阿部ブログ

日々思うこと

インド軍の国境周辺事態への対応~空輸能力の強化~

2013年08月22日 | 雑感
現在、インドと中国の両国にて国境協力合意の草案を相互に送って内容を検討中である。これは昨年10月にシン首相が訪中した際に国境協力合意協定の締結についいての合意に基づくもの。しかし、この協定を締結しても早晩中国が間接的影響力をネパールやブータン、パキスタンなど行使して、形骸化するだろう。
インド側はこれを折り込み済み。
過去ブログにも書いているように着々と国境地帯の防衛力強化に向けて着実に地歩を固めている。
中印国境地帯「マクマホン・ライン」 と「 カシミール国境」
そぞろ中印国境が緊張状態に~インド山岳戦闘部隊創設~

インド空軍 (IAF : Indian Air Force) は、中印国境紛争時(1962年~1965年)に運用していた世界で一番標高(5065m)の高い飛行場Aksai ChinのDaulat Beg Oldie の運用を再開した。8月20日、Hindon空軍基地から飛来したC-130J-30が着陸した。これ以前には2008年にアントノフ32が43年振りに着陸している。中国との国境紛争激化を見据えて慎重ながら、準備を怠らない。Hindon空軍基地にはC-130J-30が6機配備されているが、更に空輸能力を高める為、ボーイングからC-17Aを約41億ドルで購入し、今年6月11日に初号機が同空軍基地に到着済み。2013年中に初号機を含め5機、翌2014年に5機の納入を受け、合計10機での運用となる。インド空軍は、米空軍以外では最大のC-17Aカスタマーとなる。大型輸送機から構成される空輸力の向上は、即国境地帯への迅速な兵力投射を可能とし、第一線への後方兵站能力も向上する。これは手堅いやり方だ。

インド軍の国境周辺事態対処で変わった所では、インド軍のDRDO (Defence Research and Development Organisation) が、米DARPA並に革新的な技術開発を行っている。それはヒマラヤ高地や極低温環境など人間の生存にとって極めて厳しい過酷な環境で戦闘を行えるロボット兵器を開発中とのこと。このロボット兵器は、国境協力協定に係わる中国との実効境界線 (LoC : Line of Control) での運用を当然ながら想定されているものだ。

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