲しかった。だが行政はそれをせず、フライデーの記事を見て、初めて被害の実態を知ることができた。それを成し遂げた鎌田さんらが起訴されなかったことは当然だと思う』」
鎌田さんは別の本でもこう書いている。章の題は「大本営発表、バンザーイ」だ。
「挙げ句の果てにわたしは、立ち入り禁止区域の『無許可報道』とのことで、長崎県警から書類送検されるトバッチリを受けた。いまや勝手に取材するとお縄を頂戴する時代である(後略)」(『書くこと 生きること』日本エディタースクール出版部)
20年前の出来事から何を学ぶべきなのか。今こそ「報道の自由」と「知る権利」の出番である。ここで使わなければ、いつ使う自由と権利なのかと思う。津波被害のテレビ映像・新聞写真・雑誌掲載写真には、「これはかなわん」と何度も圧倒されたが、原発情報に関しては雑誌媒体、特に週刊現代やフライデーが毎週抜きん出ている。「様々なメディアが多種多様な報道を自由にできること」は社会の根幹だとあらためて実感する。
さて私はどうしようかな。警察に捕まるのは嫌だし、できればこっそり入って、さくっと外に出てきたい。周りの人たちも警戒区域内の取材を検討中のようだが、誰が罰則規定の第1号になるだろうか。それが“勲章”となるか、他メディアから例によって“自己責任論非難”されるかも社会の尺度になりそうだ。警戒区域の罰則は「10万円以下の罰金または拘留の罰則を適用される可能性がある」というが、いま現金で手持ちが7万円ぐらいやから、その場では支払うのは無理なので、クレジットカードでもいけますかね?拘留は一泊二日の2食付きだろうか。いや素泊まりかな。警戒区域内でもし警察の人に会ったら、写真の看板のようにシュールな“御礼”を言ってみたいが……。
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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai
映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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